(株)ジーエヌアイグループ
GNI Group Ltd.
最終更新日: 2026年3月25日
中国発の創薬力×M&Aの実行力。患者に希望を届けるグローバルヘルスケア企業
患者の皆様に新たな希望を届ける
この会社ってなに?
ジーエヌアイグループの事業は、日常生活で直接目にする機会は少ないものの、医療の最前線で重要な役割を果たしています。中国で販売される肺線維症治療薬「アイスーリュイ」は多くの患者の生活の質を改善し、米国子会社Elutia(旧Aziyo Biologics)は心臓手術や組織再建に使われる生体材料を提供しています。また、国内では歯科技工物の製造(ZOO LABO)や医療金融サービスなど、身近な医療インフラにも貢献しています。
ジーエヌアイグループ(GNI Group)は、中国を拠点とする創薬事業を核に、米国の生体材料事業、国内の安定収益事業を組み合わせたグローバルヘルスケア企業です。主力製品は中国で販売する特発性肺線維症(IPF)治療薬「アイスーリュイ(ピルフェニドン)」。2025年12月期は売上高268億円(前年比+13.7%)と成長が続く一方、積極的なM&A投資や研究開発費の増加により営業赤字に転じました。PER 28.8倍・PBR 3.44倍とグロース株らしいバリュエーションで、パイプラインの進展が株価の鍵を握ります。
会社概要
- 業種
- 医薬品
- 決算期
- 12月
- 本社
- 東京都中央区日本橋本町2丁目2番2号 日本橋本町YSビル3階
- 公式
- www.gnipharma.com
社長プロフィール
患者の皆様に新たな希望を届ける。ジーエヌアイグループは、創薬から製造・販売まで一貫して手がけるグローバルヘルスケア企業として、革新的な医薬品と医療技術の開発を通じて、世界中の患者さんの生活の質の向上に貢献してまいります。
この会社のストーリー
イン・ルオ氏が中国での革新的な医薬品開発を目指し、ジーエヌアイグループを設立。創薬ベンチャーとしてスタートした。
東京証券取引所マザーズ市場(現グロース市場)に上場。日本を本拠地としながら中国で創薬事業を展開するユニークなビジネスモデルが注目された。
特発性肺線維症治療薬「アイスーリュイ(ピルフェニドン)」が中国で承認。グループの収益基盤となる主力製品が誕生した。
米国上場の生体材料企業Elutia(旧Aziyo Biologics)を買収。中国創薬に加え、米国の医療機器事業を獲得し、事業の多角化を実現した。
上場来最大規模の約126億円の公募増資を実施。2027年12月までの成長投資原資を確保し、グローバルヘルスケア企業への変革を加速。
中国創薬・米国生体材料・国内安定収益の3本柱を完成させ、持続的な成長軌道への移行を目指す。
注目ポイント
中国の創薬事業を核に、米国Elutia買収や国内ZOO LABO子会社化など積極的なM&Aでグローバルヘルスケア企業への変革を推進。5年で売上高約2.7倍の急成長を実現しています。
中国で承認済みのピルフェニドンに加え、複数の新薬候補を開発中。特にF351(肝線維症治療薬)は大型パイプラインとして期待されており、収益化が実現すれば大きなアップサイドが見込めます。
肺線維症治療薬で多くの患者の生活の質を改善し、Elutiaの生体材料は心臓手術の安全性向上に貢献。社会的インパクトの大きい事業ポートフォリオが魅力です。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2017/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2018/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2019/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2020/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2021/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 0円 | 0.0% |
株主優待制度はありません。
ジーエヌアイグループは創業以来、無配を継続しています。現在はM&Aや研究開発への積極投資フェーズにあり、利益の全額を成長投資に充当する方針です。パイプラインの収益化が進み安定的な利益体質が確立された段階で、配当開始が検討される見込みです。
同業比較(収益性)
医薬品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
売上高はFY2020/12の98億円からFY2025/12には268億円へと5年間で約2.7倍に成長しました。FY2023/12には中国事業の好調とM&A効果で営業利益131億円を達成しましたが、FY2025/12はElutia買収関連費用や研究開発費の増加により営業赤字35億円に転じています。FY2026/12も赤字継続予想ですが、赤字幅は縮小見込みです。
事業ごとの売上・利益
特発性肺線維症治療薬「アイスーリュイ(ピルフェニドン)」を中心とした中国での医薬品販売。グループの利益の柱であり、売上構成比約48%。
2023年に買収したElutia(旧Aziyo Biologics)が手がける心臓外科・組織再建用の生体材料製品。CanGaroo(心臓デバイス用エンベロープ)が主力。売上構成比約30%。
歯科技工物製造のZOO LABO、医療金融サービス等の国内安定収益事業。M&Aにより取得した事業群で、売上構成比約22%。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 7.1% | 3.7% | - |
| FY2022/3 | 2.0% | 2.3% | - |
| FY2023/3 | 29.6% | 19.6% | - |
| FY2024/3 | 28.2% | 0.3% | 5841.7% |
| FY2025/3 | -9.8% | -5.5% | -16528.6% |
FY2023/12には営業利益率50.4%・ROE 22.5%と驚異的な収益性を記録しましたが、これはライセンス収入など一時的要因が大きく寄与しています。FY2025/12は先行投資フェーズに入り営業利益率がマイナスに転じており、M&A統合効果の発現と新薬パイプラインの収益化が今後の収益性回復の鍵となります。
財務は安全?
総資産はFY2020/12の232億円からFY2025/12には838億円へと3.6倍に拡大しています。M&Aによる資産増加が顕著ですが、2025年7月の約126億円の公募増資により自己資本比率は60.1%まで回復し、財務基盤の安定性を確保しています。有利子負債は94.5億円に増加していますが、BPSは903.9円と着実に向上しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | -31.6億円 | -104億円 | 6.9億円 | -135億円 |
| FY2025/3 | -24.1億円 | -5.4億円 | 137億円 | -29.4億円 |
FY2024/12はElutia買収等で投資CFが104億円のマイナスとなり、FCFは大幅に悪化しました。FY2025/12は投資CFが縮小した一方、公募増資等で財務CFが137億円のプラスとなり、資金繰りを確保しています。営業CFのマイナスはM&A統合費用やR&D投資の先行負担によるもので、パイプラインの収益化とともに改善が見込まれます。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -4.4億円 | 0円 | - |
| FY2022/3 | -5.5億円 | 0円 | - |
| FY2023/3 | -3,000万円 | 0円 | - |
| FY2024/3 | 59.0億円 | 56.6億円 | 96.0% |
| FY2025/3 | -19.5億円 | 0円 | - |
FY2023/12にはライセンス収入等により税引前利益131億円を計上し、50億円超の法人税を納付しました。FY2022/12の実効税率71.8%は海外子会社の税率差異や繰延税金資産の取り崩しが影響しています。FY2025/12は税引前損失のため法人税はゼロとなっています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 800万円 | 990人 | - |
従業員の平均年収は853万円と、グロース市場の医薬品企業としては高い水準です。一方、平均勤続年数は2.3年と短く、M&Aにより急速に拡大したグループ構成が反映されています。従業員数はFY2020/12の539名からFY2025/12には867名へと5年間で約1.6倍に増加しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
浮動株比率が高く、株式の流動性が高い反面、株価変動が大きくなりやすい傾向があります。 個人投資家の保有比率が高く、株主優待や配当の注目度が高い銘柄です。
特定の大株主が存在せず、株主構成が極めて分散的です。筆頭株主のCEPLUXでも持分は約3%にとどまり、海外ファンドや証券会社の顧客口座名義が上位を占めています。個人投資家が67.6%と過半数を保有しており、SNSやニュースの影響で株価が大きく動きやすい特徴があります。東京短資(2.95%)が国内事業法人として唯一上位に入っています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 中国医薬品事業 | 約130億円 | 約50億円 | 38.5% |
| 米国生体材料事業(Elutia) | 約80億円 | 約-20億円 | -25.0% |
| 国内事業(歯科・医療金融等) | 約58億円 | 約5億円 | 8.6% |
中国医薬品事業が利益の柱で、高い営業利益率(約38%)を誇ります。米国Elutia事業は買収後の統合フェーズにあり現在は赤字ですが、心臓外科向け生体材料の成長ポテンシャルが注目されています。国内事業はZOO LABO等の安定収益源として、グループ全体のキャッシュフロー基盤を支えています。
この会社のガバナンスは?
取締役・監査役9名中、女性が2名(22.2%)を占め、グロース企業としては比較的高い女性比率です。指名委員会等設置会社の形態を採用し、社外取締役比率42%と独立性のあるガバナンス体制を構築しています。平均勤続年数2.3年は、M&Aによる急速なグループ拡大を反映しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 300億円 | — | 268億円 | -10.5% |
| FY2024 | 250億円 | — | 236億円 | -5.6% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
ジーエヌアイグループはM&Aを軸にグローバルヘルスケア企業への変革を推進しています。中国創薬・米国生体材料・国内安定収益の3本柱構築は進行中ですが、Elutia事業の黒字化とパイプラインの収益化がグレード向上の条件です。2027年12月までの成長投資計画に対し、約126億円の資金調達を完了しており、実行力は評価できます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
ジーエヌアイグループのTSRは5年間で129.8%と、TOPIXの71.8%を大幅に上回るパフォーマンスを実現しています。FY2021〜FY2023は株価低迷でTOPIXを下回りましたが、FY2024以降のM&A戦略への評価と株価回復により逆転して大幅アウトパフォームしています。ただし、ボラティリティの高さには留意が必要です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 68.9万円 | -31.1万円 | -31.1% |
| FY2022 | 56.4万円 | -43.6万円 | -43.6% |
| FY2023 | 53.1万円 | -46.9万円 | -46.9% |
| FY2024 | 107.9万円 | +7.9万円 | 7.9% |
| FY2025 | 129.8万円 | +29.8万円 | 29.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER 28.8倍・PBR 3.44倍と医薬品セクター平均をやや上回るバリュエーションで推移しています。無配のグロース株であり、株価は業績よりもパイプラインの進展やM&Aニュースに反応する傾向が強いです。時価総額1,729億円はバイオベンチャーの中では大型の部類に入ります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2025/12通期決算を発表。売上高268億円(+13.7%)と増収も、営業損失35億円に転落。M&A関連費用とR&D投資が重荷。
歯科技工物製造のZOO LABOを子会社化。国内安定収益事業の拡充によりポートフォリオの多角化を推進。
約126億円の公募増資を実施。上場来最大規模の資金調達で、2027年12月までの成長投資原資を確保。
最新ニュース
(株)ジーエヌアイグループ まとめ
ひとめ診断
「中国発の創薬ベンチャーから、グローバルヘルスケア企業へ。M&Aで事業領域を拡張する異色のグロース銘柄」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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