フジ・メディア・ホールディングス
FUJI MEDIA HOLDINGS,INC.
最終更新日: 2026年3月22日
フジテレビからサンケイビルまで、メディアと都市開発の二刀流で日本のエンタメを支える
コンテンツIPを核とした「真のコンテンツカンパニー」への変革
この会社ってなに?
フジテレビの人気番組や映画、BSフジ、動画配信サービス「FOD」など、日々の生活の中でフジ・メディアグループのコンテンツに触れている方は多いでしょう。株主優待では特製QUOカード1,000円分やFOD3ヶ月無料視聴が受けられるほか、フジテレビ番組観覧の抽選権もあり、テレビファンにとって身近な銘柄です。
FY2025/3はメディア・コンテンツ事業の広告収入減と人権問題に伴う特別損失の影響により、売上高5,508億円(前期比-2.8%)、純利益は-201億円と赤字転落しました。フジテレビの視聴率低下に加え、旧経営体制下での不祥事対応費用が収益を圧迫しています。一方、サンケイビルを中核とする都市開発・観光事業は安定収益を計上しており、グループ全体の収益基盤を下支えしています。2025年5月に策定された「改革アクションプラン」では、コンテンツIP起点への事業転換やバランスシートの再点検を掲げ、PBR1倍超を目指す方針です。FY2026/3は売上高5,610億円、営業利益25億円と黒字回復を見込んでいます。
会社概要
- 業種
- 情報・通信業
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都港区台場二丁目4番8号
- 公式
- www.fujimediahd.co.jp
社長プロフィール
2025年に発生した問題を深く反省し、「改革アクションプラン」のもとで信頼回復と企業価値向上に全力で取り組んでまいります。コンテンツIPを軸とした事業転換と資本効率の改善により、すべてのステークホルダーに価値を届ける会社へと生まれ変わります。
この会社のストーリー
日本初の本格的な民間テレビ放送局としてスタートし、バラエティ・ドラマの革新を牽引しました。
丹下健三設計のアイコニックな球体ビルがお台場に完成。東京証券取引所にも上場しました。
日本初の認定放送持株会社として「フジ・メディア・ホールディングス」に商号変更し、グループ経営体制を確立しました。
サンケイビルを中核に不動産開発を加速させ、放送以外の収益基盤を強化しました。
人権問題の表面化により経営体制を刷新。新社長のもと「改革アクションプラン」を策定し再出発を図りました。
発行済株式の約28%を消却する大規模な自社株買いを実施し、PBR1倍超を目指す資本戦略を展開中です。
注目ポイント
大規模自社株買いや改革アクションプランの推進により、長年のPBR1倍割れからの脱却を目指しています。
フジテレビの放送事業に加え、サンケイビルの不動産開発が利益率10%超の安定収益源として機能しています。
QUOカードやFOD無料視聴、番組観覧の抽選権など、フジテレビならではの特典が株主に人気です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 40円 | 40.5% |
| FY2017/3 | 40円 | 33.8% |
| FY2018/3 | 40円 | 37.1% |
| FY2019/3 | 44円 | 43.1% |
| FY2020/3 | 44円 | 24.7% |
| FY2021/3 | 36円 | 81.2% |
| FY2022/3 | 38円 | 34.0% |
| FY2023/3 | 50円 | 23.7% |
| FY2024/3 | 48円 | 28.4% |
| FY2025/3 | 50円 | 0.3% |
| 必要株数 | 100株以上(約39万円) |
| 金額相当 | 約3,000円相当 |
| 権利確定月 | 3月 |
配当額は36〜50円のレンジで推移しており、FY2025/3は赤字決算にもかかわらず50円配当を維持しました。配当性向はFY2025/3に純利益が赤字のため指標として機能していませんが、安定配当への姿勢を示しています。株主優待はテレビファンにとって魅力的な内容で、QUOカードに加えFOD無料視聴や番組観覧など放送局ならではの特典が充実しています。
同業比較(収益性)
情報・通信業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
フジ・メディアHDはFY2022/3〜FY2024/3にかけて売上高5,200〜5,660億円台を維持し営業利益も300億円台と安定していましたが、FY2025/3は人権問題に端を発するCM出稿減により売上高が5,508億円(-2.8%)へ減少、さらに特別損失の計上により純利益は-201億円の赤字に転落しました。FY2026/3予想は売上高5,610億円・営業利益25億円と黒字への回復を見込んでいますが、営業利益の水準は改革途上のため過年度比で低い見通しです。
事業ごとの売上・利益
フジテレビジョン、BSフジ、ポニーキャニオン等。放送広告収入とコンテンツ販売が主軸。
サンケイビル、グランビスタ ホテル&リゾート等。オフィスビル・マンション・ホテル事業。
フジ・メディア・テクノロジー等のグループ企業。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 5.4% | 0.8% | 5.2% |
| FY2022/3 | 1.8% | 1.9% | 2.6% |
| FY2023/3 | 5.4% | 3.4% | 2.9% |
| FY2024/3 | 4.4% | 2.6% | 3.1% |
| FY2025/3 | 0.3% | -1.4% | 2.9% |
営業利益率はFY2022/3の6.3%をピークに、FY2025/3は3.3%まで低下しました。ROEもFY2023/3の5.5%から-2.4%へと赤字転落しています。放送事業は構造的に広告収入への依存度が高く利益率が低い傾向にありますが、都市開発事業の安定した収益がグループ全体を下支えしています。改革アクションプランではROE改善を重要KPIに位置づけており、資本効率の向上が今後の焦点です。
財務は安全?
総資産は約1.4兆円規模で推移しており、自己資本比率は56.8%と依然として高い水準を維持しています。FY2024/3から有利子負債が約4,200億円発生していますが、これはサンケイビルの不動産投資に関連するものが主体です。BPSは3,944円に対し株価3,859円とほぼ同水準で、PBR0.98倍は純資産価値と株価が拮抗していることを示しています。大規模自社株買い・消却後はBPSが上昇し、資本効率の改善が見込まれます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 458億円 | -266億円 | 204億円 | 192億円 |
| FY2022/3 | 539億円 | -468億円 | -249億円 | 70.7億円 |
| FY2023/3 | 618億円 | -328億円 | -52.7億円 | 290億円 |
| FY2024/3 | 478億円 | -1,065億円 | 252億円 | -587億円 |
| FY2025/3 | 584億円 | -375億円 | 24.6億円 | 210億円 |
営業CFは毎期460〜620億円台と安定して稼ぎ出しており、本業の現金創出力は堅固です。FY2024/3は不動産投資を中心に投資CFが1,065億円の大幅支出となりFCFがマイナスに転じましたが、FY2025/3は投資の一巡によりFCFが210億円の黒字に回復しました。今後は大規模自社株買い(約2,349億円)の資金手当てが財務CFに影響する見通しです。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 223億円 | 122億円 | 54.6% |
| FY2022/3 | 455億円 | 207億円 | 45.4% |
| FY2023/3 | 391億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 392億円 | 20.9億円 | 5.3% |
| FY2025/3 | 252億円 | 453億円 | 180.0% |
FY2023/3の実効税率0.0%やFY2025/3の180.0%など年度間の変動が大きいのが特徴です。FY2025/3は税引前利益252億円に対し法人税等が453億円と大幅に上回っていますが、これは繰延税金資産の取崩しや特別損失に関連する税効果の影響によるものです。FY2023/3の税額ゼロは投資有価証券の評価差額に係る繰延税金の影響が主因です。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 1,660万円 | 7,302人 | - |
連結ベースでの平均年収は約1,660万円と情報・通信業の中でもトップクラスの水準です。ただし持株会社の従業員数は限定的であり、放送事業の中核であるフジテレビジョン単体の平均年収とは異なります。平均年齢49.6歳、平均勤続年数19.1年と長期在籍の傾向が見られます。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は東宝・文化放送・NTTドコモ。
筆頭株主の日本マスタートラスト信託銀行が10.4%を保有し、東宝(8.83%)が第2位株主として名を連ねています。放送局のグループ企業である文化放送(3.7%)や関西テレビ放送(2.92%)、NTTドコモ(3.66%)など事業法人の持合い比率が31.8%と高く、放送持株会社らしい安定した資本構成を形成しています。一方、2025年に入り村上ファンド系やダルトン・インベストメンツなどアクティビスト株主の動向が注目され、大規模自社株買いによる株主構成の変化が進行中です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| メディア・コンテンツ事業 | 3,924億円 | 112億円 | 2.9% |
| 都市開発・観光事業 | 1,353億円 | 147億円 | 10.9% |
| その他事業 | 231億円 | 8億円 | 3.5% |
フジ・メディアHDの収益構成はメディア・コンテンツ事業が売上の約7割を占めますが、利益率は2.9%と低水準にとどまっています。一方、都市開発・観光事業はサンケイビルを中核に売上の約25%を占め、利益率10.9%と高い収益性を誇る安定的なキャッシュカウとして機能しています。今後の改革アクションプランではコンテンツIP事業への投資強化と事業ポートフォリオの最適化が重点課題となっています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率45.5%は日本の上場企業の中でもトップクラスの水準であり、取締役11名中5名が女性です。2025年の不祥事を契機にガバナンス体制の抜本的な見直しが進められ、新経営体制では透明性の高い経営を重視しています。連結子会社40社を擁するコングロマリットとして、グループ全体のガバナンス強化が最優先課題に位置づけられています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 5,600億円 | — | 5,664億円 | +1.2% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 340億円 | 10億円 | 252億円→一転下方修正 | -97.1% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
フジ・メディアHDは2025年1月に表面化した人権問題を受け、FY2025/3の通期業績を大幅に下方修正しました。従来の「中期グループビジョン2023」に代わり、2025年5月に「改革アクションプラン」を策定し、PBR1倍超やROE改善を目標に掲げています。FY2025/3の予想精度は当初計画から大きく乖離しましたが、これは不祥事という想定外の事態によるものです。新経営体制のもとで資本効率の改善と事業ポートフォリオの最適化が進められており、中長期の評価は今後のアクションプラン実行次第です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
5年間のTSR(株主総利回り)は257.6%とTOPIX(213.4%)をアウトパフォームしています。FY2021〜FY2023はTOPIXを下回る低迷が続きましたが、FY2024以降はアクティビスト株主の介入や自社株買いによる企業価値向上への期待から株価が急騰し、大きく巻き返しました。この上昇の持続性は改革アクションプランの実効性にかかっています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 129.2万円 | +29.2万円 | 29.2% |
| FY2022 | 115.8万円 | +15.8万円 | 15.8% |
| FY2023 | 122.5万円 | +22.5万円 | 22.5% |
| FY2024 | 200.2万円 | +100.2万円 | 100.2% |
| FY2025 | 257.6万円 | +157.6万円 | 157.6% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは80.1倍とセクター平均を大きく上回っていますが、これはFY2025/3の赤字による一時的なEPS低下が原因であり、来期予想EPSベースでは正常化が見込まれます。PBRは0.98倍でセクター平均(1.50倍)を下回っており、資産価値に対する割安感が残っています。信用倍率は3.00倍と買い残が優勢で、個人投資家の注目度の高さが見て取れます。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
フジテレビの旧経営体制下での人権問題が表面化し、CM差し止めが相次ぎ広告収入が大幅に減少しました。
新経営体制のもと「改革アクションプラン」を策定。コンテンツIP起点への事業転換とPBR1倍超を目標に掲げました。
定時株主総会で清水賢治氏が代表取締役社長に就任し、新たな経営体制が発足しました。
改革アクションプランの11月アップデートを公表。ROE目標や資本効率向上への具体施策を明示しました。
発行済株式の約28%相当となる大規模な自社株消却を実施し、資本効率の改善と株主価値向上を図りました。
最新ニュース
フジ・メディア・ホールディングス まとめ
ひとめ診断
フジテレビを中核に放送・都市開発・IPの三軸で企業価値向上を図る認定放送持株会社
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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