アイカ工業
Aica Kogyo Company,Limited
最終更新日: 2026年3月22日
メラミン化粧板国内No.1。17期連続増配の化学メーカーが、インド大型買収でグローバルへ飛躍する
アイカ10年ビジョンのもと、「化学とデザインの融合」を通じて、持続可能で豊かな社会の実現に貢献する世界的な化学メーカーを目指します。
この会社ってなに?
アイカ工業の製品は、普段の生活で意識せずとも至る所で使われています。たとえば、カフェやホテルのカウンター・テーブルに使われるメラミン化粧板は国内シェアNo.1。マンションや商業施設の外壁を彩る塗り壁材、火災から建物を守る不燃化粧板、スマートフォンの部品を固定する精密接着剤まで、暮らしと安全を「見えない場所」から支えています。最近では生見愛瑠さんを起用した企業CMでブランド認知も高まり、インドやアジアへの海外展開で成長の舞台をさらに広げています。
アイカ工業は、化成品(接着剤・塗り床材・機能材料)と建装建材(メラミン化粧板・不燃化粧板)の2セグメントを中核とする化学メーカーです。FY2025/3は売上高2,487億円(前年比+5.1%)、営業利益274億円(同+8.4%)と増収増益で過去最高益を更新しました。FY2026/3は売上高2,650億円、営業利益290億円を会社予想としています。2025年12月にはインドのメラミン化粧板大手Stylam Industries Limitedを最大355億円で買収すると発表し、アジアからグローバルへの展開を大きく加速させています。中期経営計画「Value Creation 3000 & 300」では2027年3月期に売上高3,000億円・経常利益300億円を掲げ、経常利益は1年前倒しで達成見込みです。PER12.5倍・配当利回り3.8%と割安感のある水準にあり、17期連続増配の安定した株主還元も魅力です。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 名古屋市中村区名駅一丁目1番1号 JPタワー名古屋26階
- 公式
- www.aica.co.jp
社長プロフィール
化学とデザインの融合により、新しい価値を創造し続けます。インドStylam社の子会社化でメラミン化粧板の世界的リーダーを目指すとともに、中期経営計画の目標を前倒しで達成し、ROE10%以上・売上高3,000億円の実現に邁進してまいります。
この会社のストーリー
愛知県に愛知化成工業株式会社として設立。接着剤の製造からスタートしました。
建装建材分野に参入し、メラミン化粧板の製造を開始。後に国内シェアNo.1を獲得する主力事業の礎を築きました。
アジアを中心に海外拠点を拡大し、グローバルな事業基盤の構築を開始。接着剤事業を軸に東南アジア市場を開拓しました。
名古屋駅前の新ランドマークに本社を移転し、企業イメージの刷新とグローバル経営体制の強化を図りました。
売上高3,000億円・経常利益300億円を目標とする4カ年計画をスタート。化成品と建装建材の両輪で攻めの成長戦略を展開しています。
メラミン化粧板のインド大手Stylam Industries Limitedを最大355億円で買収。化粧板の生産能力を3倍に拡大し、グローバル展開を加速させる過去最大のM&Aです。
2027年に創立90周年を迎えるアイカ工業。売上高3,000億円・経常利益300億円の中計目標達成と、世界的な化学メーカーへの飛躍を目指します。
注目ポイント
17年間一度も減配することなく増配を続けており、FY2026/3は年間138円(利回り約3.8%)の予想。累進配当を貫く姿勢は長期投資家にとって大きな安心材料です。
建装建材セグメントの利益率は13.9%と高く、全社利益の約75%を稼ぎ出す主力事業。不燃化粧板など高付加価値品への展開で競合との差別化を実現しています。
Stylam社の買収により化粧板の生産能力が3倍に拡大。インド市場を起点にアジア・グローバルへの展開を加速させ、海外売上高比率50%以上を目指しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 46円 | 30.1% |
| FY2017/3 | 85円 | 50.2% |
| FY2018/3 | 92円 | 50.1% |
| FY2019/3 | 103円 | 50.5% |
| FY2020/3 | 106円 | 54.4% |
| FY2021/3 | 107円 | 64.9% |
| FY2022/3 | 108円 | 53.8% |
| FY2023/3 | 109円 | 69.3% |
| FY2024/3 | 112円 | 47.3% |
| FY2025/3 | 126円 | 47.3% |
なし
17期連続増配を達成しており、FY2026/3は年間138円(予想利回り約3.8%)への増配が発表済みです。FY2023/3は純利益減少により配当性向が69.3%と高まりましたが、減配は行わず累進配当の姿勢を貫いています。FY2024/3以降は利益成長に伴い配当性向は47%台に正常化しており、業績連動と安定性を両立した株主還元が特徴です。株主優待制度はありません。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
売上高は5期連続で成長を続け、FY2025/3には約2,487億円・営業利益約274億円と過去最高益を更新しました。FY2023/3は原材料高と海外子会社の税負担増により純利益が一時的に落ち込みましたが、FY2024/3以降は利益率改善が進み、営業利益率は11%台に到達しています。FY2026/3予想では売上高2,650億円・営業利益290億円を見込み、中期経営計画「Value Creation 3000 & 300」の最終年度に向けた着実な成長軌道を維持しています。
事業ごとの売上・利益
接着剤、建設樹脂(塗り床材・外装仕上塗材)、機能材料(有機微粒子等)を製造販売。国内外に展開し、特にアジア地域での接着剤事業が成長ドライバー。売上構成比約41%。
メラミン化粧板(国内首位)、不燃化粧板、単板・突板化粧板、システムカウンターなどを製造販売。高付加価値・高デザイン性製品へのシフトにより高い利益率を実現。売上構成比約59%。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 8.8% | 5.2% | - |
| FY2022/3 | 9.7% | 5.5% | - |
| FY2023/3 | 8.4% | 4.0% | - |
| FY2024/3 | 10.7% | 5.5% | 10.7% |
| FY2025/3 | 10.8% | 5.9% | 11.0% |
ROEはFY2023/3に6.4%まで低下しましたが、これは海外子会社の税負担増加による一時的なもので、FY2025/3には8.9%まで回復しています。中期計画ではROE10%以上を目標に掲げており、達成に向けた取り組みが進んでいます。営業利益率は10%超の高水準を安定的に維持しており、化成品・建装建材ともに高付加価値製品へのシフトが奏功しています。
財務は安全?
総資産は5期で約800億円増加し、FY2025/3には2,881億円に達しています。自己資本比率は60%前後の高水準を維持しており、財務健全性は極めて高い水準です。FY2024/3から有利子負債が発生していますが約106億円と小規模で、自己資本比率を大きく損なうものではありません。BPS(1株純資産)は5期で約700円増加しており、株主価値の着実な蓄積が進んでいます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 197億円 | -97.6億円 | -91.8億円 | 99.6億円 |
| FY2022/3 | 117億円 | -83.4億円 | -11.1億円 | 33.4億円 |
| FY2023/3 | 199億円 | -90.6億円 | -93.5億円 | 108億円 |
| FY2024/3 | 285億円 | -75.7億円 | -112億円 | 209億円 |
| FY2025/3 | 268億円 | -111億円 | -168億円 | 156億円 |
営業CFは5期平均で約213億円を安定的に創出しており、本業の収益力の高さを示しています。FY2024/3には営業CF285億円、FCF209億円と過去最高水準を記録しました。FY2025/3はFCF156億円と依然として高水準を維持しつつ、投資CF111億円を成長投資に振り向けています。財務CFのマイナスは配当支出と自己株式取得が主因であり、健全なキャッシュ配分が行われています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 184億円 | 76.8億円 | 41.6% |
| FY2022/3 | 218億円 | 87.2億円 | 39.9% |
| FY2023/3 | 221億円 | 120億円 | 54.5% |
| FY2024/3 | 261億円 | 110億円 | 42.1% |
| FY2025/3 | 287億円 | 118億円 | 41.1% |
FY2023/3に実効税率が54.5%と突出して高い水準となったのは、海外子会社関連の税負担増加が影響しています。その後は40%前後に安定し、FY2026/3予想では36.9%と法定実効税率に近い水準に改善見込みです。税引前利益は5期連続で増加しており、社会への貢献も着実に拡大しています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 781万円 | 5,250人 | - |
平均年収は781万円で化学業界の中堅水準です。連結従業員数は5,250名で、平均年齢41歳と比較的若い組織構成となっています。名古屋を本拠地とする地方優良企業として、安定した雇用環境を提供しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主はアイカ工業取引先持株会。
筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(17.73%)で、機関投資家の信託口が上位を占める典型的な構成です。特徴的なのはアイカ工業取引先持株会(3.9%)やアイカ工業株式保有会(2.56%)といった関係者持株が安定株主として機能している点です。大日本印刷や東邦瓦斯といった事業法人も名を連ね、名古屋を基盤とする安定的な資本構成となっています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 化成品 | 1,013億円 | 70億円 | 6.9% |
| 建装建材 | 1,474億円 | 205億円 | 13.9% |
建装建材セグメントが利益率13.9%と高い収益性を誇り、全社利益の約75%を稼ぐ主力事業です。メラミン化粧板は国内シェアNo.1であり、不燃化粧板も高い競争力を有しています。化成品セグメントは利益率6.9%とやや低めですが、アジアでの接着剤事業の成長が期待されています。インドStylam買収により建装建材の海外売上が大幅に拡大する見込みです。
この会社のガバナンスは?
取締役9名中女性2名(22.2%)と、化学業界では高い多様性を確保しています。監査報酬6,600万円を投じた透明性の高いガバナンス体制のもと、連結子会社51社を統括。設備投資額は約95億円と積極的な成長投資を行っており、平均勤続年数16年は従業員の定着率の高さを示しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 2,500億円 | — | 2,366億円 | -5.4% |
| FY2025 | 2,500億円 | — | 2,487億円 | -0.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 265億円 | — | 253億円 | -4.5% |
| FY2025 | 265億円 | — | 274億円 | +3.4% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
前中期経営計画「Change & Grow 2400」では売上高・経常利益ともに目標を超過達成しました。現中計「Value Creation 3000 & 300」では売上高3,000億円・経常利益300億円を掲げていますが、経常利益については1年前倒しでの達成が見込まれています。売上高3,000億円はインドStylam買収による海外売上の大幅増加が鍵を握っており、ROE10%以上への引き上げも明確に目標化されています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
5年間の累積TSRは128.1%とTOPIXの213.4%を大きく下回る「アンダーパフォーム」の結果です。FY2022に106.9%まで低下したのは原材料高と為替影響によるもので、その後は回復傾向にありますが、TOPIXがFY2024に急伸した局面では追随できませんでした。ただし、17期連続増配による安定的な配当収入を含めると、長期保有のリスク・リターン特性は悪くありません。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 135.8万円 | +35.8万円 | 35.8% |
| FY2022 | 106.9万円 | +6.9万円 | 6.9% |
| FY2023 | 112.0万円 | +12.0万円 | 12.0% |
| FY2024 | 137.7万円 | +37.7万円 | 37.7% |
| FY2025 | 128.1万円 | +28.1万円 | 28.1% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は6.78倍と買い残が売り残を上回る状況ですが、過度な偏りはありません。PER12.5倍は化学セクター平均をやや上回りますが、17期連続増配と高い配当利回り3.46%を考慮すると、バリュエーションは適正な水準です。インドStylam買収による成長加速が織り込まれれば、さらなる株価上昇余地があると考えられます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
2026年3月期の年間配当を従来予想から2円増額し、1株あたり138円に引き上げると発表しました。17期連続増配を達成する見通しです。
2026年3月期第3四半期の売上高・営業利益・経常利益・四半期純利益がいずれも過去最高を更新し、好調な業績が確認されました。
インドのメラミン化粧板大手Stylam Industries Limitedを最大355億円で買収すると発表。化粧板の生産能力を3倍に拡大し、アジアからグローバルへの展開を加速させます。
FY2025/3の通期決算で売上高2,487億円、営業利益274億円と5期連続の最高益を達成。配当も前期比14円増の126円に引き上げました。
最新ニュース
アイカ工業 まとめ
ひとめ診断
「メラミン化粧板国内首位、インド大型買収で建装建材のグローバル展開を加速する化学メーカー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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