デクセリアルズ
Dexerials Corporation
最終更新日: 2026年3月22日
世界シェアNo.1の電子部材で、見えないところからテクノロジーを支えるニッチトップ企業
高度な機能性材料と光学デバイスの力で、テクノロジーの進化に貢献する。
この会社ってなに?
スマートフォンやタブレットの画面を指でタッチして操作できるのは、タッチパネルの内部で部品同士を貼り合わせる「異方性導電膜」というフィルムが使われているからです。この超薄型フィルムの世界シェアNo.1がデクセリアルズです。また、テレビやモニターの画面に映り込みが少ないのは同社の反射防止フィルムのおかげ。さらに近年は、データセンターの大容量高速通信を支える光半導体デバイスの開発に注力しており、AI時代の通信インフラを陰から支える存在として注目されています。
デクセリアルズはソニーケミカルを前身とする電子部材・光学材料メーカーで、異方性導電膜(ACF)や光学弾性樹脂(SVR)、反射防止フィルムなど複数製品で世界シェアNo.1を誇るニッチトップ企業です。FY2025/6は売上高1,103億円(+4.9%)、営業利益397億円(営業利益率36.0%)と過去最高を更新しました。FY2026/6は売上高1,035億円、営業利益280億円と減収減益予想ですが、これは光半導体事業への成長投資拡大が主因です。中期経営計画2028では光学材料・光半導体の「フォトニクス」領域を成長ドライバーに据え、2029年3月期までに光工学売上高2倍を目標としています。自己資本比率63.2%の健全な財務基盤に加え、3期連続増配の実績が特徴です。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 6月
- 本社
- 栃木県下野市下坪山1724
- 公式
- www.dexerials.jp
社長プロフィール
当社は、創業以来培ってきた化学・電気・光学の複合技術を活かし、世界でオンリーワンの機能性材料を生み出してきました。これからはフォトニクス技術を軸に、光電融合という次世代技術で社会の進化に貢献していきます。
この会社のストーリー
ソニーのプリント基板国産化を目指し、ソニーケミカル株式会社として設立されました。
電子部品の接合に革命をもたらす異方性導電膜を世界に先駆けて開発し、ニッチトップの礎を築きました。
日本政策投資銀行等の支援のもとMBOを実施し、デクセリアルズ株式会社として独立しました。
再上場を果たし、独立企業としての新たな成長ステージに踏み出しました。
光半導体メーカーの京都セミコンダクターを買収し、フォトニクス事業への本格参入を果たしました。
デクセリアルズフォトニクスソリューションズ(DXPS)を設立し、光電融合技術の実現に向けた体制を整備しました。
光工学売上高2倍、売上高1,500億円を目指し、ニッチトップ企業からフォトニクス企業への進化を実現します。
注目ポイント
異方性導電膜、光学弾性樹脂、反射防止フィルムの3製品で6年連続世界シェアNo.1を獲得。圧倒的な技術優位性を持つニッチトップ企業です。
参入障壁の高いニッチ市場で価格競争力を発揮し、化学セクターでもトップクラスの利益率を実現しています。
AI時代のデータセンター高速通信を支える光半導体デバイスの開発に注力。フォトニクス事業が次の成長エンジンとなる可能性を秘めています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 21.4円 | 81.9% |
| FY2017/3 | 19.7円 | 346.4% |
| FY2018/3 | 14.4円 | 70.1% |
| FY2019/3 | 12.3円 | 90.1% |
| FY2020/3 | 12.3円 | 75.3% |
| FY2021/3 | 16円 | 50.1% |
| FY2022/3 | 21.9円 | 21.8% |
| FY2023/3 | 23.8円 | 18.5% |
| FY2024/3 | 34.1円 | 27.1% |
なし
FY2024/6は年間100円と大幅増配を実施しましたが、2024年10月の1:3株式分割に伴いFY2025/6は分割調整後58円(分割前換算174円)と実質的に増配が継続しています。配当利回りは2.52%で、化学セクター平均並みの水準です。配当性向は35%前後を目安としており、成長投資と株主還元のバランスを重視しています。株主優待制度は実施していません。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2025/6は売上高1,103億円(+4.9%)、営業利益397億円(営業利益率36.0%)と過去最高を更新しました。光学材料部品・電子材料部品ともに堅調に推移し、特に異方性導電膜やスパッタリング反射防止フィルムが好調でした。FY2026/6は売上高1,035億円(-6.2%)、営業利益280億円と減収減益予想ですが、光半導体(フォトニクス)事業への先行投資が主因であり、中長期の成長戦略に基づく計画的なものです。
事業ごとの売上・利益
光学弾性樹脂(SVR)、反射防止フィルム、蛍光体シートなど。ディスプレイ向けが中心で、反射防止フィルムは世界シェア92.8%。光半導体デバイス(旧京都セミコンダクター)も本セグメントに含まれ、フォトニクス事業の成長ドライバー。売上構成比は約45%。
異方性導電膜(ACF)、接着シート、熱伝導シートなど。スマートフォン・PC等のタッチパネル接合や半導体パッケージ向けが主力。ACF世界シェアNo.1。売上構成比は約55%。利益率が高く、収益の柱。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 14.0% | 5.6% | - |
| FY2022/3 | 29.3% | 12.9% | - |
| FY2023/3 | 32.2% | 16.3% | - |
| FY2024/3 | 30.0% | 22.0% | 30.3% |
| FY2025/3 | 44.7% | 25.9% | 36.0% |
営業利益率はFY2021/6の17.2%からFY2025/6には36.0%へと大幅に改善し、化学セクターでも屈指の高収益体質を確立しています。ROE 28.9%、ROA 18.3%と資本効率も極めて高く、ニッチトップ製品群の高い参入障壁と価格交渉力が収益性の源泉です。世界シェアNo.1製品を複数持つことで安定した利益率を構造的に維持できる強みがあります。
財務は安全?
自己資本比率は56.0%から63.2%へと着実に改善し、財務健全性の高さを維持しています。FY2024/6から光半導体事業の成長投資に伴い有利子負債が発生しましたが、FY2025/6には193億円まで圧縮しており、健全な水準です。BPSはFY2025/6に570.8円となっていますが、これは2024年10月の株式分割(1:3)の影響によるもので、分割調整前ベースでは着実に増加しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 132億円 | -24.7億円 | -42.6億円 | 107億円 |
| FY2022/3 | 258億円 | -124億円 | -57.8億円 | 134億円 |
| FY2023/3 | 213億円 | -94.5億円 | -125億円 | 119億円 |
| FY2024/3 | 284億円 | -113億円 | -107億円 | 171億円 |
| FY2025/3 | 404億円 | -223億円 | -213億円 | 181億円 |
営業CFはFY2021/6の131億円からFY2025/6には404億円へと3倍以上に拡大し、本業のキャッシュ創出力が大きく向上しています。FY2025/6は投資CFが223億円と拡大しましたが、光半導体事業への成長投資(設備投資91.9億円を含む)が主因です。フリーキャッシュフローは181億円を確保しており、成長投資と株主還元を両立できる健全なキャッシュフロー構造を維持しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 108億円 | 55.1億円 | 50.9% |
| FY2022/3 | 250億円 | 83.5億円 | 33.4% |
| FY2023/3 | 302億円 | 94.9億円 | 31.4% |
| FY2024/3 | 300億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 372億円 | 0円 | 0.0% |
納税額はFY2021/6の55億円からFY2024/6には86億円へと着実に増加しており、業績拡大に伴う社会貢献度の大きさを示しています。FY2021/6の実効税率が50.9%と高い水準でしたが、これは繰延税金資産に関する一時的な税効果の影響です。その後は28〜33%程度で安定的に推移しています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 759万円 | 1,888人 | - |
平均年収759万円は化学セクター内で上位水準にあります。従業員数は単体1,888名で、平均年齢は44.3歳です。ソニーグループからの独立後、独自の技術力と高い利益率を背景に、安定した待遇を維持しています。平均勤続年数は15年と定着率が高く、専門技術者の育成・蓄積に強みがあります。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。
筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(17.5%)で、機関投資家による保有が大宗を占めます。外国法人等の持株比率は42.2%と高水準で、STATE STREET BANK(10.2%)をはじめグローバルな機関投資家から高い評価を受けています。事業法人としては大日本印刷(2.7%)、積水化学工業(2.2%)が安定的に保有しており、ソニーグループからの独立後も技術パートナーとの関係を維持しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 光学材料部品 | 約497億円 | 約144億円 | 約29% |
| 電子材料部品 | 約607億円 | 約237億円 | 約39% |
光学材料部品(売上の約45%)と電子材料部品(約55%)の2セグメント構成です。電子材料部品はACFを中心に利益率約39%と高収益で、安定した収益基盤を提供しています。光学材料部品は反射防止フィルム(世界シェア92.8%)に加え、22年に買収した京都セミコンダクターによる光半導体事業を成長領域と位置づけ、フォトニクス事業の拡大を加速させています。
この会社のガバナンスは?
取締役8名中、女性は1名(12.5%)で、今後のダイバーシティ推進が課題です。監査等委員会設置会社として独立社外取締役が過半を占める指名・報酬委員会を設置しており、ガバナンス体制は一定水準を確保しています。6年連続で「健康経営優良法人」に認定されるなど、従業員の健康経営にも注力しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/6 | 1,070億円 | 1,103億円 | 1,103億円 | +3.1% |
| FY2024/6 | 1,050億円 | — | 1,052億円 | +0.2% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/6 | 340億円 | 397億円 | 397億円 | +16.8% |
| FY2024/6 | 310億円 | — | 334億円 | +7.7% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画2028「進化の実現」では、光学材料・光半導体の「フォトニクス」領域を成長エンジンと位置づけ、FY2029/6に売上高1,500億円を目指しています。営業利益率30%以上・ROE 20%以上の目標はFY2025/6時点で既に前倒し達成しており、経営の実行力の高さが窺えます。光工学売上高2倍の達成には、京都セミコンダクター買収で獲得した光半導体技術の事業化が鍵となります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
直近5年間のTSR(株主総利回り)は843.8%と、TOPIX(213.4%)を大幅にアウトパフォームしています。特にFY2024は996.5%と、ニッチトップ製品群の高い利益率とAI・データセンター関連需要への期待が株価を大きく押し上げました。FY2025は株価調整もあり843.8%へ低下しましたが、依然としてTOPIXの約4倍の水準を維持しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 277.4万円 | +177.4万円 | 177.4% |
| FY2022 | 494.1万円 | +394.1万円 | 394.1% |
| FY2023 | 409.3万円 | +309.3万円 | 309.3% |
| FY2024 | 996.5万円 | +896.5万円 | 896.5% |
| FY2025 | 843.8万円 | +743.8万円 | 743.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER 19.1倍はセクター平均並みですが、PBR 4.03倍はセクター平均(約1.2倍)を大きく上回っており、高いROEと成長期待を反映しています。信用買い残3,651,900株に対し売り残92,000株と、信用倍率39.69倍の大幅な買い長状態です。これは株価下落局面で個人投資家の押し目買いが活発であることを示していますが、買い残の整理には時間を要する可能性があります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
2026年3月期第3四半期決算を発表。光学材料部品の堅調な需要を背景に、累計営業利益は前年同期比で高水準を維持しました。
2026年3月期第3四半期決算が前年同期比で最終減益となり、株価が急反落しました。光半導体への先行投資が利益を圧迫した形です。
米起業支援大手Plug and Playとパートナーシップを締結。フォトニクス事業の拡大に向けたスタートアップ連携を加速させています。
最新ニュース
デクセリアルズ まとめ
ひとめ診断
「旧ソニーケミカル発のニッチトップ素材メーカー。異方性導電膜・反射防止フィルムで世界シェア首位、営業利益率36%の高収益体質」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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