アース製薬
Earth Corporation
最終更新日: 2026年3月28日
殺虫剤シェアNo.1!暮らしの『キモチいい』をM&Aで多角化する生活密着企業
生命と暮らしに寄り添い、地球との共生を実現することを目指し、世界中の人々が快適で安心な生活を送れる社会を創造します。
この会社ってなに?
夏、プーンという嫌な音を気にせず眠れるのは、あなたの部屋にある「アースノーマット」のおかげかもしれません。また、庭仕事で虫に刺されないように使う「サラテクト」や、お口をスッキリさせる「モンダミン」もアース製薬の製品です。さらに、一日の疲れを癒すお風呂で使う「バスロマン」や「温泡」といった入浴剤も、実はアース製薬グループが作っています。あなたが普段ドラッグストアで何気なく手に取る商品の多くが、同社の技術に支えられています。
殺虫剤で国内シェア60%を誇る日用品メーカー。2025年12月期は売上高1,791.8億円、営業利益80.87億円を見込み、前期比で増収増益を計画しています。近年は「バスクリン」や「白元アース」に加え、園芸用品の「プロトリーフ」を子会社化するなどM&Aを加速させ、事業の多角化を推進。原材料価格の高騰が課題ですが、価格改定や高付加価値製品の投入で収益性の改善に取り組んでおり、安定配当を維持する株主還元姿勢も注目されます。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 12月
- 本社
- 東京都千代田区神田司町二丁目12番地1
- 公式
- corp.earth.jp
社長プロフィール
10年前に若手から抜擢されて以来、変化する市場環境に迅速に対応するため、現場への権限移譲を進めてきました。M&Aを積極的に活用して事業領域を拡大し、グループ全体のシナジーを最大化することで、持続的な成長を目指します。
この会社のストーリー
木村秀蔵が大阪で「木村化学」を創業し、医薬品の製造販売を開始。これがアース製薬の原点となる。
殺虫剤「アース」の製造販売を目的としてアース製薬株式会社を設立。家庭用殺虫剤メーカーとしての歩みを本格的にスタートさせる。
殺虫剤を使わない画期的なゴキブリ捕獲器「ごきぶりホイホイ」を発売し、社会現象となるほどの大ヒットを記録する。
安定した経営基盤を背景に東京証券取引所市場第二部に上場(その後第一部に指定替え)。企業の社会的信用と知名度をさらに高める。
入浴剤のトップブランド「バスクリン」を子会社化。虫ケア用品以外の分野へ本格的に進出し、事業の多角化を加速させる。
防虫剤「ミセスロイド」や保冷剤「アイスノン」で知られる白元(当時)の事業を譲り受け、家庭用品分野でのポートフォリオを一層強化する。
川端克宜氏が代表取締役社長に就任。M&Aで拡大したグループ各社との連携を深め、シナジー創出による収益性改善を目指す新体制が始動する。
構造改革による収益性改善を掲げた中期経営計画の最終年度。売上高1,700億円、ROE7.2%の目標達成に向け、グループ一丸で挑戦を続ける。
注目ポイント
「ごきぶりホイホイ」や「アースノーマット」など、誰もが知る強力なブランドを多数保有。安定した収益基盤が企業の強みです。
入浴剤の「バスクリン」や防虫剤の「白元アース」などを傘下に収め、事業領域を拡大。シナジー効果でさらなる成長を目指しています。
株主還元に積極的で、安定した配当を継続しています。さらに、年に2回、2,000円相当以上の自社グループ製品詰め合わせがもらえる株主優待も魅力です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 115円 | 69.0% |
| FY2017/3 | 115円 | 105.3% |
| FY2018/3 | 115円 | 0.4% |
| FY2019/3 | 100円 | 161.8% |
| FY2020/3 | 115円 | 67.4% |
| FY2021/3 | 118円 | 36.4% |
| FY2022/3 | 118円 | 49.1% |
| FY2023/3 | 118円 | 63.6% |
| FY2024/3 | 120円 | 75.8% |
| FY2025/3 | 125円 | 52.1% |
| 権利確定月 | 12月 |
当社は株主への利益還元を重要課題と位置づけ、DOE(株主資本配当率)3.9%を指標とする安定的な配当を実施しています。配当性向は年度により変動しますが、業績成長に伴う増配を継続する方針です。今後も財務基盤の健全性を考慮しつつ、株主還元の拡充に努めていく姿勢です。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の売上高は成長軌道にあり、FY2025/3には約1,792億円を達成しました。近年の業績は、虫ケア用品の国内シェア首位の強固な基盤に加え、積極的なM&Aによる事業領域の拡大が寄与しています。今後はグローバル展開やBtoB事業の強化により、さらなる収益成長が見込まれています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 10.5% | 5.9% | - |
| FY2022/3 | 5.2% | 4.3% | - |
| FY2023/3 | 6.3% | 3.1% | - |
| FY2024/3 | 4.7% | 2.6% | 3.8% |
| FY2025/3 | 7.7% | 3.5% | 4.5% |
収益性については、コスト増加の影響等から営業利益率は4%から5%前後の水準で推移しており、改善が継続課題となっています。ROE(自己資本利益率)は直近で6.4%まで回復しており、資本効率の向上が図られています。今後は構造改革による販管費の最適化が、利益率向上への鍵となるでしょう。
財務は安全?
財務基盤は強固で、自己資本比率は50%前後を安定的に維持しています。近年はM&Aに伴い有利子負債が約246億円まで増加していますが、潤沢な資産背景から財務健全性は保たれています。資産の質と資本構成のバランスが取れており、経営の安定性は高い水準にあります。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 48.1億円 | -32.2億円 | -46.1億円 | 15.9億円 |
| FY2022/3 | 39.0億円 | -62.7億円 | -44.6億円 | -23.6億円 |
| FY2023/3 | 75.2億円 | -101億円 | 48.9億円 | -26.1億円 |
| FY2024/3 | 140億円 | -52.8億円 | -99.0億円 | 86.8億円 |
| FY2025/3 | 108億円 | -37.6億円 | -10.2億円 | 70.4億円 |
営業キャッシュフローは安定した利益創出により100億円規模を確保しており、本業の稼ぐ力が強化されています。投資活動については、事業拡大に向けたM&Aや設備投資を継続的に実施しています。フリーキャッシュフローは黒字定着の傾向にあり、潤沢な手元資金を成長投資や株主還元へ回せる体制が整っています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 114億円 | 42.2億円 | 37.1% |
| FY2022/3 | 81.3億円 | 28.3億円 | 34.8% |
| FY2023/3 | 67.9億円 | 26.9億円 | 39.6% |
| FY2024/3 | 73.6億円 | 38.9億円 | 52.8% |
| FY2025/3 | 88.9億円 | 36.5億円 | 41.1% |
法人税等の支払額は、税引前利益の変動に伴い推移しています。FY2024/3には実効税率が一時的に上昇しましたが、これは繰延税金資産の取り崩し等の影響を受けたものです。将来に向けた税負担は正常な範囲で推移しており、収益拡大に伴う適切な納税が継続されています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 771万円 | 4,963人 | - |
平均年収771万円は、国内の日用品・化学業界の中でも比較的高い水準を維持しています。虫ケア用品での圧倒的シェアやグループの安定基盤に加え、海外展開やバスクリン等との統合による経営効率化が、高待遇を支える要因となっています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は大塚製薬・大塚製薬工場・アース製薬社員持株会。
大塚グループの製薬・化学関連会社が上位株主の多くを占めており、大塚製薬と大塚製薬工場で計約19%を保有するなど、グループによる強固な支配体制が特徴です。加えて社員持株会や安定株主が多く、長期的な視点での経営が可能ですが、浮動株比率は限定的と言えます。
会社の公式開示情報
役員報酬
虫ケア用品を中核としつつ、入浴剤や園芸用品へ多角化を図る安定的なポートフォリオが強みです。リスク要因として、気候変動や猛暑といった季節要因による売上変動が挙げられる一方、M&A戦略による事業領域の拡大で収益の安定性を高めています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が33.3%と高く、多様な視点を取り入れた経営体制を構築しています。13社の連結子会社を擁するグループとして、強固な監査体制を整備し、設立100周年を経て持続可能な成長とガバナンス強化に注力しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,750億円 | — | 1,792億円 | +2.4% |
| FY2024 | 1,650億円 | — | 1,693億円 | +2.6% |
| FY2023 | 1,600億円 | — | 1,583億円 | -1.0% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 65億円 | — | 81億円 | +24.4% |
| FY2024 | 30億円 | — | 64億円 | +114.2% |
| FY2023 | 80億円 | — | 64億円 | -20.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の中期経営計画(FY2024-2026)は、最終年度の目標売上高1,700億円、営業利益70億円を掲げています。直近のFY2025会社予想では売上高1,791.8億円、営業利益80.87億円と、2年目で最終目標を前倒しで達成する見込みです。一方で、過去には原材料高騰などの外部環境の変化で業績予想が未達となった期もあり、保守的になりがちな期初予想を上回れるかが継続的な課題と言えます。構造改革とM&Aによるシナジー創出が進捗の鍵となります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、一貫してTOPIXをアンダーパフォームしています。これは、同社の安定的な事業基盤や配当が評価される一方で、TOPIXを牽引したグロース株のような急激な株価上昇には至らなかったことを示唆します。特に株価が大きく上昇したFY2023以降はTOPIXとの差が拡大しました。株価を押し上げるためには、M&Aによるシナジー効果の具現化や、海外事業の拡大といった新たな成長ストーリーを市場に示す必要があります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 107.4万円 | +7.4万円 | 7.4% |
| FY2022 | 91.0万円 | -9.0万円 | -9.0% |
| FY2023 | 84.6万円 | -15.4万円 | -15.4% |
| FY2024 | 104.4万円 | +4.4万円 | 4.4% |
| FY2025 | 95.6万円 | -4.4万円 | -4.4% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は1.27倍と拮抗しており、短期的な過熱感は見られません。PERは16.9倍と化学セクター平均(約25倍)に比べて割安な水準にあります。一方で、配当利回りは2.70%と業界平均を上回っており、高配当を重視する投資家からの資金流入が期待されます。PBRは1.40倍と平均的で、市場からは安定成長企業として評価されていることがうかがえます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
アース製薬は設立100周年を迎え、発祥の地である赤穂市と連携した記念イベントを展開しました。
第2四半期決算にて経常利益の上方修正を発表し、市場の注目を集めました。
プロトリーフの株式を追加取得し完全子会社化を決定、園芸用品分野の事業強化を加速させました。
最新ニュース
アース製薬 まとめ
ひとめ診断
「『ごきぶりホイホイ』の王者がM&Aを連発、入浴剤からオーラルケアまで生活圏を丸ごと押さえる日用品コングロマリット」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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