高圧ガス工業
KOATSU GAS KOGYO CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月27日
産業の基盤を支える、溶解アセチレン国内首位の総合ガスメーカー
多様なガスと化学製品の安定供給を通じて産業基盤を支え、環境技術と事業領域の拡大により、持続可能な社会の実現をリードする企業となる。
この会社ってなに?
あなたが病院で治療を受けるとき、そこで使われるクリーンな医療用酸素も高圧ガス工業が供給しているかもしれません。また、普段目にする鉄骨のビルや橋が建設される際、鉄を切断・溶接する工程で使われるアセチレンガスは、同社が国内トップシェアを誇る製品です。さらに、スマートフォンの半導体を製造する特殊なガスや、ポテトチップスの袋に詰めて鮮度を保つ窒素ガスなど、目に見えないけれど私たちの安全で快適な生活を支える様々な場面で同社の技術が活躍しています。
溶解アセチレンで国内首位を誇る産業ガス大手。FY2025実績は売上高989.8億円、営業利益59.69億円と安定した収益基盤を維持しています。主力であるガス事業が売上の7割以上を占め、半導体関連や医療用ガスなど幅広い産業を支えています。近年はM&Aによる事業領域拡大や、CO2排出ゼロ技術のような環境関連分野にも注力し、持続的な成長を目指しています。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪市北区中崎西2丁目4番12号 梅田センタービル
- 公式
- www.koatsugas.co.jp
社長プロフィール
当社は溶解アセチレンのトップメーカーとして、産業の発展に不可欠なガスを安定供給し、社会に貢献してまいりました。今後は既存事業の強化に加え、M&Aや環境配慮型技術への投資を積極的に行い、持続的な成長を目指します。株主の皆様への還元も重視し、企業価値の向上に努めてまいります。
この会社のストーリー
アセチレンガス等の製造・販売を目的に大阪で創業。日本の産業発展の黎明期を支える一歩を踏み出す。
創業からわずか5年で株式上場を果たす。事業拡大と社会的信用の獲得に向けた大きなマイルストーンとなる。
事業の全国展開を背景に東証にも上場。全国規模での事業基盤を確立し、さらなる成長ステージへと進む。
安定した経営実績が評価され、第一部へ指定替えとなる。名実ともに日本を代表する化学メーカーの一つとなる。
東京証券取引所の市場再編に伴い、最上位であるプライム市場へ移行。グローバルな投資家からも注目される企業としての地位を固める。
(株)ジョーサンの子会社化や、日立建機などと共同でCO2排出ゼロの浸炭技術を実証するなど、M&Aと技術革新で新たな成長領域を切り拓く。
新たな株主還元方針として「配当性向50%を目安にDOE2.5%を下限」とする目標を設定。持続的な成長と株主への利益還元の両立を目指す。
注目ポイント
金属の溶接や切断に不可欠な溶解アセチレンガスで国内首位を誇ります。産業の根幹を支える安定した事業基盤が強みです。
2026年3月期から「配当性向50%目安、DOE2.5%下限」という新たな目標を掲げました。株主への利益還元に積極的な姿勢を示しています。
他社と共同でCO2排出量ゼロの浸炭技術を実証するなど、脱炭素社会の実現に貢献する技術開発にも注力。未来の成長も期待されます。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 14円 | 25.0% |
| FY2017/3 | 14円 | 23.2% |
| FY2018/3 | 16円 | 27.3% |
| FY2019/3 | 16円 | 25.3% |
| FY2020/3 | 16円 | 23.2% |
| FY2021/3 | 16円 | 25.1% |
| FY2022/3 | 16円 | 21.3% |
| FY2023/3 | 18円 | 25.2% |
| FY2024/3 | 20円 | 24.5% |
| FY2025/3 | 20円 | 23.1% |
現在、株主優待制度は実施していません。
同社は株主還元の強化を図っており、令和8年3月期からは「配当性向50%を目安とし、DOE(純資産配当率)2.5%を下限」とする新しい還元方針を導入し、大幅な増配を目指す姿勢を明確にしています。これまでは業績に応じた安定的な配当を継続してきましたが、今後は資本効率を意識した積極的な配当政策へと転換します。これにより、株主価値の向上と企業価値の最大化を両立させる方針です。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
高圧ガス工業は、産業用ガスや化成品事業の堅調な需要に支えられ、直近5年間で売上高を約769億円から990億円規模へと着実に拡大させています。特に工業用ガス分野でのシェアを背景に、営業利益もFY2021/3の約42億円からFY2025/3には約60億円へと成長基調を維持しています。FY2026/3も緩やかな増収増益を見込んでおり、安定した成長モデルを確立しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 5.3% | 3.8% | - |
| FY2022/3 | 5.6% | 4.2% | - |
| FY2023/3 | 6.0% | 3.7% | - |
| FY2024/3 | 5.8% | 3.7% | 6.2% |
| FY2025/3 | 6.7% | 3.9% | 6.1% |
当社の収益性は、売上高営業利益率が5%から6%台で安定推移しており、製造業として一定の効率性を確保しています。ROE(自己資本利益率)は5%から6%の範囲内で推移しており、資本効率のさらなる改善が今後の重要な経営課題といえます。強固な顧客基盤を背景に、価格転嫁や高付加価値製品へのシフトを通じて、厳しいコスト環境下でも利益率を維持している点が強みです。
財務は安全?
財務基盤は強固であり、自己資本比率は60%を超える高水準を維持し、長期的な安定性を支えています。FY2024/3以降、設備投資等のための有利子負債を計上していますが、依然として健全なバランスシートを保っており、財務リスクは極めて限定的です。強固な資本力を活用し、安定的な事業運営と将来の成長投資を両立できる体質を有しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 49.6億円 | -35.8億円 | -9.9億円 | 13.9億円 |
| FY2022/3 | 58.0億円 | -38.2億円 | 5.8億円 | 19.8億円 |
| FY2023/3 | 56.5億円 | -66.7億円 | 32.3億円 | -10.2億円 |
| FY2024/3 | 81.0億円 | -57.9億円 | 3.9億円 | 23.2億円 |
| FY2025/3 | 64.2億円 | -50.9億円 | -10.9億円 | 13.3億円 |
本業で得られる営業キャッシュフローは毎期60億円から80億円規模と安定しており、創出したキャッシュを成長のための設備投資に積極的に充当するサイクルが定着しています。FY2023/3には投資額の増加により一時的にフリー・キャッシュフローがマイナスとなりましたが、その後は再び黒字化を実現しています。総じて、キャッシュ創出力と投資バランスが適切にコントロールされた健全な状態です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 47.7億円 | 12.5億円 | 26.2% |
| FY2022/3 | 54.0億円 | 12.5億円 | 23.2% |
| FY2023/3 | 58.1億円 | 18.7億円 | 32.2% |
| FY2024/3 | 66.6億円 | 21.5億円 | 32.4% |
| FY2025/3 | 66.4億円 | 18.6億円 | 28.0% |
法人税等の支払額は税引前利益の増減に合わせて変動しており、実効税率は概ね28%から32%の範囲で推移しています。これは日本の標準的な税率水準に照らして妥当な範囲内です。一時的な税率の変動は見られるものの、特段の会計的異常値や大規模な税務上の特例による影響は確認されず、適正な納税が行われています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 608万円 | 2,000人 | - |
従業員の平均年収は608万円であり、製造業を中心とする化学業界における平均的な水準をしっかりと維持していると言えます。この水準は安定した業績推移を背景にしており、継続的な利益還元や待遇改善に前向きな姿勢が反映された結果と考えられます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主はデンカ・共栄火災海上保険・日本酸素ホールディングス。
同社は主要な取引先や金融機関による安定株主が多数を占める構成であり、こうあつ共栄会やデンカ株式会社など、事業上のシナジーが期待できる企業が上位株主に名を連ねています。一方で、創業家や特定の支配的株主の意向に過度に左右されるリスクは限定的であり、長期的かつ安定的な経営基盤が整っていると言えます。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業ポートフォリオは産業用ガスを中心としつつ、化成品部門で高収益を狙う構成となっており、原料価格や環境規制の影響を強く受ける事業リスクを抱えています。しかし、連結子会社を32社抱えるグループ経営により、リスクを分散しながら新たな技術開発やシェア拡大を推進する体制を構築しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は11.1%にとどまっており、多様性の確保は今後の重要課題です。監査体制については監査等委員会設置会社として監視機能を強化しており、プライム市場上場企業として相応の規模感とガバナンス体制を維持しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,000億円 | — | 990億円 | -1.0% |
| FY2024 | 950億円 | — | 933億円 | -1.8% |
| FY2023 | 870億円 | — | 915億円 | +5.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 66億円 | — | 60億円 | -9.6% |
| FY2024 | 57億円 | — | 57億円 | +0.6% |
| FY2023 | 51億円 | — | 51億円 | +0.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
同社は具体的な中期経営計画を開示していませんが、毎期の業績予想が実質的な目標となります。過去3期を見ると、売上・利益ともに期初予想からの乖離は比較的小さく、安定した事業運営と堅実な計画策定力がうかがえます。FY2025は増収ながらも原材料価格の高騰などが影響し、利益面で期初予想を下回りました。FY2026の予想達成に向けては、価格転嫁の進捗と、半導体関連など成長分野での需要獲得が鍵となります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、配当込みTOPIX(東証株価指数)を一貫して下回る「アンダーパフォーム」となっています。これは、同社の安定的ながらも急成長が期待しにくい事業モデルが、近年の成長株主導の相場から取り残されがちだったことを示唆しています。しかし、FY2024以降はTSRが改善傾向にあり、PBR1倍割れ是正に向けた株主還元強化策(配当性向50%目安、DOE2.5%下限)が評価され始めれば、TOPIXとの差が縮小していく可能性があります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 104.0万円 | +4.0万円 | 4.0% |
| FY2022 | 95.9万円 | -4.1万円 | -4.1% |
| FY2023 | 104.4万円 | +4.4万円 | 4.4% |
| FY2024 | 133.2万円 | +33.2万円 | 33.2% |
| FY2025 | 135.4万円 | +35.4万円 | 35.4% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は0.28倍と売り残が買い残を上回っており、将来の株価下落を見込む投資家が多い一方、株価上昇時には買い戻しによる「踏み上げ」の可能性も秘めています。業界平均と比較すると、PER・PBRともに割安な水準にあり、バリュエーション面での割安感が意識されやすい状況です。今後の決算発表で市場予想を上回る成長性を示せるかが、株価上昇のポイントとなりそうです。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
株式会社ジョーサンの株式80%を取得し、グループとしての販売力強化を図る。
2026年3月期第1四半期決算において経常利益18.05億円を計上し、堅調な滑り出しを見せる。
営業支援ツール「ホットプロファイル」を導入し、営業効率の向上に向けたDXを推進。
最新ニュース
高圧ガス工業 まとめ
ひとめ診断
「『溶接の火花から半導体のクリーンルームまで』、日本のものづくりを気体で支える縁の下の力持ち」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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