長谷川香料
T.HASEGAWA CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月28日
香りで暮らしを彩る、国内トップクラスの総合香料メーカー
香料事業を通じてサステナブルな社会の構築に貢献し、世界中の人々の豊かなくらしを実現することを目指します。
この会社ってなに?
あなたが普段コンビニで手に取るペットボトルのジュースや、お菓子を食べた時に感じる「いちごの味」や「レモンの香り」。実はその多くは、長谷川香料のような会社が作った「フレーバー(食品香料)」によって再現されています。また、お気に入りのシャンプーや化粧品から漂う心地よい「フレグランス(香粧品香料)」も、同社が開発した香りかもしれません。私たちの生活に欠かせない多種多様な製品の味と香りを、裏側から支えているのが長谷川香料なのです。
国内香料業界2位の長谷川香料は、安定した収益基盤を誇る企業です。2025年9月期決算では売上高735.0億円、営業利益85.15億円と、円安を追い風に堅調な業績を維持しています。近年はベトナムの香料会社を買収するなど、アジア市場を中心とした海外展開を加速させており、国内の成熟市場から新たな成長ドライバーの確立を目指しています。株価はPBR1倍割れと割安感があり、安定配当と株主優待も魅力です。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 9月
- 本社
- 東京都中央区日本橋本町4-4-14
- 公式
- www.t-hasegawa.co.jp
社長プロフィール
当社グループは創業以来、付加価値の高い製品の提供と、顧客のニーズにきめ細やかに対応する研究を重ねてきました。コアビジネスである調合香料事業に経営資源を集中し、グローバルな事業展開を加速させることで、香りを通じて豊かな社会づくりに貢献してまいります。
この会社のストーリー
長谷川商店として創業し、香料の研究開発と製造販売を開始。日本の香料産業の礎を築く一歩を踏み出す。
事業の成長を背景に株式を公開し、社会的信用を高め、さらなる事業拡大のための経営基盤を確立する。
初の海外拠点としてT. HASEGAWA U.S.A., INC.を設立。グローバル展開を本格的に開始し、国際的な競争力を強化していく。
産業廃棄物を堆肥化する会社「小海コンポース」に出資。30年以上にわたりサステナビリティを意識した経営を実践する。
代替タンパク質市場の拡大を見据え、スタートアップ企業と提携。両社の技術を掛け合わせ、新たな食の可能性を追求する。
ベトナムのフレーバー・食品素材メーカー、ホアンアン社を買収。成長著しい東南アジア市場での事業基盤を強化する。
香料成分を高濃度に配合しても安定的に分散させられる新規技術を開発。製品開発の自由度を飛躍的に向上させる。
コアビジネスである調合香料事業に注力し、海外M&Aや研究開発への投資を継続。世界市場でのプレゼンス向上を目指す。
注目ポイント
1903年の創業以来、香料一筋で事業を展開。食品や飲料に使われる「フレーバー」と、化粧品などに使われる「フレグランス」の両方で高い技術力を持つ国内トップクラスの企業です。
早くから海外に進出し、近年ではベトナムの有力企業を買収するなど、成長著しいアジア市場への展開を加速。世界を舞台にビジネスを拡大しています。
安定的に利益を創出する事業基盤を持ち、株主への配当を継続的に実施。100株以上の保有でQUOカードがもらえる株主優待も魅力です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 32円 | 37.3% |
| FY2017/3 | 35円 | 34.5% |
| FY2018/3 | 35円 | 36.2% |
| FY2019/3 | 35円 | 35.3% |
| FY2020/3 | 40円 | 32.6% |
| FY2021/3 | 55円 | 33.6% |
| FY2022/3 | 61円 | 31.3% |
| FY2023/3 | 61円 | 37.6% |
| FY2024/3 | 70円 | 40.0% |
| FY2025/3 | 74円 | 43.7% |
| 権利確定月 | 9月 |
長谷川香料は、配当性向40%程度を目標とした安定的かつ継続的な利益還元を基本方針として掲げています。業績の拡大に合わせて増配を重ねており、株主への還元意識は年々強まっています。強固な財務体質とキャッシュフローの創出力を活かし、今後も持続的な配当が期待されます。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
長谷川香料は、飲料・食品向けフレーバーや化粧品用フレグランスの堅調な需要を背景に、売上高がFY2021/3の約558億円からFY2025/3には約735億円へと順調に拡大しています。FY2024/3には営業利益が約94億円と過去最高水準を記録するなど、グローバルな販売網の拡充と高付加価値製品への注力が寄与しました。現在はさらなる飛躍を目指し、ベトナムでの買収案件など成長投資を継続しており、FY2026/3も増収増益の堅調な業績を見込んでいます。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2016/3 | 4.5% | 3.6% | 10.8% |
| FY2017/3 | 4.9% | 3.9% | 11.7% |
| FY2018/3 | 4.3% | 3.4% | 10.2% |
| FY2019/3 | 4.6% | 3.6% | 9.3% |
| FY2020/3 | 5.5% | 4.5% | 10.7% |
| FY2021/3 | 6.9% | 5.6% | 12.3% |
| FY2022/3 | 7.2% | 6.0% | 12.9% |
| FY2023/3 | 5.7% | 4.8% | 11.6% |
| FY2024/3 | 6.0% | 5.0% | 13.1% |
| FY2025/3 | 5.6% | 4.7% | 11.6% |
収益性については、営業利益率が11%から13%台で安定的に推移しており、調合香料事業における高い技術力と価格転嫁力が強みとなっています。ROEは5%から7%の範囲で推移しており、資本効率の改善は今後の重要な課題といえます。研究開発投資や海外展開による販管費の増加があるものの、安定した利益率を維持することで、持続的な収益基盤を確立しています。
財務は安全?
財務健全性は極めて高く、自己資本比率が80%超を維持する安定的な財務基盤を誇っています。有利子負債については実質的にゼロとなっており、潤沢な現預金を保有する強固な財務体質です。この高い支払い能力を背景に、積極的なM&Aや設備投資を行いつつも、長期的な成長に向けた柔軟な経営が可能となっています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2016/3 | 66.7億円 | -31.3億円 | -12.9億円 | 35.4億円 |
| FY2017/3 | 48.6億円 | -94.6億円 | -15.2億円 | -46.0億円 |
| FY2018/3 | 58.9億円 | -36.2億円 | -15.3億円 | 22.7億円 |
| FY2019/3 | 92.3億円 | -22.8億円 | -30.4億円 | 69.5億円 |
| FY2020/3 | 63.9億円 | -4.3億円 | -15.1億円 | 59.6億円 |
| FY2021/3 | 99.8億円 | -141億円 | -27.3億円 | -41.5億円 |
| FY2022/3 | 80.0億円 | 12.1億円 | -27.2億円 | 92.1億円 |
| FY2023/3 | 80.1億円 | -30.9億円 | -26.6億円 | 49.2億円 |
| FY2024/3 | 139億円 | -93.9億円 | -27.0億円 | 45.6億円 |
| FY2025/3 | 112億円 | -69.1億円 | -54.9億円 | 43.3億円 |
営業キャッシュフローは毎期100億円規模の安定した創出力を維持しており、強固な本業の稼ぐ力が企業の成長を支えています。投資キャッシュフローは工場の増設や新規買収といった成長投資により流出が見られますが、潤沢な手元資金により支障はありません。財務キャッシュフローは配当支払いや自己株式の取得など、株主還元への配分を継続的に行っている状況です。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2016/3 | 51.6億円 | 15.3億円 | 29.6% |
| FY2017/3 | 61.0億円 | 18.0億円 | 29.5% |
| FY2018/3 | 55.1億円 | 14.1億円 | 25.6% |
| FY2019/3 | 51.8億円 | 10.5億円 | 20.4% |
| FY2020/3 | 58.6億円 | 7.7億円 | 13.2% |
| FY2021/3 | 74.7億円 | 7.0億円 | 9.4% |
| FY2022/3 | 90.8億円 | 10.7億円 | 11.8% |
| FY2023/3 | 81.8億円 | 15.1億円 | 18.5% |
| FY2024/3 | 97.2億円 | 25.2億円 | 25.9% |
| FY2025/3 | 92.9億円 | 23.7億円 | 25.5% |
法人税等の支払額は、税引前利益の拡大とともに増加傾向にあります。近年の実効税率は概ね25%前後で推移しており、法的な基準に適合した適正な水準です。過去の低い税率は一時的な要因によるものであり、現在は安定的な税負担環境となっております。
会社の公式開示情報
事業セグメントは飲料・食品向けの「フレーバー」と化粧品向けの「フレグランス」が二本柱です。海外での売上比率が高いため、為替変動の影響を受けやすい収益構造となっており、原料価格の高騰をいかに吸収するかが経営上の重要なリスク管理ポイントとなっています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2022 | 592億円 | — | 624億円 | +5.4% |
| FY2023 | 660億円 | — | 649億円 | -1.7% |
| FY2024 | 665億円 | — | 717億円 | +7.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2022 | 76億円 | — | 81億円 | +5.5% |
| FY2023 | 70億円 | — | 75億円 | +7.2% |
| FY2024 | 83億円 | — | 94億円 | +12.9% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
長谷川香料は、毎期見直しを行うローリング方式の中期経営計画を採用しており、柔軟に目標を設定しています。2026年9月期は売上高765.0億円、営業利益94.3億円を目標に掲げています。過去の業績予想を見ると、特に利益面で期初予想を上回る着地となる傾向があり、保守的な見積もりをする企業文化がうかがえます。2024年9月期には原料価格高騰や円安を背景に業績予想を大幅に上方修正しており、外部環境の変化に対応しつつ着実に利益を積み上げる力があります。
株の売買状況と今後の予定
同業他社比較では、PER・PBR共に業界平均並みで、割高感も割安感も限定的です。PBRは1倍をわずかに下回っており、資産価値の観点からは割安と見ることもできます。信用取引では売り残が買い残を上回る「売り長」の状態で、信用倍率は0.35倍と低く、将来的な買い戻し(踏み上げ)による株価上昇の需給要因も考えられます。安定配当に加え、QUOカードの株主優待も個人投資家からの人気を支える一因となっています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
ベトナムの香料・食品素材メーカーホアンアン社を買収し、東南アジア市場でのフレーバービジネス強化に向けた布石を打った。
循環型農業によるハーブ栽培への参画を通じ、持続可能なサプライチェーンの構築と環境負荷低減に向けた取り組みを強化。
第2四半期において投資有価証券売却益の計上を公表し、財務体質の改善と利益率向上への期待感が市場で高まっている。
最新ニュース
長谷川香料 まとめ
ひとめ診断
「食品から化粧品まで、あなたの日常に香りを添える『縁の下の巨人』が、海外M&Aで次なる成長を模索中」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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