堺化学工業4078
Sakai Chemical Industry Co.,Ltd.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが毎日使うスマートフォンやパソコン。その中にある小さな半導体の性能を支える特殊な材料を、堺化学工業は作っています。また、夏の日に肌を守る日焼け止めや、部屋の壁を白く塗る塗料にも、同社の技術が活かされているかもしれません。実は、古くから愛されている風邪薬「改源」も、堺化学グループの製品。気づかないうちに、私たちの暮らしの様々な場面で同社の化学製品が活躍しているのです。
堺化学工業は、2025期に売上高844.1億円、営業利益60.93億円を達成し、前期の最終赤字からV字回復を果たしました。現在は祖業の一つである顔料級酸化チタン事業から撤退し、成長分野である電子材料や化粧品材料へ経営資源を集中させる事業ポートフォリオ変革の途上にあります。2026期は売上高860.0億円、営業利益65.00億円と増収増益を見込んでおり、2025期の1株135円への大幅増配で株主還元への期待も高まっています。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪府堺市堺区戎島町5丁2
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 3.5% | 2.3% | - |
| 2022/03期 | 8.3% | 5.5% | - |
| 2023/03期 | 2.8% | 1.9% | - |
| 2024/03期 | 8.9% | 5.6% | 3.6% |
| 2025/03期 | 6.5% | 4.0% | 7.2% |
| 3Q FY2026/3 | 3.9%(累計) | 2.4%(累計) | 8.7% |
収益性は半導体・電子材料など付加価値の高い製品群の寄与度により変動しており、営業利益率は概ね3%から9%のレンジで推移しています。2024/03期は構造改革に伴う費用等の影響で一時的に利益率が圧迫されましたが、高収益製品へのシフトにより持続的な改善を目指しています。今後は事業の整理・統合を通じたコスト構造の最適化が、ROEやROAの向上に大きく貢献すると期待されます。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 849億円 | — | 28.0億円 | -166.6円 | - |
| 2022/03期 | 801億円 | — | 67.5億円 | 407.1円 | -5.6% |
| 2023/03期 | 839億円 | — | 23.4億円 | 144.8円 | +4.6% |
| 2024/03期 | 821億円 | 29.4億円 | 70.9億円 | -437.6円 | -2.1% |
| 2025/03期 | 844億円 | 60.9億円 | 50.1億円 | 309.2円 | +2.8% |
堺化学工業の業績は、半導体市況の回復を受けた電子材料事業の復調や価格改定効果により、堅調に推移しています。2024/03期には一時的な巨額の特別損失計上により最終赤字となりましたが、2025/03期には利益が回復基調にあります。今後は祖業である顔料級酸化チタン事業の終了に伴う事業ポートフォリオの変革を進め、成長領域への選択と集中を加速させる方針です。 【3Q 2026/03期実績】売上614億円(通期予想比71%)、営業利益54億円(同83%)、純利益29億円(同53%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
電子材料や化粧品材料などの機能性素材を主軸とし、酸化チタンや亜鉛製品などのニッチかつ高シェアな化学製品を強みとする事業構造です。開示情報からは、原材料価格の変動や為替リスクに加え、近年注力する半導体関連市場の市況変化を重要な事業リスクとして認識していることが読み取れます。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 870億円 | — | 844億円 | -3.0% |
| 2024期 | 910億円 | — | 821億円 | -9.8% |
| 2023期 | 850億円 | — | 839億円 | -1.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 54億円 | — | 61億円 | +12.8% |
| 2024期 | 45億円 | — | 29億円 | -34.6% |
| 2023期 | 70億円 | — | 44億円 | -37.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
同社は現在、具体的な中期経営計画を公表していませんが、期初の会社予想に対する進捗が計画達成能力を測る指標となります。過去の業績予想を見ると、売上高は市況の変動を受けやすく、未達となる傾向が見られます。一方、2025期の営業利益は構造改革の効果もあり、期初予想を上回って着地しました。今後は、事業ポートフォリオ変革の成果が、業績予想の安定性と達成度にどう繋がるかが注目されます。
最新ニュース
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メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
産業廃棄物最終処分場譲渡による約10億円の特別利益を計上し、財務体質改善を図る。
化粧品部門の減損発生に伴い、通期純利益見通しを従来予想から25億円下方修正。
祖業である顔料級酸化チタンの生産を終了し、高付加価値製品へのポートフォリオ転換を完了。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
財務健全性は総じて安定しており、自己資本比率は60%超の高い水準を維持しています。2024/03期には有利子負債が一時的に増加しましたが、経営効率化に向けた資本運用の結果、2025/03期には負債削減が進んでいます。強固な財務基盤を背景に、成長投資と株主還元を両立させる柔軟な経営姿勢が見て取れます。 【3Q 2026/03期】総資産1174億円、純資産781億円、自己資本比率62.1%、有利子負債156億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 78.3億円 | 74.2億円 | 16.7億円 | 4.0億円 |
| 2022/03期 | 65.7億円 | 16.5億円 | 56.5億円 | 49.1億円 |
| 2023/03期 | 7.7億円 | 26.2億円 | 32.8億円 | 18.5億円 |
| 2024/03期 | 68.7億円 | 39.6億円 | 12.6億円 | 29.0億円 |
| 2025/03期 | 120億円 | 57.1億円 | 68.8億円 | 62.9億円 |
営業活動によるキャッシュ・フローは、主要事業の利益創出能力を反映して安定的であり、2025/03期には過去最大級の120億円規模のキャッシュを創出しました。投資活動においては、半導体材料や機能性材料への積極的な設備投資を継続しており、将来の成長に向けた布石を打っています。財務活動では適切な配当実施や負債削減を行っており、強固なフリーキャッシュ・フローを背景に機動的な資本政策を維持しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は9.1%と改善の余地があるものの、東証プライム上場企業として一定のガバナンス体制を構築しています。監査報酬として7,800万円を拠出し、連結子会社15社を抱えるグループ経営において、透明性の高い監査体制と経営規律の維持に努めています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 624万円 | 1,972人 | - |
平均年収は624万円となっており、日本の製造業の中堅企業として標準的な水準です。化学業界内では突出して高額ではありませんが、安定した収益基盤と堅実な経営体質を背景に、長年にわたり一定の給与水準が維持されています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた投資家リターンを示す指標です。開示されている過去5年間のデータを見ると、堺化学工業のTSRは一貫して市場平均であるTOPIXを大きく下回る「アンダーパフォーム」の状態が続いていました。これは、構造改革以前の長年にわたる株価の低迷が主な原因です。しかし、2025期にはTSRが171.1%と急改善しており、直近の大幅増配と株価上昇が反映され始めています。今後、事業改革の成果が継続的な株価上昇に繋がれば、TOPIXを上回るパフォーマンスも期待されます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 8円 | 32.8% |
| 2017/03期 | 8円 | 36.5% |
| 2019/03期 | 50円 | 23.8% |
| 2020/03期 | 40円 | 26.5% |
| 2021/03期 | 15円 | - |
| 2022/03期 | 70円 | 17.2% |
| 2023/03期 | 75円 | 51.8% |
| 2024/03期 | 70円 | - |
| 2025/03期 | 135円 | 43.7% |
現在、株主優待制度は実施していません。
堺化学工業は、株主への利益還元を重要な経営課題と位置づけ、連結配当性向を指標とした安定的な配当を実施しています。特に近年は業績の回復に合わせて配当額の大幅な増額を行っており、株主還元意識の高さが示されています。今後も中長期的な業績拡大をベースに、資本効率を意識した還元を継続していく方針です。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 117.9万円 | 17.9万円 | 17.9% |
| 2022期 | 112.8万円 | 12.8万円 | 12.8% |
| 2023期 | 107.4万円 | 7.4万円 | 7.4% |
| 2024期 | 120.4万円 | 20.4万円 | 20.4% |
| 2025期 | 171.1万円 | 71.1万円 | 71.1% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PBRは0.76倍と解散価値とされる1倍を依然として下回っており、業界平均(約1.1倍)と比較しても割安感があります。一方で、配当利回りは3.69%と業界平均を大きく上回る高水準です。信用倍率は15倍を超え、買い残が積み上がっているため、将来的な需給悪化には注意が必要です。高配当が株価を下支えする一方、信用買い残の整理が進むかが短期的なポイントとなりそうです。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 40.1億円 | 68.2億円 | 169.9% |
| 2022/03期 | 88.4億円 | 20.9億円 | 23.7% |
| 2023/03期 | 48.5億円 | 25.1億円 | 51.7% |
| 2024/03期 | 30.7億円 | 102億円 | 331.3% |
| 2025/03期 | 62.8億円 | 12.7億円 | 20.2% |
法人税等の実効税率が年度によって大きく変動しているのは、主に特別損益や減損処理などの非経常的な要因が税引前利益に影響を与えているためです。特に2024/03期は事業再編に関連する損失等の影響で実効税率が高騰しました。平時においては概ね標準的な税率水準に収まっており、一時的な会計上の歪みを除けば税務処理は適正に行われています。
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堺化学工業 まとめ
「創業100年超の化学老舗が祖業の顔料事業から撤退、電子材料・化粧品で再起を図る構造改革の真っ只中」
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