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アステラス製薬4503

Astellas Pharma Inc.

プライムUpdated 2026/07/16
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どんな会社?

事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ

ひとめ診断

業績
好調
営業益 前年比↑(FY2024/3の純利益急減はIveric Bio買収の無形資産減損等の一過性要因。FY2026/3は減損一巡と重点戦略製品の伸長で過去最高益に回復。)
配当
高め
1株 78円
安全性
安定
自己資本比率 51.3%(FY2026/3末時点)
稼ぐ力
高い
ROE 17.4%(FY2026/3実績)
話題性
好評
ポジ 55%

この会社ってなに?

病院で処方される薬の中に、アステラス製薬の製品が入っているかもしれません。特に泌尿器(前立腺・膀胱)の分野では世界トップクラスで、前立腺がんの治療を受けているご家族がいれば「イクスタンジ」という薬を使っている可能性があります。膀胱がんの「パドセブ」、閉経に伴うほてり(ホットフラッシュ)の「ビオーズ」、加齢黄斑変性の「イザーヴェイ」など、近年は新しい領域の薬も次々と実用化しています。臓器移植後の拒絶反応を防ぐ「プログラフ」も世界中の移植患者に欠かせない薬です。目には見えにくい「新薬」というビジネスですが、人々の命と生活の質を直接支えている企業です。

2026/03期は売上収益2兆1,392億円(前期比+11.9%)、純利益2,915億円と過去最高益を達成しました。会社の実力を示すコア営業利益も過去最高の5,557億円(同+41.6%)に達し、パドセブ・ビロイ・イザーヴェイなど重点戦略製品の伸長でIveric Bio買収に伴う減損で沈んだ利益がV字回復しました。ただし前中期計画「経営計画2021」(2021〜2025年度)が掲げたコア営業利益率30%の目標には届かず(実績26.0%)、この30%は新中計「経営計画2026」に2027年度目標として引き継がれています。一方、最主力の前立腺がん治療薬イクスタンジ(XTANDI)の米国物質特許が2027年8月に満了し、以降各国で後発品参入が見込まれる「特許の崖」が最大のリスクです。2026年5月に新中計「経営計画2026(2026〜2030年度)」を策定し、崖を越える成長戦略を打ち出しています。

医薬品プライム市場

注目ポイント

減損を越えた過去最高益とV字回復力

Iveric Bio買収に伴う一時的な利益圧迫を乗り越え、2026/03期は純利益2,915億円と過去最高益。コア営業利益も過去最高の5,557億円へ伸び、収益性が急改善する強い事業モメンタムが魅力です。

14期連続増配の累進配当

利益が落ち込んだ局面でも減配せず、14期連続で増配を実現。利回り約3.7%で、製薬大手のなかでも安定したインカムゲインが期待できます。

重点戦略製品と『経営計画2026』

パドセブ・イザーヴェイ・ビロイなど重点戦略製品5製品を軸に、2030年度に売上2倍を目指す新中期計画を始動。イクスタンジの特許の崖を越える成長戦略を描いています。

会社概要

業種
医薬品
決算期
3月
本社
東京都中央区日本橋本町2-5-1
公式
www.astellas.com

サービスの実績は?

2,915億円
純利益(2026/03期)
過去最高益・2期連続へ
前期比+474%
5,557億円
コア営業利益(2026/03期)
過去最高・コア営業利益率26.0%
前期比+41.6%
14期連続
連続増配
2026/03期は78円・翌期80円予
累進配当を継続
9,608億円
イクスタンジ世界売上
前立腺がん薬・米国特許2027年満了
前期比+5.3%
4,803億円
重点戦略製品5製品の売上
パドセブ等・翌期+27%見込み
成長の柱
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なぜ伸びるの?

売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く

事業ごとの売上・利益

医薬品事業(全社一体)
2兆1,392億円100.0%)
医薬品事業(全社一体)2兆1,392億円
利益: 3,826億円(報告営業利益)利益率: 17.9%

イクスタンジ(前立腺がん)、パドセブ(膀胱がん)、プログラフ(臓器移植)に加え、重点戦略製品5製品を世界70カ国以上で展開。コア営業利益は5,557億円・コア営業利益率26.0%。地域別は米国9,402億円が最大市場

稼ぐ力はどのくらい?

効率よく稼いでいます

FY2026/3実績

ROE
17.4%
株主資本の利回り
ROA
8.4%
総資産の活用度
Op. Margin
17.9%
営業利益率
会計期ROEROA営業利益率
2022/03期8.7%5.3%12.0%
2023/03期6.7%4.1%8.8%
2024/03期1.1%0.6%1.6%
2025/03期3.3%1.5%2.1%
2026/03期17.4%8.4%17.9%

2024/03期〜2025/03期はIveric Bio買収(約8,000億円)に伴う無形資産減損・統合費用が利益を大きく圧迫し、報告ベースの営業利益率は1.6%・2.1%まで沈みました。2026/03期は報告営業利益率17.9%へV字回復し、ROEも1.1%(2024/03期)から17.4%へ急改善。なお表の営業利益率は減損等を含む報告ベースで、会社が実力とするコア営業利益率は26.0%と一段高く、経営計画2026では2027年度までにコア営業利益率30%を掲げています。

儲かってるの?

順調に稼いでいます
会計期売上高営業利益当期純利益EPS増収率
2022/03期1.3兆円1,557億円1,241億円67.1円
2023/03期1.5兆円1,330億円987億円54.2円+17.2%
2024/03期1.6兆円255億円170億円9.5円+5.6%
2025/03期1.9兆円410億円507億円28.4円+19.2%
2026/03期2.1兆円3,826億円2,915億円162.8円+11.9%

2026/03期は売上収益2兆1,392億円(前期比+11.9%)、純利益2,915億円で過去最高益を達成しました。上表の営業利益はIFRSの報告(フル)ベースで、前期比+832%と爆発的に見えますが、これは前期(2025/03期)がIveric Bio買収等の減損を含む「その他の費用」2,358億円で沈んでいた反動です。会社が収益力の実勢とするコア営業利益(無形資産償却・減損等を除外)は過去最高の5,557億円(同+41.6%)となり、コア営業利益率は26.0%まで改善しました。重点戦略製品(パドセブ2,212億円・イザーヴェイ776億円・ビロイ631億円・ビオーズ466億円・ゾスパタ718億円)の伸長とイクスタンジ9,608億円の拡大が牽引しています。2027/03期も報告営業利益3,950億円・純利益3,000億円と2期連続の最高益を見込みます。

業績の推移

売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。

同業比較(収益性)

医薬品の同業他社平均(自社を除く当サイト掲載銘柄より算出)と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)

ROE(自社 FY2026/3上回る
この会社
17.4%
他社平均
5.9%
営業利益率(自社 FY2026/3上回る
この会社
17.9%
他社平均
8.7%
自己資本比率(自社 FY2026/3末下回る
この会社
51.3%
他社平均
61.9%
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将来どうなりそう?

公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く

会社の公式開示情報

役員報酬

15億5,300万円
3名の合計
⚠️ 有報「役員の状況」の特定区分(3名分)の合計値。全取締役12名の総報酬額は有報の役員報酬欄を参照

事業別の稼ぎ

事業名売上利益利益率
医薬品事業(全社一体)2兆1,392億円3,826億円(報告営業利益)17.9%

アステラス製薬は新薬に特化したグローバル製薬企業で、単一の医薬品事業として一体運営しています。売上の約80%が海外で、米国が最大市場です。泌尿器・移植領域に強みを持ち、近年はがん・眼科・女性医療に注力。2023年のIveric Bio買収(約8,000億円)で眼科領域に本格参入し、イクスタンジの特許切れ後を見据えた重点戦略製品群を育成中です。

会社の計画は順調?

B
総合評価
戦略製品売上1.2兆円目標は達成する一方、コア営業利益率30%・時価総額7兆円の目標は未達。単年度予想は期中2回の上方修正を経て大幅上振れ

※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません

Iveric Bio買収に伴う減損で計画途中は利益が沈み、収益性目標(コア営業利益率30%)と時価総額7兆円は届かなかった。ただし戦略製品の売上は目標を達成し、最終年度は過去最高益を計上。積み残した30%目標は新中計『経営計画2026』へ引き継がれた。
経営計画2021
2021〜2025年度(2022/03期〜2026/03期・完了)
戦略製品売上(XTANDI+主要戦略製品): 目標 1.2兆円以上(2025年度) 達成 (1.2兆円超を達成(XTANDI+重点戦略製品))
100%
コア営業利益率: 目標 30%以上(2025年度) 未達 (26.0%(FY2026/3実績))
87%
時価総額: 目標 7兆円以上(2025年度) 未達 (約3.9兆円)
56%
経営計画2026
2026〜2030年度(2027/03期〜2031/03期)
コア営業利益率: 目標 30%(2027年度までに) 基準値 (起点26.0%(FY2026/3))
計画開始前の基準値
期首実績待ち
重点戦略製品売上: 目標 2030年度に2025年度比2倍(約9,600億円) 期初前 (起点 約4,800億円(2025年度))
期首実績待ち
研究開発費控除前コア営業利益: 目標 計画期間累計4.3兆円以上 期初前 (計画開始前)
期首実績待ち

年度別の予想精度(計画を守れてる?)

営業利益
年度当初予想修正予想実績乖離
2025/03期480億円410億円-14.6%
2026/03期1,600億円3,400億円3,826億円+139.1%

当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)

「経営計画2021」(2021〜2025年度)は、戦略製品売上1.2兆円以上の目標を達成し最終年度に過去最高のコア営業利益5,557億円を計上した一方、コア営業利益率30%(実績26.0%)・時価総額7兆円(約3.9兆円)の目標は未達でした。この30%目標は新中計「経営計画2026」に2027年度目標として引き継がれています。単年度の報告営業利益は、初期予想1,600億円に対し第2四半期に2,400億円、第3四半期に3,400億円へと2度上方修正し、実績は3,826億円と大幅に上振れました。

最新ニュース

ポジティブ
アステラス/ファイザー、パドセブ+キイトルーダの筋層浸潤性膀胱がん周術期併用療法が米FDA本承認
07/10 · ファイザー・アステラス(適時開示)
ポジティブ
アステラス製薬、新中期計画「経営計画2026」を策定 30年代半ばに過去最高の売上収益目指す
05/26 · 日本経済新聞
ポジティブ
アステラス、今期最終は3%増で2期連続最高益、2円増配へ
04/27 · 株探
ポジティブ
アステラス、ミラベグロン(ベタニス)米国特許訴訟でLupin・Zydusと和解
02/12 · アステラス製薬(適時開示)
ポジティブ
アステラス、26年3月期の通期業績予想を上方修正 純利益2,500億円・営業3,400億円へ
02/04 · 日本経済新聞
ネガティブ
売上高9,000億円が吹き飛ぶ!? 特許の崖転落寸前のアステラス製薬
01/15 · ダイヤモンド・オンライン

どんな話題が多い?

決算・業績35%
パイプライン・新薬25%
特許・知財15%
M&A・提携15%
株主還元10%

メディアでどれくらい注目されてる?

報道のトーンは「ポジティブ
報道件数(30日)
520
前月比 +18.5%
メディア数
95
日本経済新聞, 東洋経済オンライン, ダイヤモンド・オンライン, 株探, Yahoo!ファイナンスほか
業界内ランキング
上位 5%
医薬品業 70社中 3位
報道のトーン
55%
好意的
30%
中立
15%
否定的

メディア露出

メディア分布

競合比較

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この会社のストーリー

創業から現在までの歩みと、代表者の姿

創業ストーリー

2005
山之内製薬と藤沢薬品の合併によりアステラス製薬誕生

日本を代表する2つの製薬会社の統合により、泌尿器・移植領域に強みを持つ新薬特化型グローバルファーマとして誕生しました。

2014
イクスタンジが世界的ブロックバスターに

前立腺がん治療薬「イクスタンジ」の適応拡大が相次ぎ、年間売上数千億円規模のブロックバスターに成長。アステラスの収益基盤を一変させました。

2023
Iveric Bioを約8,000億円で買収、眼科領域に参入

米国のIveric Bio社を約59億ドルで買収し、加齢黄斑変性(地図状萎縮)治療薬イザーヴェイを獲得。イクスタンジ後の成長ドライバー構築に向けた大型投資でした。

2024
買収に伴う減損で一時的な業績低迷

Iveric Bio買収に伴う無形資産減損・統合費用が利益を圧迫し、2024/03期の純利益は170億円に落ち込みました。特許の崖への懸念と重なり株価も低迷しました。

2026
過去最高益へV字回復、経営計画2026始動

重点戦略製品の伸長で2026/03期は純利益2,915億円と過去最高益を達成。14期連続増配を続けながら、新中期計画『経営計画2026』で特許の崖を越える成長戦略を打ち出しました。

出来事の年表

2026年7月パドセブFDA本承認

パドセブ+キイトルーダの筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)周術期(術前・術後)併用療法を米FDAが本承認(P3 EV-304/KEYNOTE-B15)。シスプラチン適応の有無を問わず使える初のプラチナフリー療法で、再発・進行・死亡リスクを47%低減。転移がんから根治可能な早期がんへ患者層を広げ、特許の崖対策の柱を強化した。

2026年5月経営計画2026

新中期経営計画「経営計画2026」(2026〜2030年度)を策定。2027年度までにコア営業利益率30%、2030年代半ばに過去最高の売上収益を目指す。

2026年4月過去最高益

2026/03期決算を発表。売上2.14兆円・純利益2,915億円と過去最高益を達成し、翌期も2期連続最高益を見込む。年間配当は78円に増配。

2026年2月3Q上方修正

第3四半期決算で通期の報告営業利益予想を2,400億円→3,400億円へ再度上方修正。過活動膀胱治療薬ミラベグロン(ベタニス/Myrbetriq)の米国特許訴訟でLupin・Zydusと和解し、訴訟解決金92億円も計上した。

2025年10月上方修正

2026/03期第2四半期決算を発表。重点戦略製品とイクスタンジの好調により通期の利益予想を引き上げ(報告営業利益を1,600億円→2,400億円へ)。

2025年5月前期決算

2025/03期決算を発表。売上1.91兆円と増収も、Iveric Bio関連の減損等で報告営業利益は410億円にとどまった。

代表者プロフィール

岡村 直樹
岡村 直樹
代表取締役社長CEO
科学重視の変革者
私たちは「変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの価値に変える」ことを存在意義に掲げています。2026/03期は重点戦略製品の伸長により過去最高益を達成し、コア営業利益も過去最高の5,557億円となりました。イクスタンジの特許切れという大きな課題に対しても、パドセブをはじめとする重点戦略製品と革新的なパイプラインで乗り越えてまいります。2026年5月には新たに「経営計画2026」を策定し、2027年度までにコア営業利益率30%、2030年代半ばに過去最高の売上収益を目指します。すべてのステークホルダーの皆様とともに持続的な企業価値の向上に努めます。
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安心して投資できる?

財務・透明性・株主構成・リスクを点検

財務は安全?

財務は安定しています
自己資本比率FY2026/3末時点)51.3%
0%30% (注意ライン)50% (安全ライン)100%

※ 有利子負債・純資産はいずれもFY2026/3末時点

Interest-bearing Debt
5,660億円
借金(有利子負債)
Net Assets
1.8兆円
会社の純資産

2024/03期にIveric Bio買収(約8,000億円)を借入で賄い、総資産が約1.1兆円増の3.6兆円に膨らむ一方、有利子負債は1,250億円から9,200億円へ急増し、自己資本比率は61.4%から44.7%へ低下しました。その後は着実に負債を圧縮し、2026/03期は有利子負債5,660億円・自己資本比率51.3%まで財務を修復。CFOは有利子負債をEBITDAの1.0〜1.5倍に抑える方針を示しており、成長投資と財務規律を両立しています。BPSは1,021円(2026/03期)。

お金の流れは?

健全なお金の流れです
Operating CF
+5,602億円
本業で稼いだお金
Investing CF
-667億円
投資に使ったお金
Financing CF
-4,048億円
借入・返済など
Free CF
+4,935億円
手元に残ったお金
会計期営業CF投資CF財務CFFCF
2022/03期2,574億円▲624億円▲2,163億円1,950億円
2023/03期3,278億円▲845億円▲1,956億円2,433億円
2024/03期1,725億円▲8,458億円6,141億円▲6,733億円
2025/03期1,945億円▲894億円▲2,614億円1,051億円
2026/03期5,602億円▲667億円▲4,048億円4,935億円

2024/03期はIveric Bio買収に約8,458億円の投資支出が発生してFCFは6,733億円のマイナスに転落し、財務活動で6,141億円を調達(社債・借入)して対応しました。以降は投資が正常化し、2026/03期は営業CFが5,602億円(前期比+3,657億円)と大幅に拡大、FCFも4,935億円のプラスへ急改善しました。潤沢なキャッシュ創出力が負債圧縮・増配・自己株取得の原資となっています。

この会社のガバナンスは?

役員構成(取締役 12名)
女性 5名(41.7% 男性 7
42%
58%
監査報酬
2億8,300万円
設備投資額
493.1億円

取締役会は12名中5名が女性で女性比率41.7%と、国内大手として高い多様性を確保しています。アステラスは監査等委員会設置会社で、監査等委員である取締役を含む取締役会は社外取締役が過半を占め、創業家を持たないプロフェッショナル経営型のガバナンス体制です。監査法人への監査報酬は2億8,300万円。

誰がこの会社の株を持ってる?

安定株主36.8%
浮動株63.2%
所有者別内訳(有価証券報告書)
金融機関34.7%
事業法人等2.1%
外国法人等43%
個人その他13.2%
証券会社7%

信託銀行・保険会社等の機関投資家が安定株主の中核。外国法人等の保有比率が約43%と高く、グローバルな資金フローの影響を受けやすい構造です。創業家やオーナーは存在せず、典型的なプロフェッショナル経営型の株主構成です。

日本マスタートラスト信託銀行株式会社 (信託口)(343,200,000株)18.96%
株式会社日本カストディ銀行 (信託口)(130,182,000株)7.19%
日本生命保険相互会社 (常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)(51,588,000株)2.85%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)(38,405,000株)2.12%
JPモルガン証券株式会社(30,057,000株)1.66%
JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)(26,465,000株)1.46%
SMBC日興証券株式会社(22,484,000株)1.24%
野村信託銀行株式会社 (投信口)(22,218,000株)1.22%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)(21,360,000株)1.18%
株式会社日本カストディ銀行 (信託口4)(18,927,000株)1.04%

株主構成は日本マスタートラスト信託銀行(19.0%)・日本カストディ銀行(7.2%)を筆頭とする機関投資家主体の構造です。ステート・ストリートやJPモルガンなど海外大手金融機関も上位に名を連ね、外国法人等の保有比率は約43%と高水準。日本生命が2.85%を保有するなど国内保険会社も安定株主として存在します。大株主に個人名はなく、創業家を持たないプロフェッショナル経営による透明性の高いガバナンスが特徴です。

この会社のリスク

有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。

1イクスタンジの特許切れリスク:最主力の前立腺がん治療薬イクスタンジ(世界売上9,608億円)の米国物質特許が2027年8月に満了し、欧州2028年・日本2029年と順次後発品が参入する見込み。「特許の崖」による大幅減収が最大のリスク。
2重点戦略製品・パイプラインの成長リスク:パドセブ・イザーヴェイ・ビロイ等の重点戦略製品や次世代パイプラインが計画通り立ち上がらなければ、イクスタンジ後の成長を埋められない。開発中止時の減損リスクも大きい。
3大型買収の投資回収・減損リスク:Iveric Bio(約8,000億円)等の大型買収で計上したのれん・無形資産(IPR&D)について、想定を下回れば追加の減損損失が発生する可能性がある。
4薬価改定・医療費抑制リスク:日本の薬価引き下げ、米国IRA(インフレ抑制法)による薬価交渉義務化など、各国の医療費抑制策が収益性に影響を及ぼす。
5為替変動リスク:海外売上比率が約80%に達し、特に米ドル・ユーロの変動が業績に大きく影響する。円高局面では円換算収益が減少する。
6競合激化リスク:前立腺がん・膀胱がん等の領域でグローバル製薬大手との競争が激化しており、市場シェアの維持が課題。
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株主リターン・投資成果

リターン・配当・市場データを確認

平均よりも稼げてる?

この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、市場平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。

5年間のTSR(配当込み株主総利回り、2021年3月末=100)は約177%とTOPIX(201%)にややアンダーパフォームしています。Iveric Bio買収に伴う一時的な利益圧迫とイクスタンジの特許切れ懸念で2024期〜2025期は指数が100前後まで沈み市場に水を空けられましたが、直近の2026/03期は株価が年度で約8割上昇(3月末終値2,519円)し、過去最高益への評価から急速に差を縮めました。(3月決算のため各年3月末終値・配当込みで算定)

※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。

配当・優待はもらえる?

しっかりもらえます
1株配当(最新期)
78
方針: 連結ベースの中長期的な利益成長に基づく安定的・持続的な増配(累進的。経営計画2026期間中は1株当たり年間2円以上の増配を計画)+機動的な自己株式取得
1株配当配当性向
2017/03期3432.8%
2018/03期3644.4%
2019/03期3833.0%
2020/03期4038.4%
2021/03期4264.7%
2022/03期5074.5%
2023/03期60110.6%
2024/03期70736.1%
2025/03期74261.0%
2026/03期7847.9%
2027/03期(予想)8047.8%
14期連続増配
株主優待
なし

株主優待制度なし

アステラスは14期連続増配の配当貴族で、2026/03期は年間78円、2027/03期は80円(予想)と増配を続けます。利益が一時的に落ち込んだ2024/03期でも減配せず70円を維持しました。表の2024/03期736%・2025/03期261%という高い配当性向は、減損で沈んだ報告ベースEPSに対する数値で、コア当期利益ベースでは40〜50%台と健全です。2026/03期は過去最高益によりEPS162.8円に対し配当78円で配当性向47.9%に正常化。新中計「経営計画2026」期間中は1株当たり年間2円以上の増配を計画しており(累進的方針)、2027/03期は80円を予想します。利回りは約3.7%で製薬大手として高めです。株主優待制度はありません。

もし5年前に投資していたら?

+
2022/03期初めに100万円を投資した場合
100万円が 177.0万円 になりました (77.0万円)
+77.0%
年度末時点評価額損益TSR
2022/03期115.0万円15.0万円15.0%
2023/03期117.0万円17.0万円17.0%
2024/03期106.0万円6.0万円6.0%
2025/03期98.0万円▲2.0万円-2.0%
2026/03期177.0万円77.0万円77.0%

※ 株価と配当をもとに配当込みで試算したTSR(株主総利回り)です。配当は再投資すると仮定しています。直近期は有価証券報告書が未提出のため株価から試算しています。将来のリターンを保証するものではありません。

株の売買状況と今後の予定

信用取引の状況
買い残591,500株
売り残1,283,400株
信用倍率0.46倍
2026年6月末時点
今後の予定
2027/03期 第1四半期決算発表(予定)2026年7月末頃
2027/03期 第2四半期決算発表(予定)2026年10月末頃

信用倍率は0.46倍と売り長で、高値圏での空売りが残る状態。将来の買い戻し需要は株価の下支え要因です。PER 13.1倍は医薬品セクター平均(約22倍)を下回り、イクスタンジの特許の崖リスクが織り込まれた水準と読み取れます。配当利回り3.66%はセクター平均を大きく上回り、インカム面での魅力があります。

税金はいくら払ってる?

税引前利益法人税等実効税率
2022/03期1,569億円328億円20.9%
2023/03期1,324億円336億円25.4%
2024/03期250億円79.2億円31.7%
2025/03期312億円-195億円-62.5%
2026/03期3,766億円850億円22.6%

アステラスはIFRS適用のため経常利益の概念がなく、税引前利益ベースで表示しています。2025/03期は税引前利益312億円に対し法人所得税が約195億円の“ベネフィット(マイナス)”となり、当期利益(507億円)が税引前利益を上回りました。これは減損に伴う繰延税金資産の計上など税効果によるもので、一過性の現象です。2026/03期の実効税率22.6%はグローバル製薬として標準的な水準です。

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アステラス製薬 まとめ

業績
好調
営業益 前年比↑(FY2024/3の純利益急減はIveric Bio買収の無形資産減損等の一過性要因。FY2026/3は減損一巡と重点戦略製品の伸長で過去最高益に回復。)
配当
高め
1株 78円
安全性
安定
自己資本比率 51.3%(FY2026/3末時点)
稼ぐ力
高い
ROE 17.4%(FY2026/3実績)
話題性
好評
ポジ 55%

「特許の崖を新薬で越える。過去最高益+14期連続増配のグローバル製薬が『経営計画2026』で次の成長へ」

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最終更新: 2026/07/29 / データ提供: OSHIKABU