高砂香料工業4914
TAKASAGO INTERNATIONAL CORPORATION
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたがコンビニで手に取るジュースやお菓子、その「いちご味」や「レモン風味」の香りは、もしかしたら高砂香料が作っているかもしれません。同社は食べ物や飲み物をおいしくする「フレーバー」の専門家です。また、あなたが使っているシャンプーや香水、部屋の芳香剤から漂う「いい匂い」も、同社が手掛ける「フレグランス」という香料がもとになっています。このように、高砂香料は私たちの生活のあらゆる場面に存在する「香り」を創造し、日々の暮らしを豊かに彩る縁の下の力持ちなのです。
香料で国内首位の高砂香料工業は、2025期に劇的なV字回復を遂げました。売上高は前期比17.0%増の2,292.1億円、営業利益は同562.4%増の153.41億円と急拡大し、過去の収益停滞から完全に脱却。この好業績を背景に、年間配当を前期の70円から240円へと3.4倍に引き上げるという異例の大幅増配を発表。資本コストや株価を意識した経営への転換を鮮明にし、投資家の注目を集めています。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都大田区蒲田5丁目37番1号 ニッセイアロマスクエア17F
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 7.1% | 3.9% | - |
| 2022/03期 | 8.4% | 4.7% | - |
| 2023/03期 | 6.4% | 3.6% | - |
| 2024/03期 | 2.1% | 1.2% | 1.2% |
| 2025/03期 | 9.6% | 5.4% | 6.7% |
| 3Q FY2026/3 | 5.7%(累計) | 2.6%(累計) | 4.4% |
収益性は2024/03期期に一時的な利益の圧迫によりROEが2.1%まで低下しましたが、2025/03期期には営業利益率が6.7%まで回復し、資本効率の向上が鮮明となりました。ROAについても5.1%まで上昇しており、グローバルな事業ポートフォリオの最適化と効率的な生産体制の構築が奏功しています。中期的には、付加価値の高いフレーバーやフレグランス素材の供給強化により、さらなる利益率改善が期待されます。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 1,504億円 | — | 71.5億円 | 364.8円 | - |
| 2022/03期 | 1,624億円 | — | 89.1億円 | 453.9円 | +8.0% |
| 2023/03期 | 1,868億円 | — | 73.9億円 | 376.6円 | +15.0% |
| 2024/03期 | 1,959億円 | 23.2億円 | 27.0億円 | 138.6円 | +4.9% |
| 2025/03期 | 2,292億円 | 153億円 | 133億円 | 683.9円 | +17.0% |
売上高は2021/03期期の約1,504億円から2025/03期期の約2,292億円へと右肩上がりに成長しており、グローバルな香料需要の拡大が着実な増収に寄与しています。特に2025/03期期は営業利益が約153億円と過去最高水準を記録し、利益率の大幅な改善を実現しました。一方で2026/03期期は、原材料コストの変動や医薬品中間体需要の正常化を見込み、売上・利益ともに高止まりを予想する慎重な見通しを維持しています。 【3Q 2026/03期実績】売上1687億円(通期予想比73%)、営業利益74億円(同59%)、純利益68億円(同58%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
売上高の大部分をフレーバー(食品・飲料向け香料)およびフレグランス(香粧品香料)事業が占めており、グローバルな市場展開による為替や原料調達価格の変動リスクを抱えています。持続的な成長に向け、海外拠点の生産効率化や付加価値の高い香料素材の開発に注力している点が特徴です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2022期 | 1,510億円 | — | 1,624億円 | +7.6% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2022期 | 50億円 | — | 88億円 | +76.2% |
| 2023期 | 50億円 | — | 59億円 | +18.9% |
| 2024期 | 40億円 | — | 23億円 | -42.1% |
| 2025期 | 40億円 | 100億円 | 153億円 | +283.5% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の中期経営計画「NGP-2」は、2025期の業績が想定を大幅に上回ったことで、営業利益目標を1年前倒しで達成しました。これはコスト削減や価格改定に加え、医薬品中間体の需要回復が寄与した結果です。一方で、資本効率を示すROE目標の達成は最終年度の課題として残ります。過去の業績予想は保守的な傾向がありましたが、2025期では期初予想(40億円)を最終的に3.8倍も上回る実績(153.41億円)を叩き出すなど、ポジティブなサプライズを見せています。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
久光製薬のTOBへの応募を決定し、資産効率化に向けた動きを見せる。
化学業界の国際的なサプライチェーン団体TfSへ加入し、ESG対応を強化。
26年3月期第3四半期決算にて減収減益を報告し、市場の懸念を招く。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
財務基盤は強固であり、自己資本比率は2021/03期期から2025/03期期まで50%台半ばの高い水準を維持しており、経営の安定性が極めて高いことが特徴です。2024/03期期以降、事業拡大のための投資資金として約983億円から約1,360億円へと有利子負債が増加していますが、純資産の着実な積み上がりにより健全性は保たれています。BPS(1株当たり純資産)も右肩上がりに成長しており、企業価値の増大が継続しています。 【3Q 2026/03期】総資産2671億円、純資産1482億円、自己資本比率44.3%、有利子負債525億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 137億円 | 42.8億円 | 78.6億円 | 94.6億円 |
| 2022/03期 | 116億円 | 72.6億円 | 23.6億円 | 43.1億円 |
| 2023/03期 | 58.2億円 | 32.8億円 | 20.4億円 | 25.4億円 |
| 2024/03期 | 100億円 | 68.2億円 | 4.5億円 | 31.9億円 |
| 2025/03期 | 189億円 | 91.3億円 | 68.8億円 | 98.0億円 |
営業キャッシュフローは安定してプラスを維持しており、潤沢な本業の稼ぎが継続的な成長投資を支える好循環を生み出しています。2025/03期期は営業CFが約189億円まで拡大し、大規模な設備投資や戦略的な買収資金を自己調達で賄える高いキャッシュ創出能力を示しました。財務CFの変動は主に借入や配当を通じた資金配分によるものですが、フリーキャッシュフローは常にプラス圏を確保しており、強固な財務体質が裏付けられています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は15.4%であり、グローバル展開を加速させる中で多様な価値観の登用を推進しています。4名が社外取締役であるなど監督機能を強化しており、連結子会社21社を擁する大規模なグループ体制において、透明性の高いガバナンス体制の構築に努めています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 863万円 | 4,154人 | - |
平均年収は863万円となっており、香料業界のリーディングカンパニーとして化学業界内でも高水準な給与体系を維持しています。長年の研究開発や専門性の高い人材確保を重視する姿勢が反映されており、安定した雇用環境が整えられています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は、2024期までは長らくTOPIXをアンダーパフォームする状況が続いていました。これは、株価がPBR1倍を割り込むなど資本市場からの評価が低迷していたことが主な要因です。しかし、2025期にV字回復と3.4倍もの大幅増配を実施したことで、TSRは340.4%と急上昇し、TOPIX(213.4%)を劇的にアウトパフォームしました。これは、経営陣が株主還元と企業価値向上へ強くコミットした結果であり、市場がこれを高く評価したことを示しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2017/03期 | 50円 | 15.6% |
| 2018/03期 | 55円 | 15.5% |
| 2019/03期 | 50円 | 20.7% |
| 2020/03期 | 65円 | 37.5% |
| 2021/03期 | 55円 | 15.1% |
| 2022/03期 | 70円 | 15.4% |
| 2023/03期 | 70円 | 18.6% |
| 2024/03期 | 70円 | 50.5% |
| 2025/03期 | 240円 | 35.1% |
現在、株主優待制度は実施していません。
同社は資本コストや株価を意識した経営を重視しており、利益成長を背景に配当額を大幅に引き上げる方針へと転換しています。特に2025/03期期には増配を通じて株主還元を強化しました。今後も中長期的な企業価値向上を目指しながら、持続的かつ安定的な利益配分を行うことを基本方針としています。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 133.1万円 | 33.1万円 | 33.1% |
| 2022期 | 142.3万円 | 42.3万円 | 42.3% |
| 2023期 | 139.4万円 | 39.4万円 | 39.4% |
| 2024期 | 184.7万円 | 84.7万円 | 84.7% |
| 2025期 | 340.4万円 | 240.4万円 | 240.4% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
2025期の一時的な利益急増により、現在の株価で計算したPERは50.8倍と割高に見えますが、来期の予想EPSに基づけば正常化する可能性があります。一方、PBRは0.82倍と依然として解散価値を下回っており、株価には割安感が残ります。信用倍率は0.90倍と売り残が買い残を上回る「売り長」の状態で、将来的な株価上昇時の買い戻し(踏み上げ)が期待される需給環境です。大幅増配により、配当利回りが非常に高い水準にあることも特徴です。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 72.8億円 | 1.3億円 | 1.7% |
| 2022/03期 | 102億円 | 12.6億円 | 12.4% |
| 2023/03期 | 79.6億円 | 5.7億円 | 7.1% |
| 2024/03期 | 47.1億円 | 20.1億円 | 42.7% |
| 2025/03期 | 153億円 | 19.9億円 | 13.0% |
法人税等の支払額は各期の税引前利益の変動に応じて推移しており、2024/03期期に実効税率が一時的に上昇したのは、繰延税金資産の取り崩し等の会計上の要因によるものです。グローバル企業として多国籍な拠点を展開しているため、各国の税制や税額控除の影響を受けやすく、年によって税率に変動が見られます。概ね低水準で推移しており、税負担のコントロールが適切に行われていると判断されます。
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