小林製薬
KOBAYASHI PHARMACEUTICAL CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月22日
「あったらいいな」を形にする、27期連続増配のニッチ日用品メーカー
品質への信頼を取り戻し、「あったらいいな」をカタチにする力で国内外の人々の暮らしに貢献する企業へ。
この会社ってなに?
小林製薬は「ブルーレット」「熱さまシート」「のどぬ〜るスプレー」「消臭元」など、「あったらいいな」を形にしたニッチな日用品・医薬品を作っている会社です。ドラッグストアやスーパーであなたが手に取る便利グッズの多くが、この会社から生まれています。
2025年12月期は売上高1,657億円(前期比+0.1%)と横ばいながら、紅麹サプリ健康被害問題に伴う特別損失や減損処理が重なり営業利益149億円(同-40.0%)、純利益36億円(同-63.7%)と大幅減益に。一方、2026年2月に発表した新中期経営計画(2026-2028年)では2028年12月期に営業利益を5割増とする目標を掲げ、品質管理の抜本的強化と海外事業の成長加速を柱に据えた。配当は27期連続増配を継続し、2026年12月期は年間106円(前期比+2円)を予想。紅麹問題の累計損失約150億円を経てもなお自己資本比率76%超と財務基盤は盤石で、ディフェンシブかつ再成長期待の銘柄として注目されている。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 12月
- 本社
- 大阪市中央区道修町4丁目4番10号 KDX小林道修町ビル
- 公式
- www.kobayashi.co.jp
社長プロフィール
紅麹問題を通じて品質管理の重要性を改めて痛感しました。お客様の信頼回復を最優先に、攻守両面の企業風土を作り上げ、再成長を実現してまいります。
この会社のストーリー
大阪で雑貨卸商として創業。「道修町」の薬の街に拠点を構え、日用品ビジネスの礎を築く。
株式会社として法人化し、製造と販売を一体化。医薬品・日用品メーカーとしての歩みを開始。
ニッチ市場を創造する独自の商品開発戦略を確立。熱さまシート、のどぬ〜るスプレーなどヒット商品を連発。
コロナ禍での衛生意識の高まりを追い風に、株価が上場来高値を更新する絶頂期を迎える。
紅麹を含むサプリメントによる健康被害が発覚。会長・社長が辞任し、経営体制の刷新に追い込まれる。
豊田賀一氏が新社長に就任。品質管理体制の抜本的見直しを断行し、信頼回復に全力を注ぐ。
2026-2028年の新中期経営計画を発表。営業利益5割増と海外事業拡大を掲げ、再成長の道筋を示す。
注目ポイント
紅麹問題で大幅減益に陥った中でも増配を維持。配当性向が200%を超えても減配しなかった強い意志が光ります。
実質無借金経営で、累計150億円の特別損失を計上してもビクともしない盤石な財務体質です。
毎年20以上の新製品を投入し、熱さまシートやブルーレットなど独自のカテゴリーで圧倒的シェアを獲得しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 52円 | 29.0% |
| FY2017/3 | 58円 | 28.8% |
| FY2018/3 | 66円 | 28.9% |
| FY2019/3 | 73円 | 29.9% |
| FY2020/3 | 77円 | 31.3% |
| FY2021/3 | 83円 | 32.9% |
| FY2022/3 | 90円 | 34.7% |
| FY2023/3 | 101円 | 37.7% |
| FY2024/3 | 102円 | 75.3% |
| FY2025/3 | 104円 | 211.4% |
| 必要株数 | 100株以上(約56万円) |
| 金額相当 | 約5,000円相当(年2回で計1万円相当) |
| 権利確定月 | 6月・12月 |
27期連続増配を達成しており、FY2026/12予は年間106円(前期比+2円)を予想。紅麹問題でFY2025/12の配当性向が211%に急騰しましたが、減配せず増配を維持した点は株主還元への強い姿勢を示しています。株主優待は年2回の自社製品詰め合わせ(計1万円相当)があり、優待込み利回りは約3.7%と魅力的です。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2023/12までは安定的に営業利益250億円超を維持していましたが、FY2024/12に紅麹サプリメント問題が発生し、純利益が半減。FY2025/12は減損処理146億円が加わり営業利益149億円・純利益36億円と大幅減益に沈みました。FY2026/12予は売上高1,730億円(+4.4%)と回復基調ながら、営業利益125億円と紅麹関連費用の影響が残る見通しです。新中期経営計画では2028年12月期に営業利益の5割増を目指しています。
事業ごとの売上・利益
ブルーレット、熱さまシート、のどぬ〜るスプレー、消臭元、アイボン等のOTC医薬品・日用雑貨。ニッチ市場でトップシェア多数
中国・東南アジアを中心に熱さまシート等の日用品を展開。新中計で成長ドライバーとして重点投資
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 10.2% | 7.8% | - |
| FY2022/3 | 10.7% | 7.8% | - |
| FY2023/3 | 10.7% | 7.6% | - |
| FY2024/3 | 6.2% | 3.8% | 15.0% |
| FY2025/3 | 1.6% | 1.3% | 9.0% |
FY2023/12まではROE約10%、営業利益率15%前後と安定した高収益体質でしたが、紅麹問題の影響でFY2024/12以降は収益性が急低下。FY2025/12はROE1.7%、営業利益率9.0%と大きく悪化しました。新中期経営計画のもと、品質管理強化と海外事業拡大により収益性の回復を目指しています。
財務は安全?
自己資本比率は76〜80%と極めて高水準を維持しており、有利子負債はほぼゼロに近い水準です。紅麹問題による特別損失を計上してもなお純資産2,110億円、BPS2,827円と堅固な財務基盤を保持。実質無借金経営が同社の大きな強みです。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 224億円 | 79.9億円 | -104億円 | 304億円 |
| FY2022/3 | 319億円 | -143億円 | -208億円 | 176億円 |
| FY2023/3 | 184億円 | -196億円 | -195億円 | -12.2億円 |
| FY2024/3 | 112億円 | -184億円 | -77.7億円 | -71.7億円 |
| FY2025/3 | 256億円 | -1.5億円 | -79.2億円 | 254億円 |
FY2025/12は営業CFが255億円と前期の112億円から大幅回復し、投資CFも-1.5億円と抑制されたことでFCFは254億円の黒字に転換。FY2023〜2024/12は紅麹関連費用や設備投資でFCFがマイナスでしたが、キャッシュ創出力の回復が鮮明になっています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 280億円 | 83.0億円 | 29.6% |
| FY2022/3 | 283億円 | 82.6億円 | 29.2% |
| FY2023/3 | 273億円 | 69.9億円 | 25.6% |
| FY2024/3 | 269億円 | 168億円 | 62.5% |
| FY2025/3 | 170億円 | 133億円 | 78.5% |
FY2023/12までは実効税率25〜30%と標準的でしたが、FY2024/12以降は紅麹問題に関連する特別損失(損金不算入)の影響で税率が大幅に上昇。FY2025/12は実効税率78.5%に達しました。FY2026/12予は一時要因の剥落により20%台への正常化が見込まれています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 755万円 | 3,731人 | - |
平均年収は約757万円で化学業界では中位水準です。単体従業員数は約3,600名で推移しており、平均年齢は41歳、平均勤続年数は12.8年と安定した雇用環境を維持しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。 主な安定株主は公益財団法人小林財団。
筆頭株主は創業家の小林章浩氏(12.46%)で、公益財団法人小林財団(8.07%)と合わせて約20%を保有。一方、オアシス系ファンド3社が合計約10%を保有しており、アクティビストとして株主提案を行うなどガバナンスへの働きかけを強めています。個人投資家の比率が46.9%と高く、配当や株主優待の注目度が高い銘柄です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 国内事業 | 約1,300億円 | 非開示 | 非開示 |
| 海外事業 | 約350億円 | 非開示 | 非開示 |
研究開発費
役員報酬は3名で3億1,300万円。紅麹問題発覚後、当時の代表取締役会長が辞任し、役員報酬の一部自主返上も実施されました。事業セグメントは国内事業と海外事業の2区分で、国内は「あったらいいな」をコンセプトにしたニッチ日用品で高い市場シェアを有します。
この会社のガバナンスは?
取締役14名中女性2名(14.3%)と、ダイバーシティの面では改善の余地があります。紅麹問題を受けて監査等委員会設置会社への移行を決定し、ガバナンス体制の強化を図っています。オアシス系ファンドからの株主提案を受けるなど、外部からのガバナンス圧力も高まっています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年12月期 | 1,680億円 | — | 1,657億円 | -1.4% |
| 2024年12月期 | 1,680億円 | — | 1,656億円 | -1.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年12月期 | 非開示 | — | 149億円 | - |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2025年2月に旧中期経営計画を取り下げた後、2026年2月に新中計(2026-2028年)を発表。2028年12月期に営業利益の5割増を目標に掲げ、品質管理の抜本的強化と海外事業拡大を成長の柱とする。紅麹問題からの信頼回復が最優先課題であり、計画の実行力が今後の評価を左右します。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
直近5年間のTSRは72.9%とTOPIXの182.5%を大幅に下回り、アンダーパフォームとなっています。特にFY2024/12以降は紅麹問題の影響で株価が急落し、累積リターンが100%を大きく割り込みました。長期投資家にとっては配当によるリターンが株価下落を一部補ってはいるものの、指数対比では厳しい結果です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021/12 | 137.6万円 | +37.6万円 | 37.6% |
| FY2022/12 | 100.0万円 | +0.0万円 | 0.0% |
| FY2023/12 | 100.9万円 | +0.9万円 | 0.9% |
| FY2024/12 | 77.8万円 | -22.2万円 | -22.2% |
| FY2025/12 | 72.9万円 | -27.1万円 | -27.1% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は1.20倍と売り買いが拮抗しており、市場では紅麹問題の影響の行方を見極める姿勢が続いています。PERは41.6倍と業界平均(20〜25倍)を大きく上回りますが、これは紅麹問題による一時的な利益圧迫が影響しており、正常利益ベースでは割安感が出る可能性があります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
新中期経営計画(2026-2028年)を発表。2028年12月期に営業利益5割増を目標に掲げ、品質管理体制の強化と海外事業拡大を柱とした再成長シナリオを提示。
2026年12月期の年間配当を106円(前期比+2円)に増配予想。27期連続の増配記録を更新する見通し。
2025年12月期決算で純利益が前期比63.7%減の36億円に。紅麹問題の影響が継続し、国内外2工場の減損146億円を計上。
紅麹サプリメントによる健康被害が発覚し、自主回収を開始。その後、累計損失は約150億円に達する深刻な経営危機に直面。
最新ニュース
小林製薬 まとめ
ひとめ診断
紅麹問題を乗り越え再出発。新中計(2026-2028年)で営業利益5割増を掲げ、27期連続増配の「ニッチ日用品メーカー」が信頼回復と成長回帰に挑む
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「化学」に分類される他の企業
『溶接の火花から半導体のクリーンルームまで』、日本のものづくりを気体で支える縁の下の力持ち
印刷インキの巨人が『アートとサイエンス』を武器に、EV電池材料など高機能素材メーカーへの脱皮を急ぐ化学企業
石化再編の旗振り役が描く“二刀流経営”――成長3領域への集中とベーシック事業の分社化が同時進行
塩化ビニルと半導体シリコンウエハで世界首位 -- 営業利益率29%・自己資本比率83%の超優良化学メーカー
マテリアル・住宅・ヘルスケアの三本柱で暮らしと社会を支える総合化学メーカー
総合化学国内最大手が化学回帰で収益構造を抜本改革
農薬国内首位・液晶配向膜世界トップ、営業利益率22%超の"稼ぐ化学"。1,000億円M&A枠で攻めに転じる高収益メーカー
『びっくりするほど良い商品』を武器に高収益を誇ったD2Cの雄が、成長の壁をM&Aで乗り越えようと模索している