小野薬品工業
ONO PHARMACEUTICAL CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月22日
300年の創薬魂 -- がん免疫治療の先駆者が次のイノベーションに挑む
独創的な医薬品の創製を通じて世界の人々の健康に貢献するグローバルスペシャリティファーマ
この会社ってなに?
あなたや家族ががんと診断された時、治療の選択肢の一つとなる可能性があるのが小野薬品の「オプジーボ」です。人間の免疫力を活かしてがん細胞を攻撃する画期的な治療薬で、肺がんや胃がんなど多くのがん種に使われています。また、花粉症やぜんそくの薬「オノン」も同社の製品です。最近では米国のDeciphera社を買収し、希少がん(GIST)の治療薬も展開するなど、がん治療の最前線で私たちの健康を支えています。
小野薬品工業は、1717年創業の老舗製薬企業で、がん免疫治療薬「オプジーボ」の開発元として世界的に知られています。FY2025/3の売上収益は4,869億円、営業利益は597億円と、前期比で減収減益となりましたが、これは米Deciphera社買収(約1,300億円)などの大型M&Aに伴う一時費用が主因です。FY2026/3は売上収益4,900億円(+0.6%)、営業利益850億円(+42.3%)と回復を見込んでおり、オプジーボに続く次世代パイプラインの育成やDeciphera社の2製品(GIST治療薬)の成長が注目されます。自己資本比率73.5%、累進配当方針を掲げる安定した財務基盤も魅力です。
会社概要
- 業種
- 医薬品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 大阪市中央区久太郎町1丁目8番2号
- 公式
- www.ono-pharma.com
社長プロフィール
「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、独創的な医薬品の創製を通じて世界の人々の健康に貢献します。Deciphera社の買収で米国に自社販売基盤を獲得し、グローバルスペシャリティファーマへの転換を加速させます。
この会社のストーリー
大阪・道修町にて小野市兵衛が薬種商として創業。300年以上続く日本有数の老舗製薬企業の原点です。
戦後に株式会社として設立。自社研究所を開設し、研究開発型製薬企業への転換を図りました。
生理活性物質プロスタグランジンの研究に着手。この研究が後のがん免疫治療薬開発の礎となりました。
世界初のPD-1抗体「オプジーボ」が日本で承認。本庶佑京大教授との共同研究から生まれた画期的新薬で、がん治療に革命をもたらしました。
オプジーボの基盤となるPD-1の発見で本庶佑教授がノーベル賞を受賞。小野薬品の創薬力が世界的に認知されました。
米Deciphera社を約1,300億円で買収し、GIST治療薬の米国自社販売体制を獲得。グローバルスペシャリティファーマへの転換を加速させました。
Deciphera製品の成長、オプジーボの適応拡大、次世代がん免疫治療薬の開発を柱に、2031年度の長期ビジョン達成を目指します。
注目ポイント
世界初のPD-1抗体「オプジーボ」を開発し、がん治療に革命をもたらした創薬力が最大の魅力です。本庶佑教授のノーベル賞受賞の基盤技術を実用化した、世界に誇る日本発のイノベーションです。
1717年創業の老舗企業として、長期的な視点での経営を実践。自己資本比率73.5%の安定した財務基盤と累進配当方針により、配当利回り3.40%の安定したインカム収入を提供しています。
米Deciphera社の買収により、米国での自社販売体制を獲得。GIST治療薬「QINLOCK」「vimseltinib」の成長と、オプジーボの海外展開により、グローバルスペシャリティファーマへの進化を目指しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 180円 | 381.9% |
| FY2017/3 | 40円 | 38.0% |
| FY2018/3 | 45円 | 46.4% |
| FY2019/3 | 45円 | 44.9% |
| FY2020/3 | 45円 | 38.0% |
| FY2021/3 | 50円 | 33.1% |
| FY2022/3 | 56円 | 34.5% |
| FY2023/3 | 70円 | 30.3% |
| FY2024/3 | 80円 | 30.0% |
| FY2025/3 | 80円 | 75.1% |
現在、株主優待制度の実施情報はありません。
配当金は4期連続増配を達成し、FY2024/3・FY2025/3とも年間80円を維持しています。FY2025/3の配当性向は75.1%と高水準ですが、これはDeciphera社買収による一時的な減益が原因であり、累進配当方針のもと減配はしないという経営姿勢を示しています。配当利回りは3.40%で、医薬品業界平均を上回る水準です。株主優待制度は実施されていません。
同業比較(収益性)
医薬品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
小野薬品工業の売上収益はFY2021/3の3,093億円からFY2024/3に5,027億円まで成長し、オプジーボを中心としたがん免疫治療薬が牽引しました。FY2025/3は米Deciphera社買収(約1,300億円)に伴う一時費用により営業利益が597億円(前期比62.7%減)と大幅減益に。ただしこれは一過性の要因であり、FY2026/3は営業利益850億円(+42.3%)への回復を見込んでいます。累進配当方針のもと配当性向40%を目標に掲げており、株主還元姿勢も安定しています。
事業ごとの売上・利益
主力のがん免疫治療薬「オプジーボ」を中心に、肺がん・胃がん・腎がんなど多くのがん種で使用。国内外で年間数千億円規模の売上を生み出す最大の収益柱。競合品との差別化と適応拡大が課題。
2024年に約1,300億円で買収した米Deciphera社の事業。GIST(消化管間質腫瘍)治療薬「QINLOCK」「vimseltinib」の2製品が成長ドライバー。米国での承認・販売拡大が注目される。
花粉症・ぜんそく治療薬「オノン」、前立腺肥大症治療薬「ハルナール」等の既存品に加え、免疫領域や神経領域の新薬パイプラインを育成中。Vertex社との鎌状赤血球症治療薬の共同販促も開始。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 14.2% | 13.2% | 32.2% |
| FY2022/3 | 16.1% | 14.0% | 28.9% |
| FY2023/3 | 18.2% | 16.1% | 32.2% |
| FY2024/3 | 21.3% | 17.5% | 32.1% |
| FY2025/3 | 13.2% | 5.6% | 13.2% |
FY2021/3からFY2024/3まで営業利益率30%超、ROE 12-16%と高い収益性を維持していましたが、FY2025/3はDeciphera社買収に伴う一時費用により営業利益率が12.3%、ROEが6.3%に低下しました。これは一過性の要因であり、FY2026/3には営業利益850億円(営業利益率17.3%)への回復が見込まれています。中長期的には、オプジーボを中心とする高収益体質への回帰が期待されます。
財務は安全?
FY2024/3まで無借金経営を続けていましたが、FY2025/3にDeciphera社買収の資金として有利子負債1,350億円を調達し、総資産は1兆640億円に拡大しました。自己資本比率は86.8%から73.5%に低下したものの、依然として高い水準を維持しています。純資産は7,882億円とFY2024/3からやや減少しましたが、これは買収関連の一時費用が主因であり、財務基盤は引き続き安定しています。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2022/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2023/3 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| FY2024/3 | 1,107億円 | 481億円 | -898億円 | 1,587億円 |
| FY2025/3 | 825億円 | -1,368億円 | 943億円 | -543億円 |
FY2025/3は投資CFがマイナス1,368億円と大幅な資金流出となりましたが、これはDeciphera社買収が主因です。同時に財務CFが+943億円とプラスに転じたのは、買収資金の借入によるものです。FCFはマイナス543億円となりましたが、一過性の買収投資であり、営業CFは825億円と安定した現金創出力を維持しています。FY2024/3の投資CFがプラスだったのは有価証券の売却によるものです。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 868億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2022/3 | 1,211億円 | 179億円 | 14.8% |
| FY2023/3 | 1,508億円 | 87.9億円 | 5.8% |
| FY2024/3 | 1,880億円 | 281億円 | 14.9% |
| FY2025/3 | 1,123億円 | 525億円 | 46.8% |
FY2026/3の税引前利益予想は850億円、法人税等は約180億円で実効税率は21.2%を見込んでいます。研究開発税制の適用や海外子会社からの配当等の調整により、法定実効税率よりもやや低い水準となっています。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 1,017万円 | 4,287人 | - |
平均年収は約1,017万円と製薬業界の中でもトップクラスの水準です。平均年齢44.2歳、平均勤続年数16.9年と、長期的に働きやすい環境が整っていることが窺えます。単体従業員数4,287名の研究開発型企業として、高い専門性を持つ人材を擁しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 外国人投資家の保有比率が高く、グローバルな投資家からの評価が反映されやすい銘柄です。 主な安定株主は明治安田生命保険相互会社・公益財団法人小野奨学会・鶴鳴荘。
筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(13.58%)で、機関投資家による保有が中心です。創業家関連の公益財団法人小野奨学会(3.49%)と鶴鳴荘(3.43%)が安定株主として存在し、経営の安定性に寄与しています。明治安田生命やあいおいニッセイ同和損保など保険会社も上位に名を連ね、外国人投資家の保有比率は約30%とグローバルな注目度の高さを示しています。
会社の公式開示情報
役員報酬
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| がん領域(オプジーボ等) | - | - | - |
| Deciphera事業(GIST治療薬等) | - | - | - |
| その他医薬品(免疫・神経等) | - | - | - |
研究開発費
小野薬品工業は医薬品の研究開発・製造・販売を主軸とする単一セグメント企業ですが、実態としてはがん領域(オプジーボ中心)とDeciphera事業の2本柱で構成されています。売上収益の約20%を研究開発に投資する研究開発型企業であり、300年超の歴史の中で培った創薬力が最大の強みです。2024年のDeciphera社買収により、米国での自社販売体制を確立し、グローバル製薬企業への転換を進めています。
この会社のガバナンスは?
取締役10名のうち女性は2名で、女性役員比率は20.0%です。監査報酬は9,000万円、設備投資額は80.6億円で研究開発施設の維持・拡充に充てられています。平均勤続年数16.9年と長期勤続の社員が多く、安定した組織運営が特徴です。「健康経営銘柄2026」にも選定されており、ESGへの取り組みも評価されています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2024 | 4,750億円 | — | 5,027億円 | +5.8% |
| FY2025 | 4,500億円 | — | 4,869億円 | +8.2% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 1,220億円 | 597億円 | 597億円 | -51.1% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
小野薬品工業は2031年度をゴールとする長期ビジョンを策定し、グローバルスペシャリティファーマへの転換を目指しています。売上収益は計画を上回る傾向があり、経営陣のトップライン予想精度は高い水準です。一方、FY2025/3の営業利益はDeciphera社買収により当初計画から51%の大幅乖離。これは戦略的なM&Aによる一過性の費用であり、FY2026/3には営業利益850億円への回復を見込んでいます。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
小野薬品工業のTSR(株主総利回り)は5年間でマイナス22%と、TOPIXの+113.4%を大幅に下回っています。FY2022にはTOPIXに迫る水準でしたが、オプジーボの成長鈍化やDeciphera社買収による一時的な減益が影響し、株価は下落基調が続きました。ただし、配当利回り3.40%のインカム収入を加味すれば実質的な損失はやや緩和されます。今後はDeciphera製品の成長と次世代パイプラインの進展による巻き返しが期待されます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 118.3万円 | +18.3万円 | 18.3% |
| FY2022 | 127.6万円 | +27.6万円 | 27.6% |
| FY2023 | 118.3万円 | +18.3万円 | 18.3% |
| FY2024 | 109.0万円 | +9.0万円 | 9.0% |
| FY2025 | 78.0万円 | -22.0万円 | -22.0% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PERは16.5倍と医薬品業界平均(約20.5倍)を下回る割安水準にあり、FY2026/3の業績回復を織り込めばさらなる投資妙味があります。配当利回り3.40%は業界平均の約2倍で、インカムゲイン狙いの投資家にも魅力的です。信用倍率は8.41倍と買い残が大幅に優位で、個人投資家の回復期待が根強い銘柄です。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2025/3通期の最終利益予想を36%下方修正。Deciphera社買収に伴う一時費用の影響を反映しました。
FY2025/3の3Q累計(4-12月期)最終利益は前年同期比49%減益で着地。買収費用の影響が継続しています。
FY2025/3通期決算を発表。売上収益4,869億円、営業利益597億円。FY2026/3は営業利益850億円への回復を予想しました。
FY2026/3の3Q累計決算を発表。営業利益は前年同期比で大幅増益となり、通期目標に向けた順調な進捗を示しました。
経済産業省と東証が選定する「健康経営銘柄2026」に選ばれました。
最新ニュース
小野薬品工業 まとめ
ひとめ診断
がん免疫治療薬「オプジーボ」を生み出した創薬力と300年超の歴史を持つ、大阪発の研究開発型製薬企業
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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