コニカミノルタ
KONICA MINOLTA,INC.
最終更新日: 2026年3月22日
100年の光学技術を武器に、複合機の枠を超えた「ものづくり」で社会課題に挑む!
Imaging to the People — イメージングの力で人々の「みたい」を世界中にお届けし、社会の課題を解決していく。
この会社ってなに?
オフィスで使う複合機やプリンターの多くにコニカミノルタの技術が使われています。また、病院のX線撮影装置や超音波診断装置、工場の色彩計測器、プラネタリウムの投影機など、日常の様々な場面で同社の製品が活躍しています。最近では介護施設向けの見守りセンサーや、AIを活用した画像解析サービスなど、デジタル技術を活かした新しいサービスにも力を入れている会社です。
コニカミノルタは、複合機・デジタル印刷を中核とし、ヘルスケア(X線診断装置など)やインダストリー(計測機器・光学部品)にも展開する総合電気機器メーカーです。2003年にコニカとミノルタが経営統合して誕生しました。近年はDX関連事業の大型買収の減損や構造改革費用により、FY2023/3期に約1,032億円、FY2025/3期に約475億円の最終赤字を計上しています。中期経営計画(2023-2025)で事業の選択と集中を進め、FY2026/3予想では営業利益480億円・最終利益240億円と黒字転換を見込んでいます。PER10.2倍・PBR0.53倍と割安水準にある一方、業績の安定性が課題です。
会社概要
- 業種
- 電気機器
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワー
- 公式
- www.konicaminolta.com
社長プロフィール
経営改革を完遂し、持続的な成長軌道へ。事業の選択と集中を通じて収益力を高め、お客様の課題解決に貢献し続けます。デジタル技術と光学技術の融合で、新しい価値を創造していきます。
この会社のストーリー
コニカの前身である小西屋六兵衛店が写真材料の取り扱いを開始。日本の写真産業の黎明期を支えました。
田嶋一雄が「機械と器具の製作」を創業し、後のミノルタカメラとなるブランドが誕生。高品質なカメラで世界的な評価を獲得しました。
ミノルタが「α-7000」を発売し、世界のカメラ市場に革命を起こしました。この技術は現在のデジタルカメラの基礎となっています。
コニカとミノルタが経営統合し、コニカミノルタホールディングスが発足。両社の光学技術と画像処理技術を融合しました。
Workplace Hubなど新規事業に大型投資を実施。デジタル変革への果敢な挑戦を試みましたが、一部は想定通りの収益化に至りませんでした。
事業の選択と集中を進め、不採算事業の整理と300億円規模のコスト削減策を実行。「Turn Around 2025」として収益回復の基盤を構築中です。
構造改革の効果が顕在化し、FY2026/3は営業利益480億円の黒字転換を予想。新たな成長軌道への復帰を目指しています。
注目ポイント
1873年創業のコニカ、1928年創業のミノルタの光学技術を継承。世界初のオートフォーカス一眼レフを生んだ技術力は、現在も計測機器や光学部品で世界トップクラスのシェアを誇ります。
DX投資の失敗を認め、300億円規模のコスト削減と事業の選択と集中を断行。過去の失敗から学び、収益力の再構築に本気で取り組む姿勢は、投資家からも一定の評価を得ています。
介護施設向け見守りセンサーや、AIを活用した画像診断支援など、光学・画像技術を社会課題の解決に応用。複合機だけではない「ものづくり企業」としての可能性を秘めています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2015/3 | 20円 | 24.7% |
| FY2016/3 | 30円 | 46.6% |
| FY2017/3 | 30円 | 47.1% |
| FY2018/3 | 30円 | 46.0% |
| FY2019/3 | 30円 | 35.6% |
| FY2020/3 | 25円 | 0.7% |
| FY2021/3 | 25円 | 0.7% |
| FY2022/3 | 30円 | 0.7% |
| FY2023/3 | 10円 | 0.7% |
| FY2024/3 | 5円 | 54.6% |
| FY2025/3 | 0円 | 0.0% |
| 必要株数 | 100株以上(約5万円) |
| 金額相当 | 非公表 |
| 権利確定月 | 9月 |
業績悪化に伴い配当は段階的に減額され、FY2021/3の25円からFY2025/3は無配となりました。FY2026/3は黒字転換を前提に10円の復配を予想しています。株主優待として自社製カレンダーを贈呈する制度があり、カメラ・光学技術を活かした美しい写真カレンダーが個人投資家に人気です。配当利回りは復配後で約2.0%の水準となります。
同業比較(収益性)
電気機器の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
コニカミノルタはFY2021/3〜FY2023/3まで3期連続の営業赤字を計上し、特にFY2023/3はDX関連事業の減損損失などにより約951億円の営業赤字・約1,032億円の最終赤字という厳しい決算でした。FY2024/3に一旦黒字転換したものの、FY2025/3は再び640億円の営業赤字に転落。ただしこれは中期経営計画に基づく構造改革費用や資産売却損が主因であり、FY2026/3予想では売上高1兆500億円・営業利益480億円と本格的な黒字回復を見込んでいます。
事業ごとの売上・利益
複合機・プリンター、ITサービス、クラウドサービスなどオフィス向けソリューション
デジタル印刷機(商業・産業印刷)、ラベル印刷、テキスタイル印刷
X線診断装置、超音波診断装置、医療ITソリューション
計測機器(色彩・光沢・輝度)、光学部品、インクジェットヘッド、機能材料
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 5.0% | -1.5% | - |
| FY2022/3 | 4.4% | -1.8% | - |
| FY2023/3 | 0.5% | -7.2% | - |
| FY2024/3 | -1.4% | 1.1% | 6.5% |
| FY2025/3 | -3.9% | -6.5% | -13.7% |
FY2021/3〜FY2023/3は3期連続の営業赤字で収益性が大きく悪化し、特にFY2023/3はROE-20.6%・営業利益率-8.4%と極めて厳しい水準でした。FY2024/3に一旦黒字転換(営業利益率2.2%)しましたが、FY2025/3は構造改革費用により再び赤字に。FY2026/3は営業利益率4.6%を目標としており、構造改革完了後の収益性回復が最大の注目点です。
財務は安全?
総資産はFY2023/3の約1兆4,138億円をピークに圧縮が進み、FY2025/3は約1兆2,176億円となっています。自己資本比率は38.0%と一定の健全性を維持していますが、FY2023/3の大幅赤字で純資産が毀損し、BPSも1,094円から936円へ低下しました。有利子負債は3,740億円で、構造改革後の利益回復による財務体質の改善が期待されます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 833億円 | -445億円 | -969億円 | 388億円 |
| FY2025/3 | 511億円 | 246億円 | -1,109億円 | 757億円 |
営業キャッシュフローはFY2023/3に133億円まで落ち込みましたが、FY2024/3に833億円、FY2025/3に511億円と回復傾向にあります。FY2025/3は投資CFが+246億円のプラスとなっていますが、これは資産売却による収入が設備投資を上回ったためです。財務CFは-1,109億円と有利子負債の圧縮を進めており、FCFは757億円と大幅に改善しました。構造改革に伴う資産のスリム化が進んでいます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 101億円 | 301億円 | 297.8% |
| FY2022/3 | 163億円 | 400億円 | 244.6% |
| FY2023/3 | 90.6億円 | 1,109億円 | 1224.5% |
| FY2024/3 | 84.1億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 154億円 | 946億円 | 613.2% |
FY2026/3の税引前利益予想480億円に対して法人税等240億円を見込んでいます。実効税率50.0%と高めに見える理由は、過年度の繰延税金資産の取崩しや海外子会社の税率差異が影響しているためです。構造改革が一巡し安定的な利益計上が続けば、実効税率は標準的な30%前後に収束する見込みです。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 821万円 | 35,631人 | - |
平均年収821万円は電気機器業界の中でも堅実な水準です。連結従業員数は約35,600名を擁するグローバル企業であり、平均年齢46.3歳、平均勤続年数20.8年と長期雇用の安定した職場環境が特徴です。近年はジョブ型人事制度を導入し、実績に応じて40代で年収2,000万円超も可能な報酬体系への改革を進めています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。
信託銀行経由の機関投資家が最大株主で、外国人持株比率は約37.9%と高水準です。シンガポールの投資ファンド・エフィッシモがかつて大量保有報告を出しており、アクティビストの動向にも注目が集まる銘柄です。ゴールドマン・サックスやSTATE STREET BANKなど海外機関投資家が上位に名を連ね、グローバルな株主構成となっています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| デジタルワークプレイス | 約5,800億円 | 約280億円 | 4.8% |
| プロフェッショナルプリント | 約2,100億円 | 約180億円 | 8.6% |
| ヘルスケア | 約1,300億円 | 約60億円 | 4.6% |
| インダストリー | 約1,100億円 | 約130億円 | 11.8% |
研究開発費
コニカミノルタは4つの事業セグメントで構成され、デジタルワークプレイス(複合機等)が売上の過半を占めます。インダストリー事業が利益率11.8%と最も高収益で、計測機器や光学部品は世界トップクラスのシェアを持つ強みがあります。一方、過去にDX関連で大型買収した事業の多くで減損を計上しており、事業の選択と集中による収益構造の再構築が進行中です。役員報酬は開示されている1名分で9,000万円です。
この会社のガバナンスは?
取締役・監査役を含む役員17名のうち女性は3名(17.6%)です。委員会等設置会社(指名委員会等設置会社)の形態を採用しており、報酬委員会・指名委員会・監査委員会を設置するなど、ガバナンス体制の強化に取り組んでいます。平均勤続年数20.8年と長期雇用を重視した企業文化がある一方、ジョブ型人事への転換も進めています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 1兆1,400億円 | — | 1兆1,600億円 | +1.8% |
| FY2025 | 1兆1,600億円 | — | 1兆1,279億円 | -2.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 180億円 | — | 261億円 | +44.7% |
| FY2025 | 130億円 | — | -640億円 | 大幅未達 |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画(2023-2025)では「事業収益力の強化」「構造改革の実行」「事業管理体制の強化」の3本柱を掲げています。FY2025/3は構造改革の集中実施により営業赤字が拡大しましたが、これは計画に織り込まれた「膿出し」であり、3Q累計の事業貢献利益は347億円(前年比+20.5%)と収益力の回復が見え始めています。FY2026/3の営業利益480億円の達成が改革の成否を問う最重要指標です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
コニカミノルタのTSR(株主総利回り)は5年間で130.5%と、TOPIX(213.4%)を大幅にアンダーパフォームしています。FY2021以降、TOPIXが好調な日本株市場全体の上昇トレンドに乗れず、複合機市場の縮小やDX事業の減損、構造改革費用の計上などが株価の重しとなりました。今後は構造改革完了後の利益回復が株価の見直しにつながるかが焦点です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 142.4万円 | +42.4万円 | 42.4% |
| FY2022 | 130.1万円 | +30.1万円 | 30.1% |
| FY2023 | 144.4万円 | +44.4万円 | 44.4% |
| FY2024 | 129.0万円 | +29.0万円 | 29.0% |
| FY2025 | 130.5万円 | +30.5万円 | 30.5% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER10.2倍・PBR0.53倍と電気機器セクター平均を大幅に下回る割安水準にあります。PBR0.53倍は純資産の半値程度での評価であり、構造改革が奏功して安定利益を計上できれば見直し余地は大きいと考えられます。信用倍率は8.75倍と買い残が多く、短期的な需給面では上値の重さが意識される展開です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
第3四半期累計で最終損益が黒字浮上(214億円)し、構造改革効果が顕在化。通期予想は据え置き。
富士フイルムビジネスイノベーションとの複合機部品調達合弁会社の設立予定日を変更し、協議を継続。
中期経営計画最終年度「Turn Around 2025」の進捗を説明し、2026年3月期の黒字転換に向けた道筋を提示。
再生プラスチック分野でマレーシア企業MJマテリアルテクノロジーと提携し、環境技術の事業化を推進。
米国販売会社のERPソリューション部門をAvanikoに譲渡し、DW-DX事業の選択と集中を推進。
最新ニュース
コニカミノルタ まとめ
ひとめ診断
複合機の名門が構造改革を断行、2025年度の「Turn Around」で収益回復を目指す電気機器メーカー
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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