三菱ガス化学
Mitsubishi Gas Chemical Company,Inc.
最終更新日: 2026年3月22日
メタノールから半導体材料まで、世界を支える化学の力で未来をデザインする
化学の力を通じて、豊かな社会の実現と地球環境の保全に貢献するグローバル企業を目指す。
この会社ってなに?
スマートフォンやパソコンの中にある半導体チップを載せる基板(BT材料)で世界トップシェアを持ち、私たちのデジタル生活を支えています。また、食品の鮮度を保つ脱酸素剤「エージレス」はコンビニのおにぎりやお菓子の袋の中に入っており、日常的にお世話になっている製品です。船舶燃料としてのメタノール供給など、脱炭素社会に向けた取り組みも進めています。
三菱ガス化学は1918年創業の総合化学メーカーで、メタノール・過酸化水素などの基礎化学品から、半導体パッケージ用BT材料・脱酸素剤「エージレス」などの機能化学品まで幅広く展開しています。FY2025/3は売上高7,736億円、営業利益509億円と堅調な実績を記録。FY2026/3は売上高7,300億円・営業利益460億円を見込んでいますが、Q3決算時に営業利益予想を上方修正するなど半導体パッケージ用BT材料の好調が続いています。メタノール市況の変動やホルムズ海峡封鎖リスクなど地政学的影響を受けやすい一方、グリーンメタノールや水素関連で新たな成長軸を構築中です。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区丸の内2-5-2 三菱ビル
- 公式
- www.mgc.co.jp
社長プロフィール
当社は創業以来100年以上にわたり、化学の力で社会課題の解決に貢献してまいりました。半導体材料やグリーンメタノールなど、次世代の成長分野に経営資源を集中し、持続的な企業価値の向上を目指します。
この会社のストーリー
日本初の合成メタノール製造を志し、三菱財閥グループの一員として創業。化学工業の基盤を築きました。
サウジアラビア等での大型メタノール合弁事業を開始し、世界有数のメタノールメーカーとしての地位を確立しました。
独自開発のBT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂が半導体パッケージの基板材料として世界シェアトップを獲得。高付加価値事業へのシフトが加速しました。
欧州メタキシレンジアミン工場の建設中止など不採算事業の整理を進める一方、グリーンメタノールや水素関連の新規事業開発に注力しています。
木質バイオマス由来のグリーンメタノール製造の商業化を目指し、船舶燃料向けメタノール供給など脱炭素ソリューションを本格展開します。
注目ポイント
スマートフォンやパソコンなどの半導体チップを載せる基板材料(BT材料)で世界トップシェアを持ち、デジタル社会のインフラを支えています。
木質バイオマスや廃棄物由来のグリーンメタノール製造の商業化を目指し、船舶燃料向け供給など脱炭素ソリューションを推進しています。
食品の鮮度保持に欠かせない脱酸素剤「エージレス」を開発・販売。食品ロスの削減を通じて、持続可能な社会の実現に貢献しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 16円 | 20.8% |
| FY2018/3 | 59円 | 21.0% |
| FY2019/3 | 70円 | 27.2% |
| FY2020/3 | 70円 | 69.7% |
| FY2021/3 | 70円 | 40.4% |
| FY2022/3 | 80円 | 34.5% |
| FY2023/3 | 80円 | 33.5% |
| FY2024/3 | 80円 | 41.9% |
| FY2025/3 | 95円 | 41.5% |
株主優待制度はありません。
年間配当金はFY2021/3の70円からFY2025/3の95円へ増配傾向にあり、FY2026/3は100円への増配が予想されています。配当性向は33%〜42%の範囲で推移しており、配当性向30%以上を目安とする方針のもと安定的な株主還元を継続しています。株主優待制度は実施していませんが、配当利回り2.4%前後を維持しています。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
過去5年間で売上高は5,957億円から8,134億円へ拡大した後、FY2025/3は7,736億円とメタノール市況の低迷により減収。営業利益は445億円〜554億円のレンジで推移しており、安定した収益基盤を維持しています。FY2026/3は売上高7,300億円・営業利益460億円を予想していますが、Q3時点で業績予想を上方修正しており、半導体パッケージ用BT材料の好調が業績を下支えしています。
事業ごとの売上・利益
メタノール・過酸化水素・ホルマリンなどの基礎化学品を製造。海外合弁でのメタノール生産が柱だが、市況変動の影響を受けやすい
半導体パッケージ用BT材料で世界トップシェア。脱酸素剤「エージレス」や高機能エンジニアリングプラスチックも展開する主力セグメント
メタキシレンジアミン(MXD)やキシリレンジイソシアネート(XDI)など天然ガス由来の特殊化学品を製造
メタキシレン・高純度テレフタル酸など石油化学系の化学品を製造。中国市況の影響を受けやすい
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 8.0% | 4.3% | - |
| FY2022/3 | 11.4% | 5.2% | - |
| FY2023/3 | 11.4% | 4.8% | - |
| FY2024/3 | 9.4% | 3.6% | 5.8% |
| FY2025/3 | 10.2% | 4.1% | 6.6% |
営業利益率は5.8%〜7.8%のレンジで推移しており、化学業界平均並みの水準です。ROEは5.7%〜7.7%と安定しているものの、中計目標の10%にはまだ届いていません。FY2025/3はFY2024/3から改善に転じており、不採算事業の整理とBT材料などの高付加価値製品へのシフトが進む中で、今後の収益性向上が期待されます。
財務は安全?
総資産は5年間で約8,364億円から1兆1,197億円へ拡大し、自己資本比率は59%〜63%と安定的に推移しています。FY2024/3以降は成長投資のため有利子負債が増加し、FY2025/3は3,755億円に達していますが、自己資本比率59.7%は化学業界平均を上回る健全な水準です。BPS(1株純資産)は2,520円から3,432円へ着実に増加しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 555億円 | -404億円 | 51.5億円 | 151億円 |
| FY2022/3 | 521億円 | -650億円 | -36.7億円 | -129億円 |
| FY2023/3 | 552億円 | -641億円 | 80.0億円 | -88.5億円 |
| FY2024/3 | 735億円 | -762億円 | -407億円 | -27.0億円 |
| FY2025/3 | 754億円 | -910億円 | 47.1億円 | -156億円 |
営業CFは5年間で555億円から754億円へ拡大し、安定したキャッシュ創出力を示しています。一方、投資CFはBT材料の生産能力増強やJSP子会社化などの成長投資により年々拡大しており、FY2025/3は910億円に達しました。その結果フリーキャッシュフローはマイナスが続いていますが、これは将来の収益力強化のための積極的な先行投資の表れです。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 502億円 | 142億円 | 28.2% |
| FY2022/3 | 742億円 | 259億円 | 34.9% |
| FY2023/3 | 698億円 | 207億円 | 29.6% |
| FY2024/3 | 460億円 | 72.2億円 | 15.7% |
| FY2025/3 | 603億円 | 148億円 | 24.5% |
法人税等の支払額は5年間で約142億円から259億円の範囲で推移しています。FY2024/3は実効税率15.7%と大幅に低下しましたが、これは海外関連会社からの受取配当金や税額控除の影響です。FY2025/3は24.5%に正常化しており、全体として適正な納税が継続されています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 881万円 | 8,146人 | - |
平均年収は881万円で化学業界の中では上位水準です。平均年齢40.1歳、平均勤続年数17.4年と長期勤続者が多く、安定した雇用環境を反映しています。連結従業員数は約8,100名で、グローバルに事業を展開する大手化学メーカーとしての規模を有しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は明治安田生命保険相互会社・日本生命保険相互会社。
信託銀行経由の機関投資家が約25%を保有し、明治安田生命・日本生命など生保系の安定株主が一定の存在感を持っています。外国法人等が21.7%を占めグローバルに評価される一方、AGCなど事業パートナーも株主に名を連ね、安定した株主構成を維持しています。金融機関の保有比率が49.5%と高く、株主構成は総じて安定的です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 基礎化学品 | 約2,800億円 | 約150億円 | 約5.4% |
| 機能化学品 | 約2,500億円 | 約200億円 | 約8.0% |
| 天然ガス系化学品 | 約1,600億円 | 約120億円 | 約7.5% |
| 芳香族化学品 | 約800億円 | 約40億円 | 約5.0% |
研究開発費
基礎化学品・機能化学品・天然ガス系化学品・芳香族化学品の4セグメントで事業を展開しています。特に機能化学品セグメントの半導体パッケージ用BT材料が高収益の柱であり、世界トップシェアを維持しています。役員報酬は取締役9名に対し総額4億9,900万円。研究開発費は売上高比約2.3%で、グリーンメタノールや水素関連の新規事業開発に注力しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は12.5%で改善の余地があるものの、社外取締役を含む多様な経営体制を構築しています。連結子会社45社を有するグローバル企業として、設備投資額は年間約350億円と積極的な投資を継続。平均勤続年数17.4年は長期雇用の安定性を示しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 8,500億円 | — | 8,134億円 | -4.3% |
| FY2025 | 7,800億円 | — | 7,736億円 | -0.8% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 520億円 | — | 509億円 | -2.1% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画では営業利益700億円以上・ROE10%以上を目標に掲げていましたが、メタノール市況の低迷と欧州メタキシレンジアミン工場の建設中止などにより、いずれも未達の状況です。一方で半導体パッケージ用BT材料は世界トップシェアを活かして好調に推移しており、業績予想の精度は直近で改善傾向にあります。不振事業の整理を進めながら成長分野への経営資源シフトを加速しています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
直近5年間のTSR(株主総利回り)は232.2%とTOPIXの213.4%をアウトパフォームしています。FY2022-FY2023はメタノール市況の低迷で一時的に低下しましたが、FY2024にかけて半導体材料の好調と株価上昇により大きく回復。長期的には市場平均を上回るリターンを株主に提供しています。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 236.7万円 | +136.7万円 | 136.7% |
| FY2022 | 189.7万円 | +89.7万円 | 89.7% |
| FY2023 | 186.5万円 | +86.5万円 | 86.5% |
| FY2024 | 246.6万円 | +146.6万円 | 146.6% |
| FY2025 | 232.2万円 | +132.2万円 | 132.2% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
化学セクターの中ではPERが21.5倍とセクター平均(約11.4倍)の約2倍の水準にあり、半導体材料事業への期待がプレミアムとして反映されています。PBRは1.16倍でセクター平均(約1.1倍)とほぼ同等。信用倍率は6.36倍と買い優勢で、個人投資家の注目度が高い銘柄です。配当利回りはセクター平均をやや下回りますが、増配傾向にあります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
ホルムズ海峡封鎖によりサウジアラビアからのメタノール調達が停止。株価は高値から8日で24%下落。
Q3決算で半導体パッケージ用BT材料の好調を受け営業利益予想を上方修正。株価は上場来高値を更新。
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三菱ガス化学 まとめ
ひとめ診断
「メタノールから半導体材料まで、世界トップシェア製品を複数持つ総合化学メーカー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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