関東電化工業
KANTO DENKA KOGYO CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月27日
フッ素化学の力で、半導体とバッテリーの未来を切り拓く技術集団
独自の技術力で世界最先端の技術を支え、持続可能な社会の実現に貢献する創造的開発型企業となることを目指します。
この会社ってなに?
あなたがスマートフォンを快適に使えたり、ノートパソコンで仕事ができるのは、内部にある「半導体」という超小型の電子部品のおかげです。関東電化工業は、その半導体を作る過程で欠かせない、目に見えない特殊なガスを製造しています。また、最近よく見かけるようになった電気自動車(EV)が力強く走るためのバッテリー、その性能を最大限に引き出すための重要な材料も手掛けています。普段の生活や最先端のテクノロジーの裏側で、同社の化学技術が活躍しているのです。
半導体製造用特殊ガスとリチウムイオン電池材料を主力とする化学メーカー。2024年3月期は半導体市況の悪化で営業赤字に転落しましたが、2025年3月期は売上高623.5億円、営業利益42.7億円と黒字転換を達成しました。続く2026年3月期は売上高680億円(前期比9.1%増)、営業利益50億円(同17.0%増)と回復基調の継続を見込んでいます。次世代半導体やEV向け先端材料への投資を進めており、市況回復局面での成長加速が期待されます。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区丸の内二丁目3番2号 郵船ビルディング
- 公式
- www.kantodenka.co.jp
社長プロフィール

当社グループは、創業以来培ってきた独自の技術力を基盤に、常に時代のニーズを先取りする製品を開発・提供してまいりました。今後も『創造的開発型企業』として、半導体やEV関連市場など成長分野へ経営資源を集中させ、持続的な成長と企業価値の向上に努めてまいります。
この会社のストーリー
基礎化学品であるカセイソーダ、塩素、水素の製造・販売を目的に会社を設立。日本の化学産業の黎明期にその一歩を踏み出した。
戦後の復興期を経て、事業基盤の強化と社会的な信用の獲得を目指し、東京証券取引所に株式を上場。さらなる飛躍への礎を築いた。
渋川工場でフッ化水素酸の製造を開始し、フッ素化学の分野に進出。これが後の半導体・電池材料事業の根幹となる技術となった。
半導体産業の急成長を背景に、三フッ化窒素(NF3)などの特殊ガスの製造・販売を開始。エレクトロニクス分野での地位を確立した。
リチウムイオン二次電池の電解質である六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)の工業生産に成功。新たな収益の柱を確立した。
水島工場に使用済みリチウムイオン二次電池からリチウムを回収するリサイクルプラントの建設を決定。循環型社会への貢献を目指す。
「サステナビリティへの貢献」と「企業価値の向上」を両輪とする中期経営計画を推進。精密化学品事業を中核に成長を加速させている。
注目ポイント
半導体の微細化に不可欠な特殊ガスや、EVの性能を左右するリチウムイオン二次電池用電解質で高い技術力を誇ります。世界の最先端技術を素材から支える重要な役割を担っています。
脱炭素社会の実現に向け、使用済み電池からリチウムを回収・再利用するリサイクル事業に注力。持続可能な社会への貢献と新たな成長分野の開拓を両立させています。
安定的な配当を継続しており、株主への利益還元に積極的です。業績の拡大とともに、将来的な増配への期待も高まります。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 7円 | 5.0% |
| FY2017/3 | 9円 | 7.7% |
| FY2018/3 | 11円 | 10.3% |
| FY2019/3 | 13円 | 11.4% |
| FY2020/3 | 14円 | 16.0% |
| FY2021/3 | 14円 | 22.3% |
| FY2022/3 | 22円 | 16.3% |
| FY2023/3 | 33円 | 20.2% |
| FY2024/3 | 14円 | 0.3% |
| FY2025/3 | 17円 | 30.1% |
現在、株主優待制度は実施していません。
当社の配当方針は、中長期的な業績成長を考慮した株主への還元を重視しています。収益状況に応じて機動的に配当を行う方針ですが、業績の変動が大きいため配当額もそれに伴い上下する傾向にあります。今後は安定的な利益成長を通じて、より充実した株主還元を目指す姿勢です。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の業績は、半導体向け特殊ガスの需要変動や渋川工場の火災事故といった一時的要因に大きく左右されています。FY2023/3に過去最高水準の純利益93億円を達成しましたが、翌FY2024/3には事故の影響等で赤字に転落しました。直近のFY2025/3には業績回復基調にあり、FY2026/3予想では売上高680億円、純利益33億円を見込んでいます。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 6.6% | 3.9% | - |
| FY2022/3 | 13.7% | 7.1% | - |
| FY2023/3 | 15.4% | 7.2% | - |
| FY2024/3 | -9.5% | -3.7% | -3.0% |
| FY2025/3 | 6.1% | 2.6% | 6.9% |
収益性は主力製品である半導体用特殊ガスの市況と連動し、営業利益率は高い時には17%を超える高い効率性を示してきました。しかし、FY2024/3の赤字期には営業利益率がマイナス3%へと急落するなど、外部環境や設備稼働状況の影響を受けやすい側面があります。足元では回復の兆しを見せており、効率的な経営体制の再構築が今後のROE向上の鍵となります。
財務は安全?
財務健全性は安定しており、長年無借金経営を継続してきましたが、FY2024/3以降は設備投資に伴い有利子負債が発生しています。それでも自己資本比率は50%台を維持しており、盤石な財務基盤を保持しています。今後は設備投資による将来の成長力と、負債管理による財務バランスの両立が重視される局面です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 120億円 | -98.7億円 | 43.5億円 | 21.1億円 |
| FY2022/3 | 112億円 | -111億円 | 24.2億円 | 5,600万円 |
| FY2023/3 | 72.9億円 | -166億円 | 44.2億円 | -93.4億円 |
| FY2024/3 | 112億円 | -106億円 | 17.8億円 | 6.5億円 |
| FY2025/3 | 131億円 | -141億円 | -47.2億円 | -10.0億円 |
営業キャッシュフローは堅調に推移し、半導体産業を支える事業基盤の強さを示しています。一方で、積極的な設備投資を継続しているため投資キャッシュフローが先行し、フリーキャッシュフローが一時的にマイナスとなる年度も見られます。今後は、これら先行投資した設備が本格稼働することで、安定した資金創出能力を高めていくフェーズにあります。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 55.8億円 | 19.8億円 | 35.4% |
| FY2022/3 | 111億円 | 33.8億円 | 30.4% |
| FY2023/3 | 137億円 | 43.0億円 | 31.4% |
| FY2024/3 | -13.0億円 | 0円 | - |
| FY2025/3 | 45.1億円 | 12.6億円 | 27.9% |
法人税等の支払額は、税引前利益の変動に比例して推移しています。FY2024/3は純損失を計上したため法人税等の発生はありませんでした。通常期の実効税率は約30%前後であり、法令に基づいた適正な納税が行われています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 693万円 | 1,177人 | - |
従業員平均年収は693万円と、製造業の中でも化学業界特有の専門性を反映し堅調な水準にあります。近年の業績は精密化学品事業の市況や為替変動の影響を受けやすく、業績連動要素による変動はあるものの、安定した技術力を基盤に相応の処遇が提供されています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。 主な安定株主はGOLDMAN SACHS INTERNATIONAL(常任代理人 ゴールドマン・サックス証券)・日本ゼオン。
大株主にはゴールドマン・サックスや日本マスタートラスト信託銀行など、国内外の機関投資家や信託口が名を連ねており、安定した市場環境での運営が伺えます。特定の創業家による支配色が薄く、外国人株式保有比率も一定水準を維持していることから、グローバルな資金流入を背景とした公開市場での株主構成が特徴です。
会社の公式開示情報
役員報酬
主力の精密化学品事業における特殊ガスやリチウムイオン電池向け電解質が収益の柱ですが、渋川工場等の生産拠点における操業リスクが重要な経営課題です。為替差益の影響を大きく受ける体質であり、半導体市場の需要動向が業績を直接的に左右するリスク要因として開示されています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が23.1%と、東証プライム上場企業として一定のダイバーシティを推進しています。監査体制は監査役会設置会社として機能しており、資本金規模や連結子会社7社という構造に適したガバナンス体制を構築してリスク管理に注力しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 690億円 | 620億円 | 624億円 | -9.6% |
| FY2024 | 783億円 | — | 648億円 | -17.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 49億円 | 45億円 | 43億円 | -12.8% |
| FY2024 | 60億円 | — | -20億円 | 大幅未達 |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の中期経営計画では2026年度に売上高1,000億円、営業利益150億円を掲げていますが、足元の進捗は厳しい状況です。特にFY2024は半導体市況の急激な悪化により赤字転落し、計画から大きく乖離しました。業績予想の精度も低く、FY2024は期初予想60億円の営業利益が結果的に約20億円の赤字に終わっています。計画達成には、半導体市場の力強い回復と、電池材料事業の収益性向上が不可欠となります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、FY2024とFY2025においてTOPIXを大幅に下回る「アンダーパフォーム」となっています。これは、主力の半導体関連事業が市況悪化の影響を直接受け、FY2024に大幅な減益から赤字へ転落したことが主な要因です。株価が低迷し、配当も減額されたことが響きました。市況の回復とともに株価は持ち直していますが、過去の劣後を取り戻すには、中期経営計画の目標達成に向けた持続的な利益成長が不可欠です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 117.3万円 | +17.3万円 | 17.3% |
| FY2022 | 144.1万円 | +44.1万円 | 44.1% |
| FY2023 | 141.9万円 | +41.9万円 | 41.9% |
| FY2024 | 140.8万円 | +40.8万円 | 40.8% |
| FY2025 | 125.0万円 | +25.0万円 | 25.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
現在の株価はPBR1.3倍台と、解散価値を上回る評価を受けています。PERは26.2倍と業界平均に比べ割高感があり、今後の成長期待が織り込まれている水準です。信用買い残が売り残を上回る状況が続いており、将来の株価上昇を見込む投資家が多い一方、需給面での重さも意識されます。今後の決算で、市場の期待に応える業績回復を示せるかが焦点となります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
26年3月期通期連結営業利益予想を45億円へ引き上げ、精密化学品の好調が寄与。
関東電化ファインテックでの試運転を開始し、生産体制の再構築を推進。
企業統治強化の一環として大規模買付行為への対応方針を廃止。
最新ニュース
関東電化工業 まとめ
ひとめ診断
「半導体とEV、その心臓部を支えるフッ素化学の老舗」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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