科研製薬4521
KAKEN PHARMACEUTICAL CO.,LTD.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが、あるいはご家族が膝の関節痛で病院にかかった時、お医者さんから注射される薬の一つが科研製薬の「アルツ」かもしれません。また、足の爪が白く厚くなる「爪水虫」の治療で処方される塗り薬「クレナフィン」も、同社の代表的な製品です。このように、科研製薬は多くの人が悩む整形外科や皮膚科の病気に対して、病院で処方される身近な薬を開発・販売しています。普段何気なく使っているお薬の裏側で、同社が私たちの健康を支えているのです。
関節機能改善剤「アルツ」や爪白癬治療剤「クレナフィン」を主力とする医薬品メーカー。2025期は売上高940.4億円、営業利益210.34億円と大幅な増収増益を達成しました。しかし、主力品の特許切れや後発品の影響で、2026期は営業利益52.00億円への大幅減益を予想しています。この厳しい局面を打開すべく、米Aadi Subsidiary社などの海外企業買収や創薬ベンチャーとの協業を加速させ、グローバル展開とパイプラインの拡充を急いでいます。
会社概要
- 業種
- 医薬品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都文京区本駒込二丁目28番8号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 9.8% | 8.2% | - |
| 2022/03期 | 7.0% | 5.8% | - |
| 2023/03期 | 4.0% | 3.3% | - |
| 2024/03期 | 5.7% | 4.7% | 13.2% |
| 2025/03期 | 9.4% | 7.7% | 22.4% |
| 3Q FY2026/3 | 1.0%(累計) | 0.8%(累計) | 1.0% |
収益性は、主力製品の特許期間やジェネリック医薬品の影響を強く受け、営業利益率は2021/03期の23.7%から2023/03期には11.0%まで低下しました。その後、2025/03期には22.4%まで回復しましたが、競争の激化に伴う販売費や研究開発費のコントロールが収益性を維持する上での鍵を握っています。ROE(自己資本利益率)も利益水準に連動して変動しており、効率的な資本運用と安定した利益創出の両立が求められています。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 750億円 | — | 134億円 | 347.4円 | - |
| 2022/03期 | 760億円 | — | 95.5億円 | 251.4円 | +1.4% |
| 2023/03期 | 730億円 | — | 54.4億円 | 144.8円 | -4.0% |
| 2024/03期 | 720億円 | 95.1億円 | 80.3億円 | 212.7円 | -1.3% |
| 2025/03期 | 940億円 | 210億円 | 139億円 | 365.4円 | +30.5% |
科研製薬は、主力製品である関節機能改善剤や爪白癬治療薬の動向が業績を大きく左右する構造です。2025/03期には一時的な収益改善が見られたものの、2026/03期予想では後発品の影響や市場環境の変化により売上高約880億円、営業利益52億円への大幅な減益を見込んでいます。業界全体の価格競争が激化する中、中長期的な成長に向けたパイプラインの拡充が重要課題となっています。 【3Q 2026/03期実績】売上576億円(通期予想比65%)、営業利益5.5億円(同11%)、純利益14億円(同41%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
医薬品の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
科研製薬は、関節機能改善剤や爪白癬症薬を主力とする医薬品専業メーカーです。2026年3月期の業績については、主力製品の特許切れや後発品投入に伴う競争激化により大幅な下方修正を余儀なくされました。今後は新規パイプラインの拡充や海外展開による収益性の回復が重要な経営リスク要因となっています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 751億円 | — | 940億円 | +25.2% |
| 2024期 | 731億円 | — | 720億円 | -1.5% |
| 2023期 | 764億円 | — | 730億円 | -4.5% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 74億円 | — | 210億円 | +184.2% |
| 2024期 | 76億円 | — | 95億円 | +25.2% |
| 2023期 | 150億円 | — | 80億円 | -46.7% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
同社は中期経営計画に代わり「長期経営計画2031」を策定しています。直近の2025期実績は会社予想を大幅に上回る好決算でしたが、これは一時的な要因も含まれます。2026期のガイダンスでは、主力品の特許切れ影響から売上880.0億円、営業利益52.00億円と大幅な減益を計画しており、計画達成への道のりは平坦ではありません。計画達成の鍵は、海外M&Aで獲得した新薬候補の上市や、オープンイノベーションによるパイプライン拡充の成功にかかっています。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
26年3月期の連結経常利益予想を大幅下方修正し、投資家心理が悪化しました。
米国Aadi Subsidiary, Inc.の買収を発表し、海外事業体制の強化を図りました。
患者向け疾患啓発ウェブサイト「KAKEN Health Note」を開設しました。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
同社は非常に強固な財務体質を誇り、2025/03期時点でも自己資本比率は80%超と高い水準を維持しています。長らく無借金経営を継続してきましたが、近年の戦略的な買収や投資活動に伴い、直近では約77億円の有利子負債を計上する構成に変化しました。現預金と資産のバランスは良好で、新規事業への投資余力は十分に確保されていると言えます。 【3Q 2026/03期】総資産1764億円、純資産1458億円、自己資本比率77.3%、有利子負債39億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 144億円 | 16.4億円 | 87.5億円 | 127億円 |
| 2022/03期 | 133億円 | 78.9億円 | 81.3億円 | 54.5億円 |
| 2023/03期 | 92.5億円 | 26.3億円 | 69.9億円 | 66.3億円 |
| 2024/03期 | 25.8億円 | 58.5億円 | 56.6億円 | 32.8億円 |
| 2025/03期 | 298億円 | 197億円 | 53.7億円 | 101億円 |
営業キャッシュフローは、主力医薬品の販売により安定的に稼ぎ出す能力を有していますが、年によって変動があります。特に2025/03期は積極的な買収活動による投資キャッシュフローの増大が見られる一方、営業活動によるキャッシュは約298億円と高い創出力を維持しました。配当金支払いをはじめとする財務活動は継続しており、全体として手元資金を成長投資へと最適化するサイクルを形成しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は8.3%と依然として低い水準にあります。監査役会設置会社として4,000万円の監査報酬を投じ、監査体制の強化を図っていますが、取締役会の多様性確保は今後の課題といえます。連結子会社4社を擁する企業規模に適したガバナンス体制を維持しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 836万円 | 1,126人 | - |
従業員平均年収は836万円と、国内の全産業平均と比較して高い水準を維持しています。医薬品業界は専門性の高い人材が求められるため給与水準が高い傾向にありますが、科研製薬においても長期勤続を前提とした安定した報酬体系が構築されています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
TSR(株主総利回り)は、配当と株価変動を合わせた投資家リターンを示す指標です。2021期から2025期までの5年間、科研製薬のTSRは一貫して市場平均であるTOPIXをアンダーパフォーム(下回る)しています。これは、主力製品の特許切れ懸念や薬価改定が株価の長期的な低迷要因となり、増配効果を打ち消してしまったことが背景にあります。株主価値向上のためには、M&Aや新薬開発を成功させ、持続的な成長ストーリーを市場に示すことが急務です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2017/03期 | 150円 | 27.9% |
| 2018/03期 | 150円 | 31.9% |
| 2019/03期 | 150円 | 33.6% |
| 2020/03期 | 150円 | 30.3% |
| 2021/03期 | 150円 | 43.2% |
| 2022/03期 | 150円 | 59.7% |
| 2023/03期 | 150円 | 103.6% |
| 2024/03期 | 150円 | 70.5% |
| 2025/03期 | 190円 | 52.0% |
現在、株主優待制度は実施していません。
科研製薬は、安定的な株主還元を重視しており、継続的な配当維持と業績に応じた増配を基本方針としています。過去には利益変動があっても一定の配当水準を維持する姿勢を示しており、高い配当利回りが特徴です。今後は収益性の改善に伴い、配当性向を意識した適正な還元が期待されます。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 89.2万円 | 10.8万円 | -10.8% |
| 2022期 | 83.3万円 | 16.7万円 | -16.7% |
| 2023期 | 82.4万円 | 17.6万円 | -17.6% |
| 2024期 | 80.7万円 | 19.3万円 | -19.3% |
| 2025期 | 104.8万円 | 4.8万円 | 4.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は1.49倍と均衡しており、短期的な需給の偏りは見られません。業界平均と比較すると、PERは割高ですが、PBRは割安な水準にあります。これは、直近の利益水準は高いものの、将来の成長への期待が株価に織り込まれきっていないことを示唆します。4.47%という高い配当利回りが株価の下支え要因となっており、高配当を重視する投資家からの注目が集まっています。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 182億円 | 48.2億円 | 26.4% |
| 2022/03期 | 175億円 | 79.9億円 | 45.6% |
| 2023/03期 | 87.3億円 | 32.9億円 | 37.7% |
| 2024/03期 | 99.5億円 | 19.3億円 | 19.4% |
| 2025/03期 | 213億円 | 73.3億円 | 34.5% |
法人税等の実効税率は、事業環境の変化や繰延税金資産の影響により年度ごとに変動が見られます。2022/03期や2023/03期などは一時的な税負担率の上昇が発生していますが、これは会計上の利益調整や制度変更に起因するものです。概ね日本の法人税率水準に収まっており、財務上の大きな懸念点とはなっていません。今後も税引前利益の変動に応じた適切な納税が行われる見込みです。
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「『関節と爪』の治療薬で知られる老舗が、特許切れの崖を海外M&Aとオープンイノベーションで乗り越えようとしている」
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