荒川化学工業4968
ARAKAWA CHEMICAL INDUSTRIES,LTD.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが毎日読む新聞や雑誌の紙、その強度や印刷のしやすさを高めているのが荒川化学の薬品です。お店で手にする商品のパッケージ、その鮮やかな印刷を支えているのも同社のインキ用樹脂が使われています。また、宅配便の段ボールを閉じる粘着テープや、スマートフォンの内部で部品を固定する接着剤など、実は身の回りの様々な「くっつく」場面で同社の技術が活躍しています。普段は目に見えないけれど、私たちの暮らしを陰で支える化学素材メーカーなのです。
2025期に売上高802.4億円、営業利益10.57億円で2期ぶりの黒字転換を達成。続く2026期は売上高850.0億円、営業利益28.00億円と大幅なV字回復を見込んでいます。主力の製紙・インキ向け樹脂事業の市況回復に加え、M&Aで取得したサプリメント販売や微細藻類といった新規事業の育成を急いでいます。PBRは0.45倍と低迷しており、事業ポートフォリオ改革による収益力と成長性の向上が市場からの再評価を得るための鍵となります。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪市中央区平野町1丁目3番7号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 3.7% | 2.1% | - |
| 2022/03期 | 2.5% | 1.3% | - |
| 2023/03期 | 8.3% | 4.2% | - |
| 2024/03期 | 1.8% | 0.9% | 3.6% |
| 2025/03期 | 4.6% | 2.1% | 1.3% |
| 3Q FY2026/3 | 2.9%(累計) | 1.1%(累計) | 3.0% |
過去の業績低迷期には、営業利益率がマイナス圏に沈み、ROEも一時-8.7%まで低下するなど収益性が大きく悪化しました。しかし、経営資源の最適化やポートフォリオ改革を進めたことで、2025/03期にはROEが4.6%まで回復し収益性は改善基調にあります。今後も高付加価値製品へのシフトを通じて、さらなる利益率の向上と資本効率の改善が期待されています。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 706億円 | — | 21.7億円 | 109.3円 | - |
| 2022/03期 | 805億円 | — | 15.0億円 | 75.8円 | +14.1% |
| 2023/03期 | 794億円 | — | 49.4億円 | -249.1円 | -1.3% |
| 2024/03期 | 722億円 | 26.2億円 | 10.4億円 | -52.6円 | -9.1% |
| 2025/03期 | 802億円 | 10.6億円 | 26.4億円 | 133.3円 | +11.1% |
当社の売上高は800億円規模を維持していますが、2023/03期および2024/03期には原材料価格の高騰や海外事業の採算悪化により営業赤字を計上しました。しかし、構造改革の推進や製品価格の改定が奏功し、2025/03期には黒字転換を果たしています。今期はさらなる収益性向上を目指し、850億円の売上高と営業黒字の維持を見込んでいます。 【3Q 2026/03期実績】売上614億円(通期予想比72%)、営業利益18億円(同65%)、純利益13億円(同74%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
事業は、製紙用薬品、印刷インキ用樹脂、粘着・接着剤用樹脂、電子材料の4セグメントで構成されるBtoB企業です。特に光硬化型樹脂などの先端材料分野での成長を掲げていますが、原材料価格の変動や為替、海外拠点(特に中国)の経済状況が主な事業リスク要因となっています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 820億円 | — | 802億円 | -2.1% |
| 2024期 | 830億円 | — | 722億円 | -13.0% |
| 2023期 | 900億円 | — | 794億円 | -11.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 20億円 | — | 11億円 | -47.2% |
| 2024期 | -18億円 | — | -26億円 | -45.4% |
| 2023期 | 16億円 | — | -29億円 | 大幅未達 |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2026期を最終年度とする「第5次中期5ヵ年経営実行計画」は、売上高1,000億円、営業利益50億円を掲げています。しかし、直近の2025期実績は売上高802.4億円、営業利益10.57億円と、目標に対して大幅なビハインドとなっています。特に過去数年の業績予想は期初計画から大きく下振れする傾向が顕著で、外部環境の変化に対する耐性が課題です。計画達成には、既存事業の収益性改善とM&Aで取得した新規事業の早期収益化が不可欠です。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
サプリ・化粧品販売のナチュラルウェーブ株式会社を子会社化し、ヘルスケア事業の拡大を推進。
筑波大学発スタートアップSoProsから微細藻類事業を譲受し、新規事業の成長を加速。
松葉抽出物の神経保護作用を確認し、機能性素材としての付加価値を向上。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
総資産は1,200億円前後で推移していますが、過去の赤字計上により自己資本が一時的に減少しました。2024/03期以降は有利子負債が約700〜800億円規模まで増加していますが、これは事業成長に向けた投資や運転資金の確保を目的とした積極的な資金調達によるものです。現在の自己資本比率は約47.8%であり、一定の財務規律を保ちながら再成長を図る段階にあります。 【3Q 2026/03期】総資産1266億円、純資産569億円、自己資本比率36.8%、有利子負債377億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 36.9億円 | 73.0億円 | 13.5億円 | 36.1億円 |
| 2022/03期 | 39.9億円 | 74.0億円 | 49.3億円 | 34.1億円 |
| 2023/03期 | 5.8億円 | 60.5億円 | 66.7億円 | 66.2億円 |
| 2024/03期 | 11.6億円 | 71.4億円 | 54.8億円 | 59.8億円 |
| 2025/03期 | 51.2億円 | 32.4億円 | 47.0億円 | 18.8億円 |
長らく投資CFの支出が大きくフリーキャッシュフロー(FCF)はマイナスで推移してきましたが、2025/03期には営業CFの改善により18.8億円のプラスへ転換しました。これは生産体制の見直しによるキャッシュ創出力の向上を反映したものです。財務CFは借入による調達が中心でしたが、今後は営業CFから得たキャッシュで負債を償還し、財務バランスの最適化を進める方針です。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は10.0%であり、今後の多様性向上が課題です。監査体制としては社外取締役比率を高めて経営の透明性を確保しており、連結子会社15社を擁する中堅化学メーカーとして適正な統治体制が構築されています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 698万円 | 1,667人 | - |
従業員平均年収は約698万円であり、化学セクターの平均水準と比較しても堅実かつ安定的な報酬水準を維持しています。長年培った天然樹脂ロジン(松やに)を核とした安定的な事業基盤が、従業員の長期勤続を支える土壌となっています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、継続して市場平均であるTOPIXをアンダーパフォームしています。これは、2023期、2024期における大幅な赤字計上など、業績の低迷が株価に直接的に反映されたことが主な要因です。配当は維持・微増傾向にあるものの、株価下落の影響が大きく、投資リターンという観点では厳しい結果が続いています。今後は業績のV字回復を実現し、株価を上昇軌道に乗せることがTSR向上の必須条件となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 30円 | 26.5% |
| 2017/03期 | 38円 | 22.9% |
| 2018/03期 | 38円 | 25.2% |
| 2019/03期 | 42円 | 22.3% |
| 2020/03期 | 44円 | 51.6% |
| 2021/03期 | 46円 | 42.1% |
| 2022/03期 | 48円 | 63.4% |
| 2023/03期 | 48円 | - |
| 2024/03期 | 48円 | - |
| 2025/03期 | 49円 | 36.8% |
株主優待制度は実施していません。
当社は安定的・継続的な配当の維持を基本方針として掲げています。赤字期においても配当を維持する姿勢から、株主還元を重視する経営方針が読み取れます。今後は業績連動性を高めつつ、配当性向を意識した適正な還元水準を目指しています。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 113.5万円 | 13.5万円 | 13.5% |
| 2022期 | 96.6万円 | 3.4万円 | -3.4% |
| 2023期 | 94.7万円 | 5.3万円 | -5.3% |
| 2024期 | 112.6万円 | 12.6万円 | 12.6% |
| 2025期 | 111.4万円 | 11.4万円 | 11.4% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PBRが0.45倍と化学セクター平均の半分以下であり、市場から極めて割安に評価されている点が最大の特徴です。一方でPERは業界平均並み、配当利回りは3.73%と業界平均を上回る高水準にあります。信用倍率は11.37倍と買い残が多く、将来の株価上昇を見込む個人投資家が多いものの、需給面では上値が重くなる可能性があります。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 36.5億円 | 14.8億円 | 40.6% |
| 2022/03期 | 35.7億円 | 20.6億円 | 57.9% |
| 2023/03期 | -26.9億円 | 0円 | - |
| 2024/03期 | -24.1億円 | 0円 | - |
| 2025/03期 | 8.5億円 | 0円 | 0.0% |
過去の赤字計上により法人税等の納税額は抑えられてきました。直近の2025/03期においても利益水準が限定的であり、税負担は発生していません。今後は業績回復に伴い、実効税率に基づいた適正な納税が行われる見込みです。
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※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。