TOYO TIRE
Toyo Tire Corporation
最終更新日: 2026年3月22日
北米で「カッコいい」を制するタイヤメーカー、利益率で業界首位級の実力派
タイヤとゴム部品の技術革新を通じて、安全・安心で持続可能な社会の実現に貢献する
この会社ってなに?
あなたの街で見かけるSUVやピックアップトラックのタイヤ、実はTOYO TIRE製かもしれません。「OPEN COUNTRY」ブランドは北米のアウトドア愛好家から圧倒的な支持を集め、オフロードからハイウェイまで幅広い場面で活躍しています。日本発のタイヤメーカーとして、北米で「カッコいいタイヤ」のポジションを確立した個性派企業です。
TOYO TIREは北米市場を主戦場とするプレミアムSUV・ライトトラック用タイヤに強みを持つ独立系タイヤメーカーです。FY2024/12期(移行期9カ月)は売上高4,462億円、営業利益率16%超と高い収益性を維持し、FY2025/12期は初の通年12月決算として売上6,200億円・営業利益940億円を計画しています。配当は5期連続増配を達成し、筆頭株主の三菱商事(20%保有)との連携による海外販売網の強化と、自己資本比率69%の堅固な財務基盤が同社の成長を支えています。
会社概要
- 業種
- ゴム製品
- 決算期
- 12月
- 本社
- 兵庫県伊丹市藤ノ木二丁目2番13号
- 公式
- www.toyotires.co.jp
社長プロフィール
「技術のTOYO」から「ブランドのTOYO」へ。OPEN COUNTRYブランドを核に、北米SUV・ライトトラック市場でのプレミアムポジションを確立してきました。これからもお客様の期待を超えるタイヤを提供し、持続的な成長と株主価値の向上を両立させてまいります。
この会社のストーリー
兵庫県伊丹市で創業。日本のモータリゼーションの黎明期にタイヤ製造を開始しました。
米国にTOYO TIRE U.S.A. Corp.を設立。後の北米主力市場の礎を築きました。
北米のSUV・ピックアップトラック市場でOPEN COUNTRYブランドが爆発的な人気を獲得し、プレミアムタイヤメーカーとしての地位を確立しました。
建築用免震ゴムの性能データ改ざん問題が発覚。経営体制の刷新とガバナンス強化を断行し、信頼回復に取り組みました。
「東洋ゴム工業」から「TOYO TIRE」へ社名変更。タイヤ事業への集中と国際ブランドとしてのアイデンティティを明確にしました。
営業利益率16.6%で過去最高益を達成。同時に決算期を12月に変更し、グローバル経営の効率化を推進しています。
注目ポイント
北米SUV・ライトトラック市場でのプレミアムポジションにより、大手タイヤメーカーを凌ぐ利益率を実現しています。
北米のアウトドア愛好家から絶大な支持を受けるOPEN COUNTRYは、SNSでも「カッコいいタイヤ」として拡散される唯一無二のブランドです。
自己資本比率69%の盤石な財務を背景に、配当性向30%以上を目安とした累進配当を推進。6期連続増配も視野に入っています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 45円 | 0.5% |
| FY2017/3 | 45円 | 36.9% |
| FY2018/3 | 45円 | 54.1% |
| FY2019/3 | 45円 | 27.9% |
| FY2020/3 | 45円 | 59.3% |
| FY2021/3 | 76円 | 28.3% |
| FY2022/3 | 80円 | 25.7% |
| FY2023/3 | 100円 | 21.3% |
| FY2024/3 | 120円 | 24.7% |
| FY2025/3 | 130円 | 31.5% |
株主優待制度なし
TOYO TIREは5期連続増配を達成しており、配当性向30%以上を目安とした累進配当方針を掲げています。FY2025/12期の年間配当は130円(利回り3.54%)、FY2026/12期は140円への増配を予想しており、6期連続増配が視野に入っています。自己資本比率69%の厚い財務基盤を背景に、安定した株主還元の継続が期待されます。株主優待制度は設けていません。
同業比較(収益性)
ゴム製品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
TOYO TIREは北米SUV・ライトトラック向けプレミアムタイヤ「OPEN COUNTRY」を成長ドライバーとし、売上高は着実に拡大しています。FY2024/12期には営業利益率16.6%と過去最高益を記録。FY2025/12期は売上5,949億円・営業利益973億円と高水準を維持しましたが、純利益は減少しました。FY2026/12期は売上6,200億円を計画する一方、原材料高と関税リスクを織り込み営業利益は940億円とやや保守的な予想です。
事業ごとの売上・利益
OPEN COUNTRYブランドを中心としたSUV・ライトトラック用プレミアムタイヤの製造販売
国内向け乗用車・商用車タイヤの製造販売、TRANPATHブランド
欧州・アジア・中東向けタイヤの製造販売、NITTOブランド含む
防振ゴム・断熱材・ウレタン製品等の自動車用ゴム部品
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 14.5% | 7.8% | - |
| FY2022/3 | 22.4% | 8.0% | - |
| FY2023/3 | 38.2% | 11.2% | - |
| FY2024/3 | 24.4% | 10.4% | 16.6% |
| FY2025/3 | 14.0% | 8.4% | 16.4% |
TOYO TIREの最大の特徴は業界トップクラスの営業利益率です。FY2024/12期に16.6%、FY2025/12期も16.4%と高水準を維持しています。これは北米市場でのプレミアムSUV・ライトトラック用タイヤの高い価格競争力と、効率的な生産体制によるものです。ROEはFY2023/12期の18.3%をピークに低下傾向ですが、自己資本比率69%という厚い財務基盤が分母を押し上げている構造的な要因があります。
財務は安全?
自己資本比率は52.7%から69.4%へと年々改善しており、ゴム製品業界の中でもトップクラスの財務健全性を誇ります。BPS(1株当たり純資産)も1,819円から3,394円へと約1.9倍に成長。FY2024/12期以降は有利子負債が計上されていますが、これは北米での設備投資や成長投資を目的としたものであり、自己資本の厚さを考慮すると健全な水準です。PBR 1.08倍はBPSに対してほぼ解散価値に近い評価です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 345億円 | -375億円 | 117億円 | -30.7億円 |
| FY2022/3 | 152億円 | -167億円 | -162億円 | -15.4億円 |
| FY2023/3 | 865億円 | -147億円 | -629億円 | 718億円 |
| FY2024/3 | 671億円 | -152億円 | -231億円 | 518億円 |
| FY2025/3 | 931億円 | -231億円 | -438億円 | 700億円 |
営業キャッシュフローは直近3期で670億〜930億円と安定的に創出されています。FY2025/12期のFCF(フリーキャッシュフロー)は700億円と潤沢で、設備投資と株主還元を十分にカバーできる水準です。初期のFY2021-22/12期はFCFがマイナスでしたが、北米タイヤ事業の収益力向上に伴い大幅に改善しました。財務CFのマイナスは自社株買いや借入返済を反映しており、株主還元に積極的な姿勢が読み取れます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 559億円 | 146億円 | 26.0% |
| FY2022/3 | 510億円 | 30.8億円 | 6.0% |
| FY2023/3 | 860億円 | 138億円 | 16.0% |
| FY2024/3 | 1,021億円 | 273億円 | 26.7% |
| FY2025/3 | 1,013億円 | 377億円 | 37.2% |
実効税率は年度によって変動が大きく、FY2022/12期の6.0%は繰延税金資産の取崩し等による一時的な低税率です。FY2025/12期は37.2%と標準的な水準に近づき、FY2026/12期は42.6%とやや高めの想定。海外子会社の利益送金や移転価格税制への対応を含め、グローバルな税務戦略を展開しています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 688万円 | 9,941人 | - |
単体の平均年収は661万円で、ゴム製品業界の中では標準的な水準です。単体従業員数は約1万人で、連結では約1.2万人のグローバル体制を構築しています。平均年齢40.6歳、平均勤続年数15.1年と定着率が高く、タイヤ製造に必要な技術・ノウハウの蓄積基盤となっています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主はTOYO氏・三菱商事。
筆頭株主の三菱商事(20.01%)が安定的な大株主として経営を支えています。三菱商事はタイヤの海外販売網で同社と協業関係にあり、単なる財務投資ではなく事業パートナーとしての位置づけです。信託銀行経由の機関投資家保有も厚く、ブリヂストン(1.62%)やトヨタ自動車(1.55%)といった事業上の取引先も株主に名を連ねています。従業員持株会(1.04%)の存在も社内の経営参画意識の高さを示しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| タイヤ事業(北米) | 3,200億円 | 560億円 | 17.5% |
| タイヤ事業(日本) | 1,100億円 | 120億円 | 10.9% |
| タイヤ事業(その他海外) | 1,350億円 | 210億円 | 15.6% |
| 自動車部品事業 | 300億円 | 83億円 | 27.7% |
研究開発費
TOYO TIREの収益の柱は北米タイヤ事業で、売上全体の約54%を占めます。OPEN COUNTRYブランドのSUV・ライトトラック向けタイヤは営業利益率17.5%と高い収益性を誇り、同社の稼ぎ頭です。自動車部品事業は売上規模は小さいものの利益率27.7%と非常に高収益。主要リスクは原材料価格・為替変動・米国関税政策であり、特にトランプ政権下での関税強化は北米依存度の高い同社にとって注視すべきリスクです。
この会社のガバナンスは?
取締役13名中女性1名(7.6%)とガバナンス面では改善の余地があります。連結子会社37社でグローバルに事業を展開しており、設備投資256億円は北米を中心とした生産能力の増強に充てられています。平均勤続年数15.1年と高い定着率を維持しており、タイヤ製造のノウハウ蓄積に寄与しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/12 | 5,900億円 | — | 5,949億円 | +0.8% |
| FY2024/12 | 5,600億円 | — | 5,654億円 | +1.0% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/12 | 1,000億円 | — | 973億円 | -2.7% |
| FY2024/12 | 900億円 | — | 940億円 | +4.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
TOYO TIREは中期経営計画において、北米を中心としたプレミアムタイヤ事業の拡大と高収益体質の維持を掲げています。営業利益率16%以上の目標は既に達成済みで、売上高も計画線上で推移しています。ROEは自己資本比率69%という厚い財務基盤が分母を押し上げており、株主還元の拡充(配当性向30%超)を通じた改善が期待されます。予想精度の高さは経営陣の見通しの確かさを示しており、投資家からの信頼につながっています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
5年間のTSR(株主総利回り)は182.0%とTOPIXリターン(182.5%)とほぼ同水準のインラインパフォーマンスを記録しています。FY2023にはTOPIXを下回る局面がありましたが、FY2024以降の北米タイヤ事業の好調と増配により急速にキャッチアップしました。配当利回り3.54%のインカムリターンを含めた総合リターンとして、市場平均並みのパフォーマンスを実現しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 102.4万円 | +2.4万円 | 2.4% |
| FY2022 | 121.6万円 | +21.6万円 | 21.6% |
| FY2023 | 107.8万円 | +7.8万円 | 7.8% |
| FY2024 | 169.0万円 | +69.0万円 | 69.0% |
| FY2025 | 182.0万円 | +82.0万円 | 82.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
ゴム製品セクターにおいて、TOYO TIREはPER 10.5倍とセクター平均(8.5倍)をやや上回る水準ですが、営業利益率16%超という業界トップクラスの収益性を考慮すれば割安感があります。PBR 1.08倍は解散価値に近い水準であり、配当利回り3.54%はセクター平均並み。時価総額5,657億円は業界4位ながら、利益率では首位級のポジションです。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2025/12本決算を発表。売上高5,949億円、営業利益973億円と高水準の収益性を維持。年間配当130円(5期連続増配)を決定し、FY2026/12は配当140円を計画しています。
FY2025/12上期決算を発表。北米向けSUV・ライトトラック用タイヤの販売好調により、営業利益率16%台を維持。通期計画に対して順調な進捗を示しました。
決算期を3月から12月に変更。FY2024/12は移行期(9カ月)決算となりました。グローバル経営のスピード向上とタイヤ業界の季節性に合わせた意思決定を目的としています。
FY2024/3期の本決算を発表。営業利益939億円(営業利益率16.6%)と過去最高益を更新。北米OPEN COUNTRYブランドの高付加価値戦略が結実しました。
最新ニュース
TOYO TIRE まとめ
ひとめ診断
北米SUV・ライトトラック向けタイヤで高収益を誇る独立系タイヤメーカー、5期連続増配と営業利益率16%超の実力
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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