キッセイ薬品工業4547
KISSEI PHARMACEUTICAL CO.,LTD.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが病院で処方される薬、その中にはキッセイ薬品が開発したものがあるかもしれません。例えば、トイレが近くて困る「過活動膀胱」の治療薬や、透析患者さんのための薬など、特定分野の悩みに寄り添う医薬品を専門としています。普段はあまり意識しないかもしれませんが、つらい症状を和らげる薬の裏側で、キッセイ薬品のような企業が日夜研究を続けているのです。また、子会社のキッセイ商事では、信州そばなどの食品も製造・販売しており、意外なところでも私たちの生活に関わっています。
キッセイ薬品工業は、2025期に売上高883.3億円、営業利益57.73億円を達成し、回復基調にあります。過去数年は主軸製品の特許切れで営業赤字に苦しみましたが、自社開発の子宮筋腫治療薬「イセルティ」などの新薬が成長を牽引しています。新中期経営計画「CORE3」では、最終年度の2030年3月期に売上高1100億円以上を掲げ、創薬研究開発型企業としての持続的成長を目指しています。
会社概要
- 業種
- 医薬品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 長野県松本市芳野19番48号
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 2.4% | 2.0% | - |
| 2022/03期 | 6.1% | 5.1% | - |
| 2023/03期 | 5.3% | 4.6% | - |
| 2024/03期 | 5.4% | 4.6% | 5.3% |
| 2025/03期 | 5.5% | 4.7% | 6.5% |
| 3Q FY2026/3 | 6.6%(累計) | 4.4%(累計) | 5.1% |
収益性に関しては、研究開発型企業特有のコスト負担により営業利益率が変動する傾向がありましたが、近年の新薬投入効果により営業利益率は6.5%へと改善しています。ROE(自己資本利益率)は5%台で安定して推移しており、資本効率を意識した経営が一定程度進んでいます。医薬品業界内での競争を勝ち抜くため、さらなる高収益体質への進化が今後の課題となります。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 690億円 | — | 52.9億円 | 113.3円 | - |
| 2022/03期 | 654億円 | — | 129億円 | 280.2円 | -5.3% |
| 2023/03期 | 675億円 | — | 105億円 | 228.3円 | +3.2% |
| 2024/03期 | 756億円 | 40.2億円 | 112億円 | 246.6円 | +12.0% |
| 2025/03期 | 883億円 | 57.7億円 | 120億円 | 274.2円 | +16.9% |
当社の売上高は、新薬の貢献により2025/03期には883億円に達する成長を見せており、安定した収益基盤を確立しています。過去には研究開発費の先行投資により営業赤字を計上する期もありましたが、現在は利益体質への転換が鮮明です。2026/03期も増収増益の継続を予想しており、着実な業績拡大が期待される状況です。 【3Q 2026/03期実績】売上726億円(通期予想比79%)、営業利益△37億円(同-61%)、純利益110億円(同90%)。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
医薬品の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
主力は医療用医薬品事業であり、特に泌尿器や腎・透析領域に強みを持ちます。研究開発費の増大や薬価改定の影響による短期的な損益変動リスクを抱えていますが、新薬の投入や導出戦略により持続的な価値創造を目指す姿勢が示されています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 830億円 | — | 883億円 | +6.4% |
| 2024期 | 745億円 | — | 756億円 | +1.5% |
| 2023期 | 680億円 | — | 675億円 | -0.7% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 42億円 | — | 58億円 | +37.4% |
| 2024期 | 42億円 | — | 40億円 | -4.4% |
| 2023期 | 28億円 | — | -11億円 | 大幅未達 |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
新中期経営計画「CORE3」を掲げ、2030年3月期に売上高1100億円以上という長期目標を設定しています。直近の2026期会社予想は売上高915億円、営業利益60億円と堅調な成長を見込んでいます。2025期は期初予想を大幅に上回る好決算でしたが、2023期のように営業利益が予想を大きく下回ることもあり、計画達成の安定性が今後の評価ポイントとなります。新薬の販売動向が計画達成の鍵を握ります。
最新ニュース
どんな話題が多い?
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
新中期経営計画「CORE3」がスタートし、持続的な創薬研究開発型企業としての成長を宣言しました。
役員報酬制度の改定を実施し、ガバナンス体制の強化と中長期的な企業価値向上を目指す方針を公表しました。
第3四半期決算にて経常損益で22.2億円の赤字を計上し、研究開発費の増加が利益を圧迫する結果となりました。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
当社の財務基盤は極めて強固であり、自己資本比率は85%を超える高水準を維持しています。有利子負債は極めて軽微な水準に留まっており、無借金経営に近い健全なバランスシートを誇ります。潤沢なネット資産を背景に、研究開発や戦略的な投資を積極的に行える余裕がある点は、中長期的な成長に向けた強力な武器といえます。 【3Q 2026/03期】総資産2596億円、純資産2177億円、自己資本比率64.2%、有利子負債13億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 25.4億円 | 93.3億円 | 40.0億円 | 119億円 |
| 2022/03期 | 15.3億円 | 108億円 | 27.6億円 | 123億円 |
| 2023/03期 | 66.8億円 | 60.0億円 | 34.2億円 | 6.8億円 |
| 2024/03期 | 16.8億円 | 86.9億円 | 100億円 | 70.1億円 |
| 2025/03期 | 65.2億円 | 49.5億円 | 93.3億円 | 115億円 |
営業キャッシュフローは新薬開発や市販後の研究費用によって変動する傾向がありますが、2025/03期には65億円のプラスを計上し、本業の稼ぐ力が強化されています。投資活動によるキャッシュフローは、資産の効率化や運用益を反映し、プラス圏で推移することが多くなっています。財務活動では配当や自己株式の取得といった株主還元を継続的に実施しており、バランスの取れたキャッシュマネジメントが実践されています。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は12.5%であり、更なる登用が期待される段階です。監査体制の強化やコーポレートガバナンスの充実を図っており、サステナビリティ経営を推進することで中長期的な企業価値向上を目指す体制を整えています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 781万円 | 1,778人 | - |
従業員平均年収は781万円と、製薬業界の中堅企業として国内平均を大きく上回る水準にあります。長年蓄積された技術力と独自の開発パイプラインによる利益体質が、安定した高水準の賃金を支えてきた背景があります。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、一貫して市場平均であるTOPIXを下回る「アンダーパフォーム」となっています。これは、主力製品の特許切れによる業績低迷期と株価の軟調な推移が重なったことが主な要因です。ただし、2025期には自社TSRが151.6%と大きく改善しており、株価回復と増配が寄与しています。今後、新薬の収益貢献によってTOPIXを上回るリターンを実現できるかが、投資家の評価を左右するでしょう。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 44円 | 26.4% |
| 2017/03期 | 46円 | 29.0% |
| 2018/03期 | 48円 | 25.5% |
| 2019/03期 | 50円 | 42.6% |
| 2020/03期 | 52円 | 86.2% |
| 2021/03期 | 54円 | 47.7% |
| 2022/03期 | 56円 | 20.0% |
| 2023/03期 | 80円 | 35.0% |
| 2024/03期 | 82円 | 33.3% |
| 2025/03期 | 100円 | 36.5% |
株主優待制度は現在実施されておりません。
配当方針として安定的な利益還元を重視しており、累進配当を掲げ、継続的な増配を実現しています。配当性向は30%台を中心に設定し、成長投資と株主還元をバランス良く両立させる経営姿勢です。今後も強固な財務体質をベースに、持続的な配当支払いが期待できる銘柄です。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 90.0万円 | 10.0万円 | -10.0% |
| 2022期 | 95.8万円 | 4.2万円 | -4.2% |
| 2023期 | 101.8万円 | 1.8万円 | 1.8% |
| 2024期 | 136.9万円 | 36.9万円 | 36.9% |
| 2025期 | 151.6万円 | 51.6万円 | 51.6% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは16.0倍と、医薬品業界平均の約20.5倍と比較して割安感があります。PBRは0.98倍と1倍を割り込んでおり、市場評価が資産価値を下回っている状況です。信用倍率は1.45倍と拮抗しており、短期的な需給の偏りは見られません。業界平均に比べて株価指標が低く、業績回復が続けば見直される余地があります。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 34.8億円 | 0円 | 0.0% |
| 2022/03期 | 5.6億円 | 0円 | 0.0% |
| 2023/03期 | 6.0億円 | 0円 | 0.0% |
| 2024/03期 | 61.4億円 | 0円 | 0.0% |
| 2025/03期 | 69.7億円 | 0円 | 0.0% |
過去の決算において法人税等の支払いがゼロとなっているのは、主に繰越欠損金の解消や税務上の繰延税金資産の取り崩し、あるいは特定の会計処理による税効果会計の影響が考えられます。製薬企業は大規模な研究開発費が発生するため、一時的に税引前利益が圧縮されるケースも多く、今後の利益成長に伴い税負担が発生する可能性があります。現時点では税務上の調整期間にあると推測されます。
もっと知る
まとめと、関連情報・似た会社へ
キッセイ薬品工業 まとめ
「泌尿器・腎領域のニッチトップが、自社創薬の力で特許の崖を越えようと奮闘中」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。