インフロニア・ホールディングス
INFRONEER Holdings Inc.
最終更新日: 2026年3月22日
インフラの常識を変える。M&A戦略で「脱請負」に挑む異端の建設グループ
インフラストラクチャー・ビジネスの既成概念に挑み、総合インフラサービス企業として世界中に最適なサービスを提供する
この会社ってなに?
あなたが日常的に利用する高速道路、上下水道、空港などのインフラを建設・運営しているのがインフロニアグループです。前田建設工業が手掛けるトンネルやダム、前田道路が舗装する道路、さらには洋上風力発電所の建設まで、社会の基盤を幅広く支えています。最近では三井住友建設も傘下に加え、橋梁やPC構造物の技術力も取り込み、日本のインフラの未来を一手に担おうとしています。
インフロニア・ホールディングスは2021年10月に前田建設工業・前田道路・前田製作所の3社が共同株式移転で設立した持株会社です。「脱請負」を標榜し、東洋建設や三井住友建設のTOB、日本風力開発のグループ化など大型M&Aを矢継ぎ早に実行しています。FY2025/3期は売上高8,475億円・営業利益471億円と着実に成長し、FY2026/3期は売上高8,963億円・営業利益549億円を予想。中期経営計画「INFRONEER Medium-term Vision 2027」では事業利益1,000億円を目標に掲げ、官民連携事業や再生可能エネルギー事業など投資事業の拡大フェーズに入っています。
会社概要
- 業種
- 建設業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区富士見二丁目10番2号
- 公式
- www.infroneer.com
社長プロフィール
インフロニア・ホールディングスは、インフラストラクチャー・ビジネスの既成概念に挑み、イノベーティブなアイデアで世界中に最適なサービスを提供する企業グループを目指しています。建設業の枠を超え、インフラの運営・投資まで一気通貫で手掛ける総合インフラサービス企業への転身を加速してまいります。
この会社のストーリー
前田建設工業・前田道路・前田製作所の3社が共同株式移転により持株会社を設立。「脱請負」を掲げ、建設業界の常識を覆す挑戦が始まった。
海洋土木大手の東洋建設に対し株式取得を開始。当初は反対もあったが、最終的に完全子会社化を実現し、海洋インフラ分野への進出を果たした。
約940億円の大型TOBにより三井住友建設を傘下に収める。橋梁・PC構造物の技術力を取り込み、グループの事業領域を大幅に拡大した。
3年間を「投資事業拡大フェーズ」と位置づけ、事業利益1,000億円・ROE10%以上を目標に設定。官民連携事業や再生可能エネルギーへの投資を加速。
建設・運営・投資を一気通貫で手掛ける世界有数の総合インフラサービス企業の確立を目指す。グローバル展開とDX推進が成長の鍵を握る。
注目ポイント
設立からわずか4年で東洋建設・三井住友建設・日本風力開発など大型M&Aを連続実行。業界再編のリーダーとして、スピード感のある事業拡大を推進しています。
従来の建設請負に加え、PPP/PFIによるインフラ運営や再生可能エネルギー事業など、ストック型の収益基盤を構築。安定的かつ高収益なビジネスモデルへの転換を進めています。
設立以来、配当は40円から92円(予想)へと2倍以上に増額。配当利回り約4%は建設業界トップクラスで、累進配当方針により今後のさらなる増配も期待されます。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2022/3 | 40円 | 42.2% |
| FY2023/3 | 55円 | 39.7% |
| FY2024/3 | 60円 | 46.0% |
| FY2025/3 | 60円 | 48.3% |
株主優待制度はありません。
設立以来、40円から60円へ着実に増配を続けています。FY2026/3期の会社予想は年間92円と大幅増配を見込んでおり、配当利回りは3.98%と建設業界でも高水準です。FY2026/3期に2度の業績上方修正に伴い配当も増額されており、株主還元姿勢は積極的です。株主優待制度はありませんが、高い配当利回りで実質的な株主還元を確保しています。
同業比較(収益性)
建設業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
2021年の設立以来、売上高は着実に拡大し、FY2025/3期には8,475億円に到達しました。FY2024/3期に東洋建設を連結子会社化したことで売上・利益ともに規模が拡大しています。FY2025/3期は営業利益471億円とFY2024/3比でやや減益となりましたが、これは三井住友建設のTOB関連費用などが影響しています。FY2026/3期は売上高8,963億円・営業利益549億円と増益に転じる予想で、中期経営計画の事業利益1,000億円に向けた成長軌道にあります。
事業ごとの売上・利益
土木・建築工事を中心とする主力セグメント。トンネル・ダム・高層ビル等の大型プロジェクトに強み
道路舗装・アスファルト合材の製造販売。安定した収益基盤を持つ
港湾・海洋構造物の建設。洋上風力発電関連工事の受注拡大を推進
建設機械(クレーン等)の製造・販売。グループ内需要も取り込む
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2022/3 | 0.0% | 2.7% | 0.2% |
| FY2023/3 | 9.9% | 4.6% | 4.4% |
| FY2024/3 | 10.7% | 3.5% | 4.7% |
| FY2025/3 | 3.1% | 3.4% | 2.6% |
営業利益率は5%台後半で安定推移しており、FY2024/3期には6.4%まで改善しました。しかしFY2025/3期はM&A関連費用の影響でROEが6.0%に低下しています。中期経営計画ではROE10%以上を目標としており、三井住友建設の連結化や投資事業の収益化により達成を目指しています。建設業界平均と比較すると営業利益率は上位に位置しています。
財務は安全?
FY2024/3期に東洋建設の連結化で総資産が約1.4兆円に急拡大し、自己資本比率は28.4%まで低下しました。しかしFY2025/3期には有利子負債を7,598億円から3,008億円へ大幅に削減し、自己資本比率は35.8%まで回復しています。BPSは1,682円と着実に上昇しており、1株当たりの資産価値は堅調に増加しています。今後は三井住友建設の連結化で再び総資産が拡大する見込みです。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2022/3 | -163億円 | -225億円 | 153億円 | -389億円 |
| FY2023/3 | 710億円 | -52.9億円 | -564億円 | 657億円 |
| FY2024/3 | 389億円 | -2,793億円 | 2,613億円 | -2,403億円 |
| FY2025/3 | 396億円 | -275億円 | -48.8億円 | 121億円 |
FY2022/3期は設立初年度で営業CFがマイナスとなりましたが、FY2023/3期には709億円の営業CFを確保しました。FY2024/3期は東洋建設買収(投資CF△2,792億円)に伴い財務CFで2,613億円を調達。FY2025/3期は営業CF396億円を確保しつつ投資CFは△275億円に縮小し、FCFは121億円のプラスに転換しています。今後は三井住友建設のTOB資金として再び投資CFが増大する見込みです。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2022/3 | 380億円 | 113億円 | 29.8% |
| FY2023/3 | 418億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 430億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 124億円 | 0円 | 0.0% |
FY2022/3期は実効税率29.8%と法定税率に近い水準でしたが、FY2023/3期は14.1%まで低下しました。これはグループ再編に伴う税効果会計の影響と考えられます。FY2026/3期の予想では実効税率39.2%と高めの想定となっており、M&Aに伴うのれん償却や非控除費用の影響が見込まれています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 1,106万円 | 8,076人 | - |
平均年収は約1,106万円で、建設業界の中でもトップクラスの水準です。ただしこれは持株会社単体(102名)の数値であり、傘下の前田建設工業や前田道路等の事業会社従業員を含む連結ベースでは異なります。平均年齢42.8歳は安定した人材構成を示しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は前田建設工業取引先持株会氏・光が丘興産・インフロニア・ホールディングス社員持株会。
筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(13.1%)で、機関投資家の保有を反映しています。第2位の光が丘興産(9.5%)は前田建設工業の創業家関連会社であり、創業家の影響力が一定程度維持されている構成です。社員持株会(3.4%)や取引先持株会(1.1%)の存在も安定株主比率を押し上げています。外国人投資家比率は17.2%と建設業としては標準的な水準です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 建設事業(前田建設工業) | 4,200億円 | 220億円 | 5.2% |
| 道路・舗装事業(前田道路) | 2,800億円 | 180億円 | 6.4% |
| 海洋土木事業(東洋建設) | 1,200億円 | 60億円 | 5.0% |
| 機械製造事業(前田製作所) | 275億円 | 11億円 | 4.0% |
建設事業(前田建設工業)が売上高の約半分を占める主力セグメントで、道路・舗装事業(前田道路)が安定した収益基盤を形成しています。2024年3月期に東洋建設を連結子会社化し海洋土木事業が加わったことで事業ポートフォリオが拡大しました。さらに三井住友建設のグループ化により橋梁・PC構造物分野が加わる予定で、総合インフラサービス企業としての体制が整いつつあります。事業リスクとしてはM&A統合コストやのれん減損、金利上昇に伴う利払い負担増が主な懸念材料です。
この会社のガバナンスは?
取締役会は14名で構成され、女性役員比率は7.1%と建設業界全体と同水準ですが改善の余地があります。設備投資は年間419億円と積極的で、M&Aに加えて自社の生産設備やDX投資を推進しています。平均勤続年数14.2年は安定した雇用環境を反映しています。指名委員会等設置会社の形態を採用しており、ガバナンス体制の透明性を高めています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 8,399億円 | — | 8,475億円 | +0.9% |
| FY2026 | 8,963億円 | — | — | 進行中 |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 590億円 | — | 471億円 | -20.2% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2026 | 334億円 | 554億円 | — | +65.9%(修正率) |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画「INFRONEER Medium-term Vision 2027」では、3年間を「投資事業拡大フェーズ」と位置づけ、事業利益1,000億円・ROE10%以上を最終年度目標に掲げています。FY2026/3期は2度の上方修正を経て純利益554億円と過去最高益を更新する見通しで、M&A効果の顕在化が確認できます。官民連携事業(PPP/PFI)や再生可能エネルギー事業への投資拡大が今後の成長ドライバーとなります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
直近3期のTSR(株主総利回り)は132.7%とTOPIXの189.5%を下回っており、市場平均をアンダーパフォームしています。FY2024にはTSR149.6%まで上昇しましたが、FY2025には132.7%へ低下。M&Aに伴う資金需要や一時費用が株価の重しとなった側面があります。今後は三井住友建設の統合効果や投資事業の収益化により、TSR改善が期待されます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2023 | 103.4万円 | +3.4万円 | 3.4% |
| FY2024 | 149.6万円 | +49.6万円 | 49.6% |
| FY2025 | 132.7万円 | +32.7万円 | 32.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERが18.5倍と建設業平均(14.8倍)を上回っており、M&Aによる成長期待が株価に織り込まれています。信用倍率は35.22倍と買い残が大幅に上回る「買い長」状態で、個人投資家からの期待が高い一方、需給面での過熱感には注意が必要です。配当利回り3.98%は業界平均を大きく上回り、増配傾向と相まって投資妙味があります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2026/3期の連結最終利益を従来予想の334億円から510億円へ52.7%上方修正し、3期ぶりに過去最高益を更新する見通しを発表。配当も18円増額し年間92円に。
FY2026/3期の通期業績予想を上方修正。連結純利益予想を510億円から554億円に引き上げ、年間配当予想も7円増額した。
中期経営計画「INFRONEER Medium-term Vision 2027」の業績目標を修正。三井住友建設の連結化に伴い、FY2027の事業利益目標を1,000億円に設定。
三井住友建設に対して完全子会社化を目的としたTOBを発表。取得額は約940億円で、建設業界の大型再編として注目を集めた。
FY2024/3期の本決算を発表。売上高7,932億円・営業利益510億円と増収増益を達成し、東洋建設の連結化効果が寄与した。
最新ニュース
インフロニア・ホールディングス まとめ
ひとめ診断
「脱請負」を掲げM&Aで急拡大、総合インフラサービス企業への転身を図る建設持株会社
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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