住友ベークライト
Sumitomo Bakelite Company,Limited
最終更新日: 2026年3月22日
半導体封止材で世界首位!攻めのM&Aで素材の力をさらに進化させる住友系樹脂大手
プラスチックの可能性を追求し、社会と環境に貢献するグローバル企業を目指す。
この会社ってなに?
スマートフォンやパソコンの中にあるICチップを衝撃や湿気から守る「封止材料」という素材で、住友ベークライトは世界ナンバーワンのシェアを持っています。あなたが毎日使うスマホやゲーム機、さらには電気自動車のモーターを制御するパワー半導体にも、同社の材料が使われています。また、病院で使われる採血管や食品を長持ちさせる包装フィルムなど、暮らしの身近なところにも同社の技術が活きています。名前を直接目にすることは少ないですが、デジタル社会と日常生活を縁の下から支えている会社です。
住友ベークライトは1932年設立の住友系樹脂加工大手で、半導体向け封止材料で世界首位のシェアを誇ります。高機能プラスチック(半導体関連材料・車載部品)、クオリティオブライフ(医療機器・食品包装)、その他の3セグメントで事業を展開。FY2025/3は売上高3,048億円(前年比+6.1%)、営業利益248億円と堅調に推移しました。FY2026/3は売上高3,100億円、営業利益310億円と大幅増益を見込んでおり、2026年1月には京セラの半導体向けケミカル事業を約300億円で買収すると発表。中期経営計画2024-26では2030年に営業利益率12%・ROE12%を目標に掲げ、パワー半導体やAIデータセンター向け材料の拡充を進めています。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都品川区東品川二丁目5番8号 天王洲パークサイドビル
- 公式
- www.sumibe.co.jp
社長プロフィール
素材の力で社会の進歩に貢献するという創業以来の精神を受け継ぎ、半導体、モビリティ、ライフサイエンスの各分野で新たな価値を生み出していきます。ステークホルダーの皆様とともに持続的な成長を実現してまいります。
この会社のストーリー
日本で初めてフェノール樹脂(ベークライト)の工業化に成功した日本ベークライトと住友系のフェノール樹脂メーカーが合併し、住友ベークライトが誕生しました。
エポキシ樹脂封止材料の開発に成功し、半導体パッケージング材料で世界首位のポジションを確立。IT産業の成長とともに事業を拡大しました。
2030年に向けた中期経営計画を策定し、営業利益率12%・ROE12%を目標に掲げました。株式分割(1:2)を実施し投資しやすさも向上。
AGCのポリカーボネート事業、京セラの半導体向けケミカル事業を相次いで買収。パワー半導体やAIデータセンター向け材料の事業基盤を大幅に強化しました。
パワー半導体やEV向け高機能素材で成長を加速し、売上高3,500億円超・営業利益率12%の高収益企業への変革を目指しています。
注目ポイント
ICチップを保護するエポキシ樹脂封止材料で圧倒的なグローバルシェアを持ち、AI・EV時代のデジタルインフラを支えています。
京セラの半導体材料事業(約300億円)やAGCのポリカーボネート事業を買収するなど、大胆な投資で事業基盤を拡大しています。
自己資本比率69.6%の強固な財務体質に加え、住友化学を中心とする住友グループの支援体制が経営の安定性を支えています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 10円 | 62.5% |
| FY2017/3 | 10円 | 22.2% |
| FY2018/3 | 12円 | 18.7% |
| FY2020/3 | 39.7円 | 39.3% |
| FY2021/3 | 39.7円 | 26.8% |
| FY2022/3 | 58.2円 | 28.3% |
| FY2023/3 | 68.8円 | 30.2% |
| FY2024/3 | 150円 | 64.2% |
| FY2025/3 | 95円 | 45.5% |
株主優待制度はありません。
FY2021/3からFY2024/3まで75円から150円へ増配を続けましたが、FY2024/3に株式分割(1:2)を実施したため、FY2025/3の配当金は分割後ベースで95円(分割前換算190円で実質増配)となっています。当初予想の90円から5円増額修正し95円に。FY2026/3は分割後ベースで105円を予想しており、実質的な増配傾向が続いています。配当性向は30%以上を目標としています。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
過去5年間で売上高は約2,090億円から3,048億円へ約46%成長し、営業利益も199億円から248億円へ拡大しました。FY2024/3には株式分割(1:2)を実施したためEPSは見かけ上低下していますが、実質的な利益は増加基調にあります。FY2026/3は京セラ事業買収効果もあり営業利益310億円と大幅増益を見込んでおり、売上高3,100億円で過去最高を更新する計画です。
事業ごとの売上・利益
半導体封止材料(世界首位)、車載用エポキシ樹脂成形材料、フェノール樹脂、放熱絶縁シートなどを展開。パワー半導体・AIデータセンター向け材料が成長ドライバー
医療機器(採血管・検体容器)、食品包装フィルム、建材用化粧シートなど生活関連製品を展開。安定的な需要基盤を持つ
研究開発サービスやその他事業を含む
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 7.0% | 4.7% | - |
| FY2022/3 | 6.5% | 7.0% | - |
| FY2023/3 | 12.0% | 7.1% | - |
| FY2024/3 | 19.3% | 7.1% | 27.5% |
| FY2025/3 | 21.3% | 6.8% | 28.9% |
営業利益率は8%〜10%の範囲で推移しており、化学業界の中では中位の水準です。ROEは6.5%〜7.9%と安定していますが、自社目標の10%にはまだ届いていません。FY2025/3は高機能プラスチックセグメントの不採算事業構造改革の影響で一時的に利益率が低下しましたが、FY2026/3は営業利益率10.0%への改善を見込んでいます。中期経営計画では2030年に営業利益率12%・ROE12%を目指しており、京セラ事業買収による高収益材料の取り込みが鍵となります。
財務は安全?
総資産は5年間で約3,458億円から4,178億円へ拡大し、自己資本比率は57.9%から69.6%へ大幅に改善しています。FY2023/3までは実質無借金経営でしたが、FY2024/3に成長投資のため有利子負債約637億円を計上。FY2025/3には414億円へ圧縮しており、財務規律を維持しています。BPSはFY2024/3に株式分割(1:2)を実施したため見かけ上は低下していますが、実質的な1株純資産は着実に増加しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 402億円 | -211億円 | -62.8億円 | 191億円 |
| FY2025/3 | 437億円 | -156億円 | -449億円 | 281億円 |
営業CFは5年間で約274億円から437億円へ大幅に拡大し、FY2025/3のフリーキャッシュフローは約281億円と堅調です。FY2024/3には成長投資の拡大で投資CFが増加しましたが、営業CFの力強い成長がこれをカバーしています。FY2025/3の財務CFは-449億円と大きなマイナスですが、これは借入金返済を積極的に進めた結果であり、財務健全性の向上を示しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 109億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 115億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 160億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 307億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 348億円 | 61.9億円 | 17.8% |
FY2026/3の税引前利益は310億円、法人税等の見込額は約75億円で、実効税率は24.2%と標準的な水準です。海外子会社の利益構成比や各国の税制度により実効税率は変動しますが、全体として適正な納税が継続されています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 794万円 | 7,981人 | - |
平均年収は794万円で化学業界の中では平均的な水準です。平均年齢45.9歳・平均勤続年数21.9年と長期勤続者が多く、安定した雇用環境が特徴です。連結従業員数は約7,981名で、国内外に多数の製造拠点を展開するグローバル企業としての規模を有しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。 主な安定株主は住友化学。
住友化学が約10.6%を保有する住友グループの一員であり、信託銀行経由の機関投資家が約25%を保有する安定した株主構成です。GIC(シンガポール政府投資公社)やSTATE STREET BANKなど海外機関投資家の保有比率が高く、グローバルに評価されている銘柄です。安定株主比率は約48%と経営基盤を支えつつ、浮動株比率も約52%あり流動性が確保されています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 高機能プラスチック | 約2,050億円 | 約200億円 | 約9.8% |
| クオリティオブライフ | 約850億円 | 約55億円 | 約6.5% |
| その他 | 約150億円 | 約10億円 | 約6.7% |
研究開発費
高機能プラスチック・クオリティオブライフの2セグメントを主軸に展開しており、特に高機能プラスチック(売上構成比約67%)が収益の柱です。半導体封止材料で世界首位のシェアを持ち、パワー半導体やAIデータセンター向け材料の拡充を進めています。役員報酬は取締役7名に対し総額4億2,300万円。研究開発費は売上高比約4.3%で、難燃絶縁材料やバイオマス樹脂など次世代素材の開発を推進しています。
この会社のガバナンスは?
取締役・監査役合計13名のうち女性2名(15.0%)と多様性の確保を進めています。監査等委員会設置会社として独立社外取締役を含む体制で経営の透明性を確保。設備投資額は176.4億円と積極的な成長投資を実施しており、半導体関連材料の生産能力増強を中心に配分しています。平均勤続年数21.9年は業界内でも長い部類で、技術・ノウハウの蓄積と安定的な人材基盤が特徴です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 2,950億円 | — | 2,873億円 | -2.6% |
| FY2025 | 3,090億円 | — | 3,048億円 | -1.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 270億円 | — | 248億円 | -8.1% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
前中計(2021-2023年度)では売上収益目標2,500億円に対し2,873億円と大幅に超過達成しましたが、事業利益率10%・ROE10%の目標は未達となりました。現中計(2024-26年度)では2030年のありたい姿として営業利益率12%・ROE12%を掲げ、パワー半導体材料の強化や京セラ事業買収による成長投資を実行中です。FY2026/3は営業利益310億円(利益率10.0%)を予想しており、目標達成に向けて改善が進んでいます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
直近5年間のTSR(株主総利回り)は318.8%とTOPIXの213.4%を大幅にアウトパフォームしています。FY2024にはTSR423.6%のピークを記録しましたが、FY2025は半導体市場の調整や不採算事業の構造改革を背景に318.8%へ低下。それでもTOPIXを105ポイント以上上回っており、半導体材料需要の長期成長が株主リターンを力強く支えています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 200.4万円 | +100.4万円 | 100.4% |
| FY2022 | 225.5万円 | +125.5万円 | 125.5% |
| FY2023 | 238.6万円 | +138.6万円 | 138.6% |
| FY2024 | 423.6万円 | +323.6万円 | 323.6% |
| FY2025 | 318.8万円 | +218.8万円 | 218.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
化学セクターの中ではPER・PBRともにやや高めの評価が付与されています。PER19.0倍はセクター平均の約1.3倍、PBR1.54倍も平均を上回っており、半導体封止材料世界首位のポジションと京セラ事業買収による成長期待が市場から評価されている結果です。配当利回りは1.87%とセクター平均を下回りますが、これは株価の上昇が配当増額を上回るペースで進んだためです。信用倍率は5.87倍と買い優勢で、投資家の上昇期待が示されています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2026/3通期の最終利益予想を9%上方修正し、過去最高益予想を上乗せ。配当も5円増額修正し年間95円に。
多様な素材に対応する高密着性特殊フェノール樹脂シリーズを新たに展開開始。
京セラの半導体向けケミカル事業を約300億円で買収すると発表。パワー半導体材料を大幅に強化。
AGCの高機能樹脂(ポリカーボネート)製造事業を買収。車載部品・データセンター向け材料を拡充。
最新ニュース
住友ベークライト まとめ
ひとめ診断
「半導体封止材で世界首位、京セラ事業買収で攻めの成長を加速する住友系樹脂大手」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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