TOTO
TOTO LTD.
最終更新日: 2026年3月22日
水まわりから暮らしを変える、衛生陶器国内トップの100年企業
TOTOは「きれいで快適・健康な暮らし」と「社会・地球環境への貢献」を両立させ、世界中にTOTOファンを増やしていく。
この会社ってなに?
TOTOの製品は日常生活に深く根付いています。自宅や商業施設のトイレで使われる「ウォシュレット」、浴室の「ほっカラリ床」、キッチンの水栓金具など、水回りのあらゆる場面でTOTO製品に触れています。国内のトイレ市場では圧倒的なシェアを持ち、日本の快適なトイレ文化を世界に広げる存在です。最近では半導体製造に欠かせないセラミック部品の供給でも存在感を高めており、デジタル社会のインフラを陰で支えています。
TOTOは「ウォシュレット」に代表される衛生陶器・水回り住設機器の国内最大手です。FY2025/3は売上高7,244億円(前期比+3.2%)・営業利益484億円(+13.4%)と増収増益を達成しましたが、純利益は121億円と投資有価証券評価損等の特殊要因で大幅減益となりました。FY2026/3は売上高7,535億円・営業利益525億円・純利益310億円と営業増益・純利益回復を見込んでいます。海外では米国での新工場稼働やアジア市場の拡大を進め、半導体製造装置向けセラミック部品が高利益率の新たな収益柱として急成長しています。長期経営計画「TOTO WILL2030」のもと、国内リフォーム需要の取り込みとグローバル展開を加速しています。
会社概要
- 業種
- ガラス・土石製品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 北九州市小倉北区中島2-1-1
- 公式
- jp.toto.com
社長プロフィール
TOTOは「きれいと快適・健康な暮らし」を実現する企業として、水まわりの技術革新を通じて社会に貢献してまいります。半導体部材という新たな事業領域でも、セラミック焼成技術という創業以来のコア技術を活かし、次の100年の成長基盤を築いていきます。
この会社のストーリー
北九州市で創業。日本初の腰掛式水洗便器を開発し、日本のトイレ文化の近代化に貢献しました。
戦後の住宅建設ブームに合わせて衛生陶器の生産を拡大し、日本の近代的な住環境整備を支えました。
温水洗浄便座「ウォシュレット」を発売し、日本のトイレ文化を一変させました。その後、世界に誇る日本の「快適トイレ」の象徴となりました。
グローバルブランドとしての認知度向上を目指し、東陶機器からTOTOへ社名を変更しました。
北米市場でのウォシュレット普及に本腰を入れ、ジョージア州に新工場を建設するなどグローバル戦略を加速しました。
衛生陶器のセラミック焼成技術を応用した半導体製造装置向け部品が利益率40%の高収益事業に成長し、新たな成長エンジンとして注目を集めています。
「TOTO WILL2030」を推進し、海外売上比率40%とカーボンニュートラルの実現を目指す新たな経営体制への移行を進めています。
注目ポイント
国内トイレ市場で圧倒的なシェアを誇り、「ウォシュレット」は温水洗浄便座の代名詞となっています。日本が世界に誇る快適トイレ文化の立役者です。
衛生陶器で培ったセラミック焼成技術を半導体製造装置向けに応用し、利益率40%の高収益事業に育成。トイレメーカーから半導体関連企業への変貌が進んでいます。
1917年の創業から100年以上にわたりセラミック技術を磨き続け、住設から半導体まで応用範囲を広げる技術力の厚みが最大の強みです。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2017/3 | 68円 | 34.0% |
| FY2018/3 | 72円 | 33.1% |
| FY2019/3 | 90円 | 47.1% |
| FY2020/3 | 90円 | 64.6% |
| FY2021/3 | 70円 | 43.6% |
| FY2022/3 | 95円 | 40.1% |
| FY2023/3 | 100円 | 43.5% |
| FY2024/3 | 100円 | 45.6% |
| FY2025/3 | 100円 | 139.4% |
| 必要株数 | 100株以上(約57万円) |
| 金額相当 | 約1,000円相当 |
| 権利確定月 | 3月 |
配当はFY2021/3の70円からFY2023/3に100円へ増配し、以降3期連続で100円を維持しています。FY2025/3は純利益の急減により配当性向が139%と一時的に高水準となりましたが、減配は回避しました。株主優待として100株以上の株主にカタログギフト(地球環境保全・被災地支援・TOTO商品から選択)を贈呈しています。
同業比較(収益性)
ガラス・土石製品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
TOTOはFY2021/3の売上高5,809億円からFY2025/3には7,244億円へと堅調に成長してきました。営業利益はFY2022/3の521億円をピークに一時低下しましたが、FY2025/3は484億円(+13.4%)と回復基調です。FY2025/3の純利益121億円への急減は投資有価証券評価損等の一時的要因によるもので、FY2026/3は純利益310億円への回復を見込んでいます。海外事業と半導体部材事業の拡大が今後の成長ドライバーとなります。
事業ごとの売上・利益
トイレ・浴室・洗面台・キッチン等の水回り住宅設備機器。国内の新築・リフォーム市場向けに衛生陶器や水栓金具を販売する主力セグメント。
米国・中国・アジアを中心にウォシュレットや衛生陶器を展開。米国での新工場稼働により北米事業が拡大中。中国市場は不動産市況の影響を受け苦戦。
半導体製造装置向けセラミック部品(静電チャック等)が急成長中。衛生陶器で培ったセラミック焼成技術を応用し、利益率40%の高収益事業に成長。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 9.3% | 4.2% | - |
| FY2022/3 | 13.3% | 6.3% | - |
| FY2023/3 | 8.1% | 5.3% | - |
| FY2024/3 | 9.3% | 4.7% | 6.1% |
| FY2025/3 | 9.5% | 1.5% | 6.7% |
ROEはFY2022/3の9.7%をピークに低下傾向にあり、FY2025/3は純利益の一時的急減により2.3%まで落ち込みました。ただし営業利益率は6.7%と前期の6.1%から改善しており、本業の収益力は回復基調にあります。FY2026/3は純利益310億円への回復によりROEの正常化が期待されます。
財務は安全?
総資産はFY2021/3の6,476億円からFY2025/3には8,139億円へ着実に拡大しています。自己資本比率は56%から64%へと改善を続けており、財務健全性は高水準です。FY2024/3以降は成長投資に伴い有利子負債が約1,900億円に増加していますが、BPSは3,077円と過去最高を更新し、純資産の積み上がりが安定した経営基盤を支えています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 596億円 | -426億円 | 227億円 | 169億円 |
| FY2022/3 | 494億円 | -319億円 | -758億円 | 175億円 |
| FY2023/3 | 316億円 | -353億円 | 87.8億円 | -36.9億円 |
| FY2024/3 | 763億円 | -538億円 | -190億円 | 225億円 |
| FY2025/3 | 714億円 | -384億円 | -190億円 | 330億円 |
営業CFはFY2023/3の315億円を底にFY2024/3は763億円、FY2025/3は713億円と安定的なキャッシュ創出力を回復しています。FY2023/3にはFCFがマイナスとなりましたが、FY2025/3にはFCF329億円と過去5年で最高水準を記録しました。設備投資は年間400〜500億円規模で、海外新工場建設や半導体部材の生産能力増強に充てられています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 410億円 | 141億円 | 34.3% |
| FY2022/3 | 569億円 | 167億円 | 29.4% |
| FY2023/3 | 548億円 | 158億円 | 28.9% |
| FY2024/3 | 515億円 | 143億円 | 27.8% |
| FY2025/3 | 504億円 | 382億円 | 75.8% |
税引前利益は4期にわたり500億円前後で安定推移していますが、FY2025/3は実効税率が75.8%と異常値を示しています。これは投資有価証券評価損等の特殊要因により税額が膨らんだためで、FY2026/3予想では41.0%への正常化が見込まれています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 755万円 | 32,968人 | - |
FY2025/3の平均年収は約755万円で、ガラス・土石製品業界の中では上位水準に位置しています。連結従業員数は約33,000名で、平均年齢45.1歳・平均勤続年数18.8年と長期雇用の文化が根付いた安定した組織です。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主はTOTO持株会氏・明治安田生命保険相互会社・日本生命保険相互会社。
信託銀行と生命保険会社が上位を占める安定的な株主構成です。筆頭株主の日本マスタートラスト信託銀行が約18.6%を保有し、明治安田生命・日本生命が合計約9.3%を占めるなど金融機関の持株比率が高い構造です。外国人持株比率は約23%で、TOTO持株会(約1.9%)の存在も従業員の会社へのコミットメントを示しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 国内住設事業 | 3,700億円 | 230億円 | 6.2% |
| 海外住設事業 | 1,900億円 | 100億円 | 5.3% |
| 新領域事業(セラミック等) | 1,600億円 | 200億円 | 12.5% |
TOTOは国内住設事業が売上の約5割を占める住宅設備の総合メーカーです。役員報酬総額は7億1,200万円(12名)と業界水準に沿った水準です。注目すべきは半導体部材を含む新領域事業で、利益率12.5%と全社平均を大きく上回り、今後の収益成長の牽引役として期待されています。英パリサー・キャピタルが株式を取得し半導体事業の情報開示強化を要請するなど、アクティビストの関心も集めています。
この会社のガバナンスは?
取締役14名中女性2名(比率14.0%)で、プライム市場の水準としてはやや改善の余地があります。連結子会社48社を擁し、年間507億円の設備投資でグローバル生産体制を拡充しています。平均勤続年数18.8年と長期雇用の文化が根付いており、安定した組織運営が特徴です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 7,380億円 | — | 7,022億円 | -4.8% |
| FY2025 | 7,500億円 | — | 7,244億円 | -3.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 530億円 | — | 427億円 | -19.3% |
| FY2025 | 480億円 | — | 484億円 | +1.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
「TOTO WILL2030」は2030年に向けて経済価値と社会的価値の両立を目指す長期計画です。売上高目標に対しては中国市場の低迷が影響し未達傾向ですが、営業利益はFY2025/3に回復を見せています。半導体部材事業の急成長と米国新工場の稼働が今後の計画達成に向けた追い風となります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
TOTOのTSRは直近5年間でFY2021の191%をピークに低下傾向が続き、FY2025は121.2%となっています。TOPIXの213.4%を大きく下回るアンダーパフォームとなっており、中国不動産市況の悪化や国内住宅着工の低迷が株価を押し下げた主因です。ただし2025年後半からは半導体部材事業への期待が株価回復の原動力となっています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 191.1万円 | +91.1万円 | 91.1% |
| FY2022 | 142.0万円 | +42.0万円 | 42.0% |
| FY2023 | 130.3万円 | +30.3万円 | 30.3% |
| FY2024 | 129.0万円 | +29.0万円 | 29.0% |
| FY2025 | 121.2万円 | +21.2万円 | 21.2% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER29.8倍・PBR1.86倍と業界平均を大きく上回るプレミアム評価で取引されています。これは半導体部材事業の高成長期待とブランド力に対する評価を反映しています。信用倍率は4.63倍と買い長の状態であり、半導体需要の動向と中国市場の回復が今後の株価の鍵を握ります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2025/3通期決算を発表。売上高7,244億円・営業利益484億円と増収増益で着地しましたが、純利益は特殊要因により大幅減となりました。
東洋経済が「TOTOの稼ぎ頭に半導体向け部品が急浮上」と報道。セラミック部品事業の利益率が40%に達し、新たな収益柱として注目されました。
取締役候補者および新経営体制への移行を発表。次期社長として田村信也氏が就任予定であることが明らかになりました。
最新ニュース
TOTO まとめ
ひとめ診断
衛生陶器国内最大手がリフォーム需要と半導体部材で成長、FY2026/3は営業増益・純利益回復を見込む
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「ガラス・土石製品」に分類される他の企業
電柱という絶対的インフラを握る首位企業が、業績の波と万年割安株からの脱却に挑む
カーボンブラック世界首位級、電炉用電極・半導体素材も展開する炭素製品の総合メーカー
鉄を溶かす高炉を守る“縁の下の力持ち”、高配当と株主還元で投資家にも熱い視線を送る老舗メーカー
日本の『家の顔』を作る外壁最大手、国内住宅市場の停滞と米国事業の再編という逆風に耐える正念場
ディスプレイ用ガラスとガラス繊維の世界的メーカー ── FY2025/12は営業利益5.6倍の急回復、中計EGP2028で売上4,000億円を目指す
創業100年の繊維の老舗が、AIデータセンターの心臓部を支える『特殊ガラス繊維』で世界を席巻中
セメント値上げ効果で業績回復、光電子・新材料で成長を模索する住友系素材メーカー
『食卓のノリタケ』から脱皮、半導体製造を支える研削・研磨技術で稼ぐBtoBテクノロジー企業