4968プライム

荒川化学工業

ARAKAWA CHEMICAL INDUSTRIES,LTD.

最終更新日: 2026年3月28日

ROE1.3%
BPS2947.5円
自己資本比率37.9%
FY2025/3 有報データ

松やにから未来を創る、創業150年の技術力で世界を支える化学メーカー

化学の力で、人と地球の未来に貢献する。

この会社ってなに?

あなたが毎日読む新聞や雑誌の紙、その強度や印刷のしやすさを高めているのが荒川化学の薬品です。お店で手にする商品のパッケージ、その鮮やかな印刷を支えているのも同社のインキ用樹脂が使われています。また、宅配便の段ボールを閉じる粘着テープや、スマートフォンの内部で部品を固定する接着剤など、実は身の回りの様々な「くっつく」場面で同社の技術が活躍しています。普段は目に見えないけれど、私たちの暮らしを陰で支える化学素材メーカーなのです。

FY2025に売上高802.4億円、営業利益10.57億円で2期ぶりの黒字転換を達成。続くFY2026は売上高850.0億円、営業利益28.00億円と大幅なV字回復を見込んでいます。主力の製紙・インキ向け樹脂事業の市況回復に加え、M&Aで取得したサプリメント販売や微細藻類といった新規事業の育成を急いでいます。PBRは0.45倍と低迷しており、事業ポートフォリオ改革による収益力と成長性の向上が市場からの再評価を得るための鍵となります。

化学プライム市場

会社概要

業種
化学
決算期
3月
本社
大阪市中央区平野町1丁目3番7号
公式
www.arakawachem.co.jp

社長プロフィール

高木 信之
高木 信之
代表取締役社長執行役員
挑戦者
当社は創業以来、天然樹脂ロジン(松やに)を起点に歴史を歩み、2026年には創業150周年を迎えます。現在は第5次中期5ヵ年経営実行計画を推進し、事業ポートフォリオ改革を通じてエレクトロニクスやライフサイエンスといった成長市場への展開を加速させています。これからも化学の力で社会課題の解決に貢献し、持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。

この会社のストーリー

1876
創業

創業者・荒川政七が大阪市で薬種商「荒川政七商店」を創業。これが荒川化学グループの始まりとなる。

1931
株式会社へ改組、化学工業への進出

株式会社荒川政七商店として法人化。天然樹脂「ロジン(松やに)」の研究開発を本格化させ、化学メーカーとしての基盤を築く。

1961
製紙用薬品事業で国内トップシェアへ

製紙用サイズ剤(紙のにじみ止め薬品)を開発・販売し、国内トップクラスのシェアを獲得。事業の大きな柱へと成長させる。

1999
大阪証券取引所市場第二部に上場

株式を上場し、さらなる事業拡大と経営基盤の強化に向けた新たなステージへと歩みを進める。

2017
富士工場での火災事故

主力工場の一つである富士工場で火災が発生。生産体制に大きな影響を受け、安全管理体制の再構築という厳しい課題に直面する。

2021
第5次中期5ヵ年経営実行計画スタート

事業ポートフォリオの変革を掲げ、エレクトロニクス材料や機能性コーティングなどの成長分野への注力を明確にする。

2024
新規事業への積極投資

筑波大学発スタートアップから微細藻類事業を譲受。さらにサプリメントや化粧品分野へもM&Aで進出し、ライフサイエンス領域への展開を加速。

注目ポイント

天然素材「松やに」のスペシャリスト

創業以来、天然樹脂「ロジン(松やに)」の可能性を追求。製紙用薬品や印刷インキ用樹脂で国内トップシェアを誇り、環境に優しい素材で社会を支えています。

未来を創る新規事業への挑戦

伝統的な化学事業に加え、M&Aやスタートアップとの提携を加速。微細藻類やサプリメントなど、ライフサイエンスや環境分野で新たな成長の柱を育成中です。

株主還元への意識と割安な株価

PBRは1倍を大きく下回る水準で、株価には割安感があります。安定的な配当を継続しており、株主還元への意識も高い企業です。

サービスの実績は?

802.4億円
連結売上高
FY2025実績
+11.1% YoY
10.57億円
連結営業利益
FY2025実績
黒字転換
49
1株当たり配当金
FY2025実績
+1円 YoY
36.7%
配当性向
FY2025実績 (会社計算)
2
事業譲受・子会社化件数
2026年2月-3月
新規事業
148
創業からの年数
1876年創業

ひとめ診断

業績
好調
営業利益 前年比↑
配当
少なめ
1株 49円
安全性
普通
自己資本比率 37.9%
稼ぐ力
普通
ROE 1.3%
話題性
好評
ポジティブ 65%

配当・優待はもらえる?

しっかりもらえます
1株配当(最新期)
49
方針: 安定配当
1株配当配当性向
FY2016/33026.5%
FY2017/33822.9%
FY2018/33825.2%
FY2019/34222.3%
FY2020/34451.6%
FY2021/34642.1%
FY2022/34863.4%
FY2023/3480.5%
FY2024/3480.5%
FY2025/34936.8%
9期連続増配
株主優待
なし

株主優待制度は実施していません。

当社は安定的・継続的な配当の維持を基本方針として掲げています。赤字期においても配当を維持する姿勢から、株主還元を重視する経営方針が読み取れます。今後は業績連動性を高めつつ、配当性向を意識した適正な還元水準を目指しています。

同業比較(収益性)

化学の同業他社平均と比べると…

ROE下回る
この会社
1.3%
業界平均
9.7%
営業利益率下回る
この会社
1.3%
業界平均
14.4%
自己資本比率下回る
この会社
37.9%
業界平均
49.8%

業績推移

儲かってるの?

順調に稼いでいます
売上高
FY2022/3805億円
FY2023/3794億円
FY2024/3722億円
FY2025/3802億円
営業利益
FY2022/30円
FY2023/30円
FY2024/3-26.2億円
FY2025/310.6億円

当社の売上高は800億円規模を維持していますが、FY2023/3およびFY2024/3には原材料価格の高騰や海外事業の採算悪化により営業赤字を計上しました。しかし、構造改革の推進や製品価格の改定が奏功し、FY2025/3には黒字転換を果たしています。今期はさらなる収益性向上を目指し、850億円の売上高と営業黒字の維持を見込んでいます。

稼ぐ力はどのくらい?

まあまあの効率です
ROE
1.3%
株主のお金でどれだけ稼いだか
ROA
2.2%
会社全体の資産の活用度
営業利益率
1.3%
売上のうち利益になった割合
ROEROA営業利益率
FY2021/34.1%2.1%-
FY2022/34.5%1.3%-
FY2023/3-12.1%-4.2%-
FY2024/3-1.6%-0.8%-3.6%
FY2025/31.3%2.2%1.3%

過去の業績低迷期には、営業利益率がマイナス圏に沈み、ROEも一時-8.7%まで低下するなど収益性が大きく悪化しました。しかし、経営資源の最適化やポートフォリオ改革を進めたことで、FY2025/3にはROEが4.6%まで回復し収益性は改善基調にあります。今後も高付加価値製品へのシフトを通じて、さらなる利益率の向上と資本効率の改善が期待されています。

財務は安全?

やや注意が必要です
自己資本比率37.9%
0%30% (注意ライン)50% (安全ライン)100%
借金(有利子負債)
777億円
会社の純資産
572億円

総資産は1,200億円前後で推移していますが、過去の赤字計上により自己資本が一時的に減少しました。FY2024/3以降は有利子負債が約700〜800億円規模まで増加していますが、これは事業成長に向けた投資や運転資金の確保を目的とした積極的な資金調達によるものです。現在の自己資本比率は約47.8%であり、一定の財務規律を保ちながら再成長を図る段階にあります。

お金の流れは?

健全なお金の流れです
本業で稼いだお金
+51.2億円
営業CF
投資に使ったお金
-32.4億円
投資CF
借入・返済など
-47.0億円
財務CF
手元に残ったお金
+18.8億円
FCF
営業CF投資CF財務CFFCF
FY2021/336.9億円-73.0億円13.5億円-36.1億円
FY2022/339.9億円-74.0億円49.3億円-34.1億円
FY2023/3-5.8億円-60.5億円66.7億円-66.2億円
FY2024/311.6億円-71.4億円54.8億円-59.8億円
FY2025/351.2億円-32.4億円-47.0億円18.8億円

長らく投資CFの支出が大きくフリーキャッシュフロー(FCF)はマイナスで推移してきましたが、FY2025/3には営業CFの改善により18.8億円のプラスへ転換しました。これは生産体制の見直しによるキャッシュ創出力の向上を反映したものです。財務CFは借入による調達が中心でしたが、今後は営業CFから得たキャッシュで負債を償還し、財務バランスの最適化を進める方針です。

この会社のリスク

有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。

13 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります
2なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります
3(1) 政治・経済状況および需要の動向について当社グループは、日本、アジア、南北アメリカおよびヨーロッパ等の各地域において事業活動を展開しております
4したがいまして、当社グループにおける生産・販売等の事業活動は、これらの国や地域における政治・経済状況や政策の影響を受けます
5また、当社グループ製品の主な販売先である製紙、印刷インキ、塗料、粘着・接着剤および電子工業等の各業界が受ける景気後退等による需要減少は、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります

税金はいくら払ってる?

税引前利益法人税等実効税率
FY2021/336.5億円14.8億円40.6%
FY2022/335.7億円20.6億円57.9%
FY2023/3-26.9億円0円-
FY2024/3-24.1億円0円-
FY2025/38.5億円0円0.0%

過去の赤字計上により法人税等の納税額は抑えられてきました。直近のFY2025/3においても利益水準が限定的であり、税負担は発生していません。今後は業績回復に伴い、実効税率に基づいた適正な納税が行われる見込みです。

社員の給料はどのくらい?

平均年収
698万円
従業員数
1,667
平均年齢
44歳
平均年収従業員数前年比
当期698万円1,667-

従業員平均年収は約698万円であり、化学セクターの平均水準と比較しても堅実かつ安定的な報酬水準を維持しています。長年培った天然樹脂ロジン(松やに)を核とした安定的な事業基盤が、従業員の長期勤続を支える土壌となっています。

誰がこの会社の株を持ってる?

安定株主41%
浮動株59%
所有者別内訳(有価証券報告書)
金融機関24.6%
事業法人等16.4%
外国法人等7.7%
個人その他49.9%
証券会社1.4%

安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は荒川化学従業員持株会・三菱UFJ銀行。

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)(2,249,000株)11.34%
荒川化学従業員持株会(1,481,000株)7.47%
株式会社三菱UFJ銀行(940,000株)4.74%
株式会社日本カストディ銀行(信託口)(671,000株)3.39%
荒 川 壽 正(506,000株)2.55%
三菱ケミカル株式会社(406,000株)2.05%
株式会社三井住友銀行(396,000株)2%
王子ホールディングス株式会社(345,000株)1.74%
artience株式会社(293,000株)1.48%
林六株式会社(243,000株)1.23%

上位株主には日本マスタートラスト信託銀行などの信託口が並び、機関投資家の影響力が大きい一方、従業員持株会や創業家関連の安定株主による一定の保有が継続している点が特徴です。金融機関の保有も一定程度残っており、長期的に安定した資本政策が維持されています。

会社の公式開示情報

役員報酬

1億6,800万円
取締役6名の合計

事業は、製紙用薬品、印刷インキ用樹脂、粘着・接着剤用樹脂、電子材料の4セグメントで構成されるBtoB企業です。特に光硬化型樹脂などの先端材料分野での成長を掲げていますが、原材料価格の変動や為替、海外拠点(特に中国)の経済状況が主な事業リスク要因となっています。

この会社のガバナンスは?

役員構成(取締役 10名)
女性 1名(10.0% 男性 9
10%
90%
監査報酬
6,100万円
連結子会社数
15
設備投資額
53.3億円
平均勤続年数(従業員)
18.7

女性役員比率は10.0%であり、今後の多様性向上が課題です。監査体制としては社外取締役比率を高めて経営の透明性を確保しており、連結子会社15社を擁する中堅化学メーカーとして適正な統治体制が構築されています。

会社の計画は順調?

C
総合評価
業績予想は大幅な未達が続き、中期計画の達成は厳しい状況。

※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません

第5次中期5ヵ年経営実行計画
FY2022〜FY2026
売上高: 目標 1,000億円 順調 (802.4億円)
80.2%
営業利益: 目標 50億円 大幅遅れ (10.57億円)
21.1%
ROE: 目標 5.0%以上 順調 (4.79%)
95.8%

年度別の予想精度(計画を守れてる?)

売上高
年度当初予想修正予想実績乖離
FY2025820億円802億円-2.1%
FY2024830億円722億円-13.0%
FY2023900億円794億円-11.7%
営業利益
年度当初予想修正予想実績乖離
FY202520億円11億円-47.2%
FY2024-18億円-26億円-45.4%
FY202316億円-29億円大幅未達

当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)

FY2026を最終年度とする「第5次中期5ヵ年経営実行計画」は、売上高1,000億円、営業利益50億円を掲げています。しかし、直近のFY2025実績は売上高802.4億円、営業利益10.57億円と、目標に対して大幅なビハインドとなっています。特に過去数年の業績予想は期初計画から大きく下振れする傾向が顕著で、外部環境の変化に対する耐性が課題です。計画達成には、既存事業の収益性改善とM&Aで取得した新規事業の早期収益化が不可欠です。

この株を持っていたら儲かった?

この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。

過去5年間のTSR(株主総利回り)は、継続して市場平均であるTOPIXをアンダーパフォームしています。これは、FY2023、FY2024における大幅な赤字計上など、業績の低迷が株価に直接的に反映されたことが主な要因です。配当は維持・微増傾向にあるものの、株価下落の影響が大きく、投資リターンという観点では厳しい結果が続いています。今後は業績のV字回復を実現し、株価を上昇軌道に乗せることがTSR向上の必須条件となります。

※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。

もし5年前に投資していたら?

FY2021初めに100万円投資した場合+11.4%
100万円 →111.4万円
11.4万円
年度末時点評価額損益TSR
FY2021113.5万円+13.5万円13.5%
FY202296.6万円-3.4万円-3.4%
FY202394.7万円-5.3万円-5.3%
FY2024112.6万円+12.6万円12.6%
FY2025111.4万円+11.4万円11.4%

※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。

株の売買状況と今後の予定

信用取引の状況
買い残138,700株
売り残12,200株
信用倍率11.37倍
2026年3月13日時点時点
今後の予定
2026年3月期 通期決算発表2026年5月中旬
2027年3月期 第1四半期決算発表2026年8月上旬

PBRが0.45倍と化学セクター平均の半分以下であり、市場から極めて割安に評価されている点が最大の特徴です。一方でPERは業界平均並み、配当利回りは3.73%と業界平均を上回る高水準にあります。信用倍率は11.37倍と買い残が多く、将来の株価上昇を見込む個人投資家が多いものの、需給面では上値が重くなる可能性があります。

メディアでどれくらい注目されてる?

報道のトーンは「やや好調
報道件数(30日)
48
前月比 +15.5%
メディア数
22
日本経済新聞, 株探, Yahoo!ファイナンス, PR TIMES ほか
業界内ランキング
上位 30%
化学業 120社中 36位
報道のトーン
65%
好意的
25%
中立
10%
否定的

メディア露出

メディア分布

競合比較

どんな話題が多い?

決算・業績40%
M&A・事業提携30%
新製品・技術開発20%
その他10%

最近の出来事

2026年2月子会社化

サプリ・化粧品販売のナチュラルウェーブ株式会社を子会社化し、ヘルスケア事業の拡大を推進。

2026年2月事業譲受

筑波大学発スタートアップSoProsから微細藻類事業を譲受し、新規事業の成長を加速。

2025年11月技術開発

松葉抽出物の神経保護作用を確認し、機能性素材としての付加価値を向上。

荒川化学工業 まとめ

ひとめ診断

業績
好調
営業利益 前年比↑
配当
少なめ
1株 49円
安全性
普通
自己資本比率 37.9%
稼ぐ力
普通
ROE 1.3%
話題性
好評
ポジティブ 65%

「創業150年の『松やに』化学メーカーが、M&Aでバイオ・ヘルスケア分野へ急旋回中」

※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。

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最終更新: 2026/04/07 / データ提供: OSHIKABU