artience4634
artience Co.,Ltd.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが毎日手にする食品のパッケージや雑誌、その鮮やかな印刷の裏側でartienceのインキ技術が活躍しています。実はそれだけでなく、あなたが使っているスマートフォンのディスプレイを美しく見せるための材料や、これから普及が進む電気自動車(EV)のバッテリー性能を高めるための重要な素材も開発している会社です。普段は目に見えないけれど、私たちの生活をよりカラフルで便利にするための「縁の下の力持ち」のような存在と言えるでしょう。
旧・東洋インキSCホールディングスとして知られる化学素材メーカー。2025期は売上高3,499.8億円、営業利益207.65億円と、前年度比でほぼ横ばいながらも高水準の利益を維持しました。2024年に「artience」へ社名を変更し、従来の印刷インキ事業に加え、EV向けリチウムイオン電池用分散体や半導体関連材料など、高付加価値分野へのシフトを加速させています。中期経営計画「artience2027」では、最終年度の2026年度に営業利益230億円を目指しており、事業ポートフォリオ変革の進捗が株価の鍵を握ります。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 12月
- 本社
- 東京都中央区京橋2丁目2-1 京橋エドグラン
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/12期 | 4.2% | 2.3% | - |
| 2022/12期 | 4.1% | 2.3% | - |
| 2023/12期 | 4.0% | 2.3% | - |
| 2024/12期 | 7.0% | 4.0% | 5.8% |
| 2025/12期 | 3.8% | 2.2% | 5.9% |
| 2025/12期 | 3.8% | 2.2% | 5.9% |
同社の収益性は印刷インキ事業の成熟もあり、営業利益率は概ね4%から6%の間で推移しています。2024年3月期には利益率が5.8%まで改善しROEも6.8%に上昇しましたが、依然として資本効率の向上は経営上の大きな課題です。今後は高付加価値製品へのシフトを通じて、さらなる収益力強化を図る姿勢を強めています。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/12期 | 2,880億円 | — | 94.9億円 | 169.4円 | - |
| 2022/12期 | 3,159億円 | — | 93.1億円 | 171.5円 | +9.7% |
| 2023/12期 | 3,221億円 | — | 97.4億円 | 183.7円 | +2.0% |
| 2024/12期 | 3,511億円 | 204億円 | 185億円 | 352.5円 | +9.0% |
| 2025/12期 | 3,500億円 | 208億円 | 103億円 | 210.5円 | -0.3% |
artienceの売上高は3,000億円規模で安定推移しており、2024年3月期には営業利益が約204億円へと大幅に伸長しました。2025年3月期は利益水準を維持したものの、一時的な税負担増や減損処理の影響で純利益が一時的に低下しています。2026年3月期は、グローバルでの事業効率化により過去最高水準の売上3,600億円および純利益210億円の達成を目指しています。 【2025/12期実績】売上3500億円(前期比-0.3%)、営業利益208億円、純利益103億円。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
色材・機能材、ポリマー・塗加工、パッケージ、印刷・情報の4セグメントでグローバルに展開しており、環境調和型製品の売上構成比向上を経営の最重要課題としています。海外拠点での生産能力増強や研究拠点開設など、成長市場への積極的な投資に伴う為替や原材料価格変動のリスクを管理しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 3,700億円 | 3,500億円 | 3,500億円 | -0.01% |
| 2024期 | 3,400億円 | — | 3,511億円 | +3.3% |
| 2023期 | 3,300億円 | — | 3,221億円 | -2.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 220億円 | 190億円 | 208億円 | -5.6% |
| 2024期 | 145億円 | — | 204億円 | +40.8% |
| 2023期 | 110億円 | — | 134億円 | +21.6% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
現行の中期経営計画「artience2027」は、最終年度である2026年度(2026期)に営業利益230億円を目指しています。初年度の2024期は期初予想を大幅に上回る好調な滑り出しでしたが、2025期は売上・利益ともにほぼ横ばいとなり、進捗率はそれぞれ97.2%、90.3%とやや足踏み状態です。特に純利益の進捗が遅れており、高機能材料など成長ドライバー事業の収益性向上が目標達成の鍵となります。過去の業績予想は期中に修正されることもありますが、特に利益面で期初予想を上回る着地が多く、経営陣の慎重な見通しと実行力を示唆しています。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
京橋エドグランにマテリアル特化のイノベーション拠点「Incubation CANVAS TOKYO」を開設。
インド事業におけるリキッドインキの生産能力を1.5倍に引き上げる投資を決定。
連結業績予想の差異と減損損失の計上を発表し、投資家の注目を集めた。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
財務体質は極めて強固であり、自己資本比率は50%台後半を安定して維持する高い健全性を有しています。近年は成長投資や株主還元を目的とした資金調達により有利子負債を積み増していますが、資産規模4,600億円超に対して十分な返済能力を備えています。盤石なバランスシートを背景に、研究開発投資を継続できる財務基盤を構築しています。 【2025/12期】総資産4626億円、純資産2772億円、自己資本比率45.6%、有利子負債634億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/12期 | 158億円 | 176億円 | 120億円 | 18.2億円 |
| 2022/12期 | 42.6億円 | 56.5億円 | 81.0億円 | 13.8億円 |
| 2023/12期 | 235億円 | 195億円 | 26.3億円 | 40.2億円 |
| 2024/12期 | 270億円 | 102億円 | 150億円 | 168億円 |
| 2025/12期 | 276億円 | 112億円 | 317億円 | 164億円 |
営業キャッシュフローは堅調に推移しており、2024年3月期以降は年270億円規模の安定した稼ぐ力を確立しました。投資活動においては成長分野への設備投資を行いつつも、本業の収益改善によってフリーキャッシュフローの黒字幅を拡大させています。余剰資金は配当の拡充や自己株式の取得など、積極的な株主還元へと振り向ける余裕が生まれています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は27.3%と日本企業の中では高い水準であり、ダイバーシティ(多様性)経営を推進しています。連結子会社56社を擁する大規模グループとして、適切な監査体制とガバナンス強化を図り、持続可能な企業価値向上に取り組んでいます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 786万円 | 7,897人 | - |
従業員平均年収は786万円と、化学業界の中でも比較的高い水準を維持しています。平均勤続年数が19年と長く、長年培った技術力を評価する安定した雇用環境と、着実な業績拡大が待遇面に反映されていると考えられます。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
同社のTSR(株主総利回り)は、過去5年間(2021期~2025期)にわたり、一貫して市場平均であるTOPIXのパフォーマンスを下回る「アンダーパフォーム」状態が続いています。2025期には自社TSRが135.5%と大きく改善したものの、同期間のTOPIX(182.5%)には及びませんでした。これは、従来の安定事業が市場全体の成長モメンタムに乗り切れず、株価が伸び悩んできたことを示唆しています。中期経営計画で掲げる高成長分野への事業転換が成功し、収益性が向上すれば、将来的にTSRがTOPIXを上回る可能性を秘めています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/12期 | 15.5円 | 37.9% |
| 2017/12期 | 16円 | 44.8% |
| 2019/12期 | 90円 | 61.8% |
| 2020/12期 | 90円 | 87.3% |
| 2021/12期 | 90円 | 53.1% |
| 2022/12期 | 90円 | 52.5% |
| 2023/12期 | 90円 | 49.0% |
| 2024/12期 | 100円 | 28.4% |
| 2025/12期 | 100円 | 47.5% |
| 権利確定月 | 6月 |
配当方針は安定した配当の維持を基本としつつ、業績に応じた利益還元を強化する方針です。配当性向は年度により変動しますが、着実に株主還元を重視する姿勢が見て取れます。今後も持続的な成長投資と並行しながら、株主への長期的な還元拡大が期待されます。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 77.4万円 | 22.6万円 | -22.6% |
| 2022期 | 78.9万円 | 21.1万円 | -21.1% |
| 2023期 | 77.6万円 | 22.4万円 | -22.4% |
| 2024期 | 112.1万円 | 12.1万円 | 12.1% |
| 2025期 | 135.5万円 | 35.5万円 | 35.5% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
市場評価に目を向けると、PER・PBRともに化学業界平均を大幅に下回っており、株価は割安水準にあると判断されます。特にPBRは解散価値とされる1倍を大きく割り込んでいます。これは、伝統的なインキ事業のイメージが強く、成長分野へのシフトがまだ株価に織り込まれていない可能性を示唆しています。信用倍率は2.62倍と比較的落ち着いており、需給面での過熱感は限定的です。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/12期 | 154億円 | 59.5億円 | 38.5% |
| 2022/12期 | 79.1億円 | 0円 | 0.0% |
| 2023/12期 | 129億円 | 31.4億円 | 24.4% |
| 2024/12期 | 210億円 | 24.7億円 | 11.7% |
| 2025/12期 | 209億円 | 105億円 | 50.5% |
法人税等の支払額は事業年度により大きな変動が見られますが、これは繰延税金資産の取り崩しや一時的な税務処理の影響によるものです。2025年3月期は実効税率が約50%と高水準でしたが、これは一過性の要因によるものです。通常時は法定の実効税率に準じた納税を行っており、税負担の平準化を図る経営が続いています。
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artience まとめ
「印刷インキの巨人が『アートとサイエンス』を武器に、EV電池材料など高機能素材メーカーへの脱皮を急ぐ化学企業」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。