富士フイルムHD
FUJIFILM Holdings Corporation
最終更新日: 2026年4月30日
写真フィルムからヘルスケア・半導体へ、日本企業の事業転換の最高傑作。16期連続増配で株主に報いる3兆円企業
先進・独自の技術をもって、最高品質の商品やサービスを生み出し、世界の文化・科学・技術・産業の発展、健康増進、環境保持に貢献する。
この会社ってなに?
病院でCTやMRIの画像診断を受けるとき、その装置の多くに富士フイルムの技術が使われています。スマートフォンのカメラレンズに使われる光学フィルムや、半導体チップの製造に不可欠なフォトレジスト(感光材料)も同社の主力製品です。さらに、化粧品ブランド「アスタリフト」や、世界で5,500万台以上売れたインスタントカメラ「チェキ」でも知られます。写真フィルムで培った技術を医療・エレクトロニクス・美容と幅広く展開し、あなたの日常生活のあらゆる場面を支えている企業です。
富士フイルムHDは写真フィルム市場の消滅という危機を乗り越え、ヘルスケア・エレクトロニクス(半導体材料)・ビジネスイノベーション・イメージングの4セグメントで3兆円超企業に成長しました。FY2025/3は売上高3兆1,958億円・営業利益3,302億円と過去最高益を達成。FY2026/3もQ3累計で営業利益2,485億円(前年同期比+11.3%)と好調に推移し、通期営業利益3,350億円への上方修正を発表しています。2024年4月策定の中期経営計画「VISION2030」では、バイオCDMO・半導体材料を成長エンジンに2030年度売上4兆円・営業利益率15%以上を掲げ、1.9兆円の成長投資を計画。2026年3月には自社株買い・消却も発表し、配当は16期連続増配の70円/株を予想しています。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都港区赤坂9丁目7番3号
- 公式
- holdings.fujifilm.com
社長プロフィール
収益性と資本効率を重視した経営によりグループの企業価値をさらに高め、世界TOP Tierの事業の集合体として、様々なステークホルダーの価値を生み出す企業を目指します。先進・独自の技術をもって、世界の人々の健康と生活の質の向上に寄与し続けます。
この会社のストーリー
写真フィルムの国産化を使命に創業。「富士山のように日本一に」という願いを社名に込め、国策として技術立国の礎を築きました。
英ランク・ゼロックスとの合弁で富士ゼロックスを設立。複写機事業への参入が、後の多角化経営の原点となりました。
デジタルカメラの普及で写真フィルム市場が急速に縮小。主力事業が消滅するという企業存亡の危機に直面しました。
富士フイルムホールディングスを設立し、事業構造の抜本改革を断行。フィルム技術を応用したヘルスケア・高機能材料への転換を加速しました。
後藤禎一氏がCEOに就任。バイオ医薬品の受託製造(CDMO)に数千億円規模の大型設備投資を決断し、ヘルスケアの新たな柱を構築。
中期経営計画「VISION2030」を策定。2030年度売上4兆円・営業利益率15%以上を掲げ、1.9兆円の成長投資で世界TOP Tierの事業集合体を目指します。
注目ポイント
写真フィルム市場の消滅という存亡の危機を乗り越え、ヘルスケア・半導体材料・イメージングの3本柱で3兆円超企業に成長。フィルム技術の応用力が新事業の礎です。
バイオCDMO(医薬品受託製造)への大型投資とAI需要で伸びる半導体材料。VISION2030で売上4兆円を目指す明確な成長シナリオがあります。
配当性向30%を目安に16期連続増配を達成。FY2026/3は70円/株を予想し、2026年3月には自社株買い・消却も発表。成長投資と還元のバランスが光ります。
インスタントカメラ「チェキ」は世界で累計5,500万台超の大ヒット。利益率28%超のイメージング事業は、感性とテクノロジーの融合で唯一無二のポジションを築いています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 26.9円 | 24.5% |
| FY2017/3 | 29円 | 23.7% |
| FY2018/3 | 31円 | 23.2% |
| FY2019/3 | 33.1円 | 24.5% |
| FY2020/3 | 39.3円 | 31.0% |
| FY2021/3 | 41.4円 | 22.1% |
| FY2022/3 | 45.5円 | 20.9% |
| FY2023/3 | 43.3円 | 23.7% |
| FY2024/3 | 150円 | 74.2% |
| FY2025/3 | 65円 | 30.0% |
| 必要株数 | 100株以上(約31万円) |
| 権利確定月 | 3月・9月 |
16期連続増配を継続中。FY2021/3〜FY2024/3は分割前ベースで100円→150円と着実に増配してきました。2024年4月の1:3株式分割後、FY2025/3は65円(分割前換算195円相当で実質増配)、FY2026/3は70円(同210円相当)を予想。配当性向は30%を目安とし、成長投資と株主還元のバランスを重視した方針です。2026年3月には自社株買い・消却も発表し、総還元姿勢を強化しています。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2025/3は売上高3兆1,958億円・営業利益3,302億円と5期連続の増収増益かつ過去最高益を達成しました。ヘルスケア部門の売上が初めて1兆円を突破し、半導体材料もAI需要の追い風で好調です。FY2026/3はQ3累計で営業利益+11.3%と堅調に推移し、通期営業利益3,350億円への上方修正を発表。売上3兆3,000億円・最終利益2,645億円を見込みます。
事業ごとの売上・利益
メディカルシステム(内視鏡・CT・MRI・AI診断)、バイオCDMO(大型抗体医薬の受託製造)、ライフサイエンス(アスタリフト・再生医療等)。売上が初めて1兆円を突破し最大セグメントに成長。バイオCDMOは大型設備投資の先行期
半導体材料(フォトレジスト・CMP材料等)とAF材料(ディスプレイ向け光学フィルム)。AI需要の拡大で先端ロジック・先端メモリー向けが好調。利益率20%超の高収益セグメント
複合機・プリンター、ビジネスソリューション(DX支援)、グラフィックコミュニケーション。パシフィックビジネスコンサルティング買収やトルコETG Global買収でIT基幹システム事業を拡大中
チェキ(instax)が世界で累計5,500万台超の大ヒット。デジタルカメラXシリーズも高付加価値路線で好調。利益率28%超と全セグメント中最高の収益性を誇る
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 8.7% | 5.1% | - |
| FY2022/3 | 9.0% | 5.3% | - |
| FY2023/3 | 8.3% | 5.3% | - |
| FY2024/3 | 8.2% | 5.1% | - |
| FY2025/3 | 8.0% | 5.0% | - |
FY2025/3の営業利益率は10.3%と初めて10%の壁を突破しました。ROEは7.8%とVISION2030の目標10%にはまだ距離がありますが、バイオCDMOの先行投資負担が利益を圧迫している面があり、2027年度以降の利益獲得フェーズ移行で改善が見込まれます。自己資本比率63.8%と極めて健全な財務基盤を維持しつつ、収益性の向上に取り組んでいます。
財務は安全?
総資産はFY2025/3で約5兆2,499億円と着実に拡大。バイオCDMO大型設備への投資で資産が増加する一方、自己資本比率63.8%と非常に高い水準を維持しています。EDINET開示データでは有利子負債ゼロ表示ですが、米国会計基準の連結ベースでは社債・借入金が存在します。FY2024/3以降のBPSは2024年4月の1:3株式分割後の数値です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2025/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
営業CFは毎年2,100億〜4,300億円の安定したキャッシュ創出力を維持しています。投資CFはFY2024/3以降5,000億円超と大幅に増加していますが、これはバイオCDMO大型設備(デンマーク・米国)への戦略投資によるもの。FCFが3期連続マイナスなのは成長投資の先行期であり、VISION2030では2027年度以降に利益獲得フェーズへ移行し、FCFの回復を見込んでいます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|
FY2025/3の実効税率は約21.0%と、米国会計基準を採用するグローバル企業として低い水準を維持しています。海外子会社での税制優遇や、研究開発税制の適用が要因。FY2026/3も同水準を見込んでいます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 1,124万円 | 72,593人 | - |
平均年収1,124万円は化学業界トップクラスの水準。FY2025/3は前年比+50万円(+4.7%)と大幅上昇。持株会社のため従業員数は約800名と少数精鋭ですが、連結では約7.3万名を擁するグローバル企業。平均年齢43.5歳、平均勤続年数19.3年と安定した雇用環境です。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関35.4%と事業法人3.3%が安定株主を構成。外国人投資家43.4%の高い保有比率がグローバルな評価を反映しています。
筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(約19%)で、日本カストディ銀行(約6.8%)、日本生命(約3.5%)と機関投資家が上位を占めます。外国人投資家の保有比率が43.4%と高く、GIC(シンガポール政府投資公社)やノルウェー政府年金基金など海外の長期投資家からの評価が高い銘柄です。個人投資家は約16%と相対的に少なく、機関投資家主導の株主構成です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| ヘルスケア | 約1兆226億円 | 約810億円 | 約7.9% |
| エレクトロニクス | 約4,328億円 | 約920億円 | 約21.3% |
| ビジネスイノベーション | 約1兆816億円 | 約690億円 | 約6.4% |
| イメージング | 約6,588億円 | 約1,880億円 | 約28.5% |
4つのセグメントでバランスの取れた事業ポートフォリオを構築しています。ヘルスケアが売上最大(約1兆円)、イメージングが利益率最高(約28%)、エレクトロニクスが利益率2位(約21%)と、各セグメントが異なる強みを持ちます。主要リスクはバイオCDMOの投資回収と半導体サイクルであり、VISION2030では「成長事業」と「収益事業」の組み合わせで安定成長を目指しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が27.0%と高く、多様な視点を取り入れた透明性の高い経営体制を構築しています。監査報酬の規模や広範な開示姿勢からも、東証プライム上場企業として強固なコーポレート・ガバナンスを維持しており、持続的な成長と社会課題の解決を両立させる経営を目指しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 2兆9,000億円 | — | 3兆1,958億円 | +10.2% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 2,700億円 | — | 3,302億円 | +22.3% |
| FY2026/3 | 3,310億円 | 3,350億円 | — | +1.2%(上方修正) |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
VISION2030の2026年度目標に対し、売上は96%、営業利益は93%の達成見込みで概ね計画通りの進捗です。特にFY2025/3は期初計画比で売上+10.2%、営業利益+22.3%と大幅な上振れを実現。半導体材料のAI需要とイメージング事業の高収益が牽引しました。2030年度の営業利益率15%目標に向けては、バイオCDMO事業の利益獲得フェーズ移行(2027年度以降)が最大のマイルストーンです。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
直近5年間のTSR(株主総利回り)は169.5%で、TOPIX(213.4%)をアンダーパフォームしています。バイオCDMOへの大型設備投資(FCF3期連続マイナス)が成長投資フェーズとして利益を圧迫していることが主因。ただし16期連続増配のインカムリターンは着実に積み上がっており、VISION2030の利益獲得フェーズ移行(2027年度以降)で株価の再評価が期待されます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 122.7万円 | +22.7万円 | 22.7% |
| FY2022 | 141.8万円 | +41.8万円 | 41.8% |
| FY2023 | 129.4万円 | +29.4万円 | 29.4% |
| FY2024 | 194.9万円 | +94.9万円 | 94.9% |
| FY2025 | 169.5万円 | +69.5万円 | 69.5% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER14.3倍は化学セクター平均をやや下回る水準であり、バイオCDMOの先行投資による利益圧迫が一定の割安感を生んでいます。PBR1.12倍も業界平均以下で、VISION2030のROE10%達成とともに再評価余地があります。信用倍率2.78倍は適度な水準で、需給バランスは中立です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
自社株買い・消却を発表。株主還元の強化により、発表後の株価は5営業日で約6%上昇した。
FY2026/3 Q3累計で売上高2兆4,297億円(+4.4%)、営業利益2,485億円(+11.3%)と増収増益を達成。通期業績予想を上方修正。
コニカミノルタとの複合機部品調達を統合する新会社を正式に立ち上げ、ビジネスイノベーション事業の効率化を推進。
FY2025/3通期決算で売上高3兆1,958億円・営業利益3,302億円と過去最高益を更新。ヘルスケア部門の売上が初の1兆円超え。
中期経営計画「VISION2030」を策定。2030年度売上4兆円・営業利益率15%以上を目標に、1.9兆円の成長投資を計画。同日1:3の株式分割も実施。
最新ニュース
富士フイルムHD まとめ
ひとめ診断
写真フィルムからヘルスケア・半導体材料へ華麗に転身。16期連続増配の3兆円超企業がVISION2030で売上4兆円を目指す
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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