日本新薬
Nippon Shinyaku Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月22日
京都から世界の難病に挑む -- 希少疾患創薬のフロントランナー
人々の健康と豊かな生活創りに貢献する
この会社ってなに?
日本新薬の薬は、主に難病や希少疾患の患者さんの生活を支えています。例えば、遺伝性の筋肉疾患であるデュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療薬「ビルテプソ」は、世界中の患者さんに新たな治療の選択肢を提供しています。また、機能食品事業では「winzone」ブランドのプロテインやサプリメントを展開し、スポーツ愛好者やアスリートの栄養サポートも行っています。身近なところでは、コラーゲンやビタミンのサプリメントも販売しており、日々の健康管理にも関わっています。
日本新薬は、難病・希少疾患を中心とした医薬品事業と、プロテオグリカンやコラーゲンを活用した機能食品事業の二本柱で展開する創薬型製薬企業です。FY2025/3の売上収益は1,602億円(前期比+8.1%)、営業利益は354億円(営業利益率22.1%)と堅調に推移。主力のデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)治療薬「ビルテプソ」は米国で自社販売を行い、肺動脈性肺高血圧症治療薬「ウプトラビ」のロイヤリティ収入も安定した利益を支えています。FY2026/3は売上収益1,730億円(+8.0%)を計画する一方、営業利益は300億円に減益予想で、新薬の研究開発投資を積極化するフェーズに入っています。第七次中期経営計画では2029年3月期に売上高2,300億円、2030年度に売上高3,000億円を目標に掲げ、グローバル成長を加速させています。
会社概要
- 業種
- 医薬品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14
- 公式
- www.nippon-shinyaku.co.jp
社長プロフィール
「人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供する」という経営理念のもと、難病・希少疾患に苦しむ患者さんのために、独自の創薬技術でグローバルに挑戦し続けます。パテントクリフを乗り越え、次の100年の成長基盤を築きます。
この会社のストーリー
京都市で日本新薬株式会社を設立。医薬品の製造・販売を開始し、日本の医療に貢献する企業としての第一歩を踏み出しました。
前立腺肥大症治療薬など泌尿器科領域で独自の地位を確立。自社創薬の伝統を築きました。
エクソン・スキッピング技術を用いたDMD治療薬の開発を本格化。難病・希少疾患領域への集中戦略を明確にしました。
DMD治療薬「ビルテプソ(ビルトラルセン)」が米国FDAの承認を取得。自社初のグローバル自社販売品として、米国市場に参入しました。
第七次中期経営計画「For Global Growth Beyond the Cliff」を発表。主力品の特許切れを乗り越え、売上高3,000億円を目指す長期ビジョンを掲げました。
DMD治療薬候補CAP-1002の第3相試験が良好な結果を示し、株価がストップ高に。FDA審査期限は2026年8月に設定され、承認取得への期待が高まっています。
注目ポイント
DMD治療薬「ビルテプソ」を米国で自社販売し、肺動脈性肺高血圧症治療薬「ウプトラビ」は世界的なロイヤリティ収入源に。競合が少ない希少疾患領域に集中することで、高い参入障壁と安定した収益を実現しています。
有利子負債ゼロ、自己資本比率87.1%という圧倒的な財務健全性を誇ります。5年連続で営業利益率20%超を維持しつつROE13%台を確保。堅牢な財務基盤が積極的な研究開発投資を可能にしています。
DMD治療薬候補CAP-1002が第3相試験で良好な結果を示し、2026年8月のFDA承認審査に向けて前進中。承認取得が実現すれば、ビルテプソに次ぐ第2のグローバル新薬として大きな売上貢献が期待されます。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 28円 | 29.8% |
| FY2017/3 | 48円 | 27.5% |
| FY2018/3 | 52円 | 27.0% |
| FY2019/3 | 70円 | 28.9% |
| FY2020/3 | 86円 | 34.3% |
| FY2021/3 | 99円 | 32.2% |
| FY2022/3 | 110円 | 29.7% |
| FY2023/3 | 114円 | 33.7% |
| FY2024/3 | 124円 | 32.3% |
| FY2025/3 | 124円 | 25.7% |
株主優待制度なし
配当金は5期連続で99円から124円へと着実に増加し、4期連続増配を達成しています。配当利回りは2.47%で安定的な水準を維持。配当性向は25〜34%の範囲で推移しており、DOE(株主資本配当率)を勘案しながら安定配当を維持する方針を掲げています。株主優待制度は設けていません。
同業比較(収益性)
医薬品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
日本新薬の売上収益は5年間で約1,219億円から1,602億円へと31.4%成長し、営業利益率は20%台前半を安定維持しています。FY2025/3は売上・利益ともに過去最高を更新。FY2026/3は売上収益1,730億円(+8.0%)と増収を見込む一方、営業利益は300億円(-15.4%)と減益予想ですが、これは新薬パイプラインへの研究開発投資の積極化によるもので、将来の成長に向けた戦略的な投資フェーズです。
事業ごとの売上・利益
難病・希少疾患領域を中心とした医療用医薬品の研究開発・製造・販売。主力品はDMD治療薬「ビルテプソ」(米国自社販売)、肺動脈性肺高血圧症治療薬「ウプトラビ」(ロイヤリティ収入)、血液がん治療薬等。売上全体の約89%を占める中核事業。
プロテオグリカンやコラーゲンを活用した機能性食品・サプリメントの製造・販売。スポーツニュートリションブランド「winzone」やコラーゲン製品を展開。医薬品技術を応用した高品質な商品開発が強み。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 15.5% | 13.4% | - |
| FY2022/3 | 14.0% | 15.1% | - |
| FY2023/3 | 11.0% | 12.8% | - |
| FY2024/3 | 11.4% | 12.8% | 23.7% |
| FY2025/3 | 6.8% | 12.7% | 23.3% |
ROEは5年間で11.6〜13.8%と安定的に高水準を維持し、中計目標の8%を大幅に上回っています。営業利益率も20%超を継続し、医薬品業界の中でも優秀な収益性です。特にFY2022/3は営業利益率24.0%と最高値を記録。無借金経営を維持しながらROA10%前後を確保しており、資本効率の高い経営が実現されています。
財務は安全?
自己資本比率は5期連続で82%以上を維持し、FY2025/3には87.1%と極めて高水準に到達。有利子負債はゼロの完全無借金経営を継続しています。総資産はFY2021/3の1,970億円からFY2025/3の2,836億円へと44%増加し、純資産も着実に積み上がっています。BPSは3,666円と5年間で約52%上昇し、1株当たりの企業価値が着実に向上しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 214億円 | -15.6億円 | -62.0億円 | 198億円 |
| FY2022/3 | 160億円 | -63.6億円 | -68.0億円 | 96.6億円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 163億円 | -99.2億円 | -97.2億円 | 63.7億円 |
| FY2025/3 | 361億円 | -289億円 | -99.0億円 | 72.5億円 |
営業CFは5年間で安定的に黒字を維持し、FY2025/3は361億円と過去最高を記録。投資CFはFY2025/3に-289億円と大幅増加していますが、これは成長に向けた設備投資・研究開発投資の積極化を反映しています。FCFは73億円と前期比で改善。財務CFは毎期-60〜100億円の範囲で、主に配当金の支払いに充当されています。無借金経営のため借入返済負担がなく、キャッシュフローの健全性は非常に高い水準にあります。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 268億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 298億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 270億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 286億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 168億円 | 0円 | 0.0% |
FY2021/3の実効税率は22.6%と法定実効税率を下回る水準でした。FY2026/3は税引前利益300億円に対し法人税等60億円(実効税率20.0%)を見込んでいます。研究開発税制の税額控除等が実効税率の低減に寄与していると考えられます。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 919万円 | 2,243人 | - |
単体の平均年収は919万円で、医薬品業界の中でも高水準を維持しています。平均年齢41.4歳、平均勤続年数17.2年と長期勤続者が多く、安定した雇用環境が窺えます。京都本社の製薬企業として、研究開発人材を中心に専門性の高い人材を確保しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は明治安田生命保険相互会社・京都銀行・三菱UFJ銀行。
株主構成は、信託銀行(日本マスタートラスト・日本カストディ)が上位を占め、機関投資家による保有が中心です。明治安田生命(9.63%)や京都銀行(4.59%)など地元金融機関が安定株主として存在感を示し、安定株主比率51.1%と経営基盤は堅固です。外国法人等は28.6%と一定の海外投資家の関心も集めています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 医薬品事業 | 1,418億円 | 284億円 | 20.0% |
| 機能食品事業 | 184億円 | 50億円 | 27.2% |
日本新薬は医薬品事業(売上比率約89%)と機能食品事業(約11%)の2セグメントで構成されています。医薬品事業では難病・希少疾患領域に集中的に投資し、DMD治療薬「ビルテプソ」を米国で自社販売するなどグローバル展開を進めています。機能食品事業は営業利益率27.2%と高収益で、安定した利益貢献を続けています。役員報酬は取締役8名に対し総額4億4,200万円と、企業規模に見合った水準です。
この会社のガバナンスは?
取締役・監査役合計16名のうち女性が6名(37.5%)と、医薬品業界でもトップクラスの女性登用率を実現しています。設備投資額310.3億円は研究開発施設の拡充やグローバル生産体制の強化を反映。平均勤続年数17.2年は業界平均を上回り、人材の定着率が高いことを示しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,550億円 | — | 1,602億円 | +3.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 330億円 | — | 355億円 | +7.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2026 | 240億円 | 263億円 | — | +9.6% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
第七次中期経営計画「For Global Growth Beyond the Cliff」では、主力品の特許切れ(パテントクリフ)を乗り越える成長戦略を掲げています。DMD治療薬「ビルテプソ」の米国売上拡大、CAP-1002の承認取得、新規パイプラインの充実を柱に、FY2029/3に売上高2,300億円・営業利益300億円、さらに2030年度には売上高3,000億円を長期目標としています。ROEは既に13.2%と目標8%を大幅に上回り、財務健全性と成長投資の両立を実現しています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
日本新薬のTSR(株主総利回り)は5年間で-48.4%と、TOPIXの+113.4%を大幅に下回っています。2020年の高値からの株価調整が主因であり、特にFY2023以降は主力品の特許切れ懸念や米国での訴訟リスクが嫌気されて下落基調が続きました。ただし2025年12月のCAP-1002臨床試験成功を契機に反転の兆しが見え始めており、新薬承認の進展によるTSR改善が期待されます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 98.2万円 | -1.8万円 | -1.8% |
| FY2022 | 100.7万円 | +0.7万円 | 0.7% |
| FY2023 | 72.6万円 | -27.4万円 | -27.4% |
| FY2024 | 58.0万円 | -42.0万円 | -42.0% |
| FY2025 | 51.6万円 | -48.4万円 | -48.4% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは14.1倍と医薬品業界平均(約20.5倍)を大幅に下回る割安水準にあり、中計の成長戦略が実現すれば見直し余地が大きい状態です。PBRは1.37倍と業界平均をやや下回り、配当利回り2.47%は業界平均(1.8%)を上回ります。信用倍率は8.67倍と買い残が圧倒的に多く、個人投資家の成長期待が強い銘柄です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
第七次5ヵ年中期経営計画「For Global Growth Beyond the Cliff」を発表。2029年3月期に売上高2,300億円、営業利益300億円を目標に設定しました。
FY2026/3期の業績予想を上方修正。純利益を240億円から263億円へ引き上げましたが、前期比19%減であり、新薬の承認遅れへの懸念も残りました。
ライセンスパートナーの米カプリコール社がDMD治療薬候補CAP-1002の第3相臨床試験で良好な結果を発表。株価がストップ高となる大きなインパクトを与えました。
CAP-1002の米FDAによるPDUFA date(審査終了目標日)が2026年8月22日に再設定。承認取得に向けた動きが本格化しています。
最新ニュース
日本新薬 まとめ
ひとめ診断
希少疾患・難病領域の創薬力と機能食品の二刀流で着実に成長する京都発の研究開発型製薬企業
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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