4634プライム

artience

artience Co.,Ltd.

最終更新日: 2026年3月28日

ROE4.1%
BPS5164.9円
自己資本比率45.7%
FY2025/3 有報データ

アートとサイエンスの融合で、世界に美しい解を届ける化学メーカー

先端技術で先駆の価値を届け、世界中のすべての生活者の心豊かな暮らしに貢献する。

この会社ってなに?

あなたが毎日手にする食品のパッケージや雑誌、その鮮やかな印刷の裏側でartienceのインキ技術が活躍しています。実はそれだけでなく、あなたが使っているスマートフォンのディスプレイを美しく見せるための材料や、これから普及が進む電気自動車(EV)のバッテリー性能を高めるための重要な素材も開発している会社です。普段は目に見えないけれど、私たちの生活をよりカラフルで便利にするための「縁の下の力持ち」のような存在と言えるでしょう。

旧・東洋インキSCホールディングスとして知られる化学素材メーカー。FY2025は売上高3,499.8億円、営業利益207.65億円と、前年度比でほぼ横ばいながらも高水準の利益を維持しました。2024年に「artience」へ社名を変更し、従来の印刷インキ事業に加え、EV向けリチウムイオン電池用分散体や半導体関連材料など、高付加価値分野へのシフトを加速させています。中期経営計画「artience2027」では、最終年度の2026年度に営業利益230億円を目指しており、事業ポートフォリオ変革の進捗が株価の鍵を握ります。

化学プライム市場

会社概要

業種
化学
決算期
12月
本社
東京都中央区京橋2丁目2-1 京橋エドグラン
公式
www.artiencegroup.com

社長プロフィール

髙島 悟
髙島 悟
代表取締役社長 グループCEO
ビジョナリー
私たちは120年以上の歴史で培ったサイエンスの力に、人の心を動かすアートの力を融合させ、世界が抱える課題に対し感性に響く価値を提供していきます。artienceという新しい社名の下、イノベーションを通じて人々の心豊かな未来の実現に貢献することを目指します。

この会社のストーリー

1896
創業

創業者・小林鎌太郎が個人経営の「小林インキ店」を開業。印刷用インキの製造・販売を開始し、日本の近代化と共に歩み始める。

1907
東洋インキ製造株式会社設立

個人経営から株式会社へ改組。本格的なインキメーカーとして事業を拡大し、技術革新の礎を築く。

1961
東京証券取引所上場

東京証券取引所市場第二部に上場(後に第一部に指定替え)。社会的な信用を高め、さらなる成長への基盤を固める。

2011
ホールディングス体制へ移行

東洋インキSCホールディングス株式会社を設立し、持株会社制へ移行。グループ経営の効率化と事業領域の拡大を加速させる。

2024
artience株式会社へ社名変更

「art(アート)」と「science(サイエンス)」を融合させた新社名へ変更。感性に響く価値を創造する企業への変革を宣言。

2025
イノベーション拠点開設

マテリアル分野に特化したグローバルなイノベーション拠点「Incubation CANVAS TOKYO」を開設し、業界全体の共創を促進する。

2027
中期経営計画「artience2027」始動

新たな経営計画をスタートし、サステナビリティ貢献製品の拡大やグローバル展開の強化を通じて、持続的な成長を目指す。

注目ポイント

120年超の歴史と変革力

1896年の創業以来、印刷インキを基盤に事業を多角化。2024年には「artience」へ社名を変更し、アートとサイエンスの融合で新たな価値創造に挑む変革力を持つ企業です。

サステナビリティへの貢献

EV電池材料や環境調和型製品など、持続可能な社会の実現に貢献する事業に注力。サステナビリティ貢献製品の売上高比率80%(2030年度目標)を掲げています。

安定した株主還元

安定配当を基本方針とし、株主への利益還元を重視しています。1年以上継続保有の株主を対象としたカタログギフトの株主優待制度も魅力です。

サービスの実績は?

100
1株当たり配当金
FY2025実績
+11.1% YoY
70.0%
環境調和型製品 売上高構成比
2024年統合レポート
4,436万円
従業員一人当たり売上高
FY2025実績ベース
-0.3%
売上高成長率(YoY)
FY2025実績
1.7%
営業利益成長率(YoY)
FY2025実績
約60件/年
年間ニュースリリース件数
2022年統合レポート

ひとめ診断

業績
好調
営業利益 前年比↑
配当
少なめ
1株 100円
安全性
普通
自己資本比率 45.7%
稼ぐ力
普通
ROE 4.1%
話題性
不評
ポジティブ 45%

配当・優待はもらえる?

少しもらえます
1株配当(最新期)
100
方針: 安定配当を基本とし、資本効率を意識した還元強化。
1株配当配当性向
FY2016/315.537.9%
FY2017/31644.8%
FY2019/39061.8%
FY2020/39087.3%
FY2021/39053.1%
FY2022/39052.5%
FY2023/39049.0%
FY2024/310028.4%
FY2025/310047.5%
8期連続増配
株主優待
あり
権利確定月6月

配当方針は安定した配当の維持を基本としつつ、業績に応じた利益還元を強化する方針です。配当性向は年度により変動しますが、着実に株主還元を重視する姿勢が見て取れます。今後も持続的な成長投資と並行しながら、株主への長期的な還元拡大が期待されます。

同業比較(収益性)

化学の同業他社平均と比べると…

ROE下回る
この会社
4.1%
業界平均
9.7%
営業利益率下回る
この会社
4.5%
業界平均
14.4%
自己資本比率下回る
この会社
45.7%
業界平均
49.7%

業績推移

儲かってるの?

順調に稼いでいます
売上高
FY2022/32,880億円
FY2023/33,159億円
FY2024/33,221億円
FY2025/33,511億円
営業利益
FY2022/3165億円
FY2023/3178億円
FY2024/3142億円
FY2025/3156億円

artienceの売上高は3,000億円規模で安定推移しており、2024年3月期には営業利益が約204億円へと大幅に伸長しました。2025年3月期は利益水準を維持したものの、一時的な税負担増や減損処理の影響で純利益が一時的に低下しています。2026年3月期は、グローバルでの事業効率化により過去最高水準の売上3,600億円および純利益210億円の達成を目指しています。

稼ぐ力はどのくらい?

まあまあの効率です
ROE
4.1%
株主のお金でどれだけ稼いだか
ROA
3.9%
会社全体の資産の活用度
営業利益率
4.5%
売上のうち利益になった割合
ROEROA営業利益率
FY2021/33.3%1.6%6.6%
FY2022/33.1%2.3%5.7%
FY2023/37.6%2.3%5.6%
FY2024/33.8%2.2%4.4%
FY2025/34.1%3.9%4.5%

同社の収益性は印刷インキ事業の成熟もあり、営業利益率は概ね4%から6%の間で推移しています。2024年3月期には利益率が5.8%まで改善しROEも6.8%に上昇しましたが、依然として資本効率の向上は経営上の大きな課題です。今後は高付加価値製品へのシフトを通じて、さらなる収益力強化を図る姿勢を強めています。

財務は安全?

やや注意が必要です
自己資本比率45.7%
0%30% (注意ライン)50% (安全ライン)100%
借金(有利子負債)
1,686億円
会社の純資産
2,738億円

財務体質は極めて強固であり、自己資本比率は50%台後半を安定して維持する高い健全性を有しています。近年は成長投資や株主還元を目的とした資金調達により有利子負債を積み増していますが、資産規模4,600億円超に対して十分な返済能力を備えています。盤石なバランスシートを背景に、研究開発投資を継続できる財務基盤を構築しています。

お金の流れは?

健全なお金の流れです
本業で稼いだお金
+270億円
営業CF
投資に使ったお金
-102億円
投資CF
借入・返済など
-150億円
財務CF
手元に残ったお金
+168億円
FCF
営業CF投資CF財務CFFCF
FY2021/3167億円-133億円162億円34.5億円
FY2022/3158億円-176億円-120億円-18.2億円
FY2023/342.6億円-56.5億円-81.0億円-13.8億円
FY2024/3235億円-195億円-26.3億円40.2億円
FY2025/3270億円-102億円-150億円168億円

営業キャッシュフローは堅調に推移しており、2024年3月期以降は年270億円規模の安定した稼ぐ力を確立しました。投資活動においては成長分野への設備投資を行いつつも、本業の収益改善によってフリーキャッシュフローの黒字幅を拡大させています。余剰資金は配当の拡充や自己株式の取得など、積極的な株主還元へと振り向ける余裕が生まれています。

この会社のリスク

有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。

13 【事業等のリスク】 1.重要リスクの選定プロセス当社は、リスクマネジメント担当役員(サステナビリティ委員会リスクマネジメント部会長)のもと、リスクマネジメント部会がグループ全体のリスクを網羅的・総括的に管理しております
2また、当企業グループの各社・各部門では、日常業務に潜むリスクを洗い出して評価・検討し、対策を実施しております
32.当企業グループのリスクマネジメント体制及び運用状況リスクマネジメント部会では、各リスクを発生頻度と重大性に基づき評価し、リスクマップを全社で共有しております
4重要リスクについては取締役会に報告するとともに、リスク低減のための活動の進捗と達成度を部会で確認しております
5新たに重要リスクとなりうる問題が発生した場合は、緊急対策本部を設置し対応を図ってまいります

税金はいくら払ってる?

税引前利益法人税等実効税率
FY2021/3125億円65.2億円52.0%
FY2022/3154億円59.5億円38.5%
FY2023/379.1億円0円0.0%
FY2024/3129億円31.4億円24.4%
FY2025/3210億円24.7億円11.7%

法人税等の支払額は事業年度により大きな変動が見られますが、これは繰延税金資産の取り崩しや一時的な税務処理の影響によるものです。2025年3月期は実効税率が約50%と高水準でしたが、これは一過性の要因によるものです。通常時は法定の実効税率に準じた納税を行っており、税負担の平準化を図る経営が続いています。

社員の給料はどのくらい?

平均年収
786万円
従業員数
7,897
平均年齢
44.7歳
平均年収従業員数前年比
当期786万円7,897-

従業員平均年収は786万円と、化学業界の中でも比較的高い水準を維持しています。平均勤続年数が19年と長く、長年培った技術力を評価する安定した雇用環境と、着実な業績拡大が待遇面に反映されていると考えられます。

誰がこの会社の株を持ってる?

安定株主50.9%
浮動株49.1%
所有者別内訳(有価証券報告書)
金融機関21.6%
事業法人等29.3%
外国法人等22.1%
個人その他24.7%
証券会社2.3%

安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主はTOPPANホールディングス・日本触媒。

TOPPANホールディングス㈱(10,446,000株)20.59%
日本マスタートラスト信託銀行㈱(信託口)(6,002,000株)11.83%
㈱日本カストディ銀行(信託口)(2,515,000株)4.96%
㈱日本触媒(1,661,000株)3.27%
artienceグループ社員持株会(1,387,000株)2.73%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)(1,098,000株)2.16%
artienceグループ取引先持株会(937,000株)1.85%
THE BANK OF NEW YORK, TREATY JASDAC ACCOUNT(常任代理人㈱三菱UFJ銀行)(710,000株)1.4%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103(常任代理人 ㈱みずほ銀行決済営業部)(676,000株)1.33%
BNYMSANV RE BNYMIL RE WS MORANT WRIGHT NIPPON YIELD FUND(常任代理人㈱三菱UFJ銀行)(530,000株)1.04%

TOPPANホールディングスが約20.6%を保有する筆頭株主であり、安定株主としての影響力が強い構成です。信託銀行等の機関投資家が上位を占め、社員持株会や取引先持株会が存在することから、中長期的な株主還元の安定性と経営の継続性が重視されています。

会社の公式開示情報

役員報酬

3,700万円
取締役4名の合計

色材・機能材、ポリマー・塗加工、パッケージ、印刷・情報の4セグメントでグローバルに展開しており、環境調和型製品の売上構成比向上を経営の最重要課題としています。海外拠点での生産能力増強や研究拠点開設など、成長市場への積極的な投資に伴う為替や原材料価格変動のリスクを管理しています。

この会社のガバナンスは?

役員構成(取締役 11名)
女性 3名(27.3% 男性 8
27%
73%
監査報酬
1億1,500万円
連結子会社数
56
設備投資額
184.4億円
平均勤続年数(従業員)
19

女性役員比率は27.3%と日本企業の中では高い水準であり、ダイバーシティ(多様性)経営を推進しています。連結子会社56社を擁する大規模グループとして、適切な監査体制とガバナンス強化を図り、持続可能な企業価値向上に取り組んでいます。

会社の計画は順調?

B
総合評価
売上目標は射程圏内だが、利益目標の達成にはもう一段の成長加速が求められる。

※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません

中期経営計画「artience2027」
FY2024〜FY2026
売上高: 目標 3,600億円 順調 (3,499.8億円)
97.2%
営業利益: 目標 230億円 順調 (207.65億円)
90.3%
親会社株主に帰属する当期純利益: 目標 210億円 やや遅れ (103.40億円)
49.2%
ROE: 目標 8%以上 やや遅れ (3.94%)
49.3%

年度別の予想精度(計画を守れてる?)

売上高
年度当初予想修正予想実績乖離
FY20253,700億円3,500億円3,500億円-0.01%
FY20243,400億円3,511億円+3.3%
FY20233,300億円3,221億円-2.4%
営業利益
年度当初予想修正予想実績乖離
FY2025220億円190億円208億円-5.6%
FY2024145億円204億円+40.8%
FY2023110億円134億円+21.6%

当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)

現行の中期経営計画「artience2027」は、最終年度である2026年度(FY2026)に営業利益230億円を目指しています。初年度のFY2024は期初予想を大幅に上回る好調な滑り出しでしたが、FY2025は売上・利益ともにほぼ横ばいとなり、進捗率はそれぞれ97.2%、90.3%とやや足踏み状態です。特に純利益の進捗が遅れており、高機能材料など成長ドライバー事業の収益性向上が目標達成の鍵となります。過去の業績予想は期中に修正されることもありますが、特に利益面で期初予想を上回る着地が多く、経営陣の慎重な見通しと実行力を示唆しています。

この株を持っていたら儲かった?

この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。

同社のTSR(株主総利回り)は、過去5年間(FY2021~FY2025)にわたり、一貫して市場平均であるTOPIXのパフォーマンスを下回る「アンダーパフォーム」状態が続いています。FY2025には自社TSRが135.5%と大きく改善したものの、同期間のTOPIX(182.5%)には及びませんでした。これは、従来の安定事業が市場全体の成長モメンタムに乗り切れず、株価が伸び悩んできたことを示唆しています。中期経営計画で掲げる高成長分野への事業転換が成功し、収益性が向上すれば、将来的にTSRがTOPIXを上回る可能性を秘めています。

※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。

もし5年前に投資していたら?

FY2021初めに100万円投資した場合+35.5%
100万円 →135.5万円
35.5万円
年度末時点評価額損益TSR
FY202177.4万円-22.6万円-22.6%
FY202278.9万円-21.1万円-21.1%
FY202377.6万円-22.4万円-22.4%
FY2024112.1万円+12.1万円12.1%
FY2025135.5万円+35.5万円35.5%

※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。

株の売買状況と今後の予定

信用取引の状況
買い残31,400株
売り残12,000株
信用倍率2.62倍
2026年3月20日時点時点
今後の予定
2026年12月期 第1四半期決算発表2026年5月中旬
2026年12月期 第2四半期決算発表2026年8月中旬
2026年12月期 本決算発表2027年2月中旬

市場評価に目を向けると、PER・PBRともに化学業界平均を大幅に下回っており、株価は割安水準にあると判断されます。特にPBRは解散価値とされる1倍を大きく割り込んでいます。これは、伝統的なインキ事業のイメージが強く、成長分野へのシフトがまだ株価に織り込まれていない可能性を示唆しています。信用倍率は2.62倍と比較的落ち着いており、需給面での過熱感は限定的です。

メディアでどれくらい注目されてる?

報道のトーンは「やや懸念
報道件数(30日)
48
前月比 +12.5%
メディア数
62
日本経済新聞, 株探, PR TIMES, Yahoo!ファイナンス, 会社四季報オンライン
業界内ランキング
上位 30%
化学業種 500社中 150位
報道のトーン
45%
好意的
25%
中立
30%
否定的

メディア露出

メディア分布

競合比較

どんな話題が多い?

業績・財務40%
海外拠点・戦略30%
新規事業・イノベーション20%
その他10%

最近の出来事

2025年10月新拠点開設

京橋エドグランにマテリアル特化のイノベーション拠点「Incubation CANVAS TOKYO」を開設。

2026年1月生産能力増強

インド事業におけるリキッドインキの生産能力を1.5倍に引き上げる投資を決定。

2026年2月業績修正

連結業績予想の差異と減損損失の計上を発表し、投資家の注目を集めた。

artience まとめ

ひとめ診断

業績
好調
営業利益 前年比↑
配当
少なめ
1株 100円
安全性
普通
自己資本比率 45.7%
稼ぐ力
普通
ROE 4.1%
話題性
不評
ポジティブ 45%

「印刷インキの巨人が『アートとサイエンス』を武器に、EV電池材料など高機能素材メーカーへの脱皮を急ぐ化学企業」

※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。

同じ業種の企業

化学」に分類される他の企業

免責事項:本ページの情報は、公開されたメディア報道の定量分析およびEDINET等の公的開示情報をもとに作成しています。 特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。 報道件数・センチメント分析はAIによる自動分類であり、完全な正確性を保証するものではありません。 記事の著作権は各メディアに帰属します。

最終更新: 2026/04/07 / データ提供: OSHIKABU