4151プライム

協和キリン

Kyowa Kirin Co.,Ltd.

最終更新日: 2026年3月22日

ROE3.1%
BPS1706.5円
自己資本比率80.6%
FY2016/3 有報データ

バイオテクノロジーの力で、まだ治せない病気を治す製薬会社

ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献する。

この会社ってなに?

病院で処方される薬を開発・販売している会社です。特に骨の病気(くる病など)を治す注射薬「クリースビータ」が世界で広く使われており、日本ではがんの一種を治す薬「ポテリジオ」でも知られています。キリンビールを展開するキリングループの一員で、ビールの発酵技術から生まれたバイオテクノロジーを薬づくりに活かしている、技術力に定評のある製薬会社です。

協和キリンは、キリンホールディングス傘下(出資比率約55%)のバイオテクノロジー製薬企業です。抗体医薬技術「POTELLIGENT」を強みに、骨・ミネラル領域の「クリースビータ」、がん領域の「ポテリジオ」など独自性の高いグローバル製品を展開しています。2025年12月期は売上収益4,968億円・コア営業利益1,031億円と過去最高を更新しました。一方、2026年3月にはピーク時売上高2,000億円が期待されていたアトピー性皮膚炎治療薬候補「ロカチンリマブ」の全臨床試験を中止し、株価はストップ安となりました。今後は英Orchard社買収で獲得した遺伝子治療薬や既存パイプラインの拡大で成長ストーリーの再構築が求められます。

医薬品プライム市場

会社概要

業種
医薬品
決算期
12月
本社
東京都千代田区大手町一丁目9番2号 大手町フィナンシャルシティ グランキューブ
公式
www.kyowakirin.co.jp

社長プロフィール

アブドゥル・マリック
代表取締役社長CEO
グローバルリーダー
Life-changingな価値を持つ医薬品を世界中の患者さんにお届けすることが私たちの使命です。グローバル・スペシャリティファーマとして、独自の抗体技術とバイオテクノロジーを武器に、存在感のある会社を目指します。

この会社のストーリー

1949
協和発酵工業の設立

発酵技術を基盤とする化学・製薬企業「協和発酵工業」として創業。アミノ酸や核酸の生産技術で世界をリードしました。

2003
抗体技術POTELLIGENTの確立

独自の抗体エンジニアリング技術「POTELLIGENT」を確立し、抗体医薬品開発のプラットフォームとしてグローバルに技術供与を開始。

2008
協和発酵キリン誕生

キリンファーマとの合併により「協和発酵キリン」が発足。キリングループ入りにより、研究開発体制とグローバル展開を大幅に強化しました。

2018
クリースビータのグローバル展開

X染色体連鎖性低リン血症治療薬「クリースビータ」が欧米で承認を取得し、グローバル・スペシャリティファーマへの飛躍を遂げました。

2023
遺伝子治療への挑戦

英Orchard Therapeutics社を最大約707億円で買収し、遺伝子治療という新たなモダリティの獲得に踏み切りました。

2026
逆風の中の再構築

期待のアトピー薬ロカチンリマブの開発中止という大きな逆風の中、既存パイプラインの拡大と新たな成長軸の模索を進めています。

注目ポイント

世界トップクラスの抗体技術POTELLIGENT

独自の抗体エンジニアリング技術は20社以上にライセンス供与され、多くの革新的医薬品の基盤技術となっています。

4期連続増配と安定財務

自己資本比率80%超・有利子負債ゼロの堅固な財務基盤のもと、コアEPS配当性向40%方針で安定的に株主還元を実施しています。

グローバル・スペシャリティファーマ

クリースビータの海外売上が急成長中。外国人社長の就任により真のグローバル企業への変革を加速させています。

サービスの実績は?

1,031億円
コア営業利益(過去最高)
FY2025/12 実績
+8.0%
20.8%
コア営業利益率
FY2025/12 実績
目標30%
2,000億円超
クリースビータ売上目標
グローバル・中長期
成長中

ひとめ診断

業績
普通
営業利益 前年比↓(FY2024/12は研究開発費の増加とOrchard社買収関連費用により純利益が一時的に減少)
配当
少なめ
1株 62円
安全性
安定
自己資本比率 80.6%
稼ぐ力
普通
ROE 3.1%
話題性
不評
ポジティブ 30%(2026年3月のロカチンリマブ開発中止によりセンチメントが一時的に悪化)

配当・優待はもらえる?

少しもらえます
1株配当(最新期)
62
方針: コアEPSに対する配当性向40%を目処とする方針
1株配当配当性向
FY2016/32573.3%
FY2017/32734.4%
FY2018/33535.2%
FY2019/34233.7%
FY2020/34450.3%
FY2021/34647.2%
FY2022/35151.2%
FY2023/35637.1%
FY2024/35851.3%
FY2025/36248.4%
9期連続増配
株主優待
なし

現在、株主優待制度の実施はありません。

4期連続増配を実現しており、FY2021/12の46円からFY2025/12には62円へ約35%増加しました。FY2026/12は70円への増配を予想しており、予想配当利回りは約2.98%です。配当方針はコアEPSに対する配当性向40%を目処としており、安定的な株主還元を重視しています。株主優待制度は実施していません。

同業比較(収益性)

医薬品の同業他社平均と比べると…

ROE下回る
この会社
3.1%
業界平均
10.2%
営業利益率上回る
この会社
9.2%
業界平均
-505.4%
自己資本比率上回る
この会社
80.6%
業界平均
31.6%

業績推移

儲かってるの?

まあまあです
売上高
FY2022/33,984億円
FY2023/34,422億円
FY2024/34,956億円
FY2025/34,968億円
営業利益
FY2022/30円
FY2023/30円
FY2024/30円
FY2025/30円

売上収益は5期連続で増収を達成し、FY2025/12には約4,968億円に到達しました。コア営業利益も1,031億円と過去最高を更新しています。FY2024/12で純利益が減少したのは、Orchard社買収関連費用と研究開発費の増加が主因です。FY2026/12は売上5,200億円を計画していますが、ロカチンリマブの開発中止に伴い最大200億円の追加費用が発生する可能性があり、利益予想には不確実性が残ります。

事業ごとの売上・利益

医薬事業(全社一体)
約4,968億円100.0%)
医薬事業(全社一体)約4,968億円
利益: 約1,031億円(コア営業利益)利益率: 20.8%

単一セグメントで経営。骨・ミネラル領域(クリースビータ)、がん領域(ポテリジオ)、免疫・アレルギー領域、遺伝子治療(Libmeldy)が主要パイプライン

稼ぐ力はどのくらい?

まあまあの効率です
ROE
3.1%
株主のお金でどれだけ稼いだか
ROA
2.7%
会社全体の資産の活用度
営業利益率
9.2%
売上のうち利益になった割合
ROEROA営業利益率
FY2016/33.1%2.7%9.2%

コア営業利益率は約20%前後で安定推移しており、製薬業界の中でも高い収益性を維持しています。FY2023/12にはROE 9.8%を達成しましたが、FY2024/12はOrchard社買収関連費用の影響で純利益が減少しROEは7.0%に低下しました。中期経営計画で掲げるコア営業利益率30%、ROE10%台前半の達成が今後の課題です。

財務は安全?

財務は安定しています
自己資本比率80.6%
0%30% (注意ライン)50% (安全ライン)100%
借金(有利子負債)
0円
会社の純資産
8,933億円

自己資本比率は80%前後と極めて高い水準を安定的に維持しており、有利子負債はゼロです。キリンHDグループの信用力に加え、自己資本の厚みが財務安全性を支えています。BPSは5期連続で増加し1,706.5円に到達しましたが、PBR 1.38倍が示すとおり市場は成長プレミアムを一定程度評価しています。

お金の流れは?

健全なお金の流れです
本業で稼いだお金
+966億円
営業CF
投資に使ったお金
-892億円
投資CF
借入・返済など
-369億円
財務CF
手元に残ったお金
+74.3億円
FCF
営業CF投資CF財務CFFCF
FY2016/3658億円-490億円-136億円168億円
FY2017/3649億円-453億円-183億円196億円
FY2018/3562億円-399億円-165億円163億円
FY2019/3537億円-9.3億円-474億円527億円
FY2020/3395億円2,526億円-260億円2,921億円
FY2021/3865億円-114億円-284億円752億円
FY2022/3487億円-172億円-290億円315億円
FY2023/31,156億円-204億円-325億円952億円
FY2024/3679億円-1,424億円-847億円-745億円
FY2025/3966億円-892億円-369億円74.3億円

FY2023/12までは安定的にFCFを創出していましたが、FY2024/12はOrchard社買収により投資CFが1,424億円に膨らみ、FCFはマイナス745億円に転落しました。FY2025/12には営業CFが966億円に回復しFCFもプラスに転換しましたが、営業CF・投資CFの差額はわずか74億円と薄氷のバランスです。今後はクリースビータの成長により営業CFの改善が期待されます。

この会社のリスク

有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。

1大型パイプライン候補「ロカチンリマブ」の開発中止による成長ストーリーの空白化リスク
2親会社キリンHDとの親子上場に伴う少数株主利益保護の課題
3主力製品「クリースビータ」への売上依存度の高さ
4米アムジェンとのロカチンリマブ提携解消に伴う最大200億円の費用増リスク
5遺伝子治療薬「Libmeldy」の商業化に関する不確実性
6為替変動リスク(海外売上比率が約60%)

税金はいくら払ってる?

税引前利益法人税等実効税率
FY2016/3264億円77.3億円29.3%

実効税率は約30%前後で推移しており、法定実効税率に近い水準です。FY2023/12で税率が低かったのは、海外子会社における税制優遇の適用によるものです。グローバル最低法人税率(15%)の導入による影響は限定的と見込まれます。

社員の給料はどのくらい?

平均年収
940万円
従業員数
3,950
平均年齢
43.3歳
平均年収従業員数前年比
FY2022/12868万円4,295-
FY2023/12897万円4,180+3.3%
FY2024/12920万円4,050+2.6%
FY2025/12940万円3,950+2.2%

平均年収は約940万円と医薬品業界の中でも高水準を維持しています。従業員数は4,000名前後で推移しており、バイオテクノロジーに特化した専門性の高い人材構成が特徴です。グローバル連結では約5,800名の従業員を擁し、海外拠点の拡充を進めています。

誰がこの会社の株を持ってる?

安定株主65%
浮動株35%
所有者別内訳(有価証券報告書)
金融機関14%
事業法人等55%
外国法人等18%
個人その他10%
証券会社3%

キリンホールディングスが約55%を保有する親子上場銘柄であり、安定株主比率は極めて高い。浮動株比率は約35%と限定的で、株価安定性は高いものの流動性はやや低い特徴があります。

キリンホールディングス株式会社(288,836,000株)54.95%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社 (信託口)(50,291,000株)9.57%
株式会社日本カストディ銀行 (信託口)(19,501,000株)3.71%
JPモルガン証券株式会社(8,042,000株)1.53%
ジェーピーモルガンチェースバンク385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)(6,308,000株)1.2%

筆頭株主のキリンホールディングスが約55%を保有する親子上場構造が最大の特徴です。残りの株式は日本マスタートラスト信託銀行など国内外の機関投資家が保有しており、一般個人投資家の保有比率は約10%にとどまります。親会社の高い持株比率により経営の安定性が担保される一方、少数株主の利益保護が課題として指摘されることがあります。

会社の公式開示情報

役員報酬

5億9,300万円
取締役19名の合計

事業別の稼ぎ

事業名売上利益利益率
医薬事業(全社一体)約4,968億円約1,031億円(コア営業利益)20.8%

研究開発費

約890億円
売上比 17.9%

役員報酬は取締役・監査役19名に対し合計5億9,300万円で、1人当たり約3,100万円と中堅製薬企業としては妥当な水準です。研究開発費は売上収益の約18%を投じており、バイオテクノロジー企業としての高い研究開発投資比率が特徴です。最大のリスクはロカチンリマブ開発中止後の次世代成長ドライバーの確保であり、パイプラインの充実度が今後の企業価値を左右します。

この会社のガバナンスは?

役員構成(取締役 11名)
女性 3名(27.3% 男性 8
27%
73%
監査報酬
1億2,000万円
連結子会社数
44
設備投資額
180億円
平均勤続年数(従業員)
16.5

取締役11名中女性3名(27.3%)と、政府目標の30%にはあと一歩の水準です。連結子会社44社、持分法適用会社14社でグローバルに事業を展開しています。グローバルDE&I宣言のもと、2030年末までにグローバル女性リーダー比率40%を目標に掲げ、多様性の推進に取り組んでいます。

会社の計画は順調?

B
総合評価
コア営業利益は過去最高を更新したが、中計目標のコア営業利益率30%・ROE10%台前半には未到達

※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません

ロカチンリマブの開発中止により、中長期の成長戦略の再構築が必要となっている
2021-2025年 中期経営計画
FY2021〜FY2025
コア営業利益率: 目標 30% 未達 (20.8%)
69%
ROE: 目標 10%台前半 未達 (7.5%)
58%
売上収益年平均成長率: 目標 1桁台後半 順調 (約7%)
80%

年度別の予想精度(計画を守れてる?)

売上収益
年度当初予想修正予想実績乖離
2025年12月期 通期4,780億円4,968億円+3.9%
コア営業利益
年度当初予想修正予想実績乖離
2025年12月期 通期950億円1,031億円+8.5%
純利益
年度当初予想修正予想実績乖離
2024年12月期 通期630億円599億円-4.9%

当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)

2021-2025年中期経営計画の最終年度を迎え、売上収益の成長率はおおむね目標水準を達成しましたが、コア営業利益率30%とROE10%台前半の目標は未達に終わりました。2030年に向けた「Vision 2030 and Beyond」では、20以上の新規パイプライン上市を目標に掲げていますが、ロカチンリマブ開発中止により計画の見直しが求められています。

この株を持っていたら儲かった?

この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。

5年間のTSRは-14.6%と元本割れの状態であり、同期間のTOPIX(+113.4%)を大幅に下回っています。FY2021には株価が上昇し一時的にTOPIXに近い水準となりましたが、その後は下落基調が続いています。ロカチンリマブの開発中止が直近の大きなマイナス要因であり、成長ストーリーの再構築なしにはTSRの回復は困難な状況です。

※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。

もし5年前に投資していたら?

FY2021初めに100万円投資した場合-14.6%
100万円 →85.4万円
-14.6万円
年度末時点評価額損益TSR
FY2021128.5万円+28.5万円28.5%
FY2022112.3万円+12.3万円12.3%
FY202395.2万円-4.8万円-4.8%
FY2024108.7万円+8.7万円8.7%
FY202585.4万円-14.6万円-14.6%

※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。

株の売買状況と今後の予定

信用取引の状況
買い残172,500株
売り残50,800株
信用倍率3.40倍
2026年3月時点
今後の予定
2026年12月期 第1四半期決算発表2026年5月頃
定時株主総会2026年3月下旬

PERは16.4倍とセクター平均の約20倍を下回っており、ロカチンリマブ開発中止後の成長期待の低下が反映されています。一方、配当利回り2.98%はセクター平均を上回る水準です。信用倍率3.40倍は買い長の状態であり、下落局面で押し目買いが入っていることを示唆しています。

メディアでどれくらい注目されてる?

報道のトーンは「やや不安
報道件数(30日)
285
前月比 -15.2%
メディア数
87
日本経済新聞, 株探, Yahoo!ファイナンス, 東洋経済オンライン ほか
業界内ランキング
上位 15%
医薬品業種 72社中 11位
報道のトーン
30%
好意的
35%
中立
35%
否定的

メディア露出

メディア分布

競合比較

どんな話題が多い?

新薬開発・パイプライン35%
決算・業績30%
M&A・提携20%
株価・市況15%

最近の出来事

2023年10月大型買収

英バイオ企業Orchard Therapeutics社を最大約707億円で買収し、遺伝子治療薬「Libmeldy」と造血幹細胞遺伝子治療プラットフォームを獲得。

2026年2月過去最高益

2025年12月期の通期決算を発表。売上収益4,968億円・コア営業利益1,031億円と、いずれも過去最高を更新。

2026年3月開発中止

アトピー性皮膚炎治療薬候補「ロカチンリマブ」の全臨床試験を中止。ピーク時売上高2,000億円が期待されていた大型パイプラインの喪失により株価はストップ安。

最新ニュース

ネガティブ
アトピー性皮膚炎治療薬候補ロカチンリマブの全臨床試験を中止
3/3 · 協和キリン公式
ネガティブ
協和キリン、ストップ安売り気配 大型新薬候補の開発中止で衝撃
3/4 · 株探
ネガティブ
米アムジェンとの開発提携解消、最大200億円の費用増見込み
3/2 · 日本経済新聞
ポジティブ
2025年12月期 通期決算発表、売上収益・コア営業利益が過去最高
2/9 · TDnet
ポジティブ
FY2026/12の配当予想70円を発表、4期連続増配へ
2/9 · Yahoo!ファイナンス

協和キリン まとめ

ひとめ診断

業績
普通
営業利益 前年比↓(FY2024/12は研究開発費の増加とOrchard社買収関連費用により純利益が一時的に減少)
配当
少なめ
1株 62円
安全性
安定
自己資本比率 80.6%
稼ぐ力
普通
ROE 3.1%
話題性
不評
ポジティブ 30%(2026年3月のロカチンリマブ開発中止によりセンチメントが一時的に悪化)

「キリンHD傘下の抗体医薬リーダーが、大型新薬候補の開発中止という逆風の中、コア営業利益率20%超を維持しつつ次の成長軸を模索する」

※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。

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最終更新: 2026/04/07 / データ提供: OSHIKABU