理研ビタミン
RIKEN VITAMIN CO.,LTD.
最終更新日: 2026年3月28日
食卓の定番から食品産業の未来まで支える、隠れた技術力企業
天然物の持つ可能性を最大限に引き出し、世界の人々の健康と豊かな食生活に貢献する。
この会社ってなに?
あなたが普段スーパーで手にする『ふえるわかめちゃん®』や『リケンのノンオイル』ドレッシング、実はこれらを作っているのが理研ビタミンです。お味噌汁にわかめを入れたり、サラダにドレッシングをかけたりする時、あなたも同社の製品に触れているかもしれません。それだけではありません。あなたがコンビニで買うパンやお惣菜、お菓子などが、より美味しく、長持ちするように、その裏側で理研ビタミンの食品改良剤が活躍しているのです。私たちの食生活を、見えないところから幅広く支えている会社と言えるでしょう。
家庭用食品の「リケンのわかめスープ」と業務用の食品改良剤などを二本柱とする食品化学メーカー。FY2025は売上高955.8億円、営業利益87.24億円と増収減益で着地しましたが、原料価格高騰の影響を価格転嫁で吸収し、安定した収益基盤を維持しています。株主還元にも積極的で、FY2025の1株配当は94円と増配を継続。2027年度を最終年度とする新中期経営計画では、ROE10%以上を掲げ、海外展開とヘルスケアなどの新領域が今後の成長を牽引する見込みです。
会社概要
- 業種
- 食料品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 東京都新宿区四谷1丁目6番1号
- 公式
- www.rikenvitamin.jp
社長プロフィール

当社は「天然物の有効利用」と「独創と工夫」という創業以来の理念を胸に、事業活動を通じて社会的課題の解決と企業価値の向上に努めています。今後もコア事業である食品と改良剤、ヘルスケアの分野でスペシャリティを創出し、グローバルに事業を拡大することで持続的な成長を目指します。
この会社のストーリー
理化学研究所の研究成果を事業化するため、理研栄養薬品(株)から分離独立し、理研ビタミン油(株)として設立。ビタミンA油の製造販売を開始した。
東京証券取引所市場第二部に株式を上場。食品用改良剤や化成品など、ビタミン以外の事業へも進出し、多角化の礎を築いた。
家庭用食品事業の大きな柱となる「ふえるわかめちゃん®」を発売。乾燥わかめ市場を開拓し、ロングセラー商品となる。
事業の多様化を反映し、社名を「理研ビタミン株式会社」に変更。海外にも拠点を設け、グローバル市場への展開を本格化させた。
青じそ風味のノンオイルドレッシング「リケンのノンオイル」を発売。健康志向の高まりを捉え、家庭用ドレッシング市場に新たな風を吹き込んだ。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、業務用食品の需要が減少。一方で巣ごもり需要により家庭用食品は堅調に推移し、事業ポートフォリオの強さが示された。
「国内の深掘りと新領域への挑戦」「アジア・北米での展開加速」を掲げ、持続的な企業価値向上を目指す新中期経営計画をスタートさせた。
注目ポイント
理化学研究所をルーツに持ち、天然物の有効利用を追求。家庭でおなじみのわかめやドレッシングから、パンや化粧品の品質を向上させる改良剤まで、幅広い分野で独創的な製品を開発しています。
「リケンのノンオイル」など一般消費者向け(BtoC)のヒット商品を持つ一方、食品メーカーや化成品メーカー向けの原料・改良剤(BtoB)事業が収益の柱。安定した事業基盤で国内外に展開しています。
配当性向30%以上を目安とする安定した配当に加え、自社製品詰め合わせの株主優待も魅力的。長期保有で優待内容がグレードアップする制度もあり、株主を大切にする姿勢がうかがえます。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 66円 | 35.2% |
| FY2017/3 | 43.7円 | 24.4% |
| FY2018/3 | 47.1円 | 20.6% |
| FY2019/3 | 53.7円 | 33.6% |
| FY2020/3 | 55.7円 | 0.1% |
| FY2021/3 | 42円 | 0.1% |
| FY2022/3 | 46円 | 7.0% |
| FY2023/3 | 59円 | 30.2% |
| FY2024/3 | 81円 | 30.2% |
| FY2025/3 | 94円 | 30.3% |
| 権利確定月 | 3月 |
同社は株主還元を重視しており、配当性向30%以上を目安とした安定的かつ継続的な増配を目指しています。近年では利益成長に伴い、FY2021/3以降、着実に配当水準を引き上げてきました。今後も強固な財務基盤を背景に、適正な資本還元と中長期的な企業価値向上の両立を図る方針です。
同業比較(収益性)
食料品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
理研ビタミンの業績は、FY2021/3の赤字から着実な回復基調を辿っており、FY2025/3には売上高955.8億円、当期純利益93.9億円を達成しました。主力である家庭用・業務用食品事業の安定的な成長が寄与しており、FY2026/3期には売上高1,000億円の大台到達を見込んでいます。コロナ禍等の外部環境変化を乗り越え、利益率の改善とともに強固な収益基盤を確立しています。
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | -3.5% | -1.5% | - |
| FY2022/3 | 49.0% | 21.0% | - |
| FY2023/3 | 8.1% | 6.1% | - |
| FY2024/3 | 14.9% | 7.4% | 10.2% |
| FY2025/3 | 16.5% | 8.3% | 9.1% |
収益性指標は、FY2021/3の厳しい状況から大幅に改善しました。FY2025/3にはROE 11.9%、営業利益率 9.1%を記録しており、資本効率と本業の稼ぐ力の向上が鮮明です。これは付加価値の高い製品への傾注や、コスト管理の徹底によって高収益体質へと転換できた結果と言えます。
財務は安全?
財務健全性は極めて良好であり、自己資本比率はFY2025/3時点で70.1%と高い水準を維持しています。FY2024/3には有利子負債が346.5億円まで一時増加しましたが、翌期には235.1億円まで圧縮されており、強固な財務体質と機動的な資金管理が両立されています。手元流動性も十分に確保されており、成長投資と株主還元を支える安定した貸借対照表です。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 76.3億円 | -22.9億円 | -1.8億円 | 53.4億円 |
| FY2022/3 | 68.2億円 | -36.6億円 | -75.7億円 | 31.6億円 |
| FY2023/3 | 78.3億円 | -20.3億円 | -45.8億円 | 58.0億円 |
| FY2024/3 | 105億円 | -5.5億円 | -70.8億円 | 99.0億円 |
| FY2025/3 | 78.9億円 | 3.5億円 | -99.7億円 | 82.5億円 |
営業キャッシュフローは安定してプラスを維持しており、本業で稼ぐ力の強さを示しています。FY2024/3には営業CFが過去最高水準の104.5億円を記録し、創出した資金で積極的に財務キャッシュフローのマイナス(借入返済や株主還元)を賄っています。投資キャッシュフローも適切にコントロールされており、持続可能なフリーキャッシュフロー創出が実現できています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 16.5億円 | 32.7億円 | 197.9% |
| FY2022/3 | 61.8億円 | 0円 | 0.0% |
| FY2023/3 | 77.2億円 | 13.1億円 | 16.9% |
| FY2024/3 | 103億円 | 15.4億円 | 15.0% |
| FY2025/3 | 94.2億円 | 2,900万円 | 0.3% |
法人税等の支払額は年度により大きな変動が見られます。これは過年度の繰越欠損金の利用や税効果会計による繰延税金資産の取り崩し、あるいは特定の会計事象による一時的な差異が影響しています。そのため、実効税率が法定税率と大きく乖離する期が発生しており、キャッシュフロー計算書上の税引前当期純利益との調整内容を確認する必要があります。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 824万円 | 1,858人 | - |
従業員平均年収は824万円と、食料品業界の中では非常に高い水準を維持しています。これは同社が海藻類やドレッシング等の高付加価値な製品群において強固なブランド力を持ち、安定した収益基盤を築いていることが給与水準を支えている背景にあります。
誰がこの会社の株を持ってる?
安定株主が一定の割合を占めており、経営基盤は比較的安定しています。 主な安定株主は理研ビタミン取引先持株会・みずほ銀行。
同社は取引先持株会や大手金融機関の信託口が安定株主として上位に名を連ねる構成であり、長期的な視点での経営を重視する傾向が強いです。一方で、持株会が筆頭株主である点は社内の結束力を示す反面、浮動株比率には一定の制限があることが示唆されます。
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によると、売上高の主要セグメントは国内食品事業と化成品等の海外展開であり、事業ポートフォリオの多角化を進めています。一方で、原材料価格の高騰や為替変動を主要な経営リスクと認識しており、グローバル展開に伴うコスト管理が今後の成長の鍵を握ります。
この会社のガバナンスは?
取締役の女性比率は18.2%と一定の多様性を確保しつつあり、コーポレート・ガバナンスの強化を経営優先課題に掲げています。監査報酬に1億1,500万円を投じ、連結子会社12社を抱える企業グループとしての厳格な監査体制の構築に努めています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 925億円 | — | 956億円 | +3.3% |
| FY2024 | 920億円 | — | 915億円 | -0.6% |
| FY2023 | 860億円 | — | 888億円 | +3.2% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025 | 85億円 | — | 87億円 | +2.6% |
| FY2024 | 68億円 | — | 94億円 | +37.8% |
| FY2023 | 54億円 | — | 72億円 | +32.6% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2025年5月に発表された新中期経営計画「中期経営計画2027」では、最終年度の2028年3月期に売上高1200億円、営業利益120億円、ROE10%以上という挑戦的な目標を掲げています。直近の業績予想は上振れで着地することが多く、経営の安定感は評価できます。しかし、過去の計画達成状況を見ると、目標に対してやや未達で終わる傾向もあり、今回の高い目標を達成できるかが今後の焦点となります。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、継続して市場平均であるTOPIXを下回る「アンダーパフォーム」となっています。これは、同社の安定した業績や増配傾向にもかかわらず、市場全体の成長率と比較すると株価の上昇が緩やかであったことを示しています。株価が長らくレンジ相場にあることが主な要因と考えられ、今後の成長戦略が市場に評価され、株価水準が切り上がることがTSR向上の鍵となります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| FY2021 | 64.2万円 | -35.8万円 | -35.8% |
| FY2022 | 80.6万円 | -19.4万円 | -19.4% |
| FY2023 | 94.5万円 | -5.5万円 | -5.5% |
| FY2024 | 128.1万円 | +28.1万円 | 28.1% |
| FY2025 | 125.1万円 | +25.1万円 | 25.1% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
同業他社比較ではPER・PBR共に割安な水準にあり、配当利回りは業界平均を大きく上回っており魅力的です。一方で、信用倍率は0.23倍と売り残が買い残を上回る「売り長」の状態で、将来的な株価下落を見込む投資家が多いことを示唆しています。これは、短期的な株価上昇局面で売り方の買い戻し(踏み上げ)を誘発する可能性も秘めています。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
「中期経営計画2027」を策定し、EBITDAやROE目標を新たに導入して成長の道筋を明確化しました。
アーティスト「Ado」との大規模コラボキャンペーンを実施し、若年層へのブランド認知向上に注力しました。
第3四半期累計の連結経常利益が前年同期比22.3%減の64億円となり、原材料コスト増などが影響しました。
最新ニュース
理研ビタミン まとめ
ひとめ診断
「『わかめスープ』の食卓の顔と、食品・化成品の『縁の下の力持ち』を両立する化学の老舗」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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