資生堂
Shiseido Company, Limited
最終更新日: 2026年3月22日
152年の歴史を持つ日本発のグローバル化粧品メーカー。構造改革を経て、美の力で世界に挑む
2030年に向けて「Personal Beauty Wellness Company」へと進化し、一人ひとりの美と健康に寄り添う企業になること。
この会社ってなに?
資生堂は「SHISEIDO」「クレ・ド・ポー ボーテ」「エリクシール」「マキアージュ」など、百貨店やドラッグストアで目にする化粧品を幅広く手がけている会社です。スキンケアからメイクアップ、フレグランスまで、あなたの日常の美容を支えるブランドを世界約120の国と地域に届けています。
2025年12月期は売上高9,700億円(前期比-2.1%)、営業損失288億円と2期連続の営業赤字に沈みました。中国・トラベルリテール事業の低迷と米州事業の減損損失が主因です。しかし構造改革「アクションプラン2025-2026」を策定し、1,500人規模の早期退職やブランドポートフォリオの絞り込みを断行。2026年12月期は売上高9,900億円、営業利益590億円と3期ぶりの黒字転換を計画しています。2030年に向けてはコア営業利益率10%以上、ROIC10%以上、ROE12%以上を掲げており、日本・欧州事業を収益基盤に中長期の回復シナリオを描いています。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 12月
- 本社
- 東京都中央区銀座7-5-5
- 公式
- corp.shiseido.com
社長プロフィール
資生堂は「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」をミッションに掲げ、美の力を通じて人々が幸福を実感できるサステナブルな社会の実現を目指しています。厳しい事業環境の中でも構造改革を断行し、収益構造の転換と成長基盤の再構築に全力で取り組んでいます。
この会社のストーリー
福原有信が東京・銀座に日本初の民間洋風調剤薬局「資生堂」を開業。「万物資生」の理念を掲げてスタート。
東京証券取引所市場第一部に上場を果たし、日本を代表する化粧品メーカーとしての基盤を確立。
外部からプロ経営者を招聘し、グローバル経営への大転換を図る。ブランド改革と海外展開を加速。
中国インバウンド需要の追い風を受け、過去最高の業績と株価を達成。時価総額3.7兆円に到達。
「TSUBAKI」「uno」などを展開するパーソナルケア事業をCVCキャピタルに売却し、プレステージ領域に集中。
中国市場の減速を受け、日本事業で大規模な構造改革を断行。コスト構造の抜本的見直しに着手。
「アクションプラン2025-2026」のもと、コア営業利益率7%の達成と持続的な収益成長への回帰を計画。
注目ポイント
「SHISEIDO」「クレ・ド・ポー ボーテ」「NARS」など世界的に認知されたブランドポートフォリオを保有し、グローバル化粧品市場での存在感は圧倒的です。
1,500人規模の早期退職、ブランドポートフォリオの絞り込み、コスト削減など痛みを伴う改革を進め、筋肉質な経営体質への転換を目指しています。
売上高の3.6%を研究開発に投資し、皮膚科学・バイオテクノロジー領域での技術優位性を維持。美容医療との融合など次世代領域への展開も視野に入れています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 20円 | 24.9% |
| FY2017/3 | 27.5円 | 48.3% |
| FY2018/3 | 45円 | 29.3% |
| FY2019/3 | 60円 | 32.6% |
| FY2020/3 | 40円 | 0.2% |
| FY2021/3 | 50円 | 47.1% |
| FY2022/3 | 100円 | 116.8% |
| FY2023/3 | 60円 | 110.2% |
| FY2024/3 | 40円 | 0.2% |
| FY2025/3 | 40円 | 0.2% |
| 必要株数 | 100株以上(約30万円) |
| 金額相当 | 約1,500円相当〜 |
| 権利確定月 | 12月 |
| 長期特典 | 1年超の継続保有が必須条件 |
赤字決算が続く中でも年40円の配当を維持し、株主還元への姿勢を示しています。FY2026/12は黒字転換を見込み、年60円への増配を予想。配当利回りは2.01%と同業他社と比べて標準的な水準です。株主優待は自社ECサイトで使えるポイント制で、100株以上・1年超継続保有が条件です。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2025/12は売上高9,700億円、営業損失288億円と2期連続の赤字に沈みました。中国・トラベルリテール事業の低迷に加え、米州事業で大型減損を計上したことが主因です。FY2026/12は構造改革効果の本格発現により、営業利益590億円とV字回復を計画。2030年に向けてコア営業利益率10%以上を目指す中長期ビジョンを掲げています。
事業ごとの売上・利益
エリクシール、マキアージュ、SHISEIDO等の国内販売。百貨店・ドラッグストア・EC展開
中国本土でのプレステージ化粧品販売。消費減速で大幅減収
台湾・韓国・東南アジア等でのSHISEIDO、クレ・ド・ポー ボーテ等の販売
NARS、bareMinerals等の北米・南米事業。大型減損損失を計上
narciso rodriguez、イッセイミヤケ等のフレグランス事業が中心。安定成長
免税店・空港での販売。中国人旅行者減少で大幅な売上減
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 21.5% | 7.6% | 3.9% |
| FY2022/3 | 5.4% | 3.9% | 3.6% |
| FY2023/3 | 3.7% | 2.5% | - |
| FY2024/3 | 4.2% | -0.1% | 3.5% |
| FY2025/3 | -6.6% | -2.2% | 1.9% |
収益性はFY2021/12のROE7.5%をピークに悪化が続き、FY2025/12はROE-6.5%、営業利益率-3.0%と深刻な水準に達しました。中国市場の減速、ブランド売却に伴う事業縮小、構造改革費用が重なったことが要因です。2026年の「アクションプラン」ではコア営業利益率7%、ROE7%への回復を目標としており、コスト構造の最適化と高収益ブランドへの集中投資で改善を目指します。
財務は安全?
自己資本比率は46〜49%台で安定的に推移しており、財務基盤は健全です。FY2024/12以降に有利子負債が急増(約2,000億円→2,820億円)していますが、総資産に対する比率は約22%と許容範囲内です。BPSは1,503円でPBR1.99倍は資産面からやや割高な水準ですが、ブランド価値などの無形資産を考慮する必要があります。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 1,271億円 | 637億円 | -1,805億円 | 1,909億円 |
| FY2022/3 | 337億円 | -420億円 | -387億円 | -82.6億円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 484億円 | -837億円 | 234億円 | -353億円 |
| FY2025/3 | 1,099億円 | -434億円 | -772億円 | 665億円 |
FY2025/12は営業CFが1,099億円とFY2024/12の484億円から大幅に改善し、FCFも665億円の黒字を確保しました。赤字決算ながら減価償却費や減損損失などの非資金項目が大きく、キャッシュ創出力は維持されています。FY2021/12の投資CFが+637億円となっているのは、パーソナルケア事業(ファイントゥデイ)の売却による収入が主因です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 439億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 529億円 | 24.6億円 | 4.7% |
| FY2023/3 | 295億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 180億円 | 193億円 | 107.0% |
| FY2025/3 | 768億円 | 1,045億円 | 136.1% |
FY2021/12は繰延税金資産の計上などにより実効税率が5.3%と低水準でした。FY2024/12・FY2025/12は税引前損失のため実効税率は算出されません。FY2026/12は黒字転換を見込み、実効税率約28.8%で法人税等17,000百万円の納付を計画しています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 708万円 | 26,330人 | - |
平均年収は約721万円で化学業界では中〜上位水準です。連結従業員数は構造改革の一環で約39,000人(FY2021)から約27,900人(FY2025)へと大幅に縮小しています。早期退職優遇制度の実施やファイントゥデイ(旧パーソナルケア事業)の分離売却などが影響しています。平均年齢は38.9歳で比較的若い構成です。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。
株主構成は信託銀行(日本マスタートラスト・日本カストディ)が上位を占め、機関投資家中心の安定した構造です。外国法人の保有比率が38.9%と高く、ノルウェー政府年金基金やステート・ストリートなど海外の大手機関が名を連ねています。資生堂従業員自社株投資会も1.94%を保有しており、従業員の経営参画意識も一定程度見られます。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 日本事業 | 約2,700億円 | 黒字 | 約10% |
| 中国事業 | 約1,800億円 | 赤字転落 | 赤字 |
| アジアパシフィック事業 | 約800億円 | 黒字 | 約8% |
| 米州事業 | 約1,200億円 | 減損計上で赤字 | 赤字 |
| 欧州事業 | 約1,500億円 | 黒字 | 約7% |
| トラベルリテール事業 | 約700億円 | 赤字 | 赤字 |
研究開発費
役員報酬は取締役10名に対して総額1億6,000万円と、同規模企業と比較して低水準にとどまっています。これは業績連動報酬が大幅に減少したためです。事業別では日本事業と欧州事業が利益を確保する一方、中国事業・米州事業・トラベルリテール事業が赤字と、地域間の収益格差が大きい構造です。研究開発費は約350億円(売上比3.6%)と、スキンケア・皮膚科学領域での技術優位性を維持するための投資を継続しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率42.9%は日本の大手企業の中でもトップクラスの水準であり、ダイバーシティ経営を積極的に推進しています。取締役会は社外取締役が過半数を占める体制で、経営の透明性とガバナンスの強化に取り組んでいます。平均勤続年数10.8年は化粧品業界としては標準的な水準です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年12月期 | 9,950億円 | 9,650億円 | 9,700億円 | +0.5% |
| 2024年12月期 | 1兆500億円 | — | 9,906億円 | -5.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年12月期 | 60億円(黒字) | -520億円 | -407億円 | +21.7% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
当初の中期経営戦略「SHIFT 2025 and Beyond」ではコア営業利益率12%(2025年目標)を掲げていましたが、中国市場の急減速を受けて2024年末に「アクションプラン2025-2026」へ事実上の計画見直しを行い、2026年の目標を7%に引き下げました。1,500人規模の早期退職実施やブランドポートフォリオの絞り込みなど構造改革は着手済みですが、利益面での成果はFY2026/12以降に本格化する見通しです。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
資生堂の5年間のTSR(株主総利回り)は39.5%と、TOPIX(182.5%)を大幅にアンダーパフォームしています。2018年の上場来高値9,250円から一貫して下落トレンドが続いていることが主因です。中国市場の減速と構造改革費用の計上が重なり、株主価値が大きく毀損されました。ただし、構造改革の完遂と2030年中計の達成が実現すれば、株価の本格回復とTSRの改善が期待されます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021/12 | 192.2万円 | +92.2万円 | 92.2% |
| FY2022/12 | 183.6万円 | +83.6万円 | 83.6% |
| FY2023/12 | 185.6万円 | +85.6万円 | 85.6% |
| FY2024/12 | 157.9万円 | +57.9万円 | 57.9% |
| FY2025/12 | 139.5万円 | +39.5万円 | 39.5% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は1.51倍と比較的拮抗しており、投資家の見方が割れていることが読み取れます。PERは28.4倍とセクター平均(15倍)を大きく上回っていますが、これはFY2026/12の黒字転換予想EPSをベースとした水準です。PBR1.99倍もセクター平均を上回っており、グローバルブランド価値へのプレミアムが付いている一方、収益回復の確度が株価の鍵を握ります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
2026年12月期の連結業績予想を発表。売上高9,900億円、営業利益590億円と3期ぶりの黒字転換を計画。
2025年12月期通期の最終損益予想を60億円の黒字から520億円の赤字へ大幅下方修正。米州事業で減損損失を計上。
中期経営戦略「アクションプラン2025-2026」を策定。コア営業利益率7%を目標に構造改革を加速。
日本事業で約1,500人規模の早期退職優遇制度を実施し、固定費削減と組織体制のスリム化を推進。
最新ニュース
資生堂 まとめ
ひとめ診断
中国減速と構造改革で2期連続の最終赤字。「アクションプラン2025-2026」で2026年12月期のコア営業利益率7%回復を目指す
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「化学」に分類される他の企業
紙おむつ原料から大胆撤退、界面活性剤技術を軸にヘルスケア・EV向け素材へシフトする構造改革の真っただ中
半導体パッケージ基板の銅表面処理剤で世界シェアを握り、AI時代の進化を支える化学の巨人
『ボンド 木工用』の会社が、M&Aを駆使してインフラ補修や化成品商社へと変貌を遂げる堅実メーカー
京都の老舗化学メーカーが、生成AI時代の半導体・電池需要を支える『黒子役』としてV字回復を遂げている状態
食品インフラの『影の主役』、リサイクル技術で循環経済を回し続ける安定成長企業
食品から化粧品まで、あなたの日常に香りを添える『縁の下の巨人』が、海外M&Aで次なる成長を模索中
『食卓の食品トレーから自動車のバンパーまで』生活のあらゆるシーンを支える、地味だけどスゴい発泡プラスチックの巨人
『激落ちくん』で家庭を席巻し、M&Aで『バルサン』も手に入れた、日本の暮らしを支える隠れたインフラ企業