アキレス
Achilles Corporation
最終更新日: 2026年3月28日
子供たちの足元を支える「瞬足」から産業資材まで。プラスチック加工技術で未来を拓く総合化学メーカー
感動を創造し、社会の豊かさに貢献する。
この会社ってなに?
お子さんやお孫さんが運動会で履いている、あの有名な子供靴『瞬足』。実はこれを作っているのがアキレスです。でも、事業はそれだけではありません。あなたが普段運転する自動車の、手触りの良い内装材やシートのクッション。あるいは、夏涼しく冬暖かい家の壁に使われている断熱材も、アキレスの技術から生まれています。普段は意識しないけれど、私たちの快適で安全な暮らしの裏側を、アキレスのプラスチック加工技術が静かに支えているのです。
アキレスは、FY2025に売上高790.9億円を計上するも、営業損失4.36億円と3期連続の赤字を記録。しかし、構造改革とコスト削減が奏功し、FY2026には売上高810億円(前期比2.4%増)、営業利益15億円へのV字回復を目指す強気の会社予想を掲げています。長年の課題であった収益性の改善が実現できるか、投資家からの注目が集まっています。PBRは0.49倍と解散価値を大きく下回っており、資産価値の観点からは割安と見なされています。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都新宿区北新宿2-21-1
- 公式
- www.achilles.jp
社長プロフィール
当社はプラスチック加工技術を基盤に、シューズや産業資材など多岐にわたる事業を展開しています。社会の変化にしなやかに対応し、高付加価値製品の創出と持続可能な社会への貢献を通じて、企業価値の向上に努めてまいります。
この会社のストーリー
国華工業株式会社より履物工場の設備・資材を買収し事業を開始。ゴム履物製造からアキレスの歴史が始まる。
資本金200万円でアキレス株式会社を設立。本格的に企業としての歩みを進め始める。
東京証券取引所市場第二部に株式を上場。企業としての社会的信用を高め、成長を加速させる。
履物事業で培った技術を応用し、プラスチックフィルムや車両内装材など、産業資材分野へ本格的に進出を開始する。
「コーナーで差をつけろ」をコンセプトに開発した子供向けシューズ「瞬足」が社会現象となる大ヒットを記録する。
経営資源の集中と効率化を図るため、連結子会社であるシューズ製品輸出入業の崇徳有限公司を譲渡する。
コストダウンや価格改定の効果が表れ、通期の連結業績予想を上方修正。収益構造の改善が進む。
プラスチック加工技術を核として、断熱資材や建装資材などの高付加価値領域へシフト。持続的な成長を目指す。
注目ポイント
子供用シューズ「瞬足」は、多くの子供たちに支持される国民的ブランドです。高い知名度と安定した収益基盤が強みです。
シューズ事業だけでなく、車両内装材や建材、プラスチックフィルムなど多角的に事業を展開。景気変動に強い安定した経営を実現しています。
年2回、自社製品を割引価格で購入できる株主優待を実施。「瞬足」など人気商品を割引で手に入れることができ、個人投資家にも魅力的です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 4円 | 29.0% |
| FY2017/3 | 50円 | 45.9% |
| FY2018/3 | 40円 | 30.2% |
| FY2019/3 | 40円 | 195.1% |
| FY2020/3 | 40円 | 33.2% |
| FY2021/3 | 50円 | 24.4% |
| FY2022/3 | 40円 | 41.2% |
| FY2023/3 | 40円 | 0.3% |
| FY2024/3 | 20円 | 0.3% |
| FY2025/3 | 20円 | 65.2% |
| 権利確定月 | 3月・9月 |
同社は業績に応じた配当を基本としており、直近の厳しい環境下でも安定的な配当維持に努めてきました。配当方針は、株主への利益還元を継続しつつ、経営の健全性を重視する方針です。今後は業績の回復に伴う配当水準の向上が株主にとっての注目点となります。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
売上高は800億円前後で堅調に推移していますが、資材価格の高騰や固定資産の減損損失の影響により、直近では一時的な営業赤字を計上しました。2025年3月期には純利益の黒字転換を達成しており、2026年3月期は構造改革の成果と価格改定の効果により営業利益15億円への復帰を見込んでいます。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 7.9% | 4.2% | - |
| FY2022/3 | 3.0% | 1.9% | - |
| FY2023/3 | -2.9% | -1.4% | - |
| FY2024/3 | -22.4% | -9.9% | -1.2% |
| FY2025/3 | 5.7% | 0.5% | -0.6% |
過去には売上高営業利益率が2%を超える水準でしたが、原材料費の増大により収益性が一時的に圧迫されました。直近の営業利益率はマイナスから改善の兆しを見せており、高付加価値製品へのシフトによる収益構造の再構築が急務となっています。今後は、コスト効率の改善を通じたROE(自己資本利益率)の早期回復が期待されます。
財務は安全?
自己資本比率は約50%を維持しており、基本的な財務基盤は確保されていますが、負債の増加により一時的に健全性が低下しました。しかし、有利子負債の削減を進めることで財務の引き締めを図っており、資産効率の向上に取り組んでいます。自己資本の厚みを守りつつ、安定的な経営基盤の維持を重視する姿勢が見て取れます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 45.1億円 | -28.3億円 | -6.5億円 | 16.8億円 |
| FY2022/3 | 47.1億円 | -50.3億円 | -8.6億円 | -3.2億円 |
| FY2023/3 | -10.7億円 | -44.8億円 | 45.5億円 | -55.6億円 |
| FY2024/3 | 18.8億円 | -37.9億円 | 17.6億円 | -19.1億円 |
| FY2025/3 | 26.9億円 | -19.2億円 | -12.5億円 | 7.7億円 |
本業の稼ぎを示す営業キャッシュフローは、コスト負担増の影響を受けつつも直近では約27億円の黒字を確保するまでに回復しました。大型の設備投資が継続している一方で、営業利益の改善に伴いフリーキャッシュフローもプラス圏へ浮上しています。現在は投資抑制と利益創出の両立により、財務の健全性を高めるフェーズにあります。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 20.8億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 15.9億円 | 7,000万円 | 4.4% |
| FY2023/3 | -1.2億円 | 0円 | - |
| FY2024/3 | -1.7億円 | 0円 | - |
| FY2025/3 | -2.2億円 | 0円 | - |
近年の赤字計上に伴い、法人税等の支払いは発生していないか、極めて限定的な水準に留まっています。繰越欠損金の活用や業績低迷による課税所得の減少が主な背景です。2026年3月期には利益水準の回復が見込まれており、正常な水準の税負担が再開される見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 578万円 | 1,677人 | - |
従業員の平均年収は578万円であり、ゴム製品業界の標準的な水準で推移しています。長年の多角的な事業展開と、安定した雇用維持により平均勤続年数が20.2年と高いことが、給与体系の安定感に寄与していると考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主はみずほ銀行・朝日生命保険相互会社。
株主構成は、日本マスタートラスト信託銀行(信託口)が筆頭株主(10.16%)となっており、機関投資家による保有が一定の割合を占めています。また、複数の「アキレス協和会」が上位株主に名を連ねており、取引先や従業員持株会的な性格を持つ安定株主が一定の議決権を保持しているのが特徴的です。
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によると、同社は運動靴をはじめ、車両内装材やプラスチックフィルムなど多角的に事業を展開しています。防災事業における固定資産の減損リスクなどが業績に影響を与える可能性があるものの、高付加価値領域へのシフトと生産性向上による利益率改善が重要な経営課題となっています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は16.7%であり、多様性の確保に向けて改善を進めています。監査等委員会設置会社として社外取締役が経営監視を担う体制を構築しており、18社の連結子会社を抱えるグループ経営において、透明性の高いガバナンスの実践と監査報酬の適切な支出が維持されています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 840億円 | — | 791億円 | -5.8% |
| FY2024 | 840億円 | — | 786億円 | -6.4% |
| FY2023 | 850億円 | — | 829億円 | -2.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 2億円 | — | -4億円 | 大幅未達 |
| FY2024 | 10億円 | — | -10億円 | 大幅未達 |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
同社は具体的な中期経営計画を開示していませんが、FY2026の通期業績予想が実質的な短期目標となります。売上高810億円、営業利益15億円への黒字転換を掲げていますが、過去数年の実績を見ると、期初予想を達成できていないケースが目立ちます。特に利益面での下方乖離が大きく、計画達成能力には疑問符が付きます。投資家としては、予想の前提となるコスト削減や価格改定の効果が計画通りに進捗するか、四半期ごとの決算で慎重に見極める必要があります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、一貫して市場平均であるTOPIXを大幅に下回る「アンダーパフォーム」という結果になっています。これは、FY2023から続く営業赤字など、厳しい業績が株価の低迷に直結したことが主な原因です。配当は維持されているものの、株価下落がそれを打ち消してしまい、投資家にとっては厳しいリターン環境が続いています。株価がPBR1倍に向けて回復していくためには、計画通りの黒字化達成が絶対条件となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 87.5万円 | -12.5万円 | -12.5% |
| FY2022 | 77.4万円 | -22.6万円 | -22.6% |
| FY2023 | 84.7万円 | -15.3万円 | -15.3% |
| FY2024 | 96.6万円 | -3.4万円 | -3.4% |
| FY2025 | 90.3万円 | -9.7万円 | -9.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は49.86倍と高く、将来の株価上昇を見込んだ個人投資家の買いが多い状況ですが、これは将来的な売り圧力にもなり得ます。業界平均と比較すると、PBRは0.49倍と著しく割安な一方、PERは割高で、市場が将来の利益回復をある程度織り込んでいるものの、まだ本格的な評価には至っていないことを示唆しています。時価総額は業界中央値に比べ小規模であり、今後の成長余地は大きいと考えられます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
通期営業利益の予想を上方修正し、コスト構造の改善と価格転嫁が功を奏した。
連結経常利益が前年同期比5.9倍に急拡大し、収益力が大幅に向上したことを示した。
経営体制の刷新を目的とした役員異動を発表し、ガバナンス体制の強化を図る。
最新ニュース
アキレス まとめ
ひとめ診断
「子供靴『瞬足』のヒットメーカー、その実態は自動車から建材まで支える素材技術の黒子企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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