森六
MORIROKU COMPANY,LTD.
最終更新日: 2026年3月27日
360年以上の歴史を誇る、自動車部品メーカーと化学品商社の二刀流企業
化学を基盤としたメーカーと商社の両機能を活かし、変化を先取りした独創的な技術やサービスをグローバルに提供することで、豊かな社会づくりに貢献します。
この会社ってなに?
あなたが普段運転しているクルマ、特にホンダ車に乗っているなら、森六の製品に触れている可能性が非常に高いです。例えば、インパネ周りやドアの内張り、外側のバンパーといったプラスチック部品。これらの多くは、森六が長年培ってきた樹脂加工技術によって作られています。また、あなたが使っている化粧品や洗剤に含まれる化学原料も、森六が専門商社として国内外から調達し、メーカーに供給しているものかもしれません。普段の生活の裏側で、森六はクルマの快適性と身の回りの製品の品質を支えているのです。
自動車部品と化学品を主力とする森六は、FY2025に売上高1,461.7億円、営業利益41.35億円を計上した一方、関係会社整理損失により最終赤字78.14億円となりました。しかし、翌FY2026は最終黒字32億円への転換を予想しており、V字回復を目指しています。さらに、レゾナックから自動車成形部材事業を178億円で買収するなど、M&Aによる事業基盤強化を積極的に推進。PBR0.5倍台と割安感があり、今後の収益性改善と株価の見直しが期待される局面です。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都港区南青山1-1-1
- 公式
- www.moriroku.co.jp
社長プロフィール

1663年の創業以来、時代の変化に対応しながら事業を変革し、社会に貢献してきました。メーカーと商社という二つの機能を持つユニークな企業体として、これからも『アジリティ経営』を実践し、持続的な成長と新たな価値創造に挑戦し続けます。
この会社のストーリー
武蔵国(現在の埼玉県)で森田六郎兵衛が藍の製造販売を開始。360年以上の長い歴史が始まる。
化学品の専門商社として成長する中、新たにプラスチック成形事業を開始。メーカーとしての顔を持つきっかけとなる。
本田技研工業と取引を開始し、自動車部品事業が本格化。現在の事業の大きな柱へと成長していく。
米国オハイオ州に初の海外生産拠点を設立。これを皮切りにグローバル展開を加速させる。
持株会社体制へ移行し、森六ホールディングス株式会社(現:森六株式会社)が東証一部に上場。新たなステージへ。
レゾナック社から自動車成形部材事業を約178億円で買収。メーカー機能のさらなる強化と事業規模の拡大を図る。
新中期経営計画の最終年度。売上高の大幅な成長とROE6%以上を目標に掲げ、企業価値向上を目指す。
注目ポイント
自動車向け樹脂部品を製造するメーカー機能と、化学品を取り扱う商社機能を持つユニークな事業構造。2つの柱で安定した収益基盤を構築しています。
安定配当を基本方針としており、近年の配当は増配傾向にあります。株価はPBR1倍割れの水準で推移しており、株主価値向上への意識も高まっています。
2025年にレゾナック社から自動車部品事業を譲り受けるなど、M&Aを積極的に活用。事業規模を拡大し、持続的な成長を目指す姿勢が明確です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2018/3 | 90円 | 20.2% |
| FY2019/3 | 94円 | 25.4% |
| FY2020/3 | 94円 | 44.2% |
| FY2021/3 | 50円 | 220.5% |
| FY2022/3 | 94円 | 36.3% |
| FY2023/3 | 100円 | 115.8% |
| FY2024/3 | 100円 | 49.8% |
| FY2025/3 | 105円 | 0.4% |
現在、株主優待制度は実施していません。
森六は株主への還元を経営の重要課題と位置づけ、配当性向の目標を掲げながら安定的な配当維持に努める方針を採っています。業績が大きく変動する年でも可能な限り配当水準を維持する姿勢を見せており、長期的な信頼構築を重視しています。今後は持続的な成長を実現し、利益水準の向上に合わせて配当を還元していくことを目指しています。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
森六の業績は、自動車部品の製造と化学品の商社機能を両立させており、2025年3月期は関係会社整理損失による約78億円の純損失を計上したものの、主力の自動車向け樹脂部品事業は堅調に推移しました。2026年3月期には、一過性の損失が一巡することで、売上高1,370億円、純利益32億円への黒字転換を予想しています。今後は自動車成形部材事業の買収効果やグローバル展開の加速により、収益基盤のさらなる強化を図る方針です。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 8.0% | 0.3% | 1.5% |
| FY2022/3 | 16.1% | 3.1% | 2.2% |
| FY2023/3 | 10.5% | 1.0% | 1.9% |
| FY2024/3 | 4.5% | 2.2% | 1.8% |
| FY2025/3 | -15.3% | -6.3% | 2.0% |
当社の収益性は、自動車産業の生産動向や原材料価格の影響を受けやすく、営業利益率は過去数年間で2%〜4%前後と低水準で推移してきました。2025年3月期には純損失の影響によりROEがマイナス12.0%へと大きく悪化しましたが、事業構造の最適化による営業利益の確保が急務となっています。今後は、高付加価値製品へのシフトを通じて営業利益率の改善と安定的な収益性の確保を目指しています。
財務は安全?
財務健全性は、自己資本比率が50%台前半で安定しており、一定の耐性を維持しています。2024年3月期以降、有利子負債が約271億円から347億円規模へ増加していますが、これは事業拡大に向けた投資や設備増強に伴う資金調達が背景にあります。現預金と債務のバランスを適切に管理することで、長期的かつ安定的な経営基盤を維持する方針です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 96.9億円 | -52.6億円 | 16.3億円 | 44.3億円 |
| FY2022/3 | 34.3億円 | -11.4億円 | -28.2億円 | 22.9億円 |
| FY2023/3 | 95.0億円 | -53.1億円 | -53.1億円 | 41.8億円 |
| FY2024/3 | 148億円 | -66.3億円 | -72.2億円 | 81.3億円 |
| FY2025/3 | 93.5億円 | -37.5億円 | -64.1億円 | 56.0億円 |
営業活動によるキャッシュフローは、ホンダ向け自動車部品事業を中心とした安定した収益により概ねプラスで推移しています。2024年3月期にはフリーキャッシュフローが約81億円と過去数年で最大となり、強固な資金生成力を示しました。一方で、投資キャッシュフローはグローバル拠点への設備投資や事業買収のために継続的に支出されており、成長投資と株主還元を両立させる資金配分を行っています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 56.0億円 | 52.2億円 | 93.3% |
| FY2022/3 | 29.6億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 16.0億円 | 2.5億円 | 15.7% |
| FY2024/3 | 61.8億円 | 31.6億円 | 51.1% |
| FY2025/3 | 22.0億円 | 100億円 | 454.5% |
法人税等の支払額は、各期の純利益および税引前利益の変動に大きく依存しています。2025年3月期には関係会社整理に伴う損失で純利益が赤字となりましたが、会計上の税務処理により一時的に多額の法人税等が発生しました。今後は業績の回復に伴い、実効税率は一般的な法定税率の範囲内に収束する見込みです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 797万円 | 4,360人 | - |
従業員平均年収は797万円と、化学業界や製造業の平均水準と比較しても高い部類に入ります。創業360年を超える歴史と自動車部品メーカーとしての堅実な収益構造が、安定した高水準の待遇を支える基盤となっていると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は森六従業員持株会・本田技研工業・阿波銀行。
上位株主には信託銀行等の機関投資家が名を連ねており、安定的な保有構造が見て取れます。また、従業員持株会が上位3位にランクインしているほか、森家関連の個人株主やホンダとの取引を背景にした本田技研工業も主要株主となっており、長期的な視点を持つ安定株主が一定割合を占めているのが特徴です。
会社の公式開示情報
役員報酬
自動車向け樹脂部品製造のメーカー機能と、化学品専門商社としての商社機能を併せ持つ「2つの顔」が最大の特色です。直近ではレゾナックからのモビリティ事業譲受など、自動車成形部材分野での成長戦略を積極的に進めており、事業ポートフォリオの変革がリスク耐性と収益性の向上に寄与しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が22.2%と、上場企業平均と比較しても多様な視点を取り入れた経営体制を構築しています。監査等委員会設置会社として監視機能を強化しており、中堅規模ながらも持続的な成長とガバナンスの両立を目指す姿勢が統合報告書等からも窺えます。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,500億円 | — | 1,462億円 | -2.6% |
| FY2024 | 1,300億円 | — | 1,456億円 | +12.0% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 52億円 | — | 41億円 | -20.5% |
| FY2024 | 35億円 | — | 57億円 | +63.0% |
| FY2023 | 90億円 | — | 13億円 | -85.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
森六は「第14次中期経営計画」で、最終年度の2028年3月期にROE6%以上を目標に掲げています。しかし、前期(FY2025)は関係会社整理損失により大幅な最終赤字となり、ROEはマイナスに沈みました。過去の中計も目標未達に終わっており、業績予想の精度も不安定なため、計画達成力は現時点では疑問符がつきます。レゾナックからの事業買収を起爆剤に、目標達成に向けた収益性の抜本的な改善が急務です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、FY2021を除きTOPIXを一貫してアンダーパフォームしています。これは、同期間における株価の伸び悩みが主な要因です。高い配当利回りはTSRにプラスに寄与しているものの、自動車業界の構造変化や不安定な業績推移を背景に、市場全体の成長から取り残されている状況が続いています。株価パフォーマンスの改善がTSR向上の鍵となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 154.2万円 | +54.2万円 | 54.2% |
| FY2022 | 130.4万円 | +30.4万円 | 30.4% |
| FY2023 | 139.3万円 | +39.3万円 | 39.3% |
| FY2024 | 197.3万円 | +97.3万円 | 97.3% |
| FY2025 | 165.5万円 | +65.5万円 | 65.5% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
業界平均と比較してPER・PBRともに割安で、特にPBRは解散価値の1倍を大きく下回る0.57倍です。一方で配当利回りは4%を超え、業界平均よりかなり魅力的です。信用買い残は売り残の14倍以上と多いものの、株数自体は発行済株式数に対して限定的。市場からは成長性について厳しい評価を受けていますが、高い配当利回りが株価の下支え要因となっています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
レゾナックから自動車成形部材事業を178億円で譲受け、モビリティ事業の強化を決定。
資本効率の向上を目的として、発行済み株式総数の3.03%にあたる自己株式消却を実施。
2028年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定し、ROE6%以上の達成に向けた戦略を公表。
最新ニュース
森六 まとめ
ひとめ診断
「創業360年超の老舗が、自動車部品メーカーと化学品商社の『二刀流』でホンダ経済圏を支える企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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