恵和
KEIWA Incorporated
最終更新日: 2026年3月27日
光を操る技術で、世界のディスプレイを進化させる高機能フィルムメーカー
独自のフィルム技術を通じて、人々の暮らしを豊かにする製品を提供し、持続可能な社会の実現に貢献します。
この会社ってなに?
あなたが毎日使うスマートフォンやタブレット、その画面がくっきり鮮やかに見えるのは、実は特殊なフィルムのおかげかもしれません。恵和は、そうしたディスプレイの光をコントロールして映像を美しく見せるための「光学フィルム」を開発・製造している会社です。普段何気なく見ているテレビやPCモニターの裏側で、恵和の高度な技術が画質を支えています。電子機器だけでなく、食品を新鮮に保つための包装材など、暮らしの様々な場面で同社の製品が活躍しています。
ディスプレイ向け光学フィルムを主力とする化学メーカー。FY2025は売上高204.7億円、営業利益42.86億円と前年度から減収減益で着地しましたが、FY2026は売上高232.3億円、営業利益44.03億円への回復を見込んでいます。不採算だった「地球の絆創膏事業」から撤退するなど事業ポートフォリオの最適化を進めており、今後は車載向けなどの高付加価値分野での成長が収益回復のカギとなります。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 12月
- 本社
- 東京都中央区日本橋茅場町2-10-5 住友生命茅場町ビル3階
- 公式
- www.keiwa.co.jp
社長プロフィール
私たちはお客様と直接向き合うマーケティングを重視し、価値ある情報を素早く製品開発に活かしています。独自の技術力で高付加価値な製品を創出し、グローバル市場での成長を通じて、社会の発展と株主様の期待に応えてまいります。
この会社のストーリー
長村秀太郎氏が神戸市で創業。産業資材の製造販売から事業をスタートさせ、ものづくりの礎を築く。
液晶ディスプレイに不可欠な光拡散フィルム「オパルス®」を開発。スマートフォンやタブレットの普及とともに事業を急拡大させる。
10月30日に新規株式公開(IPO)を果たす。公開価格770円に対し、初値は1,026円と市場の期待を集めての船出となった。
上場からわずか1年余りで東証一部(現プライム市場)へ市場変更。企業の成長性と信頼性が高く評価される。
業績拡大を背景に株価が一時6,740円を記録。光学フィルムの需要増を捉え、投資家からの注目が最高潮に達する。
新規事業として推進していたインフラ補修材事業からの撤退を決定。経営資源を主力の光学・機能製品事業に集中させる経営判断を下す。
「地球の絆創膏」事業撤退を受け、中期経営計画を見直し。主力事業のさらなる成長と収益性向上に注力する方針を明確にする。
中期経営計画にて、車載用途向けフィルムの売上高を2025年度の15.8億円から56.8億円へと大幅に拡大する目標を掲げ、未来の成長を牽引する。
注目ポイント
スマートフォンのディスプレイなどに使われる光拡散フィルム「オパルス®」が主力製品。私たちの快適なデジタルライフを、縁の下から支える高い技術力を持っています。
今後ますます需要が高まるEV(電気自動車)などの車載ディスプレイ向けフィルム事業を次の成長の柱に据えています。2028年には売上50億円超を目指す高い成長性に期待です。
安定的な配当を重視しており、DOE(自己資本配当率)4%を目安とした株主還元方針を掲げています。2025年12月期には増配を予定しており、株主への利益還元に積極的です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2019/3 | 5.2円 | 11.9% |
| FY2020/3 | 6.2円 | 14.5% |
| FY2021/3 | 12.5円 | 8.7% |
| FY2022/3 | 75円 | 29.7% |
| FY2023/3 | 25円 | 24.3% |
| FY2024/3 | 35円 | 24.2% |
| FY2025/3 | 40円 | 32.8% |
現在、株主優待制度は実施していません。
配当方針としてDOE4%および配当性向30%を目安とする安定的かつ成長連動型の還元を掲げています。業績の回復や利益成長に合わせて配当額を引き上げる姿勢を見せており、株主還元への意識は向上しています。優待制度は設けておらず、配当金による直接的な還元に注力しています。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
恵和の業績は、ディスプレイ向け光学フィルムの需要変動に大きく左右される構造です。FY2024/3には売上高211億円、当期純利益28億円を確保し、前年の低迷から回復を果たしました。直近のFY2025/3は「地球の絆創膏」事業からの撤退影響もあり減益となりましたが、FY2026/3予想では売上高232億円、純利益31億円と再び成長軌道を見込んでいます。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 22.8% | 8.9% | - |
| FY2022/3 | 26.3% | 16.6% | - |
| FY2023/3 | 8.6% | 6.8% | - |
| FY2024/3 | 15.9% | 8.7% | 22.4% |
| FY2025/3 | 7.5% | 7.3% | 20.9% |
収益性は非常に高い水準を維持しており、FY2022/3には営業利益率26.4%を記録するなど、技術優位性の高い高機能フィルム事業が収益を牽引しています。事業撤退や投資期には一時的にROE(自己資本利益率)やROA(総資産利益率)が低下するものの、基本的な収益構造は堅固です。今後は高付加価値製品へのさらなるシフトにより、利益率の安定化が図られる見通しです。
財務は安全?
財務健全性は極めて高く、自己資本比率はFY2025/3時点で77.1%に達しており、極めて強固な財務体質を構築しています。かつては実質無借金経営を行っていましたが、現在は戦略的な成長投資に伴い有利子負債を適正に活用する段階にあります。豊富なネットアセット(純資産)を背景に、成長投資と株主還元を両立できる資本効率が備わっています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 21.8億円 | -22.7億円 | 49.5億円 | -9,800万円 |
| FY2022/3 | 67.6億円 | -40.0億円 | -16.8億円 | 27.6億円 |
| FY2023/3 | 24.5億円 | -39.1億円 | -15.5億円 | -14.6億円 |
| FY2024/3 | 59.2億円 | -27.2億円 | -13.5億円 | 32.0億円 |
| FY2025/3 | 35.5億円 | -30.3億円 | -27.2億円 | 5.2億円 |
営業活動によるキャッシュフローは、主力製品の販売状況により変動するものの、FY2024/3には約59億円を創出するなど安定的な稼ぐ力を有しています。投資活動には継続的に数十億円規模を投じており、先端技術への設備投資や成長戦略に積極的です。財務キャッシュフローは借入金の返済や配当等によりマイナスとなる傾向があり、資金循環は極めて健全です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 34.7億円 | 9.0億円 | 25.9% |
| FY2022/3 | 62.0億円 | 13.4億円 | 21.6% |
| FY2023/3 | 27.6億円 | 7.7億円 | 28.1% |
| FY2024/3 | 52.1億円 | 24.2億円 | 46.4% |
| FY2025/3 | 42.4億円 | 19.7億円 | 46.5% |
法人税等の支払額は、税引前利益の変動に伴い連動しています。FY2024/3およびFY2025/3については、一時的な費用の発生や税務上の調整により実効税率が上昇しました。FY2026/3予想では約30.7%の水準に落ち着くと見込まれています。利益の拡大に合わせて適切に納税が行われており、税務上の大きな懸念は認められません。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 593万円 | 409人 | - |
従業員の平均年収は593万円で、製造業の中堅規模としては標準的な水準を維持しています。過去には650万円前後を推移していた時期もありましたが、近年の事業ポートフォリオの再編や業績見通しに伴うコスト管理が年収水準に反映されていると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
浮動株比率が高く、株式の流動性が高い反面、株価変動が大きくなりやすい傾向があります。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。
創業者である長村惠弌氏が38%の株式を保有する筆頭株主であり、創業家による強固な支配体制が継続しています。次いで信託銀行などの機関投資家が上位を占めており、安定株主の比率が高い一方で、流通株式比率や流動性には一定の制限がある構成となっています。
会社の公式開示情報
役員報酬
主な事業セグメントはディスプレイ用光学製品と機能製品で構成されていますが、「地球の絆創膏」事業からの撤退を決定するなど、経営資源の最適化を急いでいます。リスク要因としては、特定の得意先への依存度や原材料価格の変動、グローバル展開に伴う地政学的リスクが挙げられます。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は30.8%と高く、多様性を重視した経営体制を構築しています。監査報酬は4,200万円と企業規模に対して適切な水準を確保しており、監視機能が十分に働いていることが示唆されます。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2022 | 204億円 | — | 211億円 | +3.4% |
| FY2023 | 235億円 | — | 176億円 | -25.2% |
| FY2024 | 197億円 | — | 211億円 | +7.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2022 | 34億円 | — | 56億円 | +63.4% |
| FY2023 | 59億円 | — | 25億円 | -58.4% |
| FY2025 | 35億円 | — | 43億円 | +22.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
FY2025-28を対象とする新中期経営計画では、ROE15%以上、PBR1倍超を目標に掲げています。過去の業績予想は市況変動の影響を受けやすく、特にFY2023は大幅な未達となりました。不採算事業からの撤退を完了し、今後は計画の着実な実行による収益性の安定と成長が期待されます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
同社のTSR(株主総利回り)は、FY2023以降TOPIXを継続的に下回る「アンダーパフォーム」の状態が続いています。これは、FY2022をピークとした業績の落ち込みと、それに伴う株価の低迷が主な要因です。特にFY2023は、市場全体が好調だったにもかかわらず、大幅な減益が嫌気され、株価が伸び悩みました。今後は、新中期経営計画の達成による業績回復と、増配などの株主還元強化を通じて、TSRを改善し市場平均を上回ることが経営課題となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 284.7万円 | +184.7万円 | 184.7% |
| FY2022 | 150.7万円 | +50.7万円 | 50.7% |
| FY2023 | 127.2万円 | +27.2万円 | 27.2% |
| FY2024 | 104.5万円 | +4.5万円 | 4.5% |
| FY2025 | 131.6万円 | +31.6万円 | 31.6% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER7.4倍、PBR0.95倍と、化学セクターの平均と比較して割安感が見られます。配当利回りは3%を超えており、株主還元への意識も評価できます。一方、信用倍率は20.97倍と高水準で、将来の株価上昇を見込んだ個人投資家の買いが多い状況です。短期的な需給の緩みには注意が必要ですが、割安なバリュエーションは中長期的な投資魅力につながります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
新体制に向けた役員及び執行役員人事を公表し、経営の若返りと強化を図る。
期末配当の増額を決定し、株主還元姿勢の強化を明確にすることで市場から好感された。
不採算となった地球の絆創膏事業からの撤退を決定し、経営リソースを光学フィルム等の主力事業へ集中させる方針を示した。
最新ニュース
恵和 まとめ
ひとめ診断
「スマホやタブレットの『キレイな画面』を支える、ニッチトップの高機能フィルム技術者集団」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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