日東ベスト
NittoBest Corporation
最終更新日: 2026年4月8日
コンビーフから冷凍食品へ。山形発の食のインフラ企業が「Reborn」で描く次の87年
食を通じて、社会に貢献し、人々の暮らしを豊かにする
この会社ってなに?
あなたがコンビニで買うお弁当のおかず、スーパーの惣菜コーナーのコロッケやハンバーグ、学校給食のメニュー——その裏側で活躍しているのが日東ベストの業務用冷凍食品です。外食チェーンや介護施設の食事にも幅広く使われており、知らず知らずのうちにお世話になっている「縁の下の力持ち」。株主優待では300株以上の保有でコンビーフやハンバーグなどの自社商品セットがもらえるため、食品好きの個人投資家にも注目されています。
1938年に缶詰メーカーとして創業し、日本で初めて国産コンビーフ缶詰を開発した歴史を持つ日東ベスト。現在は業務用冷凍食品が売上の約7割を占める主力事業に成長し、飲食店・惣菜売場・学校給食・介護施設など幅広い業務用チャネルに冷凍食品を供給しています。FY2025/3期は売上高558億円(前期比+2.9%)と過去最高を更新したものの、原材料高の影響で営業利益率は1.0%と薄利体質が課題です。中期経営計画「Reborn & Growing 2028」ではROE・ROICの改善を重点テーマに掲げ、2025年7月には販売事業の一部を子会社シロッコさがえに分割するなど事業再編にも着手しています。PBR 0.55倍と解散価値を大きく下回る水準で、株主還元強化が期待されます。
会社概要
- 業種
- 食料品
- 決算期
- 3月
- 本社
- 山形県寒河江市幸町4番27号
- 公式
- www.nittobest.co.jp
社長プロフィール
日東ベストは1938年の創業以来、「食」を通じて社会に貢献してまいりました。業務用冷凍食品のリーディングカンパニーとして、飲食店から学校給食、介護施設まで、全国のお客様の食卓を支えています。中期経営計画「Reborn & Growing 2028」のもと、事業再編と収益性改善に取り組み、PBR 1倍超えを目指して企業価値の向上に全力を尽くしてまいります。
この会社のストーリー
山形県寒河江市で缶詰メーカーとして創業。日本で初めて国産コンビーフ缶詰の開発・製造に成功し、食品業界に新たな歴史を刻みました。
事業拡大に伴い現社名に変更。缶詰事業を基盤に、冷凍食品や調理済み食品への事業領域の拡大を開始しました。
株式の東京証券取引所第二部への上場を果たし、全国展開のための資金調達基盤を確立。業務用冷凍食品メーカーとしての地位を固めました。
COVID-19の影響で主力の業務用冷凍食品の需要が急減し、売上高が489億円と大幅減収。外食依存のリスクが顕在化する転機となりました。
EC・一般消費者向け販売事業を子会社シロッコさがえに分割譲渡。プレミアムコンビーフの直売店もオープンし、BtoC事業の新たな挑戦が始まりました。
「Reborn & Growing 2028」で掲げるROE・ROIC改善、PBR 1倍超えの達成を目指す。収益性向上と株主還元強化で企業価値の再評価に挑みます。
注目ポイント
国産コンビーフ発祥の老舗として87年の歴史を持ち、業務用冷凍食品で全国の飲食店・給食・介護施設を支えるインフラ的存在。ISO9001・FSSC22000認証の品質管理体制で食の安全を守り続けています。
BPS 1,329円に対して株価746円とPBR 0.55倍。中期経営計画でPBR 1倍超えを目標に掲げており、達成すれば株価は約1.8倍の上昇余地があります。株主優待(自社商品セット)も加味した総合利回りは魅力的です。
事業再編で本体は業務用に集中し、子会社シロッコさがえでBtoC事業を展開する新体制を構築。プレミアムコンビーフや山形食材の直売店など、高付加価値路線への転換で収益性改善を目指しています。
サービスの実績は?
ひとめ診断
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| FY2016/3 | 15円 | 23.8% |
| FY2017/3 | 15円 | 15.6% |
| FY2018/3 | 15円 | 18.1% |
| FY2019/3 | 15円 | 25.2% |
| FY2020/3 | 12円 | 32.1% |
| FY2021/3 | 12円 | 20.7% |
| FY2022/3 | 12円 | 23.9% |
| FY2023/3 | 12円 | 59.7% |
| FY2024/3 | 12円 | 35.3% |
| FY2025/3 | 12円 | 37.7% |
300株以上:自社商品セット(常温品or冷凍品、1,500円相当)/1,000株以上:グレードアップ版 ※継続保有1年以上
配当はFY2020/3期に15円→12円に減配して以降、6期連続で12円を維持しています。配当性向は20〜37%と余裕がある水準ですが、FY2023/3期には純利益の落ち込みにより配当性向が59.7%まで上昇しました。PBR 0.55倍という割安水準と併せて、今後の増配や自社株買いによる株主還元強化への期待が高まっています。中期経営計画でも株主還元策として役員向け自社株報酬制度の検討が記載されています。
同業比較(収益性)
食料品の同業他社平均と比べると…
業績推移
儲かってるの?
売上高は5期連続で増収を続けており、FY2025/3期には558億円と過去最高を更新しました。業務用冷凍食品の需要拡大が牽引役です。一方、利益面はFY2023/3期に原材料高・物流費上昇の直撃を受けて営業利益が3.8億円と半減し、その後も回復途上にあります。FY2026/3期は当初の営業利益10億円計画を7億円に下方修正しましたが、それでも前期比+21.9%の増益見通しであり、収益改善は進んでいます。
事業ごとの売上・利益
飲食店・惣菜・学校給食・介護施設向けの冷凍食品を全国に供給。ハンバーグ、コロッケ、グラタン等の調理済み冷凍食品が中心。売上の約7割を占める主力事業
スーパー・コンビニ向けの弁当、おにぎり、パン等の日配食品を製造・販売。鮮度管理が重要で、製造拠点の立地が競争力の源泉
創業事業である缶詰(コンビーフ等)やレトルト食品。近年はプレミアムコンビーフなど高付加価値品にシフト。子会社シロッコさがえを通じたEC販売も展開
稼ぐ力はどのくらい?
| 期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 5.0% | 1.9% | 1.5% |
| FY2022/3 | 4.1% | 1.6% | 1.7% |
| FY2023/3 | 1.6% | 0.6% | 0.7% |
| FY2024/3 | 2.7% | 1.0% | 0.9% |
| FY2025/3 | 2.4% | 1.0% | 1.0% |
ROEは2〜5%台と食品業界平均(8%前後)を大きく下回る低水準にあり、資本効率の改善が最大の経営課題です。営業利益率も1%前後と極めて薄利で、原材料費や物流費の上昇を価格転嫁しきれていない構造的な問題を抱えています。中期経営計画「Reborn & Growing 2028」ではROE・ROICの改善を重点目標に据え、不採算品の整理やプロダクトミックスの見直しに取り組んでいます。
財務は安全?
BPSは1,329円と株価746円の約1.8倍であり、PBR 0.55倍は解散価値を大幅に下回る水準です。自己資本比率は38〜40%台で安定しており、財務健全性は良好です。FY2024/3期に有利子負債が約137億円と急増していますが、これは設備投資や運転資金に伴うもので、FY2025/3期には129億円に減少。総資産もFY2025/3期に約398億円と前期比約27億円減少しており、資産の効率化が進んでいることが窺えます。
お金の流れは?
| 期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 31.8億円 | -13.5億円 | -12.6億円 | 18.3億円 |
| FY2022/3 | 18.9億円 | -7.7億円 | -6.5億円 | 11.3億円 |
| FY2023/3 | 11.8億円 | -14.9億円 | 5.3億円 | -3.1億円 |
| FY2024/3 | 36.0億円 | -10.5億円 | -5.2億円 | 25.5億円 |
| FY2025/3 | 4,800万円 | -15.6億円 | -6.9億円 | -15.1億円 |
営業CFは年度によって大きく変動しており、FY2024/3期には36億円と好調だった一方、FY2025/3期はわずか4,800万円に急減しています。これは運転資本の変動(在庫増や売上債権の増加)が主因と見られます。設備投資は年間10〜15億円程度を継続しており、山形県内の工場設備の更新・増強に充てられています。FY2023/3期には財務CFがプラスに転じており、借入による資金調達を行ったことが分かります。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| FY2021/3 | 9.1億円 | 2.1億円 | 23.0% |
| FY2022/3 | 9.1億円 | 3.0億円 | 33.0% |
| FY2023/3 | 4.3億円 | 1.9億円 | 44.0% |
| FY2024/3 | 5.5億円 | 1.3億円 | 24.5% |
| FY2025/3 | 5.1億円 | 1.3億円 | 24.7% |
実効税率は23〜44%と年度によって大きな変動があります。FY2023/3期に44%と高くなったのは、税効果の変動や繰延税金資産の評価見直しが影響したものです。直近2期は約25%と法定実効税率(約30%)を下回る水準で推移しており、税額控除や持分法投資利益の影響が寄与しています。
誰がこの会社の株を持ってる?
金融機関+事業法人(46%) に加え、従業員持株会(4.75%)と内田家(内田真帆子1.79%=ウチダ・コーポレート/ウチダ・ホールディングスと同族)を安定株主に加算
筆頭株主は日東ベスト取引先持株会(12.81%)で、取引先企業が結束して株式を保有する安定株主です。第2位・第6位のウチダ・コーポレート(7.78%)とウチダ・ホールディングス(4.35%)は創業家・内田家の資産管理会社とみられ、第10位の内田真帆子(1.79%)と合わせて計13.92%を内田家が保有しています。農林中央金庫(5.00%)、山形銀行(4.95%)など地元金融機関も上位に名を連ね、山形県を代表する企業としての地域密着型の株主構成です。従業員持株会(4.75%)の存在も安定感に寄与しています。
会社の公式開示情報
事業別の稼ぎ
| 事業名 | 売上 | 利益 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 業務用冷凍食品 | 約390億円 | - | - |
| 日配食品 | 約140億円 | - | - |
| 缶詰・その他 | 約28億円 | - | - |
日東ベストは業務用冷凍食品を主力とする食品メーカーで、単一セグメント(食品事業)として開示しています。製品カテゴリーとしては、業務用冷凍食品が約7割、日配食品が約25%、缶詰・その他が約5%という構成です。業務用に特化した全国営業体制が強みで、飲食店から学校給食、介護施設まで幅広いチャネルをカバーしています。2025年7月にはEC・一般消費者向けの販売事業を子会社シロッコさがえに分離し、本体は業務用に集中する事業再編を実施しました。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2025/3 | 560億円 | — | 558億円 | -0.4% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| FY2026/3 | 6億円 | 4億円 | — | -33.3% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
中期経営計画「Reborn & Growing 2028」は初年度のFY2025/3期を終えた段階です。事業再編(シロッコさがえへのBtoC事業分離)は計画通り完了しましたが、ROE 2.4%は目標の5%に対して大きく未達であり、FY2026/3期は純利益予想を6億→4億に下方修正するなど、収益性改善は遅れています。売上高の成長は継続しているものの、原材料高の壁を超えられるかが今後の焦点です。
この株を持っていたら儲かった?
この会社の株主総利回り(TSR)を、日本株全体の平均(TOPIX)と比較したグラフです。青い線が上にあるほど、平均より良い成績を出しています。
直近2年間のTSRは-5.7%とTOPIX(-4.5%)をやや下回るアンダーパフォームです。2024年後半の好調な市場環境の中でも株価は軟調に推移し、2025年春には52週安値702円を付けました。FY2023/3期の大幅減益以降の業績回復が緩やかなことや、PBR 0.55倍という低評価が続いていることが要因です。ただし、TOPIX自体も2026年3月時点で下落しており、相対的なアンダーパフォーム幅は縮小傾向にあります。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証・示唆するものではありません。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2024/4 | 100.0万円 | +0.0万円 | 0.0% |
| 2024/12 | 97.4万円 | -2.6万円 | -2.6% |
| 2025/3 | 95.1万円 | -4.9万円 | -4.9% |
| 2025/12 | 92.7万円 | -7.3万円 | -7.3% |
| 2026/3 | 94.3万円 | -5.7万円 | -5.7% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER 22.6倍は食料品セクター平均をやや上回っていますが、これは業績下方修正によりEPSが低下した結果であり、割高というより収益力の課題を示しています。PBR 0.55倍はセクター平均1.20倍を大きく下回り、市場の成長期待は低い状況です。営業利益率1.0%はセクター平均5.5%を大きく下回り、収益性の改善が株価再評価の鍵となります。配当利回りも1.61%とセクター平均を下回っていますが、優待を加味した総合利回りでは投資妙味が増します。
メディアでどれくらい注目されてる?
メディア露出
メディア分布
競合比較
どんな話題が多い?
最近の出来事
FY2026/3期の通期業績予想を下方修正。純利益を6億円→4億円に引き下げ。売上高も600億円→580億円に修正。原材料費高騰や日配食品の不振が響く。
FY2026/3期第3四半期累計の決算を発表。売上高は3%増と過去最高ペースを維持するも、営業利益は前年同期比10%減と減益。経常利益は持分法投資利益等で6.5%増。
2026年3月末の株主優待内容を決定。300株以上で自社商品セット(1,500円相当)、1,000株以上でグレードアップ。常温品・冷凍品から選択可能。
子会社シロッコさがえが寒河江市に「日東ベスト直売店」をオープン。一般消費者向けの販売拠点として、プレミアムコンビーフや山形敬友金華豚などを販売。
冷凍食品等の販売事業の一部を会社分割(吸収分割)により子会社シロッコさがえに譲渡。EC・一般消費者向け販売を分離し、本体は業務用に集中する体制へ。
最新ニュース
日東ベスト まとめ
ひとめ診断
「国産コンビーフ発祥の老舗が挑む、業務用冷凍食品で全国の食卓を支える山形の食品メーカー」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。
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