ニッタ
Nitta Corporation
最終更新日: 2026年3月28日
130年以上の歴史を誇る、産業の未来を動かすベルトのパイオニア
ものづくりを核として、社会の変化に対応し新たな価値を創造する『シフトイノベーター』となること。
この会社ってなに?
あなたが銀行のATMでお金をおろすとき、お札を正確に送り出す内部のベルトは、ニッタが作っているかもしれません。また、スーパーのレジで見かけるベルトコンベアや、工場の生産ラインで製品を運ぶベルトも同社の得意分野です。普段は目に付きにくいですが、自動車のエンジンを動かす部品や、スマートフォンに使われる半導体の製造過程でも、ニッタの精密なチューブやフィルター技術が活躍しています。モノを『動かす・伝える』あらゆる場面の裏側で、130年以上の歴史を持つニッタの技術が社会を支えているのです。
産業用ベルトのパイオニアであるニッタは、祖業で培った技術を応用し多角化を進めるゴム製品メーカーです。2025年3月期は売上高902.8億円、営業利益51.55億円と増収増益を達成。続く2026年3月期も売上高920億円、営業利益53億円と成長を見込んでいます。PBRは0.81倍と1倍を割れており、資産価値に対して株価が割安な水準にある点が投資家の注目を集めています。
会社概要
- 業種
- ゴム製品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪府大阪市浪速区湊町2丁目1番57号
- 公式
- www.nittagroup.com
社長プロフィール

当社は中長期経営計画『SHIFT2030』を推進し、『ものづくりを核としたシフトイノベーター』への変革を目指しています。これまでの取り組みは主要KPIで順調に進捗しており、今後も既存事業の持続的成長と新事業の探索を加速させ、企業価値の向上に努めてまいります。
この会社のストーリー
新田長次郎が「新田帯革製造所」を創業。当時輸入に頼っていた伝動用革ベルトの国産化に成功し、日本の産業発展の礎を築いた。
戦後の産業構造の変化に対応し、伝動用革ベルトで培った技術を応用してゴム工業用品の製造を開始。事業の多角化を進める。
事業規模の拡大に伴い、東京証券取引所市場第二部に上場。社会的な信用を高め、さらなる成長への基盤を固めた。
工業用ゴム部品メーカーの浪華ゴム工業を買収。医療分野への本格的な展開を開始し、新たな成長領域への挑戦を加速させた。
2030年を見据えた中長期経営計画「SHIFT2030」を策定。『ものづくりを核としたシフトイノベーター』を目指し、全社的な変革を開始した。
独自開発のCNT複合化技術「Namd™」が航空宇宙品質マネジメントシステム「AS9100」認証を取得。最先端技術で新たな市場を開拓する。
北海道のチーズ工房NEEDSを子会社化。既存事業とのシナジーを追求しつつ、食品事業という新たな分野へ挑戦し、事業ポートフォリオを拡大する。
経済産業省と東京証券取引所が選定する「健康経営銘柄2026」に選出。従業員の健康を重視する企業姿勢が評価された。
注目ポイント
1885年に日本初の伝動用ベルトを開発して以来、産業界を支え続ける技術力の高さが魅力。安定した事業基盤を持ちながら、常に時代のニーズに応え進化しています。
近年、医療分野や食品分野など、積極的なM&Aで事業領域を拡大中。中長期経営計画「SHIFT2030」を掲げ、変化を恐れない挑戦的な姿勢で成長を目指します。
株主還元にも積極的で、グループ会社製品や北海道の特産品がもらえる株主優待が人気です。安定した配当実績も、長期保有を考える上で心強いポイントです。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 52円 | 17.8% |
| FY2017/3 | 52円 | 19.2% |
| FY2018/3 | 63円 | 20.0% |
| FY2019/3 | 68円 | 22.1% |
| FY2020/3 | 70円 | 33.2% |
| FY2021/3 | 70円 | 42.5% |
| FY2022/3 | 100円 | 27.0% |
| FY2023/3 | 110円 | 28.4% |
| FY2024/3 | 122円 | 34.5% |
| FY2025/3 | 140円 | 32.1% |
| 権利確定月 | 3月 |
ニッタは業績連動と安定配当の両立を方針としており、ここ数年で配当金を1株あたり70円から140円まで着実に引き上げています。配当性向は30%台前半を維持しており、今後も成長に応じた増配を期待できる余地があります。財務の健全性を背景に、株主還元を重視する姿勢を鮮明にしています。
同業比較(収益性)
ゴム製品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
ニッタの業績は、産業資材の安定した需要を背景に底堅く推移しており、売上高はFY2021/3の約787億円からFY2025/3には約903億円まで拡大しました。純利益も効率的な事業運営により高い水準を維持しており、FY2025/3には過去最高水準となる約121億円を達成しています。FY2026/3期もさらなる成長を見込み、売上高920億円を計画するなど、堅実な成長軌道を描いています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 4.8% | 3.5% | - |
| FY2022/3 | 8.8% | 7.1% | - |
| FY2023/3 | 11.0% | 6.9% | - |
| FY2024/3 | 6.0% | 5.8% | 5.0% |
| FY2025/3 | 6.6% | 6.7% | 5.7% |
収益性については、FY2022/3に営業利益率が6.4%まで向上したものの、その後は資材コストや外部環境の影響により5%から6%弱のレンジで推移しています。ROE(自己資本利益率)は概ね7〜8%台を維持しており、資本効率を重視した経営が行われています。半導体関連や自動車部品などの高付加価値分野への注力が、今後のさらなる利益率改善の鍵となります。
財務は安全?
財務健全性は極めて高く、自己資本比率はFY2025/3時点で85.3%に達しており、実質無借金に近い非常に強固な財務体質を構築しています。利益剰余金の積み増しにより純資産は着実に増加し、1株あたり純資産(BPS)も5,500円を超える水準まで上昇しました。この潤沢な資本を活用した積極的な投資や株主還元が可能な状況にあります。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 71.1億円 | -30.1億円 | -18.9億円 | 41.0億円 |
| FY2022/3 | 90.1億円 | -28.7億円 | -33.6億円 | 61.4億円 |
| FY2023/3 | 120億円 | -30.4億円 | -49.7億円 | 89.5億円 |
| FY2024/3 | 89.2億円 | -16.6億円 | -37.0億円 | 72.6億円 |
| FY2025/3 | 70.1億円 | -69.3億円 | -52.2億円 | 7,700万円 |
営業活動によるキャッシュフローは常にプラスを維持しており、本業による高い稼ぐ力を示しています。FY2025/3には投資キャッシュフローが約69億円のマイナスとなりましたが、これは将来の成長に向けた積極的な設備投資やM&Aによるものです。財務活動では配当金の支払いや自己株式の取得を継続しており、強固な現預金をベースとした株主還元と成長投資の両立を実現しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 59.1億円 | 11.9億円 | 20.1% |
| FY2022/3 | 132億円 | 27.0億円 | 20.5% |
| FY2023/3 | 129億円 | 20.5億円 | 15.9% |
| FY2024/3 | 120億円 | 21.5億円 | 17.9% |
| FY2025/3 | 146億円 | 24.7億円 | 16.9% |
法人税等の支払いは、連結納税制度の適用や繰越欠損金の活用、ならびに海外子会社での税務計画により、実効税率は概ね15%〜20%の範囲で推移しています。FY2026/3期の予想において実効税率がマイナスとなっているのは、税引前利益に対する繰延税金資産の取り崩し等の会計上の調整が発生する見込みであるためです。毎期適切に税務申告が行われており、納税状況に特段の懸念事項は見当たりません。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 670万円 | 2,940人 | - |
従業員の平均年収は670万円と、ゴム製品業界の平均と比較しても安定した水準を維持しています。創業以来の長い歴史を持つ企業として、製造現場の熟練工から管理職まで、長期間にわたって貢献できる福利厚生や待遇が整っていることがこの水準の背景にあると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は新田ゴム工業・アイビーピー・ニッタ取引先持株会。
大株主には日本マスタートラスト信託銀行などの機関投資家が上位に名を連ねる一方、創業家関連や取引先持株会などの安定株主が一定の割合を維持しており、長期的な経営の安定性を重視した構成となっています。新田ゴム工業やアイビーピーといった関連企業も主要株主として名を連ね、創業の歴史を背景にした独自の結びつきが見受けられます。
会社の公式開示情報
役員報酬
ニッタは伝動・搬送用ベルトや樹脂製品を核とする産業資材メーカーであり、EDINET開示情報からは半導体産業や自動車産業といった幅広い市場への展開による収益の多角化が読み取れます。昨今では構造改革や新たな子会社の買収を通じたポートフォリオの最適化を進めており、リスク分散と成長機会の創出を両立させる経営姿勢が特徴です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は8.3%とさらなる多様化の余地がありますが、指名・報酬委員会を設置するなど実効性の高いコーポレート・ガバナンス体制の強化を推進しています。連結子会社32社を統括しつつ、健康経営銘柄への選定や国際的な環境認証(CDP)での高評価など、企業の規模に見合った社会的責任を重視した経営を行っています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 900億円 | — | 903億円 | +0.3% |
| FY2024 | 890億円 | — | 886億円 | -0.4% |
| FY2023 | 860億円 | — | 880億円 | +2.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 48億円 | — | 52億円 | +7.4% |
| FY2024 | 50億円 | — | 44億円 | -11.6% |
| FY2023 | 53億円 | — | 50億円 | -5.9% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中長期経営計画「SHIFT2030」では、FY2026までのフェーズ2で売上高1,000億円、営業利益率7%、ROE8%を目標に掲げています。直近FY2025の実績ではROE目標は前倒しで達成しましたが、売上高(進捗90.3%)と特に営業利益率(進捗81.3%)が目標に対してビハインドしている状況です。一方で、過去3期を見ると期初予想に対する実績は売上高でおおむね計画通り、営業利益は未達の年もあるものの、FY2025は期初予想を7.4%上回る51.55億円で着地しており、収益性の改善傾向が見られます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、ほぼ一貫してTOPIX(東証株価指数)のパフォーマンスを下回る「アンダーパフォーム」が続いています。これは、安定した配当を提供しつつも、株価の成長が市場平均に追いついていなかったことを示唆しています。特に、2025年3月期は自社TSRが202.5%に対してTOPIXが213.4%と、市場全体の上昇トレンドに乗り切れなかった格好です。PBRが1倍を割れている現状は、この市場からの過小評価を反映しているとも言え、今後の成長戦略が株価にどう反映されるかが焦点となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 127.8万円 | +27.8万円 | 27.8% |
| FY2022 | 138.7万円 | +38.7万円 | 38.7% |
| FY2023 | 151.8万円 | +51.8万円 | 51.8% |
| FY2024 | 208.4万円 | +108.4万円 | 108.4% |
| FY2025 | 202.5万円 | +102.5万円 | 102.5% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
市場評価を見ると、PER10.8倍、PBR0.81倍は、いずれもゴム製品業界の平均(PER14.5倍、PBR1.3倍)を下回っており、株価は割安と判断できます。特にPBRが1倍を割れている点は、企業の解散価値より時価総額が低いことを示唆します。信用倍率は2.81倍と標準的な水準で、特定の需給の偏りは見られません。配当利回りは3.13%と業界平均を上回っており、インカムゲインを重視する投資家にとっても魅力的です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
乳製品メーカーの有限会社NEEDSを連結子会社化し、事業ポートフォリオの多角化を加速。
第3四半期累計決算において12%の経常増益を達成し、成長基調を維持。
経済産業省の「健康経営銘柄2026」に選定され、人的資本経営への取り組みが評価。
最新ニュース
ニッタ まとめ
ひとめ診断
「『動かす』技術の老舗が、半導体から乳製品までM&Aで触手を伸ばす堅実な多角化企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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