東洋紡3101
TOYOBO CO.,LTD.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが毎日使うスマートフォンの画面、その映像を鮮やかにしているのが東洋紡のフィルムかもしれません。また、コンビニで手にするお菓子やペットボトル飲料のパッケージにも、食品の鮮度を保つための東洋紡の技術が活きています。さらに、病院で受ける検査やきれいな水を作る浄水場の裏側でも、同社の製品が活躍しているのです。目立たないけれど、実は私たちの暮らしの様々な場面を支えている会社です。
2025期は売上高4,220.3億円、営業利益166.53億円と増収増益を達成しましたが、前々期は純損失を計上するなど収益性は不安定な状況です。液晶向けフィルムや機能樹脂を主力としつつ、中国のエアバッグ事業売却や三菱商事との合弁設立など、事業ポートフォリオの「選択と集中」を加速させています。株価はPBR0.63倍と解散価値を大きく下回っており、事業再編の成果が問われる正念場と言えるでしょう。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪市北区梅田三丁目2番22号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 2.2% | 0.9% | - |
| 2022/03期 | 6.7% | 2.6% | - |
| 2023/03期 | 0.3% | 0.1% | - |
| 2024/03期 | 1.1% | 0.4% | 2.2% |
| 2025/03期 | 0.9% | 0.3% | 3.9% |
| 3Q FY2026/3 | 5.1%(累計) | 1.3%(累計) | 5.9% |
収益性の指標であるROEおよびROAは、利益の変動に伴い極めて低い水準で推移しており、資本効率の向上が大きな経営課題となっています。売上高営業利益率は概ね2%から8%の範囲で推移していますが、原材料価格の高騰や事業構造転換に伴うコストが重荷となり、利益率の改善が停滞している状況です。今後は生産効率の向上と不採算事業の切り離しを徹底し、筋肉質な事業体質への変革が求められます。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 3,374億円 | — | 42.0億円 | 47.3円 | - |
| 2022/03期 | 3,757億円 | — | 129億円 | 144.8円 | +11.4% |
| 2023/03期 | 3,999億円 | — | 6.5億円 | -7.4円 | +6.4% |
| 2024/03期 | 4,143億円 | 90.0億円 | 24.6億円 | 27.9円 | +3.6% |
| 2025/03期 | 4,220億円 | 167億円 | 20.0億円 | 22.7円 | +1.9% |
東洋紡は、機能素材事業を軸とした事業再編を推進しており、売上高は緩やかな右肩上がりを維持しています。一方で、純利益は事業構造改革に伴う費用や設備投資の影響を受け、2023/03期には赤字を計上するなど利益水準が不安定に推移してきました。今後は機能性フィルムやエアバッグ用素材などの高付加価値分野への集中投資により、収益性の回復と成長軌道への回帰を目指しています。 【3Q 2026/03期実績】売上3075億円(通期予想比70%)、営業利益183億円(同87%)、純利益78億円(同174%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によれば、連結子会社49社を擁し、液晶やコンデンサー向けフィルム、機能樹脂などの事業を展開しています。現在はエアバッグ事業のタイ拠点集約など、収益力強化に向けた抜本的な事業再編を積極的に推進しているのが特徴です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 170億円 | — | 167億円 | -2.0% |
| 2024期 | 150億円 | — | 90億円 | -40.0% |
| 2023期 | 240億円 | — | 101億円 | -58.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 4,350億円 | — | 4,220億円 | -3.0% |
| 2024期 | 4,300億円 | — | 4,143億円 | -3.7% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現在、明確な中期経営計画は公表されておらず、単年度の業績予想を開示しています。2026期の業績予想は増収増益を見込んでいますが、過去数年の実績を見ると、期初予想に対して大幅な未達が続いています。特に営業利益の乖離が大きく、2023期には-58.1%の大幅未達を記録しました。事業ポートフォリオ再編の途上にあり、外部環境の変化や構造改革の進捗によって業績が大きく変動するリスクを抱えているため、会社予想の信頼性には注意が必要です。
最新ニュース
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メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
三菱商事との合弁会社東洋紡エムシーが始動し、機能素材事業の強化を開始。
中国のエアバッグ事業を帝人フロンティアへ譲渡し、タイへの生産集約を決定。
第3四半期決算にて経常利益が前年同期比2.9倍に急拡大し、通期業績予想を上方修正。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
総資産が6,000億円超へと拡大する一方で、積極的な設備投資に伴う有利子負債の増加により自己資本比率は約31%程度まで低下しており、財務体質には慎重な見方が必要です。特に負債の圧縮が進まない中で、資産の質を維持・向上させつつ安定した経営基盤を確保することが急務となっています。今後は、資産効率を重視した経営とバランスシートの最適化が、中長期的な安定成長の鍵となります。 【3Q 2026/03期】総資産6168億円、純資産2409億円、自己資本比率25.4%、有利子負債2591億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 350億円 | 317億円 | 53.4億円 | 33.5億円 |
| 2022/03期 | 171億円 | 246億円 | 17.3億円 | 75.1億円 |
| 2023/03期 | 78.0億円 | 360億円 | 613億円 | 282億円 |
| 2024/03期 | 216億円 | 588億円 | 82.6億円 | 372億円 |
| 2025/03期 | 301億円 | 464億円 | 105億円 | 163億円 |
営業キャッシュフローは一定の利益を稼ぎ出していますが、成長に向けた大型の設備投資が継続的に行われているため、フリーキャッシュフローはマイナス圏で推移しています。投資の先行によってキャッシュが流出する一方、資金調達による負債が積み上がっており、資本配分の効率化が課題です。今後はこれらの投資案件が将来的な収益拡大に結びつき、現金創出力を高められるかが注視されます。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は15.4%であり、多様性の確保に向けた取り組みを継続中です。監査報酬として1億2,600万円を計上しており、連結子会社49社を管理する体制として、ガバナンスと内部統制の強化に注力している企業規模と言えます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 642万円 | 9,976人 | - |
従業員の平均年収は642万円であり、製造業の中でも安定した水準を維持しています。近年は機能素材事業への投資や事業ポートフォリオの再編を進めており、業績向上に伴う持続的な処遇改善が期待される環境です。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価上昇を合わせた総合的な投資リターンを示す指標です。東洋紡のTSRは過去5年間、一貫してTOPIX(東証株価指数)をアンダーパフォーム(下回る)しています。これは、安定配当を継続しているものの、それを上回る株価の低迷が続いていることが主な要因です。特に2024期以降はTOPIXが大きく上昇する中で、同社の株価回復が遅れ、格差が拡大しました。事業再編による収益性改善と成長戦略の具体化が、TSRを向上させるための鍵となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 3.5円 | 30.6% |
| 2017/03期 | 3.5円 | 32.9% |
| 2018/03期 | 40円 | 27.2% |
| 2019/03期 | 40円 | - |
| 2020/03期 | 40円 | 25.8% |
| 2021/03期 | 40円 | 84.6% |
| 2022/03期 | 40円 | 27.6% |
| 2023/03期 | 40円 | - |
| 2024/03期 | 40円 | 143.5% |
| 2025/03期 | 40円 | 176.0% |
現在、株主優待制度は実施していません。
東洋紡は株主への利益還元を重要な経営課題と位置づけ、安定的な配当の継続を基本方針としています。業績が大きく変動する中でも年間40円の配当を維持しており、株主還元への姿勢は一貫しています。今後は持続的な利益成長を実現し、配当性向の適正化を図ることで、より強固な還元体制を構築することを目指しています。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 128.1万円 | 28.1万円 | 28.1% |
| 2022期 | 102.6万円 | 2.6万円 | 2.6% |
| 2023期 | 101.4万円 | 1.4万円 | 1.4% |
| 2024期 | 112.6万円 | 12.6万円 | 12.6% |
| 2025期 | 99.9万円 | 0.1万円 | -0.1% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PBRは0.63倍と業界平均の1.28倍を大幅に下回り、株価が企業の解散価値より低い割安な水準にあることを示唆しています。一方で、信用買い残が売り残を大きく上回る18.17倍となっており、将来の株価上昇を見込む個人投資家が多いものの、需給面では上値が重くなる可能性があります。今後の決算発表と、特に新しい中期経営計画の発表が市場の注目を集めるでしょう。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 207億円 | 165億円 | 79.7% |
| 2022/03期 | 231億円 | 102億円 | 44.3% |
| 2023/03期 | 65.9億円 | 72.5億円 | 109.9% |
| 2024/03期 | 69.6億円 | 45.1億円 | 64.7% |
| 2025/03期 | 106億円 | 85.9億円 | 81.1% |
実効税率が法定税率を大きく上回る年が多く、税引前利益に対して法人税等の負担が重い傾向にあります。これは連結決算における赤字子会社の発生や、繰延税金資産の取り崩しなど、会計上の利益と税務上の課税所得に乖離が生じているためです。安定的な利益構造を構築することで、将来的な税務負担の適正化が見込まれます。
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「繊維の名門が、液晶フィルムから水処理膜、果てはコロナ診断薬まで手掛ける『素材の総合商社』へ変貌中」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。