ラクスル
RAKSUL INC.
最終更新日: 2026年3月27日
伝統的な巨大産業をテクノロジーで変革するプラットフォーマー
「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンのもと、旧来型の巨大な産業にインターネットを持ち込み、産業構造の変革を目指します。
この会社ってなに?
あなたが学園祭やイベントで使うチラシやポスターを、ネットで安く手軽に注文したことはありませんか?そのサービスを提供しているのがラクスルです。全国の印刷会社の空いている機械と時間をうまくマッチングさせることで、高品質な印刷物を低価格で届けてくれます。また、普段あなたが目にするテレビCMの制作や、荷物を運ぶトラックの手配など、企業のビジネス活動の裏側でもラクスルの仕組みが活躍しています。印刷や広告、物流といった伝統的な業界をITの力で便利に変えている会社です。
ラクスルはFY2025に売上高619.5億円(前年同期比21.2%増)、営業利益38.19億円(同51.4%増)と大幅な成長を見込んでいます。主力の印刷EC「ラクスル」に加え、M&Aで取得した広告事業「ノバセル」や物流プラットフォーム「ハコベル」も成長を牽引し、多角的な収益基盤を構築しています。FY2024には初の配当(1.7円)を実施するなど、成長投資と並行して株主還元も開始しました。ただし、直近ではMBO(経営陣による買収)の動きがあり、株式の非公開化を目指している点が最大の注目点です。
会社概要
- 業種
- 情報・通信業
- 決算期
- 7月
- 本社
- 東京都港区麻布台1丁目3番1号
- 公式
- corp.raksul.com
社長プロフィール

「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンのもと、印刷、物流、広告といった巨大な伝統的産業にテクノロジーを導入し、産業構造の変革を目指しています。連続的なM&Aも活用しながら事業領域を拡大し、顧客とパートナー企業の双方に価値を提供することで、持続的な成長を実現していきます。
この会社のストーリー
創業者・松本恭攝氏が「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンのもと、印刷業界の非効率な構造を変革するため会社を設立。印刷通販サイト「ラクスル」の原型が生まれる。
全国の印刷会社をネットワーク化し、非稼働時間を活用するシェアリングプラットフォームを構築。高品質・低価格な印刷サービスを全国の中小企業に提供開始し、急成長を遂げる。
印刷事業で培ったプラットフォームのノウハウを物流業界に応用。「ハコベル」事業を開始し、荷主と運送会社をマッチングする新たな挑戦を始める。
創業から9年で東京証券取引所マザーズに上場(証券コード: 4384)。公開価格1,500円に対し、初値は1,645円をつけ、社会的な信用と資金調達力を獲得した。
上場からわずか1年で東証一部(現プライム市場)へ。企業の成長性と信頼性が高く評価され、事業拡大への大きな弾みとなった。
自社のテレビCM運用のノウハウを活かし、広告事業「ノバセル」を開始。企画から分析まで一気通貫で提供し、新たな収益の柱として成長。
創業者の松本恭攝氏が会長となり、永見世央氏が代表取締役社長グループCEOに就任。第二創業期として、M&Aを加速させ、さらなる事業拡大を目指す新体制がスタートした。
MBO(経営陣による買収)を発表。非公開化により、短期的な業績に左右されない中長期的な視点での大胆な成長投資を実行し、企業価値の最大化を目指す。
注目ポイント
印刷、物流、広告といった巨大な伝統産業の非効率をテクノロジーで解決。全国の提携企業と顧客を繋ぐことで、低価格・高品質なサービスを実現し、業界の常識を覆しています。
印刷事業で確立した成功モデルを他分野へ横展開。さらに、積極的なM&Aによって新たな事業領域を獲得し、グループ全体でシナジーを生み出しながら急成長を続けています。
2024年7月期に初の配当を実施するなど、株主還元への意識も向上。MBOによる非公開化で、今後は中長期的な視点から企業価値向上への大胆な投資が期待されます。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2018/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2019/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2020/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2021/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 1.7円 | 4.7% |
| FY2025/3 | 3円 | 6.4% |
2026年3月現在、株主優待制度は実施していません。
ラクスルは成長投資を優先する方針のため、配当は開始されたばかりの段階です。利益成長に合わせて株主還元を検討する姿勢を示しており、FY2025/3期は1株あたり3円の配当を実施しました。現状の配当性向は低水準ですが、今後の事業拡大によるキャッシュ創出能力の向上に伴い、段階的な還元強化が期待されます。
同業比較(収益性)
情報・通信業の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
ラクスルは、印刷通販プラットフォームを中心に、物流のハコベルや広告のノバセルなどの事業を多角的に展開し、売上高はFY2021/3の約302億円からFY2025/3には約619億円まで順調に成長を遂げました。一方で、FY2026/3の予想では売上高約507億円、純利益21億円を見込んでおり、積極的な事業再編や投資のフェーズにあることがうかがえます。デジタル化の進展による業務効率化需要を取り込み、高い増収率を維持してきた点が同社の成長の原動力です。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2018/3 | 0.2% | 0.2% | 0.8% |
| FY2019/3 | 1.0% | 0.7% | 0.8% |
| FY2020/3 | -7.3% | -2.5% | -1.1% |
| FY2021/3 | 2.0% | 0.7% | 0.7% |
| FY2022/3 | 11.0% | 3.6% | 1.4% |
| FY2023/3 | 9.6% | 4.1% | 4.3% |
| FY2024/3 | 13.5% | 4.8% | 4.9% |
| FY2025/3 | 16.9% | 6.1% | 6.2% |
売上高の拡大に伴い、営業利益率もFY2021/3の0.7%からFY2025/3には6.2%まで着実に改善しており、プラットフォームビジネスとしての規模の経済が働いていることが分かります。ROE(自己資本利益率)はFY2025/3時点で16.9%まで向上しており、資本を効率的に活用した利益創出体制が整ってきました。効率的な広告宣伝費の運用やオペレーション改善が、利益率向上に大きく寄与しています。
財務は安全?
同社は有利子負債を持たない実質無借金経営を継続しており、高い財務健全性を保っています。総資産はFY2021/3の約219億円からFY2025/3には約443億円へと拡大し、事業規模の拡大と並行して財務基盤を強固に構築してきました。自己資本比率は30%台で推移しており、成長投資のための十分な内部留保と資金調達余力を確保しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2018/3 | 1.4億円 | -1.4億円 | 33.4億円 | -200万円 |
| FY2019/3 | 1,100万円 | -2.7億円 | -2.1億円 | -2.5億円 |
| FY2020/3 | -1.3億円 | -2.8億円 | 99.6億円 | -4.1億円 |
| FY2021/3 | 15.4億円 | -36.2億円 | 7,500万円 | -20.8億円 |
| FY2022/3 | 8.4億円 | -28.1億円 | 22.1億円 | -19.7億円 |
| FY2023/3 | 29.0億円 | 3.0億円 | -22.4億円 | 32.0億円 |
| FY2024/3 | 27.1億円 | -69.3億円 | 56.7億円 | -42.3億円 |
| FY2025/3 | 49.9億円 | -21.8億円 | -42.6億円 | 28.1億円 |
営業キャッシュフローは、中核事業の拡大によりFY2025/3には約50億円を創出する安定した収益源へと成長しました。投資キャッシュフローはM&Aやプラットフォーム強化のための支出が断続的に発生していますが、本業で稼いだ資金を成長分野へ再投資する好循環が確立されています。過去には大規模投資でフリーキャッシュフローがマイナスになる年度もありましたが、直近では自己資金で成長を賄える体質へと進化しています。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2018/3 | 4,300万円 | 2,800万円 | 65.1% |
| FY2019/3 | 1.3億円 | 6,100万円 | 46.9% |
| FY2020/3 | -3.7億円 | 0円 | - |
| FY2021/3 | 1.3億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | -1.7億円 | 0円 | - |
| FY2023/3 | 11.7億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 20.4億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 34.6億円 | 7.6億円 | 22.0% |
FY2024/3期までは過去の損失繰越や税務上の調整により実効税率が0%でしたが、FY2025/3期より本格的な納税フェーズに入りました。約34.6億円の税引前利益に対して約7.6億円の法人税等を計上しており、業績の黒字定着が鮮明です。今後は安定した利益水準に応じて、法定実効税率に近い水準での納税が継続する見込みです。
会社の公式開示情報
主力である印刷事業に加え、広告支援のノバセルや金融プラットフォーム事業へ多角化を図っており、M&Aを通じた連続的な成長戦略が有価証券報告書等の開示からも読み取れます。事業環境の変化に対するリスク対応として、収益性の高いプラットフォームへの集中を掲げています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 23億円 | — | 38.19億円 (会社予想) | +66.0% |
| FY2024 | 未公表 | — | 25億円 | N/A |
| FY2022 | 3億円 | — | 5億円 | +84.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 507億円 | — | 619.5億円 (会社予想) | +22.2% |
| FY2022 | 394億円 | — | 340億円 | -13.7% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2021年に発表した中期財務ポリシーでは、FY2025の売上高507億円、営業利益23億円を目標としていましたが、FY2025の会社予想は売上高619.5億円、営業利益38.19億円と、目標を大幅に上回る見込みです。主力のラクスル事業のオーガニック成長に加え、M&Aによる事業拡大が奏功し、計画を前倒しで達成する見通しです。業績予想は保守的に出す傾向がありましたが、近年は大幅なポジティブサプライズが続いており、マネジメントの実行力が高く評価されます。
株の売買状況と今後の予定
PER、PBRともに情報・通信業の平均を上回っており、市場からの成長期待が高いことを示唆しています。一方で配当利回りは平均より低く、成長投資を優先するグロース株としての側面が強いです。信用倍率は5.93倍と比較的高水準ですが、現在進行中のMBOによりTOB価格(1,900円)が意識されているため、通常の需給分析とは異なる視点が必要です。今後の株価は、MBOの動向に大きく左右されるでしょう。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
2026年7月期第2四半期決算にて売上高357.48億円を達成し、増収増益の成長を維持。
ROS株式会社の全株式を取得し、中小企業向けホームページ制作・運用事業へ本格参入。
他行宛振込手数料を抑えた金融プラットフォーム「ラクスルバンク」を正式リリース。
最新ニュース
ラクスル まとめ
ひとめ診断
「ネット印刷の風雲児が、物流・広告へと触手を伸ばす『産業DXのデパート』」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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