住友ゴム工業
Sumitomo Rubber Industries,Ltd.
最終更新日: 2026年3月22日
ダンロップの技術力で世界の「安全な移動」と「楽しいスポーツ」を支える
2035年に事業利益率15%を達成し、タイヤを核としたモビリティソリューションカンパニーへ進化する
この会社ってなに?
車のタイヤ「ダンロップ」「ファルケン」、ゴルフクラブやテニスラケットの「ダンロップ」ブランドなど、日常のドライブやスポーツシーンで製品に触れている方は多いはず。タイヤだけでなくAIを活用した車両故障予知サービスにも進出し、「安全で快適な移動」を技術で支えるグローバル企業です。
2025年12月期の売上収益は1兆2,071億円(前期比-0.4%)ながら、営業利益は826億円と前期比7.4倍の大幅増益を達成しました。前期に計上した北米構造改革関連損の反動に加え、全天候型タイヤ「シンクロウェザー」の販売好調やプレミアムタイヤ比率の向上が寄与。年間配当は77円と3期連続増配を実現し、2026年12月期は売上1兆3,200億円、営業利益1,000億円、配当84円(4期連続増配)を計画しています。長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」のもと、米AIベンチャーViaduct社の買収によるモビリティソリューション事業の拡大と、ダンロップブランドの欧米展開によるさらなる成長を目指しています。
会社概要
- 業種
- ゴム製品
- 決算期
- 12月
- 本社
- 兵庫県神戸市中央区脇浜町3-6-9
- 公式
- www.srigroup.co.jp
社長プロフィール
「タイヤの力を、もっと先へ。」構造改革を断行し、不採算事業の整理を完了した今、住友ゴム工業は成長ステージに入ります。全天候型タイヤ「シンクロウェザー」やAI故障予知技術など、革新的な技術で安全で快適なモビリティ社会の実現に貢献し、ダンロップブランドで世界に挑戦してまいります。
この会社のストーリー
英国ダンロップ社の日本工場として神戸で操業開始。国産タイヤの製造に挑み、日本のモータリゼーションの礎を築きました。
住友電気工業の資本参加により住友グループの一員に。安定した経営基盤を得て、事業拡大を加速させました。
ダンロップブランドでスポーツ用品事業を本格展開。スリクソンやクリーブランドゴルフなど、世界的ブランドを育成しました。
米グッドイヤー社とグローバルアライアンスを締結。欧米市場でのタイヤ販売を拡大し、世界的なプレゼンスを確立しました。
グッドイヤーとの合弁を解消し、自主独立路線へ転換。ダンロップブランドの欧米展開を自社で推進する決断を下しました。
不採算の北米工場を閉鎖し、747億円の構造改革費用を一括計上。痛みを伴う改革を完遂し、収益体質の強化を図りました。
長期戦略「R.I.S.E. 2035」を発表。ダンロップ商標権の欧米取得、Viaduct社買収による AI事業参入で、モビリティソリューション企業への進化を加速しています。
注目ポイント
路面状況に応じてタイヤの性能が変化する世界初のアクティブトレッド技術を搭載。季節を問わず安全な走行を実現し、販売が急拡大しています。
グッドイヤーからダンロップ商標権(約826億円)を取得し、半世紀を経て欧米市場に自社ブランドで再参入。真のグローバルブランドへの挑戦が始まっています。
北米構造改革の痛みを乗り越え、配当利回り4%超と3期連続増配を実現。FCF創出力の回復とともに、さらなる増配余地が期待されます。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 55円 | 34.9% |
| FY2017/3 | 55円 | 30.5% |
| FY2018/3 | 55円 | 39.9% |
| FY2019/3 | 55円 | 119.8% |
| FY2020/3 | 35円 | 40.7% |
| FY2021/3 | 55円 | 49.1% |
| FY2022/3 | 35円 | 97.8% |
| FY2023/3 | 58円 | 41.2% |
| FY2024/3 | 58円 | 154.6% |
| FY2025/3 | 77円 | 40.2% |
株主優待制度は実施していません。
FY2025/12の年間配当は77円(3期連続増配)で、配当利回りは現在株価ベースで4.08%と高水準です。FY2024/12は北米構造改革で純利益が大幅減少しながらも配当58円を維持し、株主還元への姿勢を示しました。FY2026/12は84円(4期連続増配)を計画しており、配当性向40%程度を目安に安定的な増配を目指しています。株主優待制度はありません。
同業比較(収益性)
ゴム製品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
住友ゴム工業はダンロップブランドを中核とするタイヤ世界大手です。FY2024/12は北米工場閉鎖に伴う構造改革関連損747億円を計上し、営業利益112億円・純利益99億円と大幅な減益となりました。しかしFY2025/12は構造改革効果とプレミアムタイヤの販売拡大により営業利益826億円へV字回復。FY2026/12は売上1兆3,200億円・営業利益1,000億円と過去最高益を目指す計画で、長期戦略「R.I.S.E. 2035」のもと成長ステージへの移行を進めています。
事業ごとの売上・利益
ダンロップ・ファルケンブランドの乗用車用・トラック用タイヤ。全天候型タイヤ「シンクロウェザー」が好調
ダンロップブランドのゴルフ用品・テニス用品。クリーブランドゴルフ、スリクソンブランド
OA用精密ゴム部品、制振ダンパー、人工芝等。構造改革による事業ポートフォリオ見直し中
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 8.5% | 4.1% | - |
| FY2022/3 | 5.3% | 1.8% | - |
| FY2023/3 | 15.2% | 5.0% | - |
| FY2024/3 | 9.9% | 1.2% | 1.8% |
| FY2025/3 | 13.5% | 5.3% | 12.2% |
FY2024/12は北米構造改革関連損の影響でROE1.5%・営業利益率0.9%と大きく落ち込みましたが、FY2025/12にはROE6.8%・営業利益率6.8%とV字回復を達成しました。中期計画では2027年にROE10%・事業利益率10%を目標としており、プレミアムタイヤ比率の向上とコスト構造改革によるさらなる収益性改善が期待されます。長期では2030-35年に事業利益率15%を掲げています。
財務は安全?
総資産は1兆4,599億円、自己資本比率49.0%と安定した財務基盤を維持しています。BPSは2,724円と着実に増加しており、PBR0.76倍は純資産に対して割安な水準です。有利子負債は2,791億円ですが、D/Eレシオは改善傾向にあり、中期計画では0.6以下を目標に掲げています。構造改革による資産効率化を進めながら、成長投資とのバランスを図っています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 1,043億円 | -647億円 | -356億円 | 397億円 |
| FY2025/3 | 1,504億円 | -1,866億円 | 309億円 | -361億円 |
FY2025/12の営業CFは1,504億円と高水準を維持しましたが、Viaduct社買収(約150億円)等の積極的な投資により投資CFが-1,866億円に膨らみ、FCFは-361億円となりました。FY2023/12にはFCF1,076億円を創出しており、構造改革と成長投資のフェーズが一巡すれば、安定したフリーキャッシュフロー創出力の回復が見込まれます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 349億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 211億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 804億円 | 177億円 | 22.0% |
| FY2024/3 | 576億円 | 414億円 | 71.8% |
| FY2025/3 | 596億円 | 0円 | 0.0% |
タイヤ事業を中心にグローバルに事業展開しており、各国の法人税法に基づき適正に納税を行っています。FY2024/12は北米構造改革関連損の影響で実効税率が大きく変動しましたが、通常時は30%前後で推移します。2026年12月期予想では営業利益1,000億円に対し、法人税等負担は適正水準を見込んでいます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 668万円 | 37,671人 | - |
連結従業員数は約3.8万人で、平均年収647万円はゴム製品業界では標準的な水準です。平均年齢40.8歳、平均勤続年数14.6年と高い定着率が特徴です。グローバルでは100カ国以上に拠点を持ち、ダンロップブランドのタイヤ製造販売からスポーツ用品まで幅広い事業を展開しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。 主な安定株主は住友電気工業。
筆頭株主の住友電気工業(28.85%)が圧倒的な安定株主として経営基盤を支えています。信託銀行経由の機関投資家保有も厚く、NORTHERN TRUST系の海外投資家が複数ランクインしている点が特徴的です。英国のSilchester International Investorsが実質的な大株主として存在し、長期投資スタンスで知られる海外機関投資家からの支持を得ています。住友グループとしての信用力と安定した株主基盤が経営の安定性に寄与しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| タイヤ事業 | 1兆680億円 | 790億円 | 7.4% |
| スポーツ事業 | 810億円 | 45億円 | 5.6% |
| 産業品他事業 | 580億円 | △9億円 | -1.6% |
研究開発費
訴訟・係争
住友ゴム工業はタイヤ事業が売上の約88%を占める中核事業であり、ダンロップ・ファルケンブランドで国内外に展開しています。スポーツ事業はゴルフ・テニス用品で安定収益を確保。産業品事業は構造改革の対象となっています。主要リスクは原材料価格・為替変動・北米事業の回復ペースであり、全天候型タイヤ「シンクロウェザー」やAI故障予知サービスなどの技術革新で競争優位性の確立を目指しています。
この会社のガバナンスは?
取締役15名中女性3名(20.0%)で、社外取締役比率は50%とガバナンス体制を整備しています。設備投資622億円はタイヤ生産設備の維持・更新と新技術開発に充てられています。監査報酬1億9,300万円、臨時従業員3,692人を含む体制で事業を運営しており、2026年には7年ぶりの社長交代も発表され、経営刷新を図っています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/12 | 1兆2,300億円 | — | 1兆2,071億円 | -1.9% |
| FY2024/12 | 1兆2,000億円 | — | 1兆2,119億円 | +1.0% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/12 | 390億円 | — | 504億円 | +29.2% |
| FY2024/12 | 300億円 | 99億円 | 99億円 | -67.1% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
新中期計画は2023年にスタートし、既存事業の選択と集中や成長の基盤づくりに取り組んでいます。2025年3月には長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」を発表し、2027年度の目標値を事業利益率10%・ROE10%・ROIC8%に改定。プレミアムタイヤ比率50%は前倒し達成が見込まれ、次の成長ステージとして2030-35年に事業利益率15%を目指す野心的な長期ビジョンを掲げています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
5年間のTSR(株主総利回り)は151.5%とプラスリターンを達成していますが、同期間のTOPIXリターン(191.6%)を約40ポイント下回るアンダーパフォームとなっています。FY2024/12の北米構造改革による一時的な業績悪化が株価の足かせとなりました。ただし構造改革完了後のFY2025/12には大幅増益を達成しており、今後は成長ステージへの移行に伴う株価リターンの改善が期待されます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 69.0万円 | -31.0万円 | -31.0% |
| FY2022 | 94.4万円 | -5.6万円 | -5.6% |
| FY2023 | 95.5万円 | -4.5万円 | -4.5% |
| FY2024 | 128.3万円 | +28.3万円 | 28.3% |
| FY2025 | 151.5万円 | +51.5万円 | 51.5% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER9.8倍はタイヤセクター平均(10.8倍)を下回り、PBR0.76倍も業界平均(0.98倍)より割安な水準にあります。配当利回り4.08%はセクター平均を上回る高配当であり、信用倍率27.42倍と買い残が積み上がっている状況は、構造改革後の業績回復に対する投資家の期待を反映しています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2025/12本決算を発表。営業利益826億円と前期比7.4倍の大幅増益、純利益504億円と黒字回復を達成。年間配当77円(3期連続増配)を決定し、FY2026/12は配当84円(4期連続増配)を計画しています。
構造改革の進展と収益力回復が評価され、株式分割考慮後ベースで上場来高値を更新しました。「成長ステージへの移行」との市場評価が高まっています。
米AIソリューション企業Viaduct社を約150億円で買収。タイヤセンシング技術とAIを融合した車両故障予知サービスのグローバル展開を加速しています。
長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」を発表。2027年度の中期計画目標値を改定し、事業利益率10%・ROE10%・ROIC8%を掲げました。2030-35年にはさらに事業利益率15%を目指します。
米ニューヨーク州のタイヤ製造子会社の解散を発表。構造改革関連損747億円を計上し、FY2024/12の純利益は99億円に大幅減益となりましたが、不採算事業の整理により将来の収益基盤を強化しました。
最新ニュース
住友ゴム工業 まとめ
ひとめ診断
ダンロップブランドを擁するタイヤ世界大手が構造改革を経て成長ステージへ、3期連続増配で還元強化
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