栄研化学4549
EIKEN CHEMICAL CO.,LTD.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
会社の健康診断で、大腸がんの検査を受けたことはありますか?自宅で便を採取して提出する、あの検査キットです。実は、栄研化学はその検査薬で国内トップクラスのシェアを誇る会社なのです。あなたが提出した検体の裏側で、同社の技術ががんの早期発見を支えています。他にも、インフルエンザなどの感染症を調べる検査薬など、私たちの気づかないところで病気の発見と健康維持に貢献している、縁の下の力持ちのような存在です。
臨床検査薬の老舗である栄研化学は、2025期決算で売上高405.4億円、営業利益29.99億円を記録しました。コロナ禍の特需が剥落した影響で一時的に利益が落ち込みましたが、2026期は売上高422.0億円、営業利益32.50億円と回復を見込んでいます。主力の便潜血検査薬の国内高シェアを維持しつつ、独自の遺伝子増幅技術「LAMP法」を武器に海外市場の開拓や新規分野への展開を進めており、今後の成長ドライバーとして期待されます。
会社概要
- 業種
- 医薬品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都千代田区神田駿河台4-6 御茶ノ水ソラシティ
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 12.1% | 9.1% | - |
| 2022/03期 | 14.2% | 10.5% | - |
| 2023/03期 | 12.0% | 8.9% | - |
| 2024/03期 | 5.5% | 4.1% | 8.4% |
| 2025/03期 | 5.0% | 3.6% | 7.4% |
| 3Q FY2026/3 | 8.6%(累計) | 6.1%(累計) | 8.9% |
収益性はコロナ特需の剥落に伴い低下しており、営業利益率は2022/03期の約19.5%から直近では約7.4%まで縮小しました。これに伴いROE(自己資本利益率)も、ピーク時の13.6%から直近は5.1%まで低下しており、資本効率の改善が今後の課題となっています。売上原価の低減や効率的な販管費管理を通じて、かつての高い収益水準への回帰を目指すフェーズにあります。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 387億円 | — | 50.4億円 | 136.7円 | - |
| 2022/03期 | 430億円 | — | 62.2億円 | 168.3円 | +11.2% |
| 2023/03期 | 433億円 | — | 57.4億円 | 155.2円 | +0.6% |
| 2024/03期 | 401億円 | 33.8億円 | 26.3億円 | 71.7円 | -7.4% |
| 2025/03期 | 405億円 | 30.0億円 | 22.3億円 | 64.8円 | +1.2% |
栄研化学の業績は、新型コロナウイルス関連の検査試薬需要が一巡した影響を受け、営業利益は2022/03期の約84億円をピークに減少傾向が続いています。2024/03期には売上高約401億円、営業利益約34億円まで落ち込みましたが、2026/03期期は海外市場の拡大や新製品の寄与により、純利益約38億円の増益を見込んでいます。臨床検査薬の総合メーカーとして、既存の便潜血検査試薬などで安定した収益基盤を維持しつつ、次世代の成長に向けた体制作りを進めています。 【3Q 2026/03期実績】売上314億円(通期予想比74%)、営業利益28億円(同86%)、純利益37億円(同99%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
医薬品の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
臨床検査薬の総合メーカーとして、特に便潜血検査用試薬で世界トップクラスのシェアを誇ります。売上収益は海外市場の開拓でカバーする戦略をとっていますが、製品群の集中による市場環境変化や原材料価格の高騰が主なリスク要因として開示されています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2022期 | 404億円 | — | 430億円 | +6.4% |
| 2023期 | 400億円 | — | 433億円 | +8.2% |
| 2025期 | 431億円 | — | 405億円 | -5.9% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2022期 | 64億円 | — | 84億円 | +31.7% |
| 2024期 | 54億円 | — | 34億円 | -37.2% |
| 2025期 | 57億円 | — | 30億円 | -47.0% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2022期〜23はコロナ特需で予想を大幅に上回りましたが、その反動で2024期〜25は2期連続で営業利益が期初予想を大幅に下振れしました。外部環境の変化に業績が大きく左右される傾向が見られます。2026年3月期から始まった新中期経営計画では、最終年度(2028年3月期)に売上高500億円、営業利益70億円という高い目標を掲げており、達成に向けては海外事業の拡大や新規事業の収益化が急務となります。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
2026年3月期から2028年3月期を対象とした新中期経営計画を発表し、中長期的な成長戦略を提示。
東ソーと生化学・免疫搬送システムの販売に関する業務提携を開始し、販売網の拡大とサービス強化を図る。
アクティビストであるアセット・バリュー・インベスターズによる株式保有比率の上昇が報告され、経営体制への注目が高まる。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
同社の財務基盤は依然として強固であり、自己資本比率は約69.3%と高い水準を維持しています。2024/03期より有利子負債を約60億円計上していますが、総資産に対する割合は低く、極めて健全な状態です。潤沢なネットアセット(純資産)を背景に、将来の成長投資や株主還元を両立させる余力を持った財務体制であるといえます。 【3Q 2026/03期】総資産602億円、純資産437億円、自己資本比率72.2%、有利子負債30億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 54.5億円 | 21.9億円 | 12.8億円 | 32.6億円 |
| 2022/03期 | 77.7億円 | 50.4億円 | 12.0億円 | 27.3億円 |
| 2023/03期 | 75.8億円 | 3.2億円 | 20.9億円 | 72.6億円 |
| 2024/03期 | 38.1億円 | 22.2億円 | 66.9億円 | 15.9億円 |
| 2025/03期 | 60.3億円 | 45.0億円 | 48.6億円 | 15.3億円 |
営業キャッシュフローは堅調な事業運営により毎期プラスを確保しており、本業での稼ぐ力は依然として安定しています。一方で、成長に向けた投資や配当金支払いを継続しているため、投資キャッシュフローは継続的なマイナス傾向です。大規模な財務上の調整はなく、フリーキャッシュフロー(FCF)の範囲内で着実に事業拡大と株主還元を行う循環が構築されています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は11.1%にとどまっていますが、報酬委員会を設置して経営人事機能の強化を図るなど、ガバナンス体制の整備を推進しています。監査報酬の適正な支払いと、連結子会社2社を中心とした効率的な組織運営が特徴の規模感です。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 765万円 | 702人 | - |
従業員平均年収は765万円と、臨床検査薬メーカーとして高水準を維持しています。コロナ禍における特需の落ち着きはあるものの、安定的な収益基盤と高い技術力を背景に、従業員へ着実に利益が還元されていると見受けられます。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、一貫してTOPIXのパフォーマンスを下回る「アンダーパフォーム」となっています。これは、コロナ禍の一時的な特需を除き、成長期待が株価に反映されにくかったことや、近年の利益水準の低下が影響していると考えられます。株主還元の強化や、新中期経営計画の達成による持続的な成長を示し、市場の評価を高められるかが今後の課題です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 40円 | 30.1% |
| 2017/03期 | 50円 | 31.4% |
| 2018/03期 | 50円 | 70.2% |
| 2019/03期 | 30円 | 32.0% |
| 2020/03期 | 30円 | 31.3% |
| 2021/03期 | 41円 | 30.0% |
| 2022/03期 | 51円 | 30.3% |
| 2023/03期 | 51円 | 32.9% |
| 2024/03期 | 51円 | 71.1% |
| 2025/03期 | 53円 | 81.8% |
株主優待制度は設けておりません。
同社は安定的な配当の継続を重視しており、業績に関わらず一株当たり配当金を維持・増配する傾向があります。直近では配当性向が80%を超える水準に達しており、株主への還元を最優先する姿勢が伺えます。今後は、業績の回復に合わせて配当性向を適正化しつつ、中長期的な企業価値向上を目指す方針です。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 111.8万円 | 11.8万円 | 11.8% |
| 2022期 | 92.3万円 | 7.7万円 | -7.7% |
| 2023期 | 86.6万円 | 13.4万円 | -13.4% |
| 2024期 | 111.3万円 | 11.3万円 | 11.3% |
| 2025期 | 127.5万円 | 27.5万円 | 27.5% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は2.41倍と均衡しており、過熱感は限定的です。PERは26.3倍と医薬品セクターの平均(30.5倍)よりやや割安な水準にあります。一方でPBRは2.37倍と業界平均を若干上回っており、資産価値の面では一定の評価を受けていることがうかがえます。時価総額は1,060億円で、業界内では中堅規模に位置づけられます。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 68.1億円 | 17.6億円 | 25.9% |
| 2022/03期 | 85.1億円 | 22.9億円 | 26.9% |
| 2023/03期 | 75.7億円 | 18.3億円 | 24.2% |
| 2024/03期 | 35.7億円 | 9.3億円 | 26.2% |
| 2025/03期 | 32.0億円 | 9.7億円 | 30.3% |
法人税等の支払いは、利益水準の変動に伴い増減していますが、実効税率は概ね法定税率に近い水準で推移しています。2025/03期は一時的な税務要因により税率が上昇しました。2026/03期の予想値については、将来の業績見通しに基づく概算値であり、今後の確定申告等で修正される可能性があります。
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