住友ファーマ
Sumitomo Pharma Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月22日
iPS細胞で世界を変える、再生医療のフロントランナー
人々の健康で豊かな生活に貢献するイノベーティブなグローバル・スペシャライズド・ファーマとなる。
この会社ってなに?
うつ病や統合失調症などの精神神経系の薬や、がん治療薬を開発・販売している製薬会社です。最近ではiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った細胞を目の難病治療に使う再生医療にも取り組んでおり、世界で初めてiPS細胞由来の医療製品の承認を取得しました。「細胞で病気を治す」という未来の医療に挑戦している会社です。
住友ファーマは、住友化学の連結子会社(持株比率約52%)で、精神神経・がん・再生細胞医薬を重点領域とする医薬品企業です。北米主力薬「ラツーダ」の独占販売期間終了や減損損失により、FY2023/3・FY2024/3と2期連続で大幅な赤字を計上しましたが、FY2025/3は構造改革と北米事業の立て直しが奏功し、売上高3,988億円・営業利益288億円と黒字転換を果たしました。FY2026/3は営業利益1,080億円(修正後)へ大幅増益の見通しです。さらに2026年3月にはiPS細胞由来の再生医療等製品「アムシェプリ」が世界初の製造販売承認を取得し、再生・細胞医薬の実用化で先行する存在となっています。一方、最大1,400億円の新株発行登録の発表で希薄化懸念も浮上しており、財務再建と成長投資のバランスが注目されます。
会社概要
- 業種
- 医薬品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪府大阪市中央区道修町2-6-8
- 公式
- www.sumitomo-pharma.co.jp
社長プロフィール
2期連続の赤字という厳しい局面を乗り越え、「Reboot 2027」のもと、事業ポートフォリオの再構築と財務基盤の強化に全力で取り組んでいます。iPS細胞由来製品の世界初の承認という歴史的成果を力に、精神神経・がん・再生細胞医薬の3領域で持続的な成長を実現してまいります。
この会社のストーリー
大阪・道修町で住友家の化学事業から製薬部門が分離し、のちの住友ファーマの礎となる事業がスタートしました。
大日本製薬と住友製薬が合併し「大日本住友製薬」が発足。精神神経領域を主軸にグローバル展開の基盤を築きました。
非定型抗精神病薬「ラツーダ」が米国で承認を取得。北米市場での販売が急拡大し、収益の柱となりました。
住友ファーマに社名を変更。しかし同年にラツーダの独占販売期間が終了し、急激な収益悪化に見舞われました。
「Reboot 2027」を策定し、アジア事業の譲渡など大胆な事業再編を実行。2期連続赤字から黒字転換を果たしました。
iPS細胞由来の再生医療等製品「アムシェプリ」が世界初の製造販売承認を取得。再生医療の新時代を切り拓きました。
注目ポイント
再生医療等製品「アムシェプリ」が世界に先駆けて承認を取得。創薬の新たなフロンティアを開拓する先駆者です。
ラツーダの特許切れという危機を乗り越え、構造改革で黒字転換。FY2026/3は営業利益1,080億円への急回復を見込みます。
住友化学が過半数を保有する安定した経営基盤のもと、大胆な事業再編と長期的な研究開発投資が可能な環境にあります。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 18円 | 29.0% |
| FY2017/3 | 20円 | 27.4% |
| FY2018/3 | 28円 | 20.8% |
| FY2019/3 | 28円 | 22.9% |
| FY2020/3 | 28円 | 27.3% |
| FY2021/3 | 28円 | 19.8% |
| FY2022/3 | 28円 | 19.7% |
| FY2023/3 | 21円 | 0.1% |
| FY2024/3 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 0円 | 0.0% |
現在、株主優待制度の実施はありません。
FY2021/3〜FY2022/3は年間28円の配当を維持していましたが、FY2023/3に21円へ減配、FY2024/3からは無配に転落しました。2期連続の巨額赤字と財務再建の優先により、株主還元は当面の間は見送られている状況です。業績がV字回復基調にあるため、FY2027/3頃の復配が一つの焦点となりそうです。
同業比較(収益性)
医薬品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2021/3〜FY2022/3は北米主力薬「ラツーダ」の販売好調で安定した収益を確保していましたが、FY2023/3にラツーダの独占販売期間が終了したことで売上が急減し、2期連続の巨額赤字に転落しました。FY2025/3は構造改革と北米事業の再構築が奏功し黒字転換。FY2026/3は事業譲渡益も含めて営業利益1,080億円(修正後)への大幅増益が見込まれています。なお、FY2026/3予想の売上高減は、アジア事業の会社分割・譲渡に伴う連結範囲の変更が主因です。
事業ごとの売上・利益
精神神経領域(ラツーダ後継品等)、がん領域、再生・細胞医薬が主要3本柱。北米が売上の過半を占めるグローバル構成
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 15.5% | 6.0% | - |
| FY2022/3 | 7.1% | 6.3% | - |
| FY2023/3 | -14.7% | -4.2% | - |
| FY2024/3 | -111.9% | -35.6% | -361.3% |
| FY2025/3 | 79.5% | 2.4% | 21.1% |
FY2021/3〜FY2022/3は営業利益率10%超・ROE 8%台と安定した収益性を維持していましたが、FY2023/3にラツーダの独占販売期間終了が直撃し赤字転落。FY2024/3には営業利益率-112.8%・ROE-201.7%と壊滅的な状況に陥りました。FY2025/3は構造改革の成果で営業利益率7.2%・ROE 13.9%まで急回復しており、「Reboot 2027」による収益力の本格的な復活が期待されます。
財務は安全?
FY2022/3までは有利子負債ゼロで自己資本比率44〜47%の堅実な財務体質でしたが、FY2023/3に巨額赤字で純資産が急減。FY2024/3にはさらに約3,150億円の最終赤字を計上し、自己資本比率は17.2%まで低下、有利子負債も5,105億円に膨らみました。FY2025/3は有利子負債を3,159億円まで圧縮し自己資本比率22.8%へ回復。事業再編による資産売却と新株発行登録による資本増強で財務再建を加速する方針です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | -2,419億円 | 330億円 | 779億円 | -2,089億円 |
| FY2025/3 | 165億円 | 998億円 | -1,088億円 | 1,163億円 |
FY2021/3は営業CFが1,356億円と潤沢でしたが、ラツーダの独占販売期間終了に伴い急速に縮小。FY2024/3には営業CFが-2,419億円と大幅なマイナスに転落しました。FY2025/3は営業CF 165億円の小幅プラスに回復し、投資CFは事業の売却・再編に伴う資産売却収入により998億円のプラスとなりました。FCFは1,163億円のプラスに転じ、財務CFでの有利子負債返済(-1,088億円)に充当しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 1,359億円 | 581億円 | 42.7% |
| FY2022/3 | 1,409億円 | 579億円 | 41.1% |
| FY2023/3 | 1,048億円 | 1,527億円 | 145.7% |
| FY2024/3 | -65.3億円 | 0円 | - |
| FY2025/3 | 120億円 | 0円 | 0.0% |
FY2026/3の予想実効税率は25.9%で、法定実効税率(約30%)をやや下回る水準です。過年度の巨額赤字による繰越欠損金の税効果が一部寄与していると見られます。業績回復に伴い、税引前利益540億円に対して約140億円の法人税負担が見込まれています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 713万円 | 3,832人 | - |
平均年収は約713万円で、製薬業界の中ではやや低めの水準です。これは2期連続の赤字を受けた役員報酬の減額や構造改革の影響もあると考えられます。従業員数は3,832名で、アジア事業の分離・譲渡に伴い今後さらに変動する可能性があります。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関・事業法人を中心に安定株主比率が高く、経営の安定性が際立ちます。 事業法人の持合い比率が高く、安定した株主構成が特徴です。 主な安定株主は住友化学。
筆頭株主の住友化学が51.76%を保有する典型的な親子上場構造です。信託銀行を通じた機関投資家の保有も一定程度ありますが、事業法人の比率が約55%と突出しており、親会社グループによる安定的なガバナンスが特徴です。浮動株比率は約28%と比較的低く、流動性には制約がある一方、大口売りが出にくい安定した株主構成といえます。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 医薬品事業(全社一体) | 約3,988億円 | 約288億円 | 7.2% |
役員報酬は取締役8名に対し合計1億2,600万円と、業績悪化を受けて大幅に減額されています(ピーク時は2〜3億円規模)。代表取締役は基本報酬の30%減額を実施済み。事業リスクとしては、ラツーダ後の収益源の確立と新株発行による希薄化懸念が主要な論点です。iPS細胞由来製品「アムシェプリ」の承認は再生医療分野での先行優位性を示していますが、商業的な成功にはまだ時間がかかると見られます。
この会社のガバナンスは?
取締役10名中女性は1名(10.0%)で、プライム市場の上場企業としてはダイバーシティの面で改善余地があります。監査報酬は約1.2億円、設備投資は121億円と、構造改革期において投資を絞り込んでいる状況です。平均勤続年数18.4年は製薬業界として標準的な水準です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年3月期 3Q累計 | 200億円 | 1,020億円(通期修正後) | 1,077億円 | +438.2% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年3月期 通期 | 980億円 | 1,080億円 | — | +10.2% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年3月期 通期 | 3,800億円 | — | 3,988億円 | +4.9% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
新中期経営計画「Reboot 2027」のもと、アジア事業の丸紅への譲渡、再生・細胞医薬事業の住友化学との合弁化、フロンティア事業の整理など大胆な事業再編を推進中です。FY2026/3期は構造改革効果と事業譲渡益により営業利益が大幅に改善する見通しですが、コア事業の持続的な収益力回復が中期計画の成否を左右します。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
5年間のTSRは-42.6%とマイナスで、同期間のTOPIX(+113.4%)を大幅に下回っています。FY2022以降、ラツーダの独占販売期間終了と2期連続赤字で株価が急落し、TSRは一時33.9%(投資元本の約66%を喪失)まで低下しました。FY2025は黒字転換を受けて57.4%まで回復していますが、TOPIXとの乖離は約156ポイントと依然として大きい状況です。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 139.3万円 | +39.3万円 | 39.3% |
| FY2022 | 90.1万円 | -9.9万円 | -9.9% |
| FY2023 | 63.2万円 | -36.8万円 | -36.8% |
| FY2024 | 33.9万円 | -66.1万円 | -66.1% |
| FY2025 | 57.4万円 | -42.6万円 | -42.6% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは18.4倍とセクター平均(約20倍)をやや下回る水準ですが、PBRは4.35倍と平均(約1.5倍)を大きく上回っています。これは自己資本が赤字により大幅に毀損しているためです。信用倍率は61.71倍と極端な買い長(買い残超過)の状態にあり、個人投資家による投機的な買いが集中していることを示しています。将来的な売り圧力となるリスクがある点には留意が必要です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2025/3期の通期決算を発表。売上高3,988億円・営業利益288億円と2期連続赤字から黒字に転換し、構造改革の成果が顕在化。
FY2026/3期第3四半期累計で最終利益が前年同期比5.1倍増と大幅増益。通期業績予想を上方修正し、営業利益1,080億円を見込む。
iPS細胞由来の再生医療等製品「アムシェプリ」が世界初の製造販売承認を取得。再生・細胞医薬の実用化で世界をリードする存在に。
最大1,400億円の新株発行登録を決議。希薄化懸念から株価が一時14.5%急落する場面も。財務基盤強化と成長投資が目的。
最新ニュース
住友ファーマ まとめ
ひとめ診断
「2期連続の巨額赤字から一転、構造改革とiPS細胞承認で反転攻勢を仕掛ける住友化学系製薬」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
同じ業種の企業
「医薬品」に分類される他の企業
漢方薬で国内シェア80%超の独占的地位を築き、中国事業拡大と養命酒製造買収で成長を加速する漢方のリーディングカンパニー
ADC抗がん剤エンハーツで世界を席巻する国内製薬大手。AstraZenecaとの提携で海外売上比率69%、営業利益率17%超へ急成長
キリンHD傘下の抗体医薬リーダーが、大型新薬候補の開発中止という逆風の中、コア営業利益率20%超を維持しつつ次の成長軸を模索する
人工透析剤で国内シェア5割を握る『静脈の巨人』が、特損を乗り越え次世代治療薬に挑む
イクスタンジとパドセブの二本柱で7年ぶり最高益へ。特許の崖を乗り越える新薬パイプラインに注目
『お腹の健康診断』の黒子が、独自の遺伝子検査技術で世界に挑む安定成長企業
目薬の老舗からグローバルヘルスケア企業へ変貌。22期連続増配と積極的なM&Aで持続的成長を描く
希少疾患・難病領域の創薬力と機能食品の二刀流で着実に成長する京都発の研究開発型製薬企業