扶桑薬品工業4538
Fuso Pharmaceutical Industries,Ltd.
どんな会社?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが病院で治療を受けるとき、扶桑薬品工業の製品が活躍しているかもしれません。例えば、風邪や脱水症状で点滴を受けることがありますが、その際に使われる輸液や注射剤は同社の主力製品の一つです。さらに、腎臓の病気で人工透析を受けている患者さんにとって不可欠な「透析剤」という薬では、国内でトップクラスのシェアを誇っています。普段の生活ではあまり名前を聞く機会はなくても、医療の最前線で多くの人々の生命を支えている、縁の下の力持ちのような会社です。
人工腎臓用透析剤で国内シェア約5割を誇る医薬品メーカー。主力の腎・透析領域が安定的に成長し、2025年3月期の売上高は605.6億円と過去最高を更新しました。しかし、特許権侵害訴訟に伴う特別損失を計上したことで、同年度の最終損益は32.88億円の赤字に転落。今後は、2030年度に売上高700億円を目指す中期経営方針のもと、収益性の回復と新薬開発への投資効果が問われます。
会社概要
- 業種
- 医薬品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪府大阪市城東区森之宮2丁目3番11号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
FY2025/3実績
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2016/03期 | 0.0% | 0.0% | 0.6% |
| 2017/03期 | 2.6% | 1.2% | 1.4% |
| 2018/03期 | 3.0% | 1.4% | 1.7% |
| 2019/03期 | 2.7% | 1.3% | 2.7% |
| 2020/03期 | 2.2% | 1.0% | 2.2% |
| 2021/03期 | 4.9% | 2.3% | 4.8% |
| 2022/03期 | 4.3% | 2.1% | 3.9% |
| 2023/03期 | 4.6% | 2.3% | 4.3% |
| 2024/03期 | 3.8% | 1.9% | 3.5% |
| 2025/03期 | ▲9.4% | ▲4.2% | 6.8% |
| 3Q FY2026/3 | 4.7%(累計) | 2.0%(累計) | 4.9% |
透析剤市場での高いシェアを背景に安定した収益基盤を持ちますが、研究開発費や原材料費の負担が利益率に影響しています。2025/03期には赤字計上でROEが-10.0%まで低下しましたが、営業利益率は6.8%と改善傾向にあります。収益性向上のため、今後は製品ポートフォリオの見直しと効率的な生産体制の構築が鍵となります。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | 増収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 493億円 | 23.5億円 | 16.1億円 | 183.2円 | +5.0% |
| 2022/03期 | 496億円 | 19.2億円 | 14.8億円 | 169.1円 | +0.8% |
| 2023/03期 | 510億円 | 22.1億円 | 16.1億円 | 183.1円 | +2.8% |
| 2024/03期 | 554億円 | 19.6億円 | 13.8億円 | 160.0円 | +8.6% |
| 2025/03期 | 606億円 | 41.3億円 | ▲32.9億円 | -384.9円 | +9.3% |
売上高は堅調に推移し、2025/03期には約606億円と増収基調を維持しました。一方で、2025/03期は特許侵害に伴う特別損失の影響で約33億円の純損失を計上し、赤字決算となりました。2026/03期は損益改善を見込み、約23億円の黒字復帰を計画しています。 【3Q 2026/03期実績】売上483億円(通期予想比78%)、営業利益24億円(同70%)、純利益17億円(同73%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
医薬品の同業他社平均と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
主力である人工腎臓用透析剤や輸液製剤の安定供給を事業の核としており、国内シェアでも高い位置を占めています。一方で、特許侵害関連の訴訟リスクや原材料コストの変動、医薬品卸を通じた流通環境の変化が主なリスク要因として開示されています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 26億円 | — | 41億円 | +58.9% |
| 2024期 | 20億円 | — | 20億円 | -1.8% |
| 2023期 | 16億円 | — | 22億円 | +37.9% |
| 2022期 | 12億円 | — | 19億円 | +60.3% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 570億円 | — | 606億円 | +6.2% |
| 2024期 | 533億円 | — | 554億円 | +3.9% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2030年度に売上高700億円、ROE8%超を目指す中期経営方針「FUSOビジョン2030 Next Stage」を推進中。直近の業績は好調で、特に2025期は期初予想を大幅に上回る営業増益を達成しました。しかし、特許侵害訴訟に伴う特別損失の計上で最終赤字に転落しており、ROE目標達成のハードルは高まっています。今後は、本業の収益力維持と財務規律の両立が計画達成の鍵となります。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
2025年3月期決算にて最終純利益27.80億円を計上し、経営の安定性を確認。
新中期経営方針「FUSOビジョン2030」を策定。売上高700億円超を目指す成長戦略を公表。
基幹システムを「SAP S/4HANA」へ完全刷新。物流効率化とトレーサビリティの向上を実現。
代表者プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
※ 有利子負債・純資産はいずれも3Q FY2026/3末時点
財務状況は、有利子負債が2025/03期時点で約382億円まで急増しており、自己資本比率も40.4%へ低下傾向にあります。これは将来に向けた設備投資やシステム刷新によるものですが、依然として一定の財務安定性は保たれています。今後は借入金の適正な管理と、収益を通じた自己資本の蓄積による健全性の回復が求められます。 【3Q 2026/03期】総資産894億円、純資産347億円、自己資本比率41.0%、有利子負債297億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2016/03期 | 21.2億円 | ▲53.4億円 | 23.3億円 | ▲32.2億円 |
| 2017/03期 | 18.8億円 | ▲7.9億円 | ▲11.4億円 | 10.9億円 |
| 2018/03期 | 14.2億円 | ▲9.8億円 | 6,900万円 | 4.4億円 |
| 2019/03期 | 20.5億円 | ▲23.7億円 | ▲3.1億円 | ▲3.2億円 |
| 2020/03期 | 57.3億円 | ▲14.8億円 | ▲18.0億円 | 42.4億円 |
| 2021/03期 | 32.3億円 | ▲9.8億円 | ▲24.5億円 | 22.5億円 |
| 2022/03期 | 35.0億円 | ▲15.5億円 | ▲16.7億円 | 19.4億円 |
| 2023/03期 | 28.5億円 | ▲13.7億円 | ▲8.1億円 | 14.8億円 |
| 2024/03期 | 6.3億円 | ▲35.4億円 | 1,400万円 | ▲29.1億円 |
| 2025/03期 | ▲33.0億円 | ▲31.7億円 | 76.2億円 | ▲64.7億円 |
営業活動によるキャッシュフローは2025/03期にマイナスに転じ、資金繰りの厳しさが浮き彫りとなりました。投資CFのマイナスはSAP導入等のシステム刷新や設備投資の継続を反映しており、将来の業務効率化に向けた支出が続いています。結果としてフリーキャッシュフローは大幅なマイナスとなり、財務CFでの借入増加によって資金を補填する構造となっています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は9.1%であり、ジェンダー多様性の拡大にはなお余地が残されています。基幹システム(SAP S/4HANA)の刷新による業務効率化を推進しており、コーポレート・ガバナンス体制の高度化とコンプライアンスの遵守を経営戦略の柱として掲げています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 585万円 | 1,340人 | - |
従業員平均年収は585万円であり、日本の製造業や医薬品業界における中堅企業として標準的な水準です。透析剤など安定需要がある事業を基盤としているものの、近年の人件費上昇や原材料費の高騰が業績に影響を与えており、給与水準には一定の抑制効果が働いています。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、一貫してTOPIXをアンダーパフォームしています。これは、安定的な配当にもかかわらず、株価がTOPIXの上昇トレンドに乗り切れなかったことが主な要因です。特に2024期以降はTOPIXが大きく上昇する中で株価が伸び悩み、パフォーマンスの差が拡大しました。今後は、特損からの回復と成長戦略の具体化により、キャピタルゲインを通じたTSRの向上が課題となります。
※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 8円 | 7272.7% |
| 2018/03期 | 80円 | 73.0% |
| 2019/03期 | 80円 | 78.5% |
| 2020/03期 | 60円 | 74.5% |
| 2021/03期 | 60円 | 32.8% |
| 2022/03期 | 60円 | 35.5% |
| 2023/03期 | 70円 | 38.2% |
| 2024/03期 | 70円 | 43.8% |
| 2025/03期 | 82円 | - |
| 権利確定月 | 3月 |
配当方針として安定的な利益還元を掲げており、業績が厳しい局面でも配当水準を維持・増配する姿勢を見せています。配当性向は年度により変動しますが、株主への長期的な利益還元を重視しています。今後は継続的な配当の維持が信頼性の指標となるでしょう。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 124.5万円 | 24.5万円 | 24.5% |
| 2022期 | 110.2万円 | 10.2万円 | 10.2% |
| 2023期 | 104.4万円 | 4.4万円 | 4.4% |
| 2024期 | 117.6万円 | 17.6万円 | 17.6% |
| 2025期 | 133.0万円 | 33.0万円 | 33.0% |
※ 株価と配当をもとに配当込みで試算したTSR(株主総利回り)です。配当は再投資すると仮定しています。直近期は有価証券報告書が未提出のため株価から試算しています。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
業界平均と比較してPER・PBRともに大幅に割安な水準にあり、株価の割安感は顕著です。配当利回りは業界平均を上回っており、インカムゲイン狙いの投資家には魅力的と言えます。信用倍率は0.18倍と売り残が買い残を大きく上回る「売り長」の状態で、将来的な株価上昇時の買い戻し(踏み上げ)への期待も内包しています。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2016/03期 | 1.7億円 | 1.6億円 | 94.2% |
| 2017/03期 | 6.4億円 | 0円 | 0.0% |
| 2018/03期 | 8.3億円 | 0円 | 0.0% |
| 2019/03期 | 12.8億円 | 3.9億円 | 30.1% |
| 2020/03期 | 10.7億円 | 3.6億円 | 33.7% |
| 2021/03期 | 22.3億円 | 6.2億円 | 27.8% |
| 2022/03期 | 20.0億円 | 5.1億円 | 25.7% |
| 2023/03期 | 22.1億円 | 6.1億円 | 27.5% |
| 2024/03期 | 18.7億円 | 4.9億円 | 26.3% |
| 2025/03期 | 37.8億円 | 70.7億円 | 187.0% |
通常の法人税負担は実効税率30%前後で推移してきましたが、2025/03期は特例的な損失処理により税負担率が異常値を示しました。これは営業上の利益水準に関わらず、特別損失という会計処理上の要因が税引前利益を押し下げたことに起因します。今後の業績回復に伴い、税負担は標準的な水準に正常化していく見通しです。
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