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エーザイ4523

Eisai Co.,Ltd.

プライムUpdated 2026/07/03
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どんな会社?

事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ

ひとめ診断

業績
普通
営業益 前年比↓(FY2026/3の報告営業利益△18.8%は、前期(FY2025/3)にパリエット中国事業権利の譲渡一時金約157億円・戦略的提携終結益約59億円等の一過性利益で報告営業利益544億円が押し上げられていた反動が主因(レケンビ販促投資・欧州構造改革費用も影響)。一過性を除くコア営業利益は238→501億円(+110.7%)で、本質的な収益力はむしろ改善している。)
配当
高め
1株 160円(年間160円を維持(FY2020/3の150→160円増配後、FY2020/3〜FY2026/3の実績7期連続160円の据え置き。FY2027/3予も160円)。減益下でも安定配当を継続しており、減配ではない。)
安全性
安定
自己資本比率 62.0%(FY2026/3末時点)
稼ぐ力
普通
ROE 4.4%(FY2026/3実績)(ROE4.4%への低下はレケンビの先行投資と前期一時金の反動が主因。会社はFY2028/3にROE8%超(一時金収入を除いても達成)を目標に掲げる。)
話題性
普通
ポジ 48%

この会社ってなに?

認知症のおじいちゃん・おばあちゃんが飲んでいた「アリセプト」は、エーザイが世界で初めて実用化したアルツハイマー病の薬です。2023年には、病気の原因とされる物質に直接はたらきかける新薬「レケンビ」が日本と米国で承認・発売され、認知症治療に新たな希望をもたらしています。がん治療薬「レンビマ」も世界中の医療現場で使われており、あなたの家族が認知症やがんの治療を受けるとき、エーザイの薬が支えているかもしれません。最近では高齢者見守りサービスのエコナビスタを買収し、薬だけでなく認知症を早期に見つけ支える「エコシステム」づくりにも取り組んでいます。売上の約2割を研究開発に投じる、日本を代表する新薬メーカーです。

2026/03期は売上収益8,254億円(前期比+4.6%)と過去最高を更新しました。アルツハイマー病治療薬「レケンビ」が880億円(+98.7%)、抗がん剤「レンビマ」が3,425億円(+4.3%)、不眠症治療薬「デエビゴ」が643億円(+19.6%)と主力製品が伸長。一方、報告営業利益は441億円(△18.8%)と減益でした。前期にパリエット中国権利の譲渡一時金約157億円・提携終結益約59億円等の一過性利益で報告営業利益544億円が押し上げられていた反動が主因です。一過性を除くコア営業利益は238→501億円(+110.7%)と本質的な収益力は大きく改善しました。2027/03期は売上8,835億円・営業利益700億円(+58.6%)への回復を見込みます。2026年5月には新3カ年計画(2026〜2028年度)を公表し、最終年度に売上収益1兆円・コア営業利益900億円・レケンビ3,000億円規模を掲げました。年間配当は160円を実績7期連続で維持(今期予想も160円)。CEOは創業家出身の内藤晴夫氏で、認知症・がんを軸にサイエンスとデータに基づく成長をめざします。

医薬品プライム市場

注目ポイント

レケンビ・レンビマの2大ブランドが牽引

アルツハイマー病治療薬『レケンビ』(2026/03期世界売上880億円・前期比+98.7%)と抗がん剤『レンビマ』(3,425億円)が成長を牽引。レケンビは血液バイオマーカーによる診断普及を追い風に、2028年度に3,000億円規模をめざす主力製品です。認知症とがんという大きな医療課題に、自社創製・グローバル展開で挑みます。

一過性反動を越え、本質収益力は改善

2026/03期は売上収益8,254億円と過去最高を更新した一方、報告営業利益は前期のパリエット権利譲渡一時金約157億円・提携終結益約59億円等の一過性利益の反動で減益となりました。ただし一過性を除くコア営業利益は238→501億円(+110.7%)と大きく改善。2027/03期は営業利益700億円への回復を見込み、CEOは2028/03期にROE8%超を目標に掲げています。

実績7期連続160円の安定配当・創業家経営

年間配当は2020年3月期に160円へ増配して以降、2020/03期〜2026/03期の実績7期連続で160円を維持(今期2027/03期予も160円)。減益局面でも安定配当を続け、予想配当利回りは約3.7%と医薬品セクター平均を大きく上回ります。CEOは創業家出身の内藤晴夫氏で、長期視点の研究開発型経営が特徴。認知症・がん領域の中長期成長に投資する銘柄です。

会社概要

業種
医薬品
決算期
3月
本社
東京都文京区小石川4-6-10
公式
www.eisai.co.jp

サービスの実績は?

8,254億円
売上収益(2026/03期)
前期比+4.6%・過去最高
レケンビ・レンビマが牽引
880億円
レケンビ 世界売上(2026/03期)
前期比+98.7%
2028年度3,000億円規模へ
160
1株年間配当(実績7期連続維持)
予想利回り約3.7%
安定配当を継続
約19%
研究開発費率
R&D費1,587億円を投資
研究開発型経営
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なぜ伸びるの?

売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く

事業ごとの売上・利益

アメリカス医薬品事業(北米)
3,004億円37.1%)
日本医薬品事業
2,292億円28.3%)
中国医薬品事業
1,307億円16.1%)
EMEA医薬品事業
815億円10.1%)
イーストアジア・グローバルサウス医薬品事業
688億円8.5%)
アメリカス医薬品事業(北米)3,004億円
利益: 1,744億円利益率: 58.1%

最大市場。レンビマ2,372億円・レケンビ446億円が牽引。皮下注製剤「LEQEMBI IQLIK」も投入し利便性を向上。前期比+8.0%増収。

日本医薬品事業2,292億円
利益: 730億円利益率: 31.8%

医療用2,067億円・一般用225億円。レケンビ244億円(+91.3%)・デエビゴ465億円等が伸長。前期比+6.0%増収。

中国医薬品事業1,307億円
利益: 593億円利益率: 45.4%

レンビマ250億円・レケンビ124億円(+163.1%)・メチコバール等。前期比+13.2%増収。

EMEA医薬品事業815億円
利益: 304億円利益率: 37.3%

レンビマ/Kisplyx492億円・フィコンパ173億円等。構造改革の影響でセグメント利益は△15.4%。

イーストアジア・グローバルサウス医薬品事業688億円
利益: 302億円利益率: 43.9%

レンビマ・アリセプト・レケンビが伸長。台湾・メキシコ・タイ等で新興国展開を強化。前期比+15.6%増収。

稼ぐ力はどのくらい?

まあまあの効率です

FY2026/3実績

ROE
4.4%
株主資本の利回り
ROA
2.7%
総資産の活用度
Op. Margin
5.3%
営業利益率
会計期ROEROA営業利益率
2022/03期6.6%3.9%7.1%
2023/03期7.2%4.4%5.4%
2024/03期5.1%3.2%7.2%
2025/03期5.4%3.3%6.9%
2026/03期4.4%2.7%5.3%

営業利益率は5〜7%台で推移し、売上の約2割を研究開発費に投じる積極投資が利益率を抑えています。ROEは2026/03期に4.4%へ低下しましたが、これはレケンビの先行投資と前期一時金の反動が主因。会社は2028/03期にROE8%超(提携先からの一時金収入を除いても達成)を目標に掲げており、レケンビの本格的な収益貢献が実現の鍵です。

儲かってるの?

まあまあです
会計期売上高営業利益当期純利益EPS増収率
2022/03期7,562億円538億円480億円167.3円
2023/03期7,444億円400億円554億円193.3円-1.6%
2024/03期7,418億円534億円424億円147.9円-0.4%
2025/03期7,894億円544億円464億円163.8円+6.4%
2026/03期8,254億円441億円386億円136.8円+4.6%

2026/03期は売上収益8,254億円(前期比+4.6%)と過去最高を更新しました。レケンビ880億円(+98.7%)、レンビマ3,425億円(+4.3%)、デエビゴ643億円(+19.6%)と主力製品が伸長。一方、報告営業利益は441億円(△18.8%)と減益でした。これは前期(2025/03期)に、パリエット中国事業権利のCBC Groupへの譲渡一時金約157億円(725百万元・売上収益に計上)や戦略的提携終結益約59億円などの一過性利益が報告営業利益544億円を押し上げていた反動によるものです(前期のコア営業利益は238億円)。その一過性を除いたコア営業利益は238→501億円(+110.7%)と本質的な収益力は大幅改善しました。レケンビへの積極的な販促投資や欧州の構造改革費用も報告利益を圧迫しています。2027/03期は売上8,835億円・営業利益700億円(+58.6%)への回復を見込みます。なお純利益が2023/03期に554億円と高水準だったのは、法人所得税の還付益など一過性の要因が寄与したためです。

業績の推移

売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。

同業比較(収益性)

医薬品の同業他社平均(自社を除く当サイト掲載銘柄より算出)と比べると…(自社は直近の年次実績で比較)

ROE(自社 FY2026/3下回る
この会社
4.4%
他社平均
6.3%
営業利益率(自社 FY2026/3下回る
この会社
5.3%
他社平均
9.1%
自己資本比率(自社 FY2026/3末上回る
この会社
62.0%
他社平均
61.5%
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将来どうなりそう?

公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く

会社の公式開示情報

役員報酬

1億3,100万円
1名の合計
⚠️ 有報「役員の状況」の特定区分(1名分)の合計値。全取締役12名の総報酬額は有報の役員報酬欄を参照

事業別の稼ぎ

事業名売上利益利益率
アメリカス医薬品事業(北米)3,004億円1,744億円58.1%
日本医薬品事業2,292億円730億円31.8%
中国医薬品事業1,307億円593億円45.4%
EMEA医薬品事業815億円304億円37.3%
イーストアジア・グローバルサウス医薬品事業688億円302億円43.9%

エーザイは売上の約2割を研究開発費に投じる研究開発型製薬企業です。地域別セグメントでは北米(アメリカス)が売上3,004億円と最大で、レンビマ・レケンビが牽引。日本は売上2,292億円で医療用・一般用の両輪、中国はレケンビが+163%と急拡大しています。EMEAは構造改革でセグメント利益が減少しました。なお上記5地域は医薬品事業(合計8,108億円)の内訳で、別途その他事業(非医薬品)約146億円があり、全社の売上収益は8,254億円となります。地域別セグメント利益は全社費用・研究開発費配賦前のため利益率は高めに出ます。リスク面ではレンビマの特許切れ(パテントクリフ)とレケンビの市場浸透速度が中長期の企業価値を左右する最重要課題です。

会社の計画は順調?

B
総合評価
売上は計画超過を継続、営業利益は一過性反動で未達だがコア収益力は改善

※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません

売上収益は2025/03期・2026/03期ともに当初計画を4〜5%上回って着地し、計画達成力は高い。一方2026/03期の営業利益は前期一時金の反動やレケンビ販促投資で当初予想(545億円)を下回った。ただし一過性を除くコア営業利益は+110.7%と改善しており、収益の質はむしろ向上している。
新3カ年計画(2026〜2028年度)/EWAY Future & Beyond
2026〜2028年度(2027/03期〜2029/03期)
売上収益(FY2029/3): 目標 1兆円 基準値 (8,254億円(FY2026/3実績=計画開始前の基準値))
計画開始前の基準値
期首実績待ち
コア営業利益(FY2029/3): 目標 900億円 基準値 (501億円(FY2026/3実績=基準値))
計画開始前の基準値
期首実績待ち
レケンビ 世界売上(FY2029/3): 目標 約3,000億円 基準値 (880億円(FY2026/3・グローバル))
計画開始前の基準値
期首実績待ち
ROE(FY2028/3目標): 目標 8%超 基準値 (4.4%(FY2026/3))
計画開始前の基準値

年度別の予想精度(計画を守れてる?)

売上収益
年度当初予想修正予想実績乖離
2025/03期7,540億円7,800億円7,894億円+4.7%
2026/03期7,900億円8,254億円+4.5%
営業利益
年度当初予想修正予想実績乖離
2026/03期545億円441億円-19.0%

当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)

2026年5月25日に公表した新3カ年計画(2026〜2028年度)は、中長期戦略「EWAY Future & Beyond」のもと、最終年度の2029/03期に売上収益1兆円・コア営業利益900億円・レケンビ3,000億円規模を掲げます。2026/03期実績は計画開始前の基準値(進捗ではなく出発点)です。財務目標として2028/03期にROE8%超(提携先からの一時金収入を除いても達成)を掲げ、レケンビの本格的な収益貢献が鍵となります。売上予想の精度は高く、直近2期はいずれも当初計画を上回りました。

最新ニュース

ポジティブ
新3カ年計画(2026〜2028年度)を公表、2028年度に売上収益1兆円・コア営業利益900億円(成長投資は3年で1兆円)
05/25 · 日本経済新聞
ポジティブ
2026/03期本決算 売上収益8,254億円で過去最高、2027/03期は営業利益700億円へ回復見込み
05/15 · 適時開示
ポジティブ
レケンビ売上880億円(+98.7%)・レンビマ3,425億円、主力2剤が伸長
05/15 · エーザイ
中立
2026/03期営業利益は前期一時金の反動等で△18.8%、コア営業利益は+110.7%
05/15 · 株探
ポジティブ
米国で皮下注オートインジェクター製剤「LEQEMBI IQLIK」を発売、レケンビの利便性向上
10/01 · エーザイ
ポジティブ
高齢者見守りサービスのエコナビスタを約160億円でTOB・子会社化(認知症エコシステム構築)
03/14 · 日本経済新聞

どんな話題が多い?

決算・レケンビ躍進32%
新3カ年計画・成長戦略26%
認知症エコシステム18%
R&D・パイプライン15%
その他9%

メディアでどれくらい注目されてる?

報道のトーンは「中立
報道件数(30日)
482
前月比 +15.2%
メディア数
84
日本経済新聞, 株探, 日刊薬業, ミクスOnline, Yahoo!ファイナンス ほか
業界内ランキング
上位 12%
医薬品業 72社中 9位
報道のトーン
48%
好意的
37%
中立
15%
否定的

メディア露出

メディア分布

競合比較

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この会社のストーリー

創業から現在までの歩みと、代表者の姿

創業ストーリー

1941
研究開発型製薬メーカーとして設立

エーザイの前身となる日本衛材が1941年に設立(1955年にエーザイへ商号変更)。『ヒューマン・ヘルスケア(hhc)』を企業理念に掲げ、研究開発型の製薬企業へと成長しました。

1999
アリセプトで認知症治療のパイオニアに

世界初のアルツハイマー型認知症治療薬『アリセプト』を日本で発売(米国は1997年)。認知症治療の世界的パイオニアとしての地位を確立し、神経(ニューロロジー)領域がエーザイの強みとなりました。

2015
抗がん剤レンビマのグローバル展開

自社創製の抗がん剤『レンビマ』を発売。米メルクとの提携で世界展開し、甲状腺がん・肝細胞がん・子宮体がん等に適応を広げ、2026/03期には売上3,425億円の主力製品に育ちました。

2023
レケンビが日米で承認・発売

米バイオジェンと共同開発したアルツハイマー病治療薬『レケンビ(レカネマブ)』が日米で承認・発売。病気の原因とされるアミロイドβに作用する画期的な新薬として、2026/03期には売上880億円(+98.7%)へ急拡大しました。

2028
新3カ年計画で売上収益1兆円へ

2026〜2028年度の新3カ年計画で、最終年度に売上収益1兆円・コア営業利益900億円・レケンビ3,000億円規模を掲げます。認知症エコシステムの構築も進め、次の成長ステージをめざします。

出来事の年表

2026年5月25日新中期計画

新3カ年計画(2026〜2028年度)を公表。最終年度の2029/03期に売上収益1兆円・コア営業利益900億円を掲げ、成長投資に3年で1兆円を投じる方針を示した。

2026年5月15日本決算

2026/03期本決算を発表。売上収益8,254億円(+4.6%)と過去最高。報告営業利益は一過性反動等で△18.8%だがコア営業利益は+110.7%。2027/03期は営業利益700億円への回復を見込む。

2026年2月3Q決算

2026/03期第3四半期決算を発表。レケンビの世界的な処方拡大が進み、コア営業利益ベースで収益性が改善。

2025年10月新製剤

米国で皮下注オートインジェクター製剤「LEQEMBI IQLIK」を発売。在宅・自己投与を可能にし、レケンビの利便性と普及を後押し。

2025年5月前期決算

2025/03期本決算で売上収益7,894億円(+6.4%)。レケンビ・レンビマが伸長し増収基調を確認。

2025年3月M&A

高齢者見守りサービスのエコナビスタ(証券コード5585)を約160億円でTOB。5月に子会社化し、認知症エコシステムの中核ソリューションとして取り込み。

代表者プロフィール

内藤 晴夫
代表執行役CEO
hhc理念を貫く長期経営者
私たちは『ヒューマン・ヘルスケア(hhc)』の理念のもと、患者様と生活者の皆様の『生ききる』を支えることを使命としています。世界初のアルツハイマー病治療薬アリセプトを生んだ認知症領域の知見を礎に、レケンビを次の柱へと育て、認知症やがんに苦しむ人々へ革新的なソリューションを届けます。新3カ年計画では2028年度の売上収益1兆円をめざし、サイエンスとデータに基づく持続的な成長を追求してまいります。
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安心して投資できる?

財務・透明性・株主構成・リスクを点検

財務は安全?

財務は安定しています
自己資本比率FY2026/3末時点)62.0%
0%30% (注意ライン)50% (安全ライン)100%

※ 有利子負債・純資産はいずれもFY2026/3末時点

Interest-bearing Debt
1,861億円
借金(有利子負債)
Net Assets
8,990億円
会社の純資産

自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率)は62.0%と高く、財務基盤は堅固です。有利子負債は2022/03期の949億円から、レケンビの上市やエコナビスタ買収など成長投資に伴い2025/03期に1,875億円まで増加し、2026/03期は1,861億円とほぼ横ばい。総資産は棚卸資産の増加や為替の影響で1兆4,491億円に拡大しました。BPSは3,189円で、株価に対するPBRは約1.3倍の水準です。会社は2028/03期にROE8%超を目標に掲げており、レケンビの収益貢献による自己資本の効率的な活用が課題です。

お金の流れは?

健全なお金の流れです
Operating CF
+613億円
本業で稼いだお金
Investing CF
-418億円
投資に使ったお金
Financing CF
-611億円
借入・返済など
Free CF
+195億円
手元に残ったお金
会計期営業CF投資CF財務CFFCF
2024/03期560億円▲253億円▲227億円307億円
2025/03期301億円▲101億円▲578億円200億円
2026/03期613億円▲418億円▲611億円195億円

2026/03期の営業キャッシュ・フローは613億円の収入(前期301億円)と大きく改善しました。退職給付信託の返還等が寄与した一方、投資CFは無形資産や子会社の取得で418億円の支出、財務CFは配当支払い中心に611億円の支出です。フリー・キャッシュ・フローは約196億円を確保。研究開発投資と年間160億円規模の配当を、安定した営業CFで賄う構造です。

この会社のガバナンスは?

役員構成(取締役 12名)
女性 3名(25.0% 男性 9
25%
75%
監査報酬
1億8,300万円
設備投資額
約207億円
平均勤続年数(従業員)
18.5

エーザイは指名委員会等設置会社で、指名・監査・報酬の3委員会を設置し、監督と執行を明確に分離しています。取締役会は取締役12名(うち女性3名・女性比率25.0%、社外取締役8名)で構成され、議長は社外取締役の池史彦氏。業務執行は代表執行役CEOの内藤晴夫氏が担います。監査人への報酬は約1億8,300万円で、多様性とグローバルな視点を重視したガバナンス体制です。

誰がこの会社の株を持ってる?

安定株主38.8%
浮動株61.2%
所有者別内訳(有価証券報告書)
金融機関34.2%
事業法人等4.6%
外国法人等32.4%
個人その他22.6%
証券会社6.2%

金融機関(信託銀行・保険会社)が安定株主の中核。外国人投資家比率は約32%と高く、グローバルな資金フローの影響を受けやすい構造。公益財団法人内藤記念科学振興財団(約1.5%)は創業家関連の安定株主。

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)(52,319,000株)18.55%
株式会社日本カストディ銀行 (信託口)(28,186,000株)9.99%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)(14,975,000株)5.31%
JPモルガン証券株式会社(7,535,000株)2.67%
日本生命保険相互会社 (常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)(6,500,000株)2.3%
ゴールドマン・サックス証券株式会社BNYM (常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行)(5,175,000株)1.83%
公益財団法人内藤記念科学振興財団(4,212,000株)1.49%
JP MORGAN CHASE BANK 385781 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)(3,922,000株)1.39%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505103 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)(2,635,000株)0.93%
HSBC HONG KONG-TREASURY SERVICES A/C ASIAN EQUITIES DERIVATIVES (常任代理人 香港上海銀行東京支店)(2,620,000株)0.93%

株主構成は日本マスタートラスト信託銀行(約18.6%)・日本カストディ銀行(約10.0%)を筆頭とする機関投資家主体の構造です。海外勢ではステートストリート(合計約6.2%)やJPモルガン証券(約2.7%)、ゴールドマン・サックス証券BNYM(約1.8%)などが上位に並び、外国人保有比率は約32%。日本生命(約2.3%)が国内の安定株主として存在します。創業家関連では公益財団法人内藤記念科学振興財団(約1.5%)が名を連ねています。個人投資家比率も比較的高く、配当利回り3%超の安定配当が個人からの支持を集めています。

この会社のリスク

有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。

1レケンビの市場浸透遅延リスク:アルツハイマー病治療薬レケンビの処方拡大が想定通りに進まない場合、中期的な成長シナリオが後退する。各国の保険償還制度や投与施設・診断体制の整備状況に左右される。
2レンビマのパテントクリフ(特許切れ)リスク:抗がん剤レンビマの主要市場での特許が満了する可能性があり、後発薬参入による売上減少への備えが課題。
3臨床試験の失敗・安全性問題リスク:新薬パイプラインの開発が予定通り進まない場合や、レケンビの長期安全性に問題が生じた場合の影響は大きい。特にアミロイド関連画像異常(ARIA)の管理が課題。
4為替変動リスク:海外売上比率が高く、米ドル・ユーロの為替変動が業績に直接影響する。
5研究開発費の高水準維持による利益圧迫リスク:売上の約2割を研究開発費に投じており、短期的には営業利益率の変動要因となる。
6薬価改定・医療費抑制リスク:各国の薬価引き下げ政策が既存製品・新薬ともに収益を圧迫する可能性がある。

社員の給料はどのくらい?

平均年収
1,123万円
従業員数
2,979
平均年齢
44.5歳
平均年収従業員数前年比
2026/03期1,123万円2,979-

提出会社(単体)の平均年間給与は約1,123万円と製薬業界でも高水準で、前期(約1,056万円)から上昇しました(2026/03期有価証券報告書)。単体従業員数は2,979名、平均年齢44.5歳、平均勤続年数18.5年。連結従業員数は約10,543名です。研究開発型の製薬企業として高度専門人材を厚く抱える構造です。

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株主リターン・投資成果

リターン・配当・市場データを確認

平均よりも稼げてる?

この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、市場平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。

過去5年間(2021年3月末を100)のTSR(配当込み株主総利回り)は75.0(△25.0%)で、同期間のTOPIX(213.4)を大きく下回りました(アンダーパフォーム)。レケンビへの期待で2023年3月末には105.8まで回復した局面もありましたが、その後は先行投資負担と一過性反動による業績の踊り場を受けて株価が調整。レケンビの収益化とROE8%超の達成が、株価が市場平均に追いつくための鍵です。(3月決算のため各年3月末終値・配当込みで算定)

※ 配当を含む株主総利回り(TSR)ベースです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。

配当・優待はもらえる?

しっかりもらえます
1株配当(最新期)
160
方針: 安定配当を基本方針とし、FY2020/3期に150→160円へ増配して以降、年間160円をFY2020/3〜FY2026/3の実績7期連続で維持(据え置き。FY2027/3予も160円)。
1株配当配当性向
2021/03期160109.4%
2022/03期16095.6%
2023/03期16082.8%
2024/03期160108.2%
2025/03期16097.7%
2026/03期160117.0%
2027/03期(予想)16086.3%
株主優待
なし

株主優待制度なし

エーザイは安定配当を基本方針とし、年間配当は2020/03期に150円から160円へ増配して以降、実績7期連続(2020/03期〜2026/03期)で160円を維持しています(連続増配ではなく据え置き。今期2027/03期も160円予想)。配当性向は利益変動により80〜117%と高めで、減益となった2026/03期も160円を継続。2027/03期も160円(予想利回り約3.7%)を予定しています。予想配当利回りは医薬品セクター平均(約1.5〜2%)を大きく上回り、インカム投資家にとって魅力的な水準です。レケンビの収益貢献が本格化すれば、将来的な増配余地も期待されます。

もし5年前に投資していたら?

2022期初めに100万円を投資した場合
100万円が 75.0万円 になりました (-25.0万円)
-25.0%
年度末時点評価額損益TSR
2022期78.2万円▲21.8万円-21.8%
2023期105.8万円5.8万円5.8%
2024期89.6万円▲10.4万円-10.4%
2025期61.8万円▲38.2万円-38.2%
2026期75.0万円▲25.0万円-25.0%

※ 株価と配当をもとに配当込みで試算したTSR(株主総利回り)です。配当は再投資すると仮定しています。直近期は有価証券報告書が未提出のため株価から試算しています。将来のリターンを保証するものではありません。

株の売買状況と今後の予定

信用取引の状況
買い残1,927,200株
売り残59,300株
信用倍率32.50倍
2026-06-19時点
今後の予定
2027/03期 第1四半期決算発表(予定)2026年8月上旬
2027/03期 第2四半期決算発表(予定)2026年11月上旬

実績PER31.5倍は2026/03期の一過性減益を反映して高めですが、回復を見込む2027/03期予想EPS(185.4円)ベースでは約23.2倍です。PBR1.35倍・予想配当利回り3.71%と、バリュエーションとインカムの両面で相応の水準。信用取引は買い残1,927千株に対し売り残59千株と大幅な買い長(信用倍率32.5倍)で、個人投資家の買い意欲が強い銘柄です。

税金はいくら払ってる?

税引前利益法人税等実効税率
2024/03期618億円180億円29.2%
2025/03期611億円130億円21.3%
2026/03期510億円105億円20.5%

連結損益計算書の税引前当期利益と法人所得税費用の実額から実効税率を算定しています(IFRSのため経常利益の概念はなく、営業利益に金融損益等を加減した税引前当期利益が基準)。2024/03期は実効税率29.2%でしたが、2025/03期21.3%・2026/03期20.5%と低下。海外子会社の利益構成や研究開発税制、税務上の一過性要因が実効税率に影響しています。

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エーザイ まとめ

業績
普通
営業益 前年比↓(FY2026/3の報告営業利益△18.8%は、前期(FY2025/3)にパリエット中国事業権利の譲渡一時金約157億円・戦略的提携終結益約59億円等の一過性利益で報告営業利益544億円が押し上げられていた反動が主因(レケンビ販促投資・欧州構造改革費用も影響)。一過性を除くコア営業利益は238→501億円(+110.7%)で、本質的な収益力はむしろ改善している。)
配当
高め
1株 160円(年間160円を維持(FY2020/3の150→160円増配後、FY2020/3〜FY2026/3の実績7期連続160円の据え置き。FY2027/3予も160円)。減益下でも安定配当を継続しており、減配ではない。)
安全性
安定
自己資本比率 62.0%(FY2026/3末時点)
稼ぐ力
普通
ROE 4.4%(FY2026/3実績)(ROE4.4%への低下はレケンビの先行投資と前期一時金の反動が主因。会社はFY2028/3にROE8%超(一時金収入を除いても達成)を目標に掲げる。)
話題性
普通
ポジ 48%

「アリセプトからレケンビへ──認知症治療の世界的パイオニアが、一過性要因の反動を越えて『2028年度売上1兆円』へ挑む」

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最終更新: 2026/07/29 / データ提供: OSHIKABU