横浜ゴム
The Yokohama Rubber Company,Limited
最終更新日: 2026年3月22日
M&Aで世界トップ10入り、タイヤの可能性を広げ続ける挑戦者
心と技術を込めたモノづくりにより幸せと豊かさに貢献する
この会社ってなに?
あなたの車に装着されている「YOKOHAMA」や「ADVAN」ブランドのタイヤ、あるいは「PRGR」のゴルフクラブ――横浜ゴムの製品は身近な場面で活躍しています。乗用車タイヤだけでなく、農業機械や鉱山車両などの特殊タイヤ、高圧ホースや航空機部品まで手がけ、日本の産業インフラを幅広く支える企業です。
2025年12月期の売上収益は1兆2,350億円(前期比12.8%増)、営業利益は1,529億円(同28.3%増)と5期連続の増収増益で過去最高を更新しました。当期純利益も1,054億円と40.7%の大幅増益を達成し、年間配当は134円と4期連続増配を実現。2026年12月期は売上1兆3,000億円・営業利益1,730億円を計画し、中期経営計画「YX2026」の財務目標を上方修正するなど自信を見せています。グッドイヤー社のOTR事業買収など大型M&Aで事業規模を拡大しつつ、ROE10%超の資本効率と配当172円(予想)への増配を両立する攻めの経営が際立ちます。
会社概要
- 業種
- ゴム製品
- 決算期
- 12月
- 本社
- 神奈川県平塚市追分2番1号
- 公式
- www.y-yokohama.com
社長プロフィール
私たちは「心と技術を込めたモノづくりにより幸せと豊かさに貢献する」を基本理念に、タイヤ事業を軸とした成長を追求しています。Trelleborg WS社やグッドイヤーOTR事業の買収を通じて農業・鉱山・建設車両向けタイヤ事業を飛躍的に拡大し、グローバルタイヤメーカーとして世界トップ10の地位を確立しました。中期経営計画YX2026のもと、既存事業の深化と新規領域の探索を両輪に、持続的な成長と株主還元の両立を実現してまいります。
この会社のストーリー
BFグッドリッチとの合弁として神奈川県横浜市で創業。日本初の近代的ゴム工場の一つとして出発しました。
高性能スポーツタイヤ「ADVAN」の前身となるレーシングタイヤの開発に着手。モータースポーツを通じた技術革新の原点となりました。
三重県に建設車両用大型タイヤ工場を建設し、OTR(超大型タイヤ)事業への本格参入を果たしました。
オランダの農業機械用タイヤメーカーを約1,356億円で買収。OHTタイヤ事業の拡大と海外展開の転機となりました。
本社を東京から神奈川県平塚市の研究開発拠点に移転。同時期にスウェーデンのTrelleborg Wheel Systems社を買収し、OHTタイヤ事業をさらに強化しました。
米グッドイヤーの鉱山・建設向けタイヤ事業を買収し、OHTタイヤで世界トップクラスの地位を確立。売上・利益ともに過去最高を達成しました。
売上収益1兆3,000億円・事業利益率14.5%を目標に掲げ、タイヤ技術を核とした持続的な成長と株主還元の両立を目指しています。
注目ポイント
Trelleborg WS社、グッドイヤーOTR事業と立て続けに大型買収を敢行。農業・鉱山・建設車両向けタイヤで世界トップクラスの地位を築き上げました。
プレミアムタイヤの価格適正化とM&A効果により、5期連続で過去最高業績を更新。中計目標も2度にわたり上方修正する好調ぶりです。
大型M&Aで成長投資を加速させながらも4期連続増配を達成。FY2026/12は172円配当(38円増配)を計画し、配当性向の引き上げにも前向きです。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 52円 | 44.4% |
| FY2017/3 | 62円 | 24.9% |
| FY2018/3 | 62円 | 27.9% |
| FY2019/3 | 64円 | 24.5% |
| FY2020/3 | 64円 | 39.0% |
| FY2021/3 | 65円 | 15.9% |
| FY2022/3 | 66円 | 23.0% |
| FY2023/3 | 84円 | 20.0% |
| FY2024/3 | 98円 | 20.9% |
| FY2025/3 | 134円 | 20.0% |
現在、株主優待制度は実施しておりません。
FY2021/12の65円からFY2025/12の134円まで4期連続増配を達成。年平均増配率は約20%と高水準です。FY2026/12の予想配当は172円(38円増配)でさらに5期連続増配となる見込み。配当性向は20%前後と余力があり、中期経営計画では連結配当性向30%を目安とした還元強化を掲げています。現在の予想配当利回りは2.84%で、業績拡大に伴うさらなる増配余地が期待されます。
同業比較(収益性)
ゴム製品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
横浜ゴムはタイヤ国内3位のメーカーとして、5期連続の増収増益で過去最高業績を更新しています。FY2025/12は売上収益1兆2,350億円(前期比+12.8%)、営業利益1,529億円(同+28.3%)と力強い成長を見せました。Trelleborg WS社やグッドイヤーOTR事業の買収効果に加え、プレミアムタイヤの販売拡大と価格改定が増益に寄与。FY2026/12は減益予想ですが、円高による為替差損の影響が主因であり、本業は営業利益1,730億円と13.1%増益を計画しています。
事業ごとの売上・利益
乗用車用・トラックバス用タイヤの製造販売。ADVANブランド等プレミアムタイヤに注力
Trelleborg WS・グッドイヤーOTR買収で急拡大。高利益率の成長ドライバー
高圧ホース、工業資材、航空機部品、海洋商品(防舷材・マリンホース)等
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 11.8% | 8.6% | - |
| FY2022/3 | 11.3% | 6.2% | - |
| FY2023/3 | 19.2% | 6.6% | - |
| FY2024/3 | 25.9% | 6.6% | 26.0% |
| FY2025/3 | 17.8% | 7.9% | 30.1% |
FY2025/12のROEは10.1%と中計目標の10%超を達成。営業利益率も12.4%まで回復し、M&Aで取得したOHTタイヤ事業の統合効果とプレミアムタイヤの価格改定が寄与しています。FY2022/12にROE7.4%まで低下した局面からV字回復を果たし、資本効率と収益性の両面で着実な改善が見られます。
財務は安全?
総資産はM&Aにより5年間で約2倍の2兆円規模に拡大。それに伴い自己資本比率はFY2023/12に46.2%まで低下しましたが、利益の積み上げによりFY2025/12には51.6%まで回復しています。有利子負債は4,354億円ありますが、D/Eレシオは0.42倍と健全な水準。BPSは6,536円と5年間で約2倍に増加し、1株当たりの資産価値が着実に高まっています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 945億円 | -13.9億円 | -632億円 | 931億円 |
| FY2025/3 | 1,356億円 | -2,413億円 | 683億円 | -1,057億円 |
営業CFはFY2023/12に1,597億円、FY2025/12に1,356億円と安定的に創出しています。投資CFが大きくマイナスとなる年度はM&A実行期にあたり、FY2023/12はTrelleborg WS買収(約3,440億円)、FY2025/12はグッドイヤーOTR事業買収(約2,413億円)を反映しています。大型買収年は財務CFで資金調達を行い、翌期には有利子負債の返済を進める堅実な財務運営が特徴です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 262億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 432億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 847億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 1,039億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 1,212億円 | 0円 | 0.0% |
FY2026/12予想の実効税率は48.0%と高めですが、これは海外子会社の利益送金に伴う源泉税やのれん償却の影響を含むためです。実際の法定実効税率は30%前後であり、各国の税制に基づき適正に納税を行っています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 693万円 | 34,471人 | - |
単体の平均年収は665万円で、ゴム製品業界では標準的な水準です。連結従業員数は約3.4万人と、近年のM&Aにより大幅に増加しています。平均年齢41.1歳、平均勤続年数17.3年と定着率が高く、長期的な技術蓄積を支える人材基盤が整っています。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人を中心に安定株主比率が高く、経営の安定性が際立ちます。 主な安定株主は横浜ゴム取引先持株会氏・朝日生命保険相互会社・みずほ銀行。
筆頭株主の日本マスタートラスト信託銀行(17.3%)と日本カストディ銀行(13.9%)が合計31%超を保有し、機関投資家の信頼が厚い構成です。朝日生命(6.8%)やみずほ銀行(3.8%)など保険・銀行系の長期保有株主が上位に名を連ね、安定株主比率は61.6%と高水準。原材料パートナーである日本ゼオン(2.4%)や取引先持株会(1.4%)など事業上のつながりを持つ株主も含まれており、安定した経営基盤を支えています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| タイヤ(乗用車・トラック/バス) | 7,200億円 | 920億円 | 12.8% |
| OHT(農業・鉱山・建設車両用タイヤ) | 3,500億円 | 530億円 | 15.1% |
| MB(マルチプルビジネス) | 1,650億円 | 150億円 | 9.1% |
研究開発費
横浜ゴムの事業は大きくタイヤ事業とMB(マルチプルビジネス)事業に分かれ、タイヤ事業はさらに乗用車・商用車向けとOHT(農業・鉱山・建設車両向け)に区分されます。OHTタイヤ事業はM&Aにより急拡大し、利益率15%超と全社の収益を牽引。主要リスクは原材料価格・為替変動・M&A統合リスクですが、グローバルに分散された生産体制と多角的な事業ポートフォリオでリスク軽減を図っています。
この会社のガバナンスは?
取締役12名中女性2名(16.7%)で、ガバナンス改革を推進中。監査報酬は1億9,500万円と適切な水準で、透明性の確保に注力しています。設備投資は792億円と積極的で、グローバルな生産拠点の強化に充てられています。平均勤続年数17.3年と高い定着率が、技術力とものづくり品質の基盤を支えています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/12 | 1兆2,200億円 | 1兆2,500億円 | 1兆2,350億円 | +1.2% |
| FY2024/12 | 1兆600億円 | — | 1兆947億円 | +3.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/12 | 815億円 | — | 1,054億円 | +29.3% |
| FY2024/12 | 745億円 | — | 749億円 | +0.6% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画「YX2026」では、既存事業の「深化」と新しい価値の「探索」を二本柱に掲げています。Trelleborg WS社やグッドイヤーOTR事業の買収によりOHT(農業・鉱山・建設車両向け)タイヤ事業を急速に拡大し、プレミアムタイヤの高付加価値化と価格改定で利益率を向上。当初目標を2度上方修正する好進捗で、最終年度となるFY2026/12は売上1兆3,000億円・事業利益率14.5%を目指しています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
5年間のTSR(株主総利回り)は177.2%と大幅なプラスリターンを達成しています。TOPIXリターン(182.5%)をわずか5ポイント下回るアンダーパフォームですが、FY2024以降は大型M&Aの成果が株価に反映され、急速にTOPIXとの差を詰めています。FY2021〜FY2023にかけてはTOPIXを大きく下回っていましたが、業績の急拡大とともにキャッチアップ。今後の中計目標達成によりアウトパフォームへの転換も期待されます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 75.0万円 | -25.0万円 | -25.0% |
| FY2022 | 92.5万円 | -7.5万円 | -7.5% |
| FY2023 | 105.7万円 | +5.7万円 | 5.7% |
| FY2024 | 164.8万円 | +64.8万円 | 64.8% |
| FY2025 | 177.2万円 | +77.2万円 | 77.2% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
ゴム製品セクターにおいて、横浜ゴムはブリヂストンに次ぐ時価総額1兆円の2位グループに位置しています。PER10.6倍・PBR0.93倍はセクター平均とほぼ同水準ですが、5期連続増収増益の成長トレンドと中計目標の連続上方修正を考慮すると、割安感が残るバリュエーションです。信用倍率15.36倍と買い残が多く、投資家の先高期待が窺えます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2025/12本決算を発表。売上収益1兆2,350億円・純利益1,054億円と過去最高を更新し、年間配当134円(4期連続増配)を決定。中期経営計画YX2026の最終年度目標を売上1兆3,000億円・事業利益1,880億円へ上方修正しました。
業績好調と積極的なM&A戦略が評価され、株価が上場来高値8,063円を記録。年初来上昇率は78%超に達しました。
グッドイヤー社の鉱山・建設用車両向けタイヤ(OTR)事業の買収を完了。OHTタイヤ事業のグローバル競争力がさらに強化されました。
中期経営計画YX2026の2026年度経営目標を売上収益1兆2,500億円・事業利益1,500億円へ初回上方修正。既存事業の深化と新規事業探索を推進しています。
スウェーデンのTrelleborg Wheel Systems社を買収し、農業機械用・産業車両用タイヤ事業を大幅に強化。OHT事業拡大の起点となりました。
最新ニュース
横浜ゴム まとめ
ひとめ診断
タイヤ国内3位がM&Aで世界トップ10入り、5期連続増収増益と積極的な株主還元で上場来高値を更新
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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