中外製薬
CHUGAI PHARMACEUTICAL CO.,LTD.
最終更新日: 2026年4月30日
ロシュの翼で世界へ飛ぶ、国内製薬No.1のイノベーター
2030年に世界のヘルスケア産業のトップイノベーターとなり、患者さん中心の高度で持続可能な医療を実現する
この会社ってなに?
病院で処方される薬の中に、中外製薬が開発した薬があるかもしれません。がん治療薬「テセントリク」、関節リウマチ治療薬「アクテムラ」、眼科薬「バビースモ」など、命を救い生活の質を高める医薬品を世界に届けています。
中外製薬は、スイスの製薬大手ロシュ・グループの一員として自主独立経営を行う研究開発型製薬企業です。がん・免疫・眼科・血液凝固など幅広い領域で革新的新薬を創出し、時価総額は国内製薬業界で第1位。FY2025/12期は売上収益1兆2,579億円(前期比+7.5%)、営業利益5,988億円(+10.5%)と9期連続増益を達成しました。FY2026/12期は売上収益1兆3,450億円、Core営業利益6,700億円を見込みます。自己資本比率82%・無借金経営で財務も盤石。2025年12月期は創立100周年を記念し1株あたり150円の記念配当を実施しました。
会社概要
- 業種
- 医薬品
- 決算期
- 12月
- 本社
- 東京都中央区日本橋室町2-1-1 日本橋三井タワー
- 公式
- www.chugai-pharm.co.jp
社長プロフィール

患者さんが待ち望む治療薬をいち早くお届けしたい。イノベーションの源泉は『やっぱり、ひと』。多様な人材が成長・活躍できる組織文化のもと、世界のヘルスケア産業のトップイノベーターを目指します。
この会社のストーリー
32歳の上野十藏が「海外の良質な医薬品を日本中に届けたい」と東京で創業。輸入医薬品の販売からスタート
スイスの製薬大手ロシュと戦略的アライアンスを締結。ロシュ・グループの一員となりながらも自主独立経営を維持する画期的なモデルを構築
自社創製の血友病治療薬ヘムライブラがグローバルで大型化。中外製薬の創薬力が世界に認められた象徴的な成功
売上収益1兆2,579億円、営業利益率47.6%で国内製薬首位の座を確立。記念配当150円を実施し株主還元も強化
AI創薬・デジタル技術を駆使し、がん・免疫・眼科・肥満症など新領域で革新的治療薬の創出を目指す
注目ポイント
国内製薬2位以下の倍以上の営業利益率を誇る驚異的な収益力。ロシュからの導入品と自社創製品のバランスが高収益を支えています
世界トップ級の製薬企業ロシュとの戦略的提携で、自社創製品を世界中の患者に届けるグローバルプラットフォームを保有しています
DX戦略「CHUGAI DIGITAL」のもと、AI・デジタル技術を創薬プロセスに全面導入。次世代の革新的治療薬を生み出す研究開発力を強化中です
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 17.3円 | 52.9% |
| FY2017/3 | 20.7円 | 46.7% |
| FY2018/3 | 28.7円 | 50.9% |
| FY2019/3 | 46.7円 | 48.7% |
| FY2021/3 | 76円 | 41.2% |
| FY2022/3 | 78円 | 34.3% |
| FY2023/3 | 80円 | 40.4% |
| FY2024/3 | 98円 | 41.6% |
| FY2025/3 | 272円 | 103.1% |
株主優待制度なし
FY2025/12期の配当272円は、普通配当122円に加え創立100周年の記念配当150円を含む特別な水準です。普通配当ベースでは76円→78円→80円→98円→122円と4期連続増配。FY2026/12期は記念配当がなくなり132円(普通配当のみ)を予想していますが、普通配当としては10円の増配です。配当方針はCore EPS対比平均45%の配当性向を目処としています。
同業比較(収益性)
医薬品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
売上収益は9期連続で増益を達成。FY2025/12期は売上収益1兆2,579億円(+7.5%)、営業利益5,988億円(+10.5%)、営業利益率47.6%と国内製薬トップの収益性を誇ります。FY2023/12期は一時的にロシュ関連の製品構成変化で減収となりましたが、FY2024/12期以降は再び成長軌道に回復。FY2026/12期はCore営業利益6,700億円(+7.5%)、10期連続増益を計画しています。
事業ごとの売上・利益
がん・免疫・眼科・血液凝固等の医薬品販売。国内約5,500億円、海外約5,300億円
ロシュからのロイヤリティ・一時金収入等。自社創製品のグローバル展開による収益
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 28.0% | 19.7% | - |
| FY2022/3 | 28.7% | 20.0% | - |
| FY2023/3 | 21.3% | 16.8% | - |
| FY2024/3 | 22.0% | 17.5% | 46.3% |
| FY2025/3 | 22.1% | 17.6% | 47.6% |
営業利益率47.6%は国内同業他社の中で圧倒的トップ(2位以下は20%未満)。ロシュからの導入品によるコスト効率と、自社創製品のグローバル展開がこの高収益体質を支えています。ROEは21.4%、ROAは17.6%と資本効率も優秀。経費率は約25%と同業他社の半分以下の水準を維持しています。
財務は安全?
自己資本比率82.1%、有利子負債ゼロの超健全な財務体質。総資産は2兆4,686億円に拡大し、純資産も2兆258億円と着実に成長。研究開発投資やM&Aを行いながらも実質無借金経営を継続しており、製薬企業として理想的な財務基盤です。BPS1,230.9円に対しPBR 7.13倍は、将来の収益力に対する市場の高い期待を反映しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 4,476億円 | -2,274億円 | -1,410億円 | 2,202億円 |
| FY2025/3 | 3,863億円 | -2,013億円 | -3,079億円 | 1,850億円 |
営業CFは毎期2,400〜4,500億円を安定的に創出。FY2025/12期のFCFは1,850億円で、投資と株主還元を十分に賄える水準です。投資CFは研究開発投資やレナリスファーマ買収等のM&A資金。財務CFのマイナス拡大(FY2025/12: -3,079億円)は創立100周年の記念配当を含む大幅な株主還元の増加によるものです。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 4,194億円 | 1,164億円 | 27.8% |
| FY2022/3 | 5,312億円 | 1,567億円 | 29.5% |
| FY2023/3 | 4,438億円 | 1,183億円 | 26.7% |
| FY2024/3 | 5,430億円 | 1,557億円 | 28.7% |
| FY2025/3 | 5,978億円 | 1,638億円 | 27.4% |
実効税率は25〜30%の範囲で安定。FY2025/12期は税引前利益5,978億円に対し法人税等1,638億円、実効税率27.4%。研究開発税制等の優遇措置を活用しつつ、国内製薬大手として適正な税負担を維持しています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 1,351万円 | 7,872人 | - |
平均年収は1,200万円前後で国内製薬企業トップの水準を維持しています。FY2023は組織再編の影響で従業員数が一時減少しましたが、FY2024は5,026名に回復。平均年齢は42〜43歳台で、研究開発型企業として高度な人材を擁しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
親会社ロシュが61.1%を保有する圧倒的な安定株主構造。浮動株は約38%で、機関投資家が中心。
筆頭株主はスイスの製薬大手ロシュ(61.1%)で、2002年の戦略的提携以来一貫して過半数を保有する親会社です。ロシュの存在により株主構成は極めて安定的。残りの約39%は機関投資家(日本マスタートラスト信託銀行8.6%、日本カストディ銀行3.5%など)と個人投資家で構成されています。ロシュとの提携は「自主独立経営」が前提で、社名・経営陣の変更なく中外製薬ブランドを維持しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 製商品売上(国内外) | 約1兆780億円 | — | — |
| その他の売上収益 | 約1,800億円 | — | — |
EDINET有価証券報告書より。IFRS適用企業で報告セグメントは医薬品事業の単一セグメント。役員報酬(取締役9名)は6億5,500万円。CEO報酬は基本報酬35%・賞与30%・株式報酬35%の構成。女性取締役4名(14名中、29%)。設備投資は634億円で研究所・工場の拡充に充当しています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率が約29%と国内製薬業界でもトップクラスの多様性を確保しています。設備投資額は527億円と研究開発型企業にふさわしい積極的な投資を実施。監査等委員会設置会社として監督機能の強化を図り、ロシュ・グループとしてのグローバルガバナンス基準を維持しつつ、独立した上場企業として自主性を確保する独自の経営体制が特徴です。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/12 | 1兆2,350億円 | — | 1兆2,579億円 | +1.9% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/12 | 6,150億円 | — | 6,232億円 | +1.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
成長戦略「TOP I 2030」のもと、2030年に「世界のヘルスケア産業のトップイノベーター」を目指しています。営業利益率40%以上の目標は47.6%で大幅にクリア。自社創製品のグローバル展開やAI創薬の推進も順調に進捗。GYM329の開発中止は痛手ですが、肥満症領域のGLP-1経口薬などパイプラインは充実。業績予想の精度も高く、堅実な経営が評価されます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
直近5年間のTSR(株主総利回り)は160.8%で、TOPIX(213.2%)をアンダーパフォーム。FY2021-22期は2020年高値からの反動で大幅下落しましたが、FY2023期以降は回復基調。9期連続増益の業績力と高い営業利益率が再評価されつつありますが、TOPIXの上昇ペースには追いついていません。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 69.3万円 | -30.7万円 | -30.7% |
| FY2022 | 64.0万円 | -36.0万円 | -36.0% |
| FY2023 | 101.3万円 | +1.3万円 | 1.3% |
| FY2024 | 133.2万円 | +33.2万円 | 33.2% |
| FY2025 | 160.8万円 | +60.8万円 | 60.8% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER33.3倍、PBR7.13倍と業界平均を大幅に上回るプレミアム評価。これは営業利益率47.6%という圧倒的な収益力と、ロシュとの提携による安定した成長基盤が市場から高く評価されているためです。信用倍率13.94倍と買い長ですが、出来高は豊富で流動性は高い銘柄です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
親会社ロシュが脊髄性筋萎縮症等を対象としたGYM329の臨床開発中止を発表。株価は一時7.5%下落
スイスのアラリス・バイオテックと抗体薬物複合体(ADC)の創薬ライセンス契約を締結
FY2025/12期決算を発表。売上収益1兆2,579億円、営業利益5,988億円で9期連続増益達成。記念配当含め1株272円の配当
米カリフォルニア州サウスサンフランシスコに外部提携拠点を新設。グローバル創薬ネットワークを強化
IgA腎症治療薬を開発するレナリスファーマを完全子会社化。腎疾患領域に本格参入
最新ニュース
中外製薬 まとめ
ひとめ診断
ロシュ傘下で営業利益率47%超・9期連続増益を続ける国内製薬トップイノベーター
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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