武田薬品工業
Takeda Pharmaceutical Company Limited
最終更新日: 2026年4月1日
240年の歴史と最先端科学の融合で、世界中の患者さんに革新的な医薬品を届けるグローバルバイオファーマ
世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献する。
この会社ってなに?
病院で処方される薬を研究・開発・製造・販売している会社です。お腹の病気(潰瘍性大腸炎やクローン病)、がん、珍しい病気、血液から作る薬など幅広い分野で世界中の患者さんに薬を届けています。240年以上の歴史を持つ日本で最も長い歴史のある製薬企業で、世界約80カ国で約5万人が働くグローバル企業です。
武田薬品工業は、1781年創業の日本最大の製薬企業であり、2019年のシャイアー買収(約6.2兆円)によって売上高世界トップ10の製薬企業へ躍進しました。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー、ニューロサイエンスの5領域を重点とし、約80カ国で事業を展開しています。FY2025/3は売上収益4兆5,816億円と過去最高を更新する一方、のれん減損や為替影響により純利益は1,079億円にとどまりました。FY2026/3は売上収益4兆5,300億円・営業利益4,750億円・純利益2,280億円を見込み、成長製品群(エンタイビオ、HYQVIA、免疫グロブリン製剤等)が新たな成長エンジンとなっています。株価は52週安値3,916円から5,768円まで約47%上昇しており、パイプラインの成熟度と利益回復の持続性が今後の焦点です。
会社概要
- 業種
- 医薬品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪府大阪市中央区道修町四丁目1番1号
- 公式
- www.takeda.com
社長プロフィール
タケダイズム(誠実・公正・正直・不屈)を基盤に、患者さん中心の価値観のもと、革新的な医薬品を通じて世界中の人々の健康と輝かしい未来に貢献してまいります。私たちはデータとデジタルの力を活用し、R&Dの生産性を高めながら、次世代のブレークスルー医薬品を生み出していきます。
この会社のストーリー
初代近江屋長兵衛が大阪・道修町で薬種仲買商を始め、240年以上にわたる武田の歴史が幕を開けました。
「武田長兵衛商店」として法人化し、医薬品の研究開発・製造へ本格参入。日本の近代製薬産業の礎を築きました。
米国ミレニアム・ファーマシューティカルズを買収し、がん領域におけるグローバルな研究開発基盤を確立しました。
クリストフ・ウェバー氏が日本の大手製薬企業として初の外国人CEOに就任。グローバル経営への大転換を断行しました。
約6.2兆円でアイルランドのシャイアーを買収し、売上高で世界製薬トップ10に躍進。日本企業史上最大のM&Aとなりました。
売上収益4.5兆円超を達成し、2026年にはジュリー・キム氏への社長交代により新たな成長の章が始まります。
注目ポイント
約80カ国で事業を展開し、売上高世界トップ10に入る唯一の日本発グローバルバイオファーマ。240年の歴史と最先端科学を融合させています。
配当利回り3.40%と製薬セクター平均を上回り、利益が減少しても減配しない累進配当方針を堅持。4期連続増配で200円/株へさらなる増配を計画。
消化器・希少疾患・血漿分画・がん・神経科学の5重点領域で約40本の新薬候補を開発中。研究開発費は売上の約14%、年間約6,500億円を投資。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 89.4円 | 176.0% |
| FY2017/3 | 89.4円 | 122.3% |
| FY2018/3 | 89.9円 | 75.2% |
| FY2019/3 | 180円 | 158.6% |
| FY2020/3 | 180円 | 633.6% |
| FY2021/3 | 180円 | 74.8% |
| FY2022/3 | 180円 | 122.3% |
| FY2023/3 | 180円 | 88.1% |
| FY2024/3 | 188円 | 204.1% |
| FY2025/3 | 196円 | 286.7% |
株主優待制度は2024年3月末をもって廃止されました。
FY2021/3〜FY2023/3は年間180円を維持し、FY2024/3から増配に転じて188円、FY2025/3には196円と4期連続増配を達成しています。FY2026/3は200円(予想)へさらに増配を計画。利益が大幅に減少した局面でも減配を行わない累進配当方針を堅持しており、配当性向はFY2025/3に287%と一時的に高水準ですが、利益回復に伴い正常化が見込まれます。
同業比較(収益性)
医薬品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
売上収益は5期連続で増収を達成し、FY2025/3には過去最高の約4兆5,816億円に到達しました。FY2024/3に営業利益が2,141億円まで落ち込んだのは、のれん減損や為替影響によるものです。FY2026/3は営業利益4,750億円・純利益2,280億円と利益の大幅回復が見込まれ、成長製品群(エンタイビオ、HYQVIA等)の売上拡大が業績を牽引しています。なお、FY2026/3の売上収益が微減となるのは為替前提の変更によるもので、実質ベースでは増収基調を維持しています。
事業ごとの売上・利益
エンタイビオを中心とした消化器系疾患治療薬が売上の約22%を占める主力セグメント
遺伝性血管性浮腫(HAE)治療薬や酵素補充療法など、希少疾患領域で世界的なリーダー
免疫グロブリン製剤やアルブミン製剤など、血漿由来の治療薬で世界トップクラスのシェア
血液がん治療薬を中心に、固形がんへの展開も進む成長領域
ADHD治療薬やうつ病治療薬など中枢神経領域の製品群
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 5.5% | 2.8% | - |
| FY2022/3 | 7.4% | 2.3% | - |
| FY2023/3 | 7.8% | 2.7% | - |
| FY2024/3 | 8.2% | 0.3% | 3.3% |
| FY2025/3 | 3.8% | 1.2% | 4.5% |
FY2021/3には営業利益率15.9%・ROE 7.3%と堅調な収益性を示していましたが、FY2024/3にはのれん減損や事業構造改革費用により営業利益率5.0%まで低下しました。FY2025/3からは7.5%へ回復基調にあり、FY2026/3は営業利益率10.5%への改善が見込まれます。中長期的にはコア営業利益率30%を目標に掲げており、成長製品の収益最大化とコスト効率化が両輪となります。
財務は安全?
総資産は約14.2兆円の巨大なバランスシートを有しています。FY2021〜FY2023の有利子負債がデータ上0となっている点は、EDINET開示データ上の取得仕様によるものであり、実際にはシャイアー買収後の有利子負債を着実に返済してきました。FY2025/3時点の有利子負債は約4.7兆円、自己資本比率は48.7%と財務健全性は改善傾向にあります。BPSは4,407円で、PBR 1.31倍は純資産に対してやや割高な水準です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 7,163億円 | -4,639億円 | -3,544億円 | 2,525億円 |
| FY2025/3 | 1.1兆円 | -3,671億円 | -7,514億円 | 6,901億円 |
営業CFは毎期7,000億〜1兆円超を安定的に創出しており、グローバル製薬企業としてのキャッシュ創出力の高さを示しています。FY2021/3の投資CFがプラスとなったのは、非中核資産の売却によるものです。財務CFは一貫してマイナスであり、有利子負債の返済と配当支払いに充当しています。FY2025/3のFCFは約6,901億円と回復しており、財務体質の改善が加速しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 500億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 5,509億円 | 2,483億円 | 45.1% |
| FY2023/3 | 3,401億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2024/3 | 2,864億円 | 2,336億円 | 81.6% |
| FY2025/3 | 866億円 | 0円 | 0.0% |
FY2026/3の予想実効税率は52.0%と法定実効税率を大幅に上回っています。これはグローバル展開に伴う各国での課税や、のれん減損等の損金不算入項目が影響しているためです。コアベースの実効税率は約14-16%と低水準であり、グローバルな税務戦略により税負担の最適化を図っています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 1,104万円 | 47,455人 | - |
平均年収は約1,104万円と製薬業界トップクラスの水準です。従業員数は連結ベースで約4.9万人ですが、単体では約4,808人となっています。グローバル化が進んでおり、海外従業員比率が高いのが特徴です。平均年齢43.4歳、平均勤続年数14.4年と、長期的なキャリア形成が可能な環境です。
誰がこの会社の株を持ってる?
外国人・個人投資家の比率が高く、市場の需給が株価に反映されやすい構造です。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。
株主構成は機関投資家が中心であり、日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行の信託口が上位を占めます。ADR(米国預託証券)の預託銀行であるバンク・オブ・ニューヨーク・メロンが3位に入っているのは、NY証券取引所にも上場しているためです。創業家の持株比率はごくわずかであり、グローバル機関投資家による市場ベースの保有構成が特徴です。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 消化器系(GI) | 約1兆円 | - | - |
| 希少疾患 | 約7,000億円 | - | - |
| 血漿分画製剤(PDT) | 約7,500億円 | - | - |
| オンコロジー | 約4,500億円 | - | - |
| ニューロサイエンス | 約5,000億円 | - | - |
研究開発費
役員報酬は取締役4名に対し合計21億4,200万円と、日本企業としては突出した水準です。ウェバーCEO個人の報酬は約21億6,000万円と、就任10年で4倍に増加しています。研究開発費は売上収益の約14%を投じており、約40本の新薬候補パイプラインを推進中。主要リスクとしてはエンタイビオのバイオシミラー参入とCEO交代に伴う戦略の連続性が挙げられます。
この会社のガバナンスは?
取締役14名中女性3名(21.0%)で、グローバル製薬企業にふさわしい多様性を確保しています。監査報酬は約26億円と巨額ですが、これは約230社の連結子会社を有するグローバル企業規模を反映したものです。2026年6月にはジュリー・キム氏がCEOに就任予定で、外国人女性トップという画期的な経営体制への移行が注目されます。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年3月期 3Q累計 | 2,430億円 | 2,450億円(通期) | 3,127億円 | +28.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年3月期 通期 | 4兆3,500億円 | — | 4兆5,816億円 | +5.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年3月期 通期 | 2,250億円 | — | 3,426億円 | +52.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2030年度に売上収益5兆円を目標として掲げています。FY2025/3に4.58兆円まで到達しており進捗率は約72%ですが、エンタイビオの後発品参入リスクや為替変動を考慮すると、成長製品・新製品群の貢献拡大が達成の鍵となります。コア営業利益率30%目標に対しては、FY2025/3の実績は約7.5%と依然として乖離があり、コスト構造改革プログラムの着実な実行が求められます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
5年間のTSRは+61.3%と、配当込みでは一定のリターンを確保しましたが、同期間のTOPIX(+113.4%)を約52ポイント下回っています。シャイアー買収後の利益圧迫局面でTOPIXに大きく水をあけられましたが、FY2025にかけて株価が回復基調にあり、利益の本格回復とともにTSR改善が期待されます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 125.9万円 | +25.9万円 | 25.9% |
| FY2022 | 116.6万円 | +16.6万円 | 16.6% |
| FY2023 | 147.8万円 | +47.8万円 | 47.8% |
| FY2024 | 148.5万円 | +48.5万円 | 48.5% |
| FY2025 | 161.3万円 | +61.3万円 | 61.3% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは39.8倍とセクター平均を上回っていますが、これはFY2025/3の純利益が一時要因で低迷したためであり、FY2026/3予想ベースでは約25倍と合理的な水準です。信用倍率2.87倍は買い優勢で、個人投資家の業績回復への期待が反映されています。配当利回り3.40%はセクター平均を上回り、インカム投資家にとって魅力的な水準です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2025/3通期決算を発表。売上収益4兆5,816億円と過去最高を更新。成長製品・新製品の売上拡大が寄与。
2026年6月の社長CEO交代を発表。クリストフ・ウェバー氏の後任としてジュリー・キム氏が次期CEOに就任予定。
モルガン・スタンレーMUFGが最上位判断を付与し、株価は約8年ぶりの高値を記録。成長製品の収益化期待が評価。
最新ニュース
武田薬品工業 まとめ
ひとめ診断
「240年の歴史を持つ国内製薬最大手、巨額M&Aで世界トップ10入りを果たし成長製品の収益化が加速するグローバルバイオファーマ」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「医薬品」に分類される他の企業
ジェネリック医薬品の国内大手が、積極的なM&Aと提携でグローバル市場での成長処方箋を描く
中国発の創薬ベンチャーから、グローバルヘルスケア企業へ。M&Aで事業領域を拡張する異色のグロース銘柄
二日酔いの救世主『ヘパリーゼ』を育て上げ、その稼ぎを元手にM&Aで欧州の消化器領域を攻める製薬会社
イクスタンジとパドセブの二本柱で7年ぶり最高益へ。特許の崖を乗り越える新薬パイプラインに注目
HIV薬ロイヤリティで高収益体質を築いた名門製薬が、8,800億円の大型投資で次の成長ステージへ挑む
ジェネリック医薬品の縁の下の力持ちが、大手との提携や事業承継で収益力回復を目指す状態
創薬の『黒子』から脱却し、大型買収で自ら『主役』として薬を届ける体制へ変貌中のバイオベンチャー
ジェネリック医薬品の国内トップメーカーとして供給網を拡大し、デジタルヘルスケア領域への新規参入で次の成長を描く持株会社