大幸薬品4574
TAIKO PHARMACEUTICAL CO.,LTD.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
お腹の調子が悪いときに頼りになる、ラッパのマークの『正露丸』。実はこのお薬、100年以上も前から大幸薬品が作っている看板商品です。あなたやご家族が一度はお世話になったことがあるかもしれません。また、数年前にお部屋のウイルスや菌が気になった時期に、ドラッグストアで『クレベリン』という製品を見かけたことはありませんか?あの空間除菌製品も大幸薬品が手掛けています。このように、同社は私たちの健康や衛生的な生活を、昔からあるお薬と新しい技術の両方で支えている会社なのです。
「ラッパのマーク」で知られる大幸薬品は、2021期から3期連続の営業赤字に苦しんだ後、構造改革を経て2024期に黒字転換を達成しました。2025期は売上高64.0億円、営業利益4.59億円を見込んでおり、伝統の医薬品事業を軸に収益基盤の再構築を進めています。一方で、かつての成長エンジンであった「クレベリン」を中心とする感染管理事業はコロナ特需の反動で縮小しており、今後の事業ポートフォリオ戦略が課題です。プライム市場の上場維持基準適合に向けた取り組みも続いており、株価は依然として低迷期からの脱却を目指す段階にあります。
会社概要
- 業種
- 医薬品
- 決算期
- 12月
- 本社
- 大阪市西区西本町1-4-1 オリックス本町ビル16階
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/12期 | 74.9% | 42.6% | - |
| 2022/12期 | 47.0% | 26.1% | - |
| 2023/12期 | 48.9% | 25.6% | - |
| 2024/12期 | 12.2% | 6.9% | 10.0% |
| 2025/12期 | 11.2% | 7.3% | 7.2% |
| 2025/12期 | 11.2% | 7.3% | 7.2% |
コロナ禍特需の剥落と構造改革費用が重なり、2021/03期から2023/03期にかけてROEや営業利益率は大幅なマイナスに沈みました。しかし、不採算事業の整理を経て経営効率が劇的に改善し、2024/03期にはROEが11.3%、営業利益率が10.0%と健全な水準まで回復しました。現在はこの収益性を維持しつつ、事業ポートフォリオの最適化によって持続的な利益創出を図るフェーズにあります。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/12期 | 113億円 | — | 95.9億円 | -220.5円 | - |
| 2022/12期 | 50.4億円 | — | 49.0億円 | -112.3円 | -55.4% |
| 2023/12期 | 61.2億円 | — | 36.1億円 | -76.3円 | +21.4% |
| 2024/12期 | 62.9億円 | 6.3億円 | 9.0億円 | 17.9円 | +2.8% |
| 2025/12期 | 64.0億円 | 4.6億円 | 9.2億円 | 18.4円 | +1.7% |
大幸薬品は、過去にクレベリン関連の需要急減や米国事業撤退に伴う巨額の特別損失を計上し、2021/03期から3期連続で営業赤字を記録するなど厳しい業績が続きました。しかし、構造改革の断行と主力である医薬品事業への経営資源集中により、2024/03期には黒字化を達成しました。今後はさらなる利益成長を目指し、売上高72億円を見込むなど、安定的な回復軌道に乗せています。 【2025/12期実績】売上64億円(前期比1.7%)、営業利益4.6億円、純利益9.2億円。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
医薬品の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
主力事業である「医薬品(正露丸等)」と「感染管理(クレベリン等)」の2セグメントで構成されています。感染管理事業の需要変動による業績のボラティリティ(価格変動幅)が経営上の最大のリスク要因となっており、現在は構造改革による利益体質の改善が急務となっています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2022期 | 79億円 | — | 50億円 | -36.2% |
| 2023期 | 68億円 | — | 61億円 | -9.9% |
| 2025期 | 72億円 | — | 64億円 | -11.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2024期 | 2億円 | — | 6億円 | +192.6% |
| 2025期 | 5億円 | — | 5億円 | -8.2% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2028年を最終年度とする新中期経営計画では、売上高85億円、営業利益10億円という挑戦的な目標を掲げています。これは、3期連続の赤字から黒字転換した勢いを維持し、伝統の医薬品事業を軸に再成長を目指す強い意志の表れです。しかし、過去の業績予想は未達が多く、特に2022期の売上高は期初予想を36%も下回りました。計画達成には、医薬品事業の安定成長と、感染管理事業の立て直しが不可欠であり、投資家は慎重な視点で進捗を評価する必要があります。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
「クレベリン発生機 エレクローラ」による業務用サブスクリプションサービスを開始し、感染管理事業の収益基盤の多様化を推進しました。
2028年12月期に売上高85.0億円、営業利益10.0億円を目指す中期経営計画を策定し、医薬品事業の収益力最大化を打ち出しました。
2025年12月期決算にて営業利益4.59億円を計上し、従来予想を上回る着地で収益改善基調の定着を示しました。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
かつては高い自己資本比率を維持していましたが、業績悪化に伴う損失計上で純資産が減少傾向にありました。その後、2024/03期に借入金(有利子負債)が約40億円発生しましたが、2025/03期には負債の圧縮が進み自己資本比率が69.4%まで大幅改善しました。強固な財務体質への回帰により、今後の成長投資に向けた資金繰りの安定性が高まっています。 【2025/12期】総資産123億円、純資産85億円、自己資本比率66.8%、有利子負債7.9億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/12期 | 15.9億円 | 16.2億円 | 39.6億円 | 32.2億円 |
| 2022/12期 | 19.9億円 | 1.9億円 | 10.0億円 | 18.0億円 |
| 2023/12期 | 3.1億円 | 11.7億円 | 15.4億円 | 8.6億円 |
| 2024/12期 | 3.6億円 | 500万円 | 11.8億円 | 3.6億円 |
| 2025/12期 | 8.1億円 | 1.4億円 | 12.3億円 | 9.6億円 |
2021/03期および2022/03期は、多額の事業投資と営業赤字によりフリーキャッシュフロー(FCF)が大幅なマイナスを記録しました。しかし、事業ポートフォリオの整理が進んだ2023/03期以降は営業活動が黒字化し、2025/03期には約9.6億円のFCFを創出する安定的なキャッシュフロー体質へと転換しました。稼いだ現金は主に財務改善のための借入金返済に充てられており、資本効率の向上が図られています。
この会社のガバナンスは?
現在の役員構成において女性役員比率は0.0%となっており、多様性の確保は今後の課題です。監査体制は監査役会設置会社として機能していますが、さらなる経営の透明性向上に向けて、ガバナンス体制の継続的な強化が求められています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 738万円 | 220人 | - |
従業員平均年収は738万円となっており、医薬品業界の平均と比較しても相応の水準を維持しています。近年、感染管理事業の不振による構造改革が進められていますが、従業員待遇は安定的に推移しています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、全ての年でTOPIXを大幅に下回る「アンダーパフォーム」となっています。特にコロナ特需が剥落した2022期以降、業績悪化に伴う株価の長期低迷が主な要因です。2025期は4期ぶりの復配(3.3円/株)を予定しており、これがTSR改善の第一歩となるかが注目されます。しかし、株価が本格的な上昇トレンドに転換しない限り、市場平均を上回るリターンを生み出すのは依然として困難な状況です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/12期 | 15円 | 23.0% |
| 2017/12期 | 20円 | 26.2% |
| 2018/12期 | 25円 | 32.3% |
| 2019/12期 | 35円 | 35.4% |
| 2020/12期 | 25円 | 28.0% |
| 2021/12期 | 0円 | 0.0% |
| 2022/12期 | 0円 | 0.0% |
| 2023/12期 | 0円 | 0.0% |
| 2024/12期 | 0円 | 0.0% |
| 2025/12期 | 3.3円 | 18.0% |
現在、株主優待制度は実施していません。
業績の回復に伴い、2025/03期から配当を再開するなど株主還元を重視する方針へ転換しています。配当性向の目標については具体的な数値は掲げられていませんが、業績連動型の安定配当を意識した姿勢が見受けられます。今後は、中期経営計画の目標達成に向けた成長投資と還元バランスを考慮した持続的な配当が期待されます。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 151.1万円 | 51.1万円 | 51.1% |
| 2022期 | 124.4万円 | 24.4万円 | 24.4% |
| 2023期 | 118.8万円 | 18.8万円 | 18.8% |
| 2024期 | 120.5万円 | 20.5万円 | 20.5% |
| 2025期 | 118.7万円 | 18.7万円 | 18.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は1.02倍と拮抗しており、買い方と売り方の力が均衡している状態です。これは株価の方向性について市場の見方が分かれていることを示唆します。医薬品セクターの平均と比較すると、PERやPBRはやや割安ですが、時価総額は大幅に小さく、小型株に分類されます。今後の決算発表で業績回復の確実性が示されれば、見直し買いが入る可能性があります。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/12期 | -61.3億円 | 0円 | - |
| 2022/12期 | -33.5億円 | 0円 | - |
| 2023/12期 | -12.5億円 | 0円 | - |
| 2024/12期 | 6.9億円 | 0円 | 0.0% |
| 2025/12期 | 4.8億円 | 0円 | 0.0% |
長年にわたる巨額の赤字計上により繰越欠損金が蓄積されており、近年は黒字化しても法人税等の負担が発生していない状況が続いています。今後、継続的な利益成長により繰越欠損金が解消されれば、実効税率に基づいた納税が再開される見通しです。現時点では租税負担が抑えられているため、最終利益の確保がしやすい財務環境にあります。
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大幸薬品 まとめ
「『正露丸』の伝統と『クレベリン』の浮沈、コロナ特需後の構造改革で再起を図る老舗医薬品メーカー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。