富士製薬工業
Fuji Pharma Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年3月28日
女性の健康を支え、新薬創出で未来を拓くスペシャリティファーマ
長期ビジョン2035として「誰もがwell-beingを実感できる社会」の実現を目指します。
この会社ってなに?
あなたが病院で処方されるお薬、実は富士製薬工業が作っているかもしれません。特に、不妊治療や月経困難症の治療薬、更年期障害のホルモン剤など、女性特有の悩みに寄り添う医薬品を数多く手掛けています。日本で初めて承認されたアフターピル(緊急避妊薬)も同社の製品で、国内シェアの約9割を占めているほどです。また、高価な「バイオ医薬品」とほぼ同等の効果を持ちながら、価格を抑えた「バイオシミラー」の開発にも力を入れており、患者さんの負担軽減や国の医療費抑制にも貢献している会社です。
富士製薬工業は、女性医療とバイオ医薬品後続品(バイオシミラー)を成長の柱とするスペシャリティファーマです。FY2025の業績は売上高516.8億円、営業利益49.90億円と堅調に推移しており、過去最高の売上を更新しています。2029年9月期を最終年度とする新中期経営計画では、売上高800億円、営業利益100億円という高い目標を掲げ、新薬創出型企業への転換を加速させています。PBR1倍超えの早期実現も目標としており、資本効率と株主還元の強化にも注力する姿勢を見せています。
会社概要
- 業種
- 医薬品
- 決算期
- 9月
- 本社
- 東京都千代田区三番町5番地7 泉館文人通り6F
- 公式
- www.fujipharma.jp
社長プロフィール
私たちは『誰もがwell-beingを実感できる社会』の実現を目指しています。強みである女性医療領域と成長著しいバイオシミラー事業を核に、新薬創出型企業への転換を進め、持続的な成長を実現してまいります。
この会社のストーリー
東京都世田谷区にて富士薬品工業株式会社として創業し、医療用医薬品の製造を開始した。
富山県富山市に工場を新設し、富士製薬工業株式会社として新たなスタートを切った。
日本証券業協会に株式を店頭登録し、企業としての透明性と信頼性を高め、さらなる成長への基盤を築いた。
ジャスダックから東証二部へと市場を変更し、より多くの投資家からの信頼を得るステップとなった。
三井物産との提携により、グローバルな事業展開とバイオシミラー事業の強化を加速させる体制を構築した。
三井物産との資本提携解消に伴い自己株式を取得・消却し、株主価値の向上と資本効率の改善を図った。
女性医療とバイオシミラーを中核に、新薬創出型企業への転換を目指す新中期経営計画を発表。2029年度の売上高800億円を目標に掲げる。
注目ポイント
不妊症治療薬や月経困難症治療薬など、女性のライフステージに寄り添う医薬品に強みを持ちます。国内の緊急避妊薬では約9割のシェアを誇り、女性の健康を力強く支えています。
新薬に比べて開発費を抑えつつ、高い薬効が期待できるバイオ後続品(バイオシミラー)に注力。今後の大きな成長ドライバーとして、業績拡大を牽引することが期待されています。
安定的な配当を基本方針としつつ、業績に応じた増配を目指しています。新中期経営計画ではEPS(1株当たり利益)の成長もKPIに掲げ、企業成長と株主還元の両立を目指します。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 28.3円 | 31.8% |
| FY2017/3 | 30.1円 | 21.7% |
| FY2019/3 | 29円 | 29.9% |
| FY2020/3 | 29円 | 43.3% |
| FY2021/3 | 29円 | 32.0% |
| FY2022/3 | 35円 | 31.5% |
| FY2023/3 | 37円 | 26.2% |
| FY2024/3 | 42.5円 | 16.8% |
| FY2025/3 | 45.5円 | 37.0% |
現在、株主優待制度は実施していません。
当社は成長投資を優先しつつも、株主への利益還元を重要な経営課題と位置づけています。特別要因を除いた配当性向30%以上を継続する方針を掲げており、業績の成長に応じて配当額を着実に引き上げています。今後も安定した利益成長をベースに、配当による株主還元の拡充を図る姿勢が明確です。
同業比較(収益性)
医薬品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
当社の売上高は、不妊症治療剤や血管造影剤などの主力製品の安定した需要により、FY2021/3の約340億円からFY2025/3には約517億円まで着実に成長しています。FY2024/3には特別利益の計上などで純利益が一時的に61億円へと急拡大しましたが、本業の稼ぐ力である営業利益もFY2026/3期には55億円規模へ拡大を見込んでいます。今後も女性医療やバイオシミラー分野への注力により、更なる持続的な収益拡大を目指す成長フェーズにあります。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2016/3 | 7.2% | 4.4% | 10.4% |
| FY2017/3 | 10.1% | 6.7% | 12.2% |
| FY2018/3 | 9.5% | 6.3% | 11.6% |
| FY2019/3 | 7.5% | 4.9% | 11.5% |
| FY2020/3 | 5.2% | 3.4% | 9.3% |
| FY2021/3 | 7.4% | 3.8% | 9.9% |
| FY2022/3 | 7.5% | 3.6% | 10.7% |
| FY2023/3 | 8.3% | 4.0% | 9.4% |
| FY2024/3 | 13.5% | 6.8% | 8.4% |
| FY2025/3 | 6.4% | 3.2% | 9.7% |
売上高の拡大に伴い営業利益率はおおむね10%前後で推移しており、製薬企業として安定した収益性を維持しています。FY2024/3にはROEが13.5%と大きく向上しましたが、これは主に当期純利益の増加に伴う一時的な効果が大きく寄与したものです。今後は高付加価値な新薬シフトと効率的な経営の両立により、安定した収益性と資本効率の向上を図る方針です。
財務は安全?
総資産はFY2021/3の約642億円からFY2025/3には約934億円まで順調に積み上がっており、自己資本比率も約50%という盤石な財務基盤を維持しています。注目すべきは有利子負債がゼロである「実質無借金」経営を継続している点で、これは強固な財務体質を裏付けています。この高い財務健全性を背景に、研究開発や成長投資を加速できる環境が整っています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2016/3 | 45.1億円 | -33.2億円 | 7,800万円 | 11.9億円 |
| FY2017/3 | 32.4億円 | -15.3億円 | -30.4億円 | 17.0億円 |
| FY2018/3 | 37.7億円 | -10.7億円 | -20.0億円 | 27.0億円 |
| FY2019/3 | 70.3億円 | -120億円 | 72.7億円 | -49.9億円 |
| FY2020/3 | 57.7億円 | -26.2億円 | 4.5億円 | 31.5億円 |
| FY2021/3 | 59.9億円 | -23.4億円 | -54.4億円 | 36.5億円 |
| FY2022/3 | -6.6億円 | -113億円 | 50.9億円 | -119億円 |
| FY2023/3 | 19.2億円 | -52.4億円 | 19.1億円 | -33.2億円 |
| FY2024/3 | 41.5億円 | -16.6億円 | -4.3億円 | 24.9億円 |
| FY2025/3 | 58.0億円 | -42.2億円 | 9.5億円 | 15.8億円 |
営業キャッシュフローは概ね黒字を維持しており、安定した事業収益が確保できていることが分かります。FY2022/3は投資が大幅に先行しフリーキャッシュフローがマイナスとなりましたが、これは将来成長のための戦略投資の結果です。直近では営業キャッシュフローが再び約58億円まで回復し、健全なキャッシュ創出能力が戻っています。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2016/3 | 32.5億円 | 11.3億円 | 34.9% |
| FY2017/3 | 46.3億円 | 13.3億円 | 28.7% |
| FY2018/3 | 44.7億円 | 11.0億円 | 24.6% |
| FY2019/3 | 41.7億円 | 12.1億円 | 29.0% |
| FY2020/3 | 29.8億円 | 9.0億円 | 30.1% |
| FY2021/3 | 32.5億円 | 8.2億円 | 25.2% |
| FY2022/3 | 37.3億円 | 10.3億円 | 27.6% |
| FY2023/3 | 45.2億円 | 10.8億円 | 24.0% |
| FY2024/3 | 44.5億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2025/3 | 44.6億円 | 14.6億円 | 32.7% |
FY2024/3期に税負担がゼロとなったのは、繰延税金資産の取り崩しや一時的な税効果会計の影響による特異な事例です。通常時は法定実効税率に近い水準で推移しており、業績に応じた適切な納税を行っています。今後は利益成長に伴い、税引前利益ベースで約55億円規模の利益に対し、相応の税負担を見込む予測となっています。
会社の公式開示情報
EDINET開示情報によると、女性医療分野を核としたスペシャリティファーマへの転換が鮮明です。バイオシミラーおよび新薬開発に向けた積極的な投資を継続する一方、ジェネリック医薬品の価格競争や原材料コストの変動が主要なリスク要因として挙げられます。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 575億円 | — | 517億円 | -10.1% |
| FY2024 | 489億円 | — | 461億円 | -5.7% |
| FY2023 | 433億円 | — | 409億円 | -5.6% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 55億円 | — | 50億円 | -9.6% |
| FY2024 | 49億円 | — | 39億円 | -20.9% |
| FY2023 | 40億円 | — | 39億円 | -4.7% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2029年9月期に売上高800億円、営業利益100億円を目指す新中期経営計画が進行中です。これはFY2025実績に対し、売上高で約1.5倍、営業利益で約2倍の高い目標であり、女性医療とバイオシミラーを軸とした成長戦略の成果が問われます。一方で、過去数年の業績予想は期初計画に対して未達で着地する傾向が見られ、計画の精度と実行力には課題も残ります。PBR1倍超えに向けた資本効率の改善(目標ROE10%以上)も重要なテーマです。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は18.69倍と高く、信用買い残が積み上がっている状態です。これは将来の売り圧力になる可能性があり注意が必要です。業界平均と比較すると、PER・PBRともに割安な水準にあり、株価の上昇余地を示唆しています。今後の決算発表で新中計の進捗が確認されれば、市場の評価がさらに高まる可能性があります。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
ゲデオン・リヒター社と女性医療分野における製品候補の共同開発契約を締結。
第1四半期決算にて連結経常利益92.8%増を達成し、通期予想を上方修正。
AI創薬のFRONTEOと、女性医療領域での創薬シーズ評価に向けた共創プロジェクトを開始。
最新ニュース
富士製薬工業 まとめ
ひとめ診断
「『女性医療のスペシャリスト』が、ジェネリック依存から脱却し、バイオシミラーと新薬でグローバル市場を狙う第二創業期」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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