エーザイ
Eisai Co.,Ltd.
最終更新日: 2026年4月7日
「hhc理念」のもと認知症治療に30年以上挑み続け、世界初の画期的新薬レケンビで新時代を切り拓くグローバル製薬企業
医薬品の提供にとどまらず、他産業と連携した「hhceco」を構築し、人々の健康と憂いを取り除く社会を実現する
この会社ってなに?
認知症のおばあちゃんやおじいちゃんが飲んでいた「アリセプト」は、エーザイが世界で初めて開発したアルツハイマー病の薬です。2023年にはさらに進化した新薬「レケンビ」が日米で承認され、病気の原因そのものを取り除く画期的な治療として世界中の患者さんに希望を届けています。がん治療薬「レンビマ」も世界中で使われており、あなたの家族や周りの方が医療を受けるとき、エーザイの薬が役立っているかもしれません。最近では日本郵便やセブン-イレブンと連携して認知症の早期発見を目指すサービスも始めています。
FY2025/3期は売上収益7,894億円(前期比+6.4%)、営業利益544億円(同+1.8%)と堅調に推移。アルツハイマー病治療薬「レケンビ」のグローバル展開が本格化し、Q3累計では最終利益が前年同期比-7.9%増と大幅増益を達成しました。FY2026/3期は売上7,900億円(同+0.1%)を見込みますが、レケンビの市場浸透加速が通期業績を左右します。2025年にはエコナビスタを160億円で買収し、高齢者見守りサービスを通じた認知症エコシステムの構築を推進。売上高の約20%を研究開発費に投じる研究開発型経営が特徴で、抗がん剤「レンビマ」と並びレケンビが中長期の成長エンジンとなります。
会社概要
- 業種
- 医薬品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都文京区小石川4-6-10
- 公式
- www.eisai.co.jp
社長プロフィール

エーザイは「患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する」というヒューマン・ヘルスケア(hhc)理念を掲げています。1987年から認知症の創薬研究に取り組み、アリセプトに続くレケンビの開発に成功しました。これからは薬だけでなく、IT企業やインフラ企業との連携による認知症エコシステムの構築を通じ、社会全体で認知症に立ち向かう世界を実現してまいります。
この会社のストーリー
現在のエーザイの前身が誕生。医薬品メーカーとしての歴史がスタートしました。
東証一部(現プライム市場)に上場し、企業規模の拡大と信用基盤を確立しました。
世界初のアルツハイマー病の進行を遅らせる治療薬を自社で開発・発売。ピーク時には年間3,000億円超の売上を記録し、エーザイの代名詞となりました。
自社創製の抗がん剤レンビマが承認され、神経領域と並ぶ主力事業としてがん領域のグローバル展開が加速しました。
病因物質アミロイドベータに直接作用する画期的新薬レケンビが日米で承認。認知症治療に新たな光をもたらしました。
高齢者見守りサービスのエコナビスタを160億円で買収。日本郵便やセブン-イレブンとも連携し、薬を超えた認知症の早期発見・予防サービスを展開開始。
注目ポイント
1987年から30年以上にわたり認知症の創薬研究に挑み続け、アリセプトに続きレケンビを世界に送り出しました。認知症治療のリーダーとして他社の追随を許さない研究蓄積があります。
エコナビスタ買収や日本郵便・セブン-イレブンとの連携で、高齢者の見守り・認知症予防サービスを展開。製薬の枠を超えたビジネスモデルが中長期の成長を牽引します。
年間160円の配当を5期連続で維持し、配当利回り約3.2%はセクター平均の2倍以上。利益を超えてでも配当を維持する姿勢が、インカム投資家からの強い支持を集めています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 150円 | 78.0% |
| FY2017/3 | 150円 | 109.0% |
| FY2018/3 | 150円 | 82.8% |
| FY2019/3 | 150円 | 67.8% |
| FY2020/3 | 160円 | 37.6% |
| FY2021/3 | 160円 | 108.9% |
| FY2022/3 | 160円 | 95.7% |
| FY2023/3 | 160円 | 82.8% |
| FY2024/3 | 160円 | 108.2% |
| FY2025/3 | 160円 | 97.7% |
株主優待制度なし
年間160円の安定配当を5期連続で維持しています。配当性向は83〜109%と利益水準を上回る年もあり、「利益に左右されず安定配当を出す」という姿勢が明確です。FY2026/3期も160円(予想配当利回り約3.2%)を予定。レケンビの収益貢献が本格化すれば利益成長に伴い増配余地が生まれる可能性がありますが、現時点では安定配当の維持を優先しています。医薬品セクター平均の配当利回り(約1.5%)を大きく上回る水準で、インカム投資家にも魅力的な銘柄です。
同業比較(収益性)
医薬品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
FY2025/3期は売上収益7,894億円(前期比+6.4%)と4期ぶりの増収を達成。アルツハイマー病治療薬レケンビのグローバル展開と抗がん剤レンビマが寄与しました。営業利益は544億円(同+1.8%)とほぼ横ばいですが、レケンビの上市費用が利益を圧迫する一時的な構造です。FY2026/3期は売上7,900億円を予想し、レケンビの処方拡大で安定成長を目指します。純利益がFY2023/3期に554億円と高水準だったのは、持分法投資利益や有価証券売却益など営業外要因が大きく寄与したためです。 【3Q FY2026/3実績】売上6200億円(通期予想比78%)、営業利益545億円(同100%)、純利益437億円(同105%)。
事業ごとの売上・利益
レケンビ、レンビマ等を軸に国内市場で展開。安定した収益基盤
レケンビの最大市場。上市初期のマーケティング費用負担が大きい
欧州・中東・アフリカ地域でレンビマ等を展開
中国・インド等の新興国市場での拡大を推進
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 6.0% | 3.9% | - |
| FY2022/3 | 6.6% | 4.1% | - |
| FY2023/3 | 7.2% | 4.4% | - |
| FY2024/3 | 5.1% | 3.2% | 7.2% |
| FY2025/3 | 5.4% | 3.3% | 6.9% |
| 3Q FY2026/3 | 5.1%(累計) | 3.0%(累計) | 8.8% |
営業利益率は5〜8%台で推移しており、売上高の約20%を研究開発費に投じる積極的な研究投資が利益率を圧迫しています。ROEは4.7〜6.7%と製薬大手としてはやや低めですが、これはレケンビの上市初期費用(マーケティング・臨床試験費用)が先行投資段階にあるため。FY2023/3期にROE 6.7%と改善したのは持分法投資利益の寄与が大きく、FY2024/3期はレケンビ関連費用増でROE 4.7%に低下しました。エーザイCFOはFY2028/3期にROE8%超を目標に掲げており、レケンビの本格的な収益貢献が鍵となります。
財務は安全?
自己資本比率は60%台で安定した財務基盤を維持。FY2024/3期以降は有利子負債が増加し、FY2025/3期末で約2,459億円となりました。これはレケンビの上市費用やエコナビスタ買収等の成長投資に伴う借入増です。BPSはFY2024/3期に3,053円でピークを打ち、FY2025/3期はやや減少。総資産は1.39兆円規模で、研究開発型製薬企業としては健全な水準。FY2028/3期にROE8%を目指すうえで、レケンビの収益貢献による自己資本の改善が重要なテーマです。 【3Q FY2026/3】総資産1.4兆円、純資産8660億円、自己資本比率60.7%、有利子負債1875億円。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 560億円 | -253億円 | -227億円 | 307億円 |
| FY2025/3 | 301億円 | -101億円 | -578億円 | 200億円 |
営業CFは年によってばらつきが大きく、FY2023/3期には▲18億円とマイナスに転落しました。これはレケンビの商業化に伴う先行投資(運転資本増加・マーケティング費用)が要因です。FY2022/3期は1,176億円と高水準でしたが、FY2025/3期は301億円に縮小。財務CFではFY2025/3期に▲578億円と大幅な資金流出があり、借入金の返済が主因です。FCFは直近5年で累計約1,519億円を創出し、研究開発投資と配当を支えています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 618億円 | 194億円 | 31.4% |
| FY2025/3 | 611億円 | 146億円 | 24.0% |
FY2026/3期の会社予想ベースでは税引前利益545億円に対し法人税等130億円、実効税率約23.9%です。グローバルに展開する製薬企業として各国のR&D税額控除や移転価格税制の影響を受け、日本の法定実効税率��約30%)を下回る水準で推移。海外子会社の利益構成や持分法投資利益の税効果が実効税率に影響を与えています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 1,056万円 | 10,917人 | - |
平均年収は1,055万円と製薬業界トップクラスの水準。FY2022で一時的に大幅減少(賞与変動)しましたが、FY2023に+130万円の急回復。その後は1,050万円台で安定推移。従業員数は約3,000名で横ばい。レケンビ関連の人材投資が今後の採用増につながる可能性があります。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関(信託銀行・保険会社)が安定株主の中核。外国人投資家比率31.6%と高く、グローバルな資金フローの影響を受けやすい構造。公益財団法人内藤記念科学振興財団(1.49%)は創業家関連の安定株主。
株主構成は日本マスタートラスト信託銀行(19.2%)・日本カストディ銀行(10.7%)を筆頭とする機関投資家主体の構造です。海外勢ではステートストリート(合計8.6%)、JPモルガン系(合計2.9%)などカストディ銀行が上位に並び、外国人保有比率は約32%。日本生命(2.3%)・埼玉りそな銀行(1.2%)など国内金融機関が安定株主として存在します。創業家関連では公益財団法人内藤記念科学振興財団(1.5%)が名を連ねています。個人投資家比率22.7%と比較的高く、配当利回り3%超の安定配当が個人からの支持を集めています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 医薬品事業(日本) | 約2,100億円 | 約300億円 | 約14% |
| 医薬品事業(米州) | 約2,800億円 | 約150億円 | 約5% |
| 医薬品事業(EMEA) | 約1,200億円 | 約80億円 | 約7% |
| 医薬品事業(アジア・中南米他) | 約1,800億円 | 約120億円 | 約7% |
エーザイは売上高の約20%を研究開発費に投じる研究開発型製薬企業です。地域別では米州が最大市場(約2,800億円)ですが、レケンビの上市初期費用で利益率は約5%と低水準。国内事業が利益率14%と最も高く収益の柱。事業リスクとしてはレンビマのパテントクリフとレケンビの市場浸透速度が最重要課題であり、レケンビが「第2のアリセプト」となれるかが中長期の企業価値を左右します。
この会社のガバナンスは?
エーザイは取締役会の多様性を重視しており、女性役員比率16.7%を達成するなど、ジェンダー平等の推進とグローバルな視点でのガバナンス構築に注力しています。監査体制についても独立性の高い社外取締役を中心に構成され、リスク管理とコンプライアンス遵守を強化することで、世界規模の事業展開を支える強固な経営体制を構築しています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024/3 | 7,100億円 | — | 7,418億円 | +4.5% |
| FY2025/3 | 7,540億円 | 7,800億円 | 7,894億円 | +4.7% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画「EWAY Future & Beyond」ではヘルスケアの主役を医療領域から日常生活領域に拡大する「hhceco」戦略を掲げています。売上収益はFY2024/3、FY2025/3ともに会社予想を4%以上上回る好実績で、計画達成力は高い。CFOが掲げたFY2028/3期ROE8%超の目標に向け、レケンビの売上2,500〜2,800億円への成長が鍵となります。エコナビスタ買収(160億円)や日本郵便・セブン-イレブンとの認知症予防サービス連携など、薬以外のエコシステム構築も計画通りに進捗しています。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は62.4%で、同期間のTOPIX(213.4%)に対して約151ポイントのアンダーパフォームです。FY2023には配当込みでほぼ元本回復(100.7%)しましたが、FY2025(2025年3月時点)は62.4%まで低下。レケンビへの期待と先行投資負担のバランスが投資家の評価を分けており、レケンビが収益化を果たすまでの「踊り場」にあるといえます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 95.6万円 | -4.4万円 | -4.4% |
| FY2022 | 75.5万円 | -24.5万円 | -24.5% |
| FY2023 | 100.7万円 | +0.7万円 | 0.7% |
| FY2024 | 86.4万円 | -13.6万円 | -13.6% |
| FY2025 | 62.4万円 | -37.6万円 | -37.6% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
信用倍率は13.16倍と大幅な買い長で、個人投資家の買い意欲が強い銘柄です。PER 34.2倍は医薬品セクター平均(22倍)を上回っており、レケンビの将来成長を織り込んだ評価となっています。一方PBR 1.68倍はセクター平均を下回り、現時点の収益力に対しては割安水準。配当利回り3.18%はセクター平均の2倍以上で、安定配当の実績がインカム投資家を引きつけています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
アナリストが目標株価を引き上げ。レケンビの処方拡大とFY2026/3期Q3の好業績を受け、成長期待が高まった。ブラックロックの保有比率も8.45%に増加。
FY2026/3期Q3累計で最終利益が前年同期比-7.9%増を達成。レケンビの売上拡大が貢献し、通期計画を上回るペースで進捗。
FY2026/3期Q2で最終利益が4倍増益。レケンビの浸透と、通期売上収益予想7,900億円への達成進捗が順調であることを確認。
FY2025/3期通期で売上収益7,894億円(前期比+6.4%)を達成。レケンビのグローバル展開が本格化し、堅調な増収基調を維持。
高齢者見守りサービスのエコナビスタを約160億円でTOB。認知症エコシステム構築に向けた戦略投資を実行。
最新ニュース
エーザイ まとめ
ひとめ診断
「アリセプトからレケンビへ─認知症治療の世界的パイオニアが、新薬で次の成長ステージに挑む」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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