ペプチドリーム
PeptiDream Inc.
最終更新日: 2026年3月22日
東大発の革新的ペプチド創薬技術で世界の製薬業界を変革する日本のバイオベンチャーの雄
革新的な創薬技術で世界中の患者さんに新しい治療の選択肢を届け、人類の健康に貢献すること。
この会社ってなに?
ペプチドリームの技術は、がん・免疫疾患・神経疾患などの治療薬開発に使われています。同社が創製するペプチドは、従来の低分子薬やバイオ医薬品では対処が難しかった疾患ターゲットにも結合でき、より効果的で副作用の少ない新薬の実現につながります。また、子会社PDRファーマの放射性医薬品は、がんの診断・治療において病院で直接使われる製品であり、私たちの医療に身近な存在です。
ペプチドリームは、東京大学の菅裕明教授が開発した特殊ペプチド探索技術「PDPS(Peptide Discovery Platform System)」を基盤に、世界中の大手製薬企業と創薬共同研究を展開する日本屈指のバイオベンチャーです。2022年に富士フイルム富山化学の放射性医薬品事業を買収し、子会社PDRファーマを通じて放射性医薬品の開発・製造・販売にも参入しました。2025年6月期は提携先からのマイルストーン収入の減少と先行投資が重なり売上収益185億円、営業損益50億円の赤字となりましたが、2026年6月期はノバルティスやヤンセンファーマとの大型提携の進展により売上収益320億円、営業利益46億円と黒字転換を見込んでいます。
会社概要
- 業種
- 医薬品
- 決算期
- 6月
- 本社
- 神奈川県川崎市川崎区殿町3-25-23
- 公式
- www.peptidream.com
社長プロフィール
ペプチドリームは、革新的なペプチド創薬プラットフォームと放射性医薬品事業の二本柱で、世界の患者さんに新たな治療選択肢を届けることを目指しています。創業以来培ってきた独自技術を基盤に、グローバルな製薬企業との協業を通じて持続的な成長を実現してまいります。
この会社のストーリー
東京大学大学院の菅裕明教授が開発した特殊ペプチド探索技術を事業化するため、窪田規一氏とともにペプチドリームを設立しました。
IPO初値7,900円(公開価格2,500円の3.16倍)を記録し、日本のバイオベンチャーの雄として注目を集めました。
ノバルティス、ブリストル・マイヤーズ スクイブなど世界的な製薬企業との創薬提携を次々と締結し、PDPSの技術力が世界に認められました。
富士フイルム富山化学の放射性医薬品事業を買収し、PDRファーマを設立。創薬開発と放射性医薬品の二本柱体制を構築しました。
ノバルティスとの提携を大幅拡大し、一時金1.8億ドル(約280億円)を獲得。過去最高の売上収益466億円を達成しました。
提携先確保の遅れで赤字転落。元COOの不正行為も発覚し、経営の立て直しとガバナンス強化に取り組む年となりました。
ヤンセンファーマやAlnylam社との提携進展により黒字転換を目指し、放射性医薬品事業の拡大とともに第2の成長フェーズへ突入します。
注目ポイント
東大発の独自技術PDPSは、数兆種類の特殊ペプチドから最適な薬剤候補を高速で発見できる世界に類のないプラットフォームです。
ノバルティス、J&J、メルク、アステラスなど世界トップクラスの製薬企業との提携実績は、同社の技術力の証です。
PDRファーマによる開発・製造・販売の一貫体制は国内唯一。次世代がん治療として注目されるRI医薬品分野で先行者優位を確立しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2017/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2018/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2019/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2020/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2021/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 0円 | 0.0% |
現在、株主優待制度は実施していません。
ペプチドリームは創業以来、配当を実施しておらず、利益は研究開発投資と事業拡大に全額充当する方針を維持しています。放射性医薬品事業の買収(2022年)や、グローバル創薬パイプラインの拡充に向けた先行投資を優先する成長フェーズにあり、当面は無配が継続する見通しです。株主優待制度も実施していないため、インカムゲインではなくキャピタルゲインを期待する銘柄です。
同業比較(収益性)
医薬品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
ペプチドリームの業績は、提携先からのマイルストーン収入のタイミングに大きく左右される構造です。FY2024/6期はNovartis社との大型提携により売上収益466億円、営業利益211億円と過去最高を記録しましたが、FY2025/6期は提携先の確保に遅れが生じ、売上収益185億円、営業損益50億円の赤字に転落しました。FY2026/6期はヤンセンファーマやAlnylam社との提携進展により売上収益320億円、営業利益46億円と黒字転換を見込んでいます。
事業ごとの売上・利益
独自のペプチド探索プラットフォーム(PDPS)を用いた製薬企業との共同研究・ライセンス収入。Novartis、ヤンセンファーマ、Alnylam等との大型提携が柱
2022年に富士フイルム富山化学から買収した放射性医薬品の開発・製造・販売。がんの診断・治療用RI医薬品を医療機関に提供
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 23.4% | 17.0% | - |
| FY2022/3 | 15.6% | 14.1% | - |
| FY2023/3 | 15.8% | 10.4% | - |
| FY2024/3 | 16.6% | 6.3% | 53.3% |
| FY2025/3 | 43.8% | 22.5% | 67.4% |
マイルストーン収入が計上される期には営業利益率40%超の高い収益性を示しますが、収入の谷間となる期にはROE・ROAともにマイナスに転じるなど、業績の振れ幅が非常に大きい点が特徴です。FY2024/6期はROE 26.5%、営業利益率45.2%と高水準を達成しましたが、FY2025/6期は赤字転落により全指標がマイナスとなりました。ビジネスモデルの特性上、単年度の指標だけでなく複数年での平均的な収益性で評価することが重要です。
財務は安全?
FY2021/6期までは無借金経営でしたが、FY2024/6期に放射性医薬品事業の拡大に伴い有利子負債が223億円に増加しました。それでも自己資本比率は66.9%と高水準を維持しており、財務基盤は堅固です。FY2022/6期に総資産が急増したのは、富士フイルム富山化学の放射性医薬品事業買収によるものです。BPSは398.5円で、PBR 3.00倍は将来の成長期待を織り込んだ水準です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 17.3億円 | -12.0億円 | -2.4億円 | 5.3億円 |
| FY2022/3 | 66.5億円 | -22.8億円 | 6,600万円 | 43.7億円 |
| FY2023/3 | -3.5億円 | -273億円 | 210億円 | -277億円 |
| FY2024/3 | 124億円 | 13.0億円 | 2.6億円 | 137億円 |
| FY2025/3 | 238億円 | 83.7億円 | -29.9億円 | 322億円 |
キャッシュフローもマイルストーン収入のタイミングにより大きく変動します。FY2024/6期はNovartis社からの大型一時金により営業CF 238億円、FCF 322億円と潤沢なキャッシュを創出しましたが、FY2025/6期は収入の谷間により営業CF -132億円と大幅なマイナスに転じました。FY2022/6期の投資CF -273億円は放射性医薬品事業の買収によるものです。手元現金は286億円(FY2025/6期末)と十分な水準を確保しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 69.8億円 | 25.3億円 | 36.2% |
| FY2022/3 | 47.7億円 | 9.7億円 | 20.3% |
| FY2023/3 | 80.9億円 | 14.3億円 | 17.7% |
| FY2024/3 | 63.5億円 | 20.0億円 | 31.5% |
| FY2025/3 | 205億円 | 0円 | 0.0% |
FY2021/6期は約47億円の税引前利益に対し約11億円を納税しており、実効税率は24.5%と標準的な水準でした。FY2026/6期は黒字転換に伴い約16億円の納税を見込んでいます。FY2025/6期は赤字のため法人税負担は大幅に減少しましたが、繰延税金資産の計上により将来の税負担軽減効果が期待されます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 1,169万円 | 621人 | - |
平均年収は約1,169万円と、国内バイオベンチャーとしては非常に高い水準です。従業員数は621名と少数精鋭の体制で、平均年齢39.7歳と若い研究者中心の組織構成が特徴です。創薬プラットフォーム技術を支える高度な専門人材を確保するため、業界水準を上回る報酬を提供しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。
創業者の窪田規一氏(約9.5%)と菅裕明東大教授(約9.1%)が個人として大口保有しており、経営陣の株主としてのコミットメントが高い点が特徴です。信託銀行を通じた機関投資家の保有も約22%と一定の水準にあり、TAIYO FUNDなど海外アクティビスト系ファンドの存在も注目されます。浮動株比率が高く、市場での売買が活発な一方、株価のボラティリティも大きくなりやすい構造です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 創薬開発事業(PDPS関連) | 約80億円 | - | - |
| 放射性医薬品事業(PDRファーマ) | 約105億円 | - | - |
ペプチドリームは「創薬開発事業」と「放射性医薬品事業」の2本柱で事業を展開しています。創薬開発事業では世界最高水準のペプチド探索技術PDPSを核に、グローバル製薬大手と50件以上の提携実績を持ちます。放射性医薬品事業ではPDRファーマを通じて国内唯一の一気通貫体制(開発・製造・販売)を構築しており、Novartis社との放射性医薬品での協業も進行中です。事業リスクとしてはマイルストーン収入への依存度の高さと、元COOの不正行為に関連するガバナンス課題が重要な監視項目です。
この会社のガバナンスは?
取締役6名中2名が女性で、女性役員比率33.3%は東証プライム市場の中でも高い水準です。監査等委員会設置会社として経営の透明性確保に取り組んでいますが、2025年に元COOの試薬持ち出し問題が発覚し、ガバナンス体制の強化が課題となっています。平均勤続年数5.3年はバイオベンチャーとしては標準的で、専門性の高い研究者の流動性が一定程度あることを示しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 490億円 | 185億円 | 185億円 | -62.2% |
| FY2024 | 350億円 | — | 466億円 | +33.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 217億円 | -50億円 | -50億円 | 赤字転落 |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
FY2024/6期はNovartis社との大型提携が奏功し、期初予想を大幅に上回る着地となりましたが、FY2025/6期は一転して期中に売上収益を490億円から185億円へ大幅下方修正し赤字転落となりました。マイルストーン収入に依存するビジネスモデルのため、提携先との交渉状況により業績のブレ幅が大きい点が予想精度低下の主因です。FY2026/6期は黒字転換を目指しますが、市場予想(営業利益150億〜190億円)には届かない水準であり、慎重な評価が求められます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
ペプチドリームのTSR(株主総利回り)は47.2%で、TOPIX(151.5%)を大幅に下回る状況が続いています。2013年のIPO以降、上場来高値17,740円から大きく下落しており、長期保有の株主にとっては厳しいリターンとなっています。創薬パイプラインの進展や大型提携の実現により株価の反転が期待されますが、現時点ではTOPIXに対して明確なアンダーパフォームです。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 193.6万円 | +93.6万円 | 93.6% |
| FY2022 | 145.4万円 | +45.4万円 | 45.4% |
| FY2023 | 137.1万円 | +37.1万円 | 37.1% |
| FY2024 | 126.5万円 | +26.5万円 | 26.5% |
| FY2025 | 147.2万円 | +47.2万円 | 47.2% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は14.97倍と買い残が大幅に優勢で、個人投資家の底値拾い・反転期待が強い状況です。PERは16.3倍と来期予想ベースではセクター平均を下回りますが、赤字期を含む不安定な業績のため単純な比較は困難です。PBR 3.00倍は将来の創薬パイプラインの価値を織り込んだプレミアムが付いている状態です。無配のため配当利回りは0%で、インカムゲインを期待する投資家には不向きな銘柄です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
2025年6月期通期決算を発表。売上収益185億円(前期比-60.3%)、営業損益50億円の赤字に転落。提携先からのマイルストーン収入の減少が主因。
ヤンセンファーマ(J&J)との創薬共同研究で重要な開発マイルストーンを達成し、収入を獲得。パイプラインの価値を示す成果となった。
2025年6月期の連結最終損益を一転赤字に下方修正。提携先の確保に遅れが生じたことが要因。
元取締役副社長COOによる試薬類約5,400万円相当の持ち出しが判明。調査報告書を公表しガバナンス強化を表明した。
Novartis社とのペプチド創薬提携を拡大。一時金1.8億ドル(約280億円)を含む大型契約を締結し、放射性医薬品分野での協業を強化した。
最新ニュース
ペプチドリーム まとめ
ひとめ診断
独自のペプチド創薬プラットフォーム(PDPS)を武器に、世界の大手製薬企業と多数提携する東大発バイオベンチャーの雄
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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