第一稀元素化学工業4082
DAIICHI KIGENSO KAGAKU-KOGYO CO.,LTD
どんな会社?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが毎日乗っているかもしれないガソリン車。そのマフラーの中には、排気ガスをきれいにするための部品が入っています。第一稀元素化学工業は、その部品に欠かせない『ジルコニウム』という素材で世界トップシェアを誇る会社です。実はジルコニウムは、スマホの電子部品や、歯の治療で使う白い詰め物(セラミック)、さらには燃料電池など、身の回りの意外なところでも大活躍しています。普段は目に見えないけれど、私たちのクリーンな環境と便利な暮らしを支えている、まさに『縁の下の力持ち』のような企業なんです。
ジルコニウム化合物の世界トップメーカー。2025期決算では売上高336.4億円、営業利益22.82億円と減収減益を記録しました。主力の自動車排ガス浄化触媒事業が市場環境の変化に直面する一方、レアアース代替材料の開発やベトナム新工場の本格稼働など、次世代の収益源確保に向けた動きを加速させています。非常に高いPERは、これらの新事業への強い期待感を反映していると言えるでしょう。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪市中央区北浜4丁目4番9号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
FY2025/3実績
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 4.0% | 2.2% | - |
| 2022/03期 | 5.9% | 3.2% | - |
| 2023/03期 | 11.8% | 6.5% | - |
| 2024/03期 | 3.1% | 1.7% | 6.9% |
| 2025/03期 | 2.1% | 1.2% | 6.8% |
| 3Q FY2026/3 | 4.5%(累計) | 2.5%(累計) | 10.4% |
収益性は2023/03期を境に大きく変化しており、ピーク時の営業利益率は15.1%という高い水準を記録しました。しかし、2024/03期以降は原料調達コストや製造コストの変動に加え、主力の自動車関連製品の需要減速が響き、営業利益率は6%台まで低下しています。ROEも同様の傾向を辿っており、資本効率の改善が今後の持続的な成長に向けた重要な課題となっています。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 235億円 | — | 12.3億円 | 50.9円 | — |
| 2022/03期 | 294億円 | — | 18.5億円 | 76.2円 | +25.1% |
| 2023/03期 | 357億円 | — | 40.2億円 | 165.4円 | +21.7% |
| 2024/03期 | 352億円 | 24.2億円 | 11.4億円 | 46.9円 | -1.5% |
| 2025/03期 | 336億円 | 22.8億円 | 7.9億円 | 32.6円 | -4.5% |
当社の売上高は2023/03期に約357億円まで拡大しましたが、以降は自動車排ガス浄化触媒の需要調整等の影響を受け、2025/03期には約336億円まで緩やかに減少しました。利益面では2023/03期に営業利益約54億円を計上してピークを迎えましたが、その後の市況変動による稼働率の低下や先行投資負担が重なり、直近では減益傾向にあります。2026/03期予想では回復基調を目指しているものの、利益水準は依然として厳しい見通しです。 【3Q 2026/03期実績】売上263億円(通期予想比77%)、営業利益27億円(同274%)、純利益16億円(同1065%)。営業利益は既に通期予想を超過しており、上振れの可能性が高い。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均(自社を除く当サイト掲載銘柄より算出)と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
自動車排ガス浄化触媒を中心とした無機化学品の製造販売が主要事業であり、連結子会社5社を通じてグローバル展開しています。主な事業リスクとして、為替変動や原材料調達の安定性、さらには世界的な自動車業界の動向が業績に直結する点が挙げられます。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 380億円 | — | 336億円 | -11.5% |
| 2024期 | 400億円 | — | 352億円 | -11.9% |
| 2023期 | 345億円 | — | 358億円 | +3.6% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 30億円 | — | 22.8億円 | -23.9% |
| 2024期 | 30億円 | — | 24.2億円 | -19.3% |
| 2023期 | 48億円 | — | 53.9億円 | +12.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
同社は具体的な中期経営計画を大々的に公表していませんが、期初の会社予想が実質的な目標となります。過去2期(2024期, 2025期)は売上・利益ともに期初予想を10%以上下回る大幅な未達となっており、計画精度に課題を残しています。一方で、進行中の2026期予想では営業利益10億円と非常に保守的な目標を設定しており、第3四半期時点での為替差益などから既に上方修正を発表。これは過年度の未達を踏まえた現実的な目標設定への転換と見られますが、投資家からの信頼回復が急務です。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
エマルションフローテクノロジーズとリサイクル技術開発に向けた基本合意契約を締結。
レアアース不使用材料への期待から株価が急上昇し、年初来高値4,400円を記録。
為替差益の計上などにより、第3四半期累計の連結経常利益を上方修正し増収増益を達成。
代表者プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
※ 有利子負債・純資産はいずれも3Q FY2026/3末時点
自己資本比率は2025/03期時点で58.6%と高い財務健全性を維持しています。2024/03期から有利子負債を計上していますが、強固な資産基盤を背景に安定した経営を続けており、BPSも緩やかながら増加傾向にあります。無駄な負債を抱えず、効率的な資本活用を行うことで、市況低迷期でも長期的な経営の安定性は十分に確保されています。 【3Q 2026/03期】総資産656億円、純資産379億円、自己資本比率54.6%、有利子負債175億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 56.6億円 | ▲64.5億円 | 24.9億円 | ▲7.9億円 |
| 2022/03期 | 32.3億円 | ▲42.2億円 | ▲800万円 | ▲9.9億円 |
| 2023/03期 | 38.9億円 | ▲44.2億円 | 24.5億円 | ▲5.3億円 |
| 2024/03期 | 53.1億円 | ▲34.5億円 | ▲24.4億円 | 18.6億円 |
| 2025/03期 | 35.0億円 | ▲5.5億円 | ▲35.3億円 | 29.5億円 |
営業キャッシュフローは、ジルコニウム化合物の安定した需要を背景に年間30億から50億円規模の獲得を継続しています。投資活動に関しては、生産体制の強化やベトナム拠点への設備投資を優先してきたため、以前はフリーキャッシュフローがマイナスとなる期間が続きました。直近では設備投資のピークアウトによりフリーキャッシュフローが大幅なプラスに転じ、財務体質の改善や配当等への原資を十分に確保できる体制へ移行しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は22.2%と、上場企業の平均と比較して高い水準を維持しており、多様性への取り組みが進んでいます。監査報酬3,400万円を投じて外部監査体制を整えるなど、企業規模に見合った透明性の高いガバナンス体制を構築しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 683万円 | 698人 | - |
従業員平均年収は683万円であり、製造業の平均水準と比較しても安定した給与体系です。ジルコニウム化合物において世界トップシェアを誇る独自の技術力により、利益が社員へ適切に還元されている良好な雇用環境が構築されています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、市場平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
過去5年間のTSR(株主総利回り)を見ると、2021期はTOPIXを上回ったものの、2022期以降は4年連続でTOPIXをアンダーパフォームしています。これは、株価が特定のテーマ(レアアース代替など)で一時的に急騰するものの、持続的な成長期待につながる業績の伸びが見られず、結果として市場平均を下回るリターンに留まっていることを示しています。安定した株主還元と持続的な業績成長を実現し、TSRを改善していくことが経営課題と言えるでしょう。
※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 45円 | 7.8% |
| 2017/03期 | 60円 | 38.9% |
| 2018/03期 | 16円 | 13.0% |
| 2019/03期 | 19円 | 14.9% |
| 2020/03期 | 20円 | 20.6% |
| 2021/03期 | 18円 | 35.4% |
| 2022/03期 | 23円 | 30.2% |
| 2023/03期 | 34円 | 20.6% |
| 2024/03期 | 26円 | 55.5% |
| 2025/03期 | 26円 | 79.7% |
現在、株主優待制度は廃止されており、実施されていません。
配当方針として安定的な利益還元を重視しており、持続的な成長のための投資とのバランスを図っています。近年の業績低下に伴い配当性向が上昇傾向にありますが、長期的な視点での安定配当を基本姿勢として維持しています。今後も収益基盤の回復に合わせて、株主への適切な還元を継続する方針です。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 176.0万円 | 76.0万円 | 76.0% |
| 2022期 | 140.0万円 | 40.0万円 | 40.0% |
| 2023期 | 145.0万円 | 45.0万円 | 45.0% |
| 2024期 | 141.0万円 | 41.0万円 | 41.0% |
| 2025期 | 109.0万円 | 9.0万円 | 9.0% |
※ 配当込みで算出したTSR(株主総利回り)です。配当は再投資すると仮定しています。各期の値は有価証券報告書「主要な経営指標等の推移」の株主総利回りです。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは396.6倍と化学セクター平均を大幅に上回っており、業績対比で株価は割高な水準にあります。これは脱レアアースという将来のテーマ性への期待が株価に織り込まれていることを示唆しています。信用倍率は3.09倍とやや買い残が多い状況ですが、過熱感があるレベルではありません。今後の決算で、市場の高い期待に応える成長を示せるかが焦点となります。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 21.3億円 | 9.0億円 | 42.0% |
| 2022/03期 | 60.0億円 | 41.5億円 | 69.2% |
| 2023/03期 | 59.7億円 | 19.5億円 | 32.7% |
| 2024/03期 | 29.4億円 | 18.0億円 | 61.3% |
| 2025/03期 | 6.3億円 | 0円 | 0.0% |
法人税等の支払額は、業績の変動に伴い年度間で大きな振れ幅が生じています。利益水準が高い時期には実効税率が上昇する傾向があり、特に一時的な税務処理や損益構造の変化が影響を与えています。直近の2025/03期のように利益が大幅に減少した期には、税負担が軽減される一方で、今後の利益回復に伴い再び適正水準への調整が求められます。
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「地味な化学メーカーと思いきや、実はEVや半導体にも欠かせないジルコニウムの世界覇者」
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