三菱ケミカルグループ
Mitsubishi Chemical Group Corporation
最終更新日: 2026年4月30日
総合化学最大手が「化学回帰」で世界トップクラスの素材メーカーへ
革新的なソリューションで、人、社会、そして地球の心地よさが続いていくKAITEKIの実現をリードする
この会社ってなに?
スマートフォンの有機ELディスプレイ素材、自動車のヘッドライトに使われるアクリル樹脂(ルーサイト)、食品包装のバリアフィルム、半導体製造に不可欠な高純度薬品。三菱ケミカルの素材は目に見えないところで私たちの暮らしを支えています。最近では炭素繊維複合材がボーイング787や風力発電ブレードに採用されるなど、脱炭素社会の実現にも貢献する「縁の下の力持ち」です。
FY2025/3期の売上収益は約4兆4,074億円、コア営業利益は前期比+43%の約2,984億円と大幅増益を達成しました。田辺三菱製薬の米ベインキャピタルへの約5,100億円での売却やコークス事業からの撤退を決断し、半導体材料・スペシャリティ素材など高付加価値領域への集中を進めています。FY2026/3期は売上収益3兆7,400億円、純利益1,450億円を見込み、中期経営計画2029ではコア営業利益5,700億円・ROIC 8%の達成を目指します。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区丸の内1-1-1 パレスビル
- 公式
- www.mcgc.com
社長プロフィール

三菱ケミカルグループは「化学の力で社会を変える」という原点に立ち返り、ポートフォリオ変革を断行しています。田辺三菱製薬の売却やコークス事業からの撤退を決断し、半導体材料やMMA、機能性素材といった成長領域に経営資源を集中します。中期経営計画2029のもと、コア営業利益5,700億円・ROIC 8%の実現に向けて、規律ある経営を推進してまいります。
この会社のストーリー
三菱鉱業と三菱化成工業の前身が合流し、日本のコールケミカル産業の礎を築きました。
三菱化成と三菱油化が合併し、国内最大級の総合化学メーカーが誕生しました。
三菱化学、三菱ファーマ、三菱樹脂を統合する持株会社を設立し、「化学を超える」多角化経営に踏み出しました。
グループ内の化学3社(三菱化学・三菱樹脂・三菱レイヨン)を統合し、機能商品から基礎化学品まで一貫体制を構築しました。
ギルソン前社長を事実上解任し、筑本学氏が新社長に就任。祖業の化学事業への回帰と構造改革を宣言しました。
田辺三菱製薬をベインキャピタルに売却し、化学専業メーカーとしての再出発を図りました。中期経営計画2029でコア営業利益5,700億円を目指します。
注目ポイント
中期経営計画2029で掲げた野心的な目標。半導体材料やMMAなど競争優位のある事業に経営資源を集中し、利益率12%の高収益体質を目指しています。
アクリル樹脂の原料であるMMAモノマーで世界首位級のシェアを持ち、自動車・建材・ディスプレイなど幅広い産業に不可欠な素材を供給しています。
解散価値を大幅に下回る株価水準にあり、構造改革の進展次第ではPBR1倍への回帰が期待できます。配当利回り3.5%も化学セクター平均を上回る魅力です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 15円 | 47.3% |
| FY2017/3 | 20円 | 18.7% |
| FY2018/3 | 32円 | 21.7% |
| FY2019/3 | 40円 | 33.6% |
| FY2020/3 | 32円 | 84.0% |
| FY2021/3 | 24円 | - |
| FY2022/3 | 30円 | 24.1% |
| FY2023/3 | 30円 | 44.4% |
| FY2024/3 | 32円 | 38.1% |
| FY2025/3 | 32円 | 101.1% |
株主優待制度なし。
年間配当は32円(配当利回り約3.5%)を維持しています。FY2025/3期は一時的な特別損失により配当性向が101%に跳ね上がりましたが、FY2026/3期の予想純利益ベースでは配当性向31.4%と正常化する見込みです。中期経営計画2029では配当性向約35%を目安に利益成長に応じた増配を掲げており、田辺三菱製薬売却後の利益回復に伴う増配余地があります。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2025/3期の売上収益は約4兆4,074億円と横ばいながら、コア営業利益は約2,984億円と前期比+43%の大幅増益を達成しました。一方、コークス事業撤退に伴う非経常損失約850億円の計上により、最終利益は450億円にとどまりました。FY2026/3期は田辺三菱製薬の売却(約950億円の譲渡益)効果や化学事業の収益改善により、純利益1,450億円への回復を見込んでいます。
事業ごとの売上・利益
半導体材料、機能性フィルム、高機能エンプラなど。FY2025/3期はコア営業利益が前期比+239%と大幅改善
MMA(メタクリル酸メチル)モノマー・アクリル樹脂で世界首位級。市況回復により大幅増益
エチレン・ポリオレフィンなど基礎化学品。炭素事業で279億円の損失計上。赤字幅は前期比98億円縮小
田辺三菱製薬(2025年7-9月期に売却完了予定)。FY2025/3期はコア営業利益+16%
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -0.6% | -0.1% | - |
| FY2022/3 | 13.2% | 3.2% | - |
| FY2023/3 | 6.4% | 1.7% | - |
| FY2024/3 | 7.2% | 2.0% | 6.0% |
| FY2025/3 | 2.6% | 0.8% | 4.5% |
FY2025/3期のROEは2.0%とコークス事業撤退に伴う特別損失の影響で低水準にとどまりました。一方、コア営業利益率は実質的に改善傾向にあり、不採算事業の整理が進むFY2026/3期以降はROE・営業利益率ともに大幅な回復が期待されます。中期経営計画2029ではコア営業利益率12%を目標に掲げています。
財務は安全?
FY2025/3期の総資産は約5兆8,946億円、自己資本比率は29.5%と着実に改善しています。有利子負債は約1兆1,976億円と前期から約1,741億円削減されました。田辺三菱製薬の売却収入(約5,100億円)によりFY2026/3期は大幅な有利子負債の圧縮が見込まれ、財務体質の改善がさらに加速する見通しです。BPSは1,223円でPBR約0.75倍と割安な水準です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 4,651億円 | -2,461億円 | -2,417億円 | 2,191億円 |
| FY2025/3 | 5,528億円 | -2,754億円 | -2,467億円 | 2,774億円 |
FY2025/3期の営業CFは約5,528億円と過去5年で最高水準を記録し、本業のキャッシュ創出力が大きく向上しています。FCFも約2,774億円と高水準を維持。田辺三菱製薬の売却完了後は投資CFにさらに大きなプラスが見込まれ、有利子負債の返済や成長投資への原資が確保される見通しです。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 329億円 | 405億円 | 123.0% |
| FY2022/3 | 2,904億円 | 1,132億円 | 39.0% |
| FY2023/3 | 1,680億円 | 715億円 | 42.6% |
| FY2024/3 | 2,405億円 | 1,210億円 | 50.3% |
| FY2025/3 | 1,507億円 | 1,057億円 | 70.1% |
FY2026/3期の予想税引前利益は約2,020億円、法人税等は約570億円(実効税率28.2%)を見込んでいます。田辺三菱製薬の売却益に対する課税や、コークス事業撤退に伴う繰延税金資産の取崩しなど、一時的な税務要因が影響する可能性があります。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 1,060万円 | 63,258人 | - |
純粋持株会社のため従業員数は414名と少数ですが、平均年収は1,059万円と化学業界でもトップクラスの高水準です。管理部門・経営企画部門の専門人材が中心であり、年収のブレ幅が大きいのは賞与の業績連動部分が大きいためです。連結ベースでは約6.3万人のグループ従業員を抱え、平均年齢47.6歳・平均勤続年数19.3年と長期雇用が特徴です。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関が約35.7%を保有し安定基盤を形成する一方、外国人投資家が約32%・個人が約24.7%と流動性の高い構成です。
主要株主は日本マスタートラスト信託銀行(16.5%)やステート・ストリート銀行(7.3%)、日本カストディ銀行(6.4%)など信託口・カストディアンが上位を占め、国内外の機関投資家による保有が中心です。明治安田生命(4.5%)や日本生命(3.0%)など生命保険会社が政策保有的に株式を保有しており、安定株主基盤を支えています。創業者一族による支配色はなく、典型的な大規模公開企業型の分散した株主構成です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| スペシャリティマテリアルズ | 約1兆813億円 | 約251億円 | 2.3% |
| MMA&デリバティブズ | 約4,021億円 | 約353億円 | 8.8% |
| ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ | 非開示 | 赤字 | - |
| ファーマ | 非開示 | 増益 | - |
三菱ケミカルGはスペシャリティマテリアルズとMMAの2事業が収益の柱です。FY2025/3期はMMA事業が市況回復で大幅増益を達成し、スペシャリティ事業も半導体材料等の需要拡大で利益を伸ばしました。ベーシックマテリアルズは依然赤字ですが、コークス事業撤退により不採算部門の切り離しが進んでいます。田辺三菱製薬売却後は化学専業としての収益性向上が期待されます。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は8.3%と、グローバル基準や政府目標と比較すると改善の余地が大きい状況です。監査体制については報酬額が8.4億円と非常に高額であり、巨大なグループを統治するための厳格な監視・監査機能に多大なコストを割いています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 2,400億円 | 2,650億円 | 2,984億円 | +12.6% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 1,000億円 | — | 450億円 | -55.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画2029の初年度(FY2025/3)は、コア営業利益が計画を12.6%上回る2,984億円を達成し、事業ポートフォリオの改善が順調に進んでいます。一方、コークス事業撤退に伴う非経常損失約850億円の計上により純利益は大幅に下振れしました。5年間で約1,400億円の改善施策を実行する計画で、初年度の進捗は概ね良好と評価できます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
三菱ケミカルGの過去5年間のTSRは137.7%と元本をわずかに上回る水準にとどまり、TOPIX(213.4%)を大幅にアンダーパフォームしています。事業ポートフォリオの迷走(ギルソン前社長時代の経営混乱)、コークス事業の巨額損失、化学品市況の低迷が主因です。ただし、中計2029に基づく構造改革が進めば、化学専業としての再評価によるTSR改善が期待されます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 132.8万円 | +32.8万円 | 32.8% |
| FY2022 | 135.5万円 | +35.5万円 | 35.5% |
| FY2023 | 135.3万円 | +35.3万円 | 35.3% |
| FY2024 | 160.5万円 | +60.5万円 | 60.5% |
| FY2025 | 137.7万円 | +37.7万円 | 37.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
三菱ケミカルGのPER9.0倍・PBR0.75倍はいずれも化学セクター平均を大幅に下回り、割安な水準にあります。コークス事業撤退に伴う巨額損失や田辺三菱製薬売却後の事業構造の不透明感が株価の重しとなっていますが、配当利回り3.47%はセクター平均を上回り、バリュー・インカム投資家にとって魅力的な水準です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
三菱ケミカルGが「化学事業でコア営業利益1,000億円」を掲げ、構造改革が一巡したと発表。基礎化学品の合理化と高付加価値品への転換が着実に進行。
コークス・炭素材事業からの撤退を正式発表。2027年度下期に生産停止、非経常損失約850億円を計上。中国の過剰供給が背景。
FY2026/3期3Q累計の連結最終利益は前年同期比77.6%増の1,054億円。スペシャリティ素材とMMA事業が好調に推移。
子会社の田辺三菱製薬を米ベインキャピタルに約5,100億円で売却する契約を締結。化学事業への経営資源集中を加速。
中期経営計画2029を発表。コア営業利益5,700億円、ROIC 8%を目標に掲げ、ポートフォリオ変革と規律ある経営を推進。
最新ニュース
三菱ケミカルグループ まとめ
ひとめ診断
「総合化学国内最大手が化学回帰で収益構造を抜本改革」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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