太陽HD
TAIYO HOLDINGS CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月22日
電子回路の守護神、ソルダーレジスト世界No.1から医薬まで挑む化学の先駆者
化学の力で社会の課題を解決し、持続可能な未来の実現に貢献する。
この会社ってなに?
あなたのスマートフォンやパソコン、テレビなどの電子機器に入っているプリント基板には、太陽HDのソルダーレジスト(基板保護材)が使われている可能性が高いです。世界シェア首位のこの材料がなければ、電子回路がショートしてしまいます。また近年は医療・医薬品分野にも進出し、CDMO(医薬品受託製造)事業も拡大中です。
FY2025/3は売上高1190億円(前期比+13.6%)、営業利益220億円(同+21.2%)と過去最高を更新しました。主力のエレクトロニクス事業ではプリント基板用ソルダーレジストで世界シェア首位を維持し、半導体パッケージング向け材料の需要拡大が業績を押し上げています。FY2026/3は売上高1234億円、営業利益233億円を見込み、中期経営計画では2031年3月期までの持続的成長を掲げています。一方、米KKRなど複数のPEファンドからの非公開化提案を受けて特別委員会が設置され、経営の方向性に市場の注目が集まっています。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都豊島区西池袋1-11-1 メトロポリタンプラザビル16階
- 公式
- www.taiyo-hd.co.jp
社長プロフィール
当社は「ものづくりの力で、世の中を変えていく」という信念のもと、ソルダーレジスト世界シェア首位の技術力を活かし、半導体材料や医薬品まで事業領域を広げてまいります。
この会社のストーリー
埼玉県で印刷インキメーカーとして設立。のちに電子材料への転換を遂げる。
プリント基板用ソルダーレジストの開発に成功し、エレクトロニクス分野への本格参入を果たす。
東証に上場し、ソルダーレジストで世界シェアトップに躍り出る。グローバル展開を加速。
CDMO(医薬品受託製造)事業を開始し、化学メーカーからヘルスケア領域へと事業ポートフォリオを拡大。
インキ大手DICと資本業務提携を締結。太陽ホールディングスに社名変更し、持株会社体制へ移行。
株主総会で佐藤前社長の再任が否決。アクティビストやDICの要求を受け、新経営体制で再出発。
KKRによる買収提案が妥当と判断され、上場維持か非公開化かの重大な決断の時を迎えている。
注目ポイント
プリント基板を保護するソルダーレジストで世界首位を堅持。電子機器の小型化・高性能化に不可欠な材料を供給し、半導体パッケージング向けでも高いシェアを誇ります。
化学業界トップクラスの営業利益率を維持。ニッチトップ戦略による高い価格決定力と、研究開発投資(売上比5.5%)による技術優位性が収益力の源泉です。
エレクトロニクス事業で培った化学技術を活かし、医薬品受託製造(CDMO)事業へ参入。成長市場での事業拡大により、収益の多角化を推進しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 51.8円 | 32.5% |
| FY2017/3 | 59.3円 | 45.0% |
| FY2018/3 | 79.2円 | 95.0% |
| FY2019/3 | 64.5円 | 85.3% |
| FY2020/3 | 64.6円 | 98.6% |
| FY2021/3 | 79.6円 | 47.8% |
| FY2023/3 | 89円 | 43.7% |
| FY2024/3 | 80円 | 51.6% |
| FY2025/3 | 190円 | 98.4% |
株主優待制度はありません。
FY2025/3は1株当たり190円(株式分割前ベース)と大幅増配を実施し、配当利回りは3.72%に上昇しました。配当性向は98.4%と高水準となりましたが、これはFY2026/3予想のEPS288.2円に基づくと正常化する見通しです。FY2026/3は1株当たり290円(分割前ベースで推定155円)の予想配当が示されており、株主還元姿勢の強化が鮮明です。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
太陽HDはFY2021/3の売上高810億円からFY2025/3には1190億円へと4年間で約47%の増収を達成しました。主力のエレクトロニクス事業ではソルダーレジスト(プリント基板保護材)で世界シェア首位を維持し、半導体パッケージング向け高付加価値材料の拡大が成長を牽引しています。FY2024/3は子会社関連の特殊要因で純利益が一時的に減少しましたが、FY2025/3には回復。FY2026/3は売上高1234億円、営業利益233億円と引き続き過去最高水準を見込んでいます。
事業ごとの売上・利益
ソルダーレジスト(世界シェア首位)、半導体パッケージング材料、フォトレジスト等。主力事業
医薬品受託製造(CDMO)、医薬中間体。成長投資フェーズ
ICT、エネルギー関連等の新規事業領域
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 7.7% | 5.3% | - |
| FY2022/3 | 10.4% | 6.2% | - |
| FY2023/3 | 11.9% | 6.1% | - |
| FY2024/3 | 11.1% | 4.1% | 17.4% |
| FY2025/3 | 17.6% | 5.6% | 18.5% |
営業利益率は16〜18%台と化学業界の中でもトップクラスの収益性を維持しています。FY2024/3はROEが8.6%に低下しましたが、これは子会社関連の特殊費用による一時的なものです。FY2025/3にはROE10.5%、営業利益率18.5%と回復基調に戻り、高付加価値なソルダーレジスト事業の強みが安定的な収益力を支えています。
財務は安全?
FY2024/3に有利子負債が1877億円と大幅に増加しましたが、FY2025/3には1416億円に圧縮し、自己資本比率も53.6%まで回復しました。総資産は約1920億円で、純資産は着実に積み上がり1030億円に到達。BPSは1854.7円と堅調に推移しており、財務の健全性は十分に保たれています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 163億円 | -116億円 | 198億円 | 47.1億円 |
| FY2022/3 | 183億円 | -113億円 | -113億円 | 70.5億円 |
| FY2023/3 | 227億円 | -132億円 | -139億円 | 95.8億円 |
| FY2024/3 | 212億円 | -211億円 | 89.5億円 | 1.6億円 |
| FY2025/3 | 237億円 | -83.1億円 | -292億円 | 154億円 |
営業CFは5期連続で160億円以上を安定的に創出しており、FY2025/3には237億円と過去最高を記録しました。FY2024/3は投資CFが210億円のマイナスとFCFがほぼゼロになりましたが、FY2025/3にはFCF154億円と大幅に回復。財務CFで292億円の返済を行い、有利子負債の圧縮を進めるなど、堅実なキャッシュマネジメントが見て取れます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 138億円 | 42.9億円 | 31.0% |
| FY2022/3 | 181億円 | 62.6億円 | 34.7% |
| FY2023/3 | 155億円 | 40.6億円 | 26.2% |
| FY2024/3 | 173億円 | 86.6億円 | 50.0% |
| FY2025/3 | 216億円 | 108億円 | 50.0% |
FY2024/3とFY2025/3は実効税率が50.0%と高水準でしたが、これは海外子会社関連の税務調整や特殊要因によるものです。FY2026/3予想では31.3%と正常水準への回帰が見込まれており、税引前利益233億円に対し法人税等73億円を計上する見通しです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 925万円 | 2,485人 | - |
太陽HDグループの平均年収は925万円と化学業界の中でも高水準です。従業員数は連結で約2,485名、平均年齢38.8歳と比較的若い組織構成です。ソルダーレジストなど高い技術力が求められる製品を扱う専門性の高い人材が多く、それに見合った待遇水準を維持しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主はDIC・光和。
筆頭株主はインキ大手のDIC(20.04%)で、2017年に資本業務提携を締結しています。しかし近年はDICが経営方針に不満を表明し、佐藤前社長の取締役再任に反対票を投じるなど関係が緊張。創業家関連の光和(6.3%)も存在感を持ち、海外機関投資家やアクティビストの保有比率も高い構成です。KKRによる非公開化提案が進行中であり、株主構成が大きく変わる可能性があります。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| エレクトロニクス事業 | 890億円 | 195億円 | 21.9% |
| 医薬・CDMO事業 | 180億円 | 15億円 | 8.3% |
| その他事業 | 120億円 | 10億円 | 8.3% |
研究開発費
訴訟・係争
エレクトロニクス事業が売上高の約75%、セグメント利益の約89%を占め、収益の柱となっています。ソルダーレジストでの世界シェア首位が高い営業利益率(21.9%)を支えています。医薬・CDMO事業は成長投資フェーズにあり、利益率は8.3%と低めですが、今後の拡大が期待される分野です。主なリスクとしては半導体市況の変動、為替リスク、非公開化に伴う経営の不確実性が挙げられます。
この会社のガバナンスは?
2025年6月の株主総会で佐藤前社長の再任が否決され、新経営体制に移行しました。取締役7名中女性3名(42.9%)とダイバーシティ面では高い水準を確保。連結子会社28社を擁するグループ経営で、監査等委員会設置会社として経営の透明性を確保しています。非公開化提案への対応として特別委員会を設置するなど、ガバナンス体制の強化に取り組んでいます。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 1,128億円 | — | 1,190億円 | +5.5% |
| FY2026/3 | 1,234億円 | 1,334億円 | — | +8.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 184億円 | — | 220億円 | +19.9% |
| FY2026/3 | 233億円 | 296億円 | — | +27.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
太陽HDはFY2025/3に当初予想の営業利益184億円を大幅に上回る220億円を達成しました。FY2026/3についても当初予想の233億円から296億円へと27%の上方修正を行っており、エレクトロニクス事業の好調が計画を上振れさせています。新中期経営計画(2031年3月期まで)の詳細KPIは今後の開示が待たれますが、足元の業績推移は経営の実行力の高さを示しています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は261.9%とTOPIX(213.4%)を約50ポイント上回るアウトパフォームを達成しています。特にFY2025はPEファンドによる非公開化提案を受けて株価が急騰し、TSRが大幅に上昇しました。FY2023に一時134.6%まで低下する局面もありましたが、業績回復と非公開化プレミアムにより力強く反発しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 152.1万円 | +52.1万円 | 52.1% |
| FY2022 | 167.1万円 | +67.1万円 | 67.1% |
| FY2023 | 134.6万円 | +34.6万円 | 34.6% |
| FY2024 | 182.2万円 | +82.2万円 | 82.2% |
| FY2025 | 261.9万円 | +161.9万円 | 161.9% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER35.5倍、PBR5.51倍と化学セクター平均を大幅に上回っており、非公開化プレミアムが株価に織り込まれている状態です。信用倍率は1.75倍と比較的均衡しており、買い・売り双方のポジションが拮抗しています。配当利回り3.04%はセクター平均を上回る水準です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
定時株主総会で佐藤英志社長の取締役再任が否決。DICやアクティビストの反対票が決定打となり、経営体制が刷新された。
2026年3月期から2031年3月期までを対象とした新中期経営計画を策定。エレクトロニクス事業の深化と医療分野の拡大を柱に掲げた。
FY2026/3通期業績予想を上方修正。エレキ事業の好調と子会社清算に伴う特別利益が寄与し、純利益を29%上方修正した。
特別委員会が米KKRによる買収提案の妥当性を認めたと報道。非公開化に向けた最終調整段階に入り、株価が急落する場面もあった。
最新ニュース
太陽HD まとめ
ひとめ診断
「ソルダーレジスト世界シェア首位の化学メーカー、KKRによる非公開化提案で注目を集める成長企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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