第一工業製薬4461
DKS Co.Ltd.
まずこの会社は何者?
事業内容や経営者、企業の魅力をひと目でつかむ
ひとめ診断
この会社ってなに?
あなたが毎日使うシャンプーや洗剤、その泡立ちを良くしたり汚れを落としたりする主成分『界面活性剤』を作っているのが第一工業製薬です。それだけでなく、あなたが普段使っているスマートフォンのバッテリー性能を長持ちさせるための特殊な材料も手掛けています。さらに、建物のコンクリートを強くしたり、紙おむつの吸水性を高めたりと、目には見えないけれど暮らしの様々なシーンで同社の技術が活躍しています。普段の生活をより快適で安全にするための『縁の下の力持ち』、それがこの会社です。
第一工業製薬は、2023期に純損失4.07億円の赤字に陥るも、翌2024期には純利益11.74億円と黒字転換。続く2025期には売上高732.5億円(前年度比16.0%増)、営業利益53.51億円(同157.6%増)と急回復を達成しました。このV字回復は、生成AIの普及に伴うサーバーやスマートフォンの高性能化を背景に、電池材料や半導体関連の化学品の需要が急増したことが主因です。会社は2026期に売上高800億円、営業利益60億円と更なる成長を見込んでおり、高付加価値製品へのシフトが収益性を大きく改善させています。
会社概要
- 業種
- 化学
- 決算期
- 3月
- 本社
- 京都府京都市下京区西七条東久保町105
サービスの実績は?
なぜ伸びるの?
売上・利益・成長性の数字から、稼ぐ力を読み解く
稼ぐ力はどのくらい?
| 会計期 | ROE | ROA | 営業利益率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 6.9% | 3.0% | - |
| 2022/03期 | 6.4% | 2.9% | - |
| 2023/03期 | 1.0% | 0.5% | - |
| 2024/03期 | 3.0% | 1.3% | 3.3% |
| 2025/03期 | 6.0% | 2.7% | 7.3% |
| 3Q FY2026/3 | 10.7%(累計) | 4.1%(累計) | 11.7% |
収益性については、2023/03期期の不調を底として営業利益率が7.3%まで急速に回復しており、技術力を活かした高収益体質への転換が進んでいます。ROEやROAなどの資本効率指標も、業績の改善に伴い再び上昇基調にあります。今後も付加価値の高い製品開発を通じて、効率的な利益創出を目指す方針です。
儲かってるの?
| 会計期 | 売上高 | 営業利益 | 当期純利益 | EPS | YoY |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 591億円 | — | 25.6億円 | 252.0円 | - |
| 2022/03期 | 627億円 | — | 24.9億円 | 244.8円 | +6.0% |
| 2023/03期 | 651億円 | — | 4.1億円 | -41.9円 | +3.8% |
| 2024/03期 | 631億円 | 20.8億円 | 11.7億円 | 122.8円 | -3.0% |
| 2025/03期 | 733億円 | 53.5億円 | 25.9億円 | 270.1円 | +16.1% |
当社の業績は、高付加価値な工業用薬剤の需要拡大を背景に、2025/03期期には売上高732億円、営業利益53億円を達成し大幅な増益を記録しました。2023/03期期には一時的なコスト増や市場の冷え込みにより最終赤字を計上しましたが、以降は事業ポートフォリオの見直しや採算管理の徹底が奏功しています。次期2026/03期期についても、サーバーやスマートフォン向け電池材料等の成長により、売上高800億円を目指す強固な成長トレンドにあります。 【3Q 2026/03期実績】売上602億円(通期予想比75%)、営業利益71億円(同118%)、純利益42億円(同132%)。営業利益は既に通期予想を超過しており、上振れの可能性が高い。
業績の推移
売上高(青)と営業利益(緑)の年度別の伸び。バーが右肩上がりなら成長中。
同業比較(収益性)
化学の同業他社平均と比べると…
将来どうなりそう?
公式情報・ニュース・メディアから今後を読み解く
会社の公式開示情報
役員報酬
EDINET開示情報によると、界面活性剤や工業用薬剤を軸とした安定した事業ポートフォリオを有していますが、原材料価格の変動や為替リスクを主要な事業リスクとして特定しています。連結子会社12社体制でグローバルな研究開発を展開し、成長分野である機能性食品・健康関連事業へのシフトを加速させています。
会社の計画は順調?
※ 会社が公表した計画に対する達成度の評価であり、投資についての評価・推奨ではありません
年度別の予想精度(計画を守れてる?)
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 700億円 | — | 733億円 | +4.6% |
| 2024期 | 680億円 | — | 631億円 | -7.2% |
| 2023期 | 650億円 | — | 651億円 | +0.1% |
| 年度 | 当初予想 | 修正予想 | 実績 | 乖離 |
|---|---|---|---|---|
| 2025期 | 40億円 | — | 54億円 | +33.8% |
| 2024期 | 25億円 | — | 21億円 | -16.9% |
| 2023期 | 47億円 | — | 12億円 | -74.8% |
当初予想 = 期初に会社が発表した数字 / 乖離 = 予想と実績のズレ(+なら上振れ)
2023期は原材料価格の高騰などで営業利益予想を大幅に下回りましたが、その後の業績回復は目覚ましいものがあります。特に2025期は期初予想を大幅に上回る着地となり、生成AIブームを追い風に半導体や電池材料などの高付加価値製品が業績を牽引していることを示しています。現在の計画達成に向けた進捗は順調であり、市場環境の変化を的確に捉え、収益機会に転換する力が高く評価されます。
最新ニュース
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メディア露出
メディア分布
競合比較
この会社のストーリー
創業から現在までの歩みと、代表者の姿
出来事の年表
第3四半期連結経常利益が前年同期比79.5%増の69.2億円を記録。
株主優待制度を変更し、プレミアム優待倶楽部を導入。
合成・評価技術を活用した新規治療薬創出に向けた京都大学との共同研究を発表。
社長プロフィール
安心して投資できる?
財務・透明性・株主構成・リスクを点検
財務は安全?
財務健全性は安定しており、自己資本比率は約40%の水準を維持しています。2024/03期期より有利子負債が増加していますが、これは将来の成長に向けた積極的な投資戦略によるものであり、資産拡大に伴う健全な財務構造を保っています。十分な純資産を有しており、事業継続に必要な財務基盤は強固であると判断されます。 【3Q 2026/03期】総資産1095億円、純資産543億円、自己資本比率39.9%、有利子負債259億円。
お金の流れは?
| 会計期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 49.5億円 | 38.0億円 | 2.5億円 | 11.5億円 |
| 2022/03期 | 55.2億円 | 27.0億円 | 23.4億円 | 28.2億円 |
| 2023/03期 | 7.2億円 | 28.8億円 | 10.3億円 | 21.6億円 |
| 2024/03期 | 70.9億円 | 20.1億円 | 16.5億円 | 50.8億円 |
| 2025/03期 | 75.3億円 | 21.4億円 | 50.5億円 | 53.9億円 |
営業キャッシュフローは2024/03期期以降、70億円を超える安定した創出能力を取り戻しており、本業の稼ぐ力が向上しています。一方で投資キャッシュフローは、将来成長に向けた研究開発や設備増強に継続的に資金を投入しているため、マイナス圏で推移しています。フリーキャッシュフローも黒字化しており、健全な成長サイクルを確立できていると言えます。
この会社のガバナンスは?
女性役員比率は10.0%であり、今後さらなる登用が期待されます。監査役会設置会社として5,000万円規模の監査報酬を投じるなど、適正な監査体制の構築に努めています。連結従業員数1,000名を超える中堅化学メーカーとして、ガバナンスと透明性の高い経営を維持しています。
この会社のリスク
有価証券報告書に記載されている主なリスク要因です。投資判断の参考にしてください。
社員の給料はどのくらい?
| 期 | 平均年収 | 従業員数 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 当期 | 734万円 | 1,138人 | - |
平均年収は734万円と、日本の製造業における化学業界の平均水準と比較しても堅調な推移を見せています。これは工業用薬剤の国内首位としての高い技術力と利益率が、従業員の処遇に反映されているものと考えられます。
株主リターン・投資成果
リターン・配当・市場データを確認
平均よりも稼げてる?
この会社の株を持っていた場合のリターン(青)を、日本株全体の平均(TOPIX、灰)と比較。青い線が上にあれば、平均より良い成績です。
過去5年間のTSR(株主総利回り)は、全ての年でTOPIXのパフォーマンスを下回る「アンダーパフォーム」という結果でした。これは、2023期の赤字転落など業績が不安定だった時期の株価低迷が主な要因と考えられます。しかし、2024期以降の急激な業績回復と株価上昇はこのTSRデータに完全には反映されておらず、足元の力強い回復を考慮すれば、今後のTSRは改善する可能性が高いと評価できます。
※ 配当を含まない株価ベースのリターンです。過去の実績であり、将来のリターンを保証するものではありません。
配当・優待はもらえる?
| 期 | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|
| 2016/03期 | 10円 | 24.0% |
| 2017/03期 | 12円 | 25.3% |
| 2018/03期 | 14円 | 21.2% |
| 2019/03期 | 70円 | 27.5% |
| 2020/03期 | 70円 | 35.3% |
| 2021/03期 | 70円 | 27.8% |
| 2022/03期 | 80円 | 32.7% |
| 2023/03期 | 80円 | - |
| 2024/03期 | 65円 | 52.9% |
| 2025/03期 | 100円 | 37.0% |
| 権利確定月 | 3月 |
配当方針として利益成長に応じた持続的な還元を重視しており、2025/03期期には年間100円への増配を実施しました。配当性向の目標を定めつつ、安定的な配当維持と成長投資のバランスを取る経営を行っています。今後もキャッシュフローの創出力を背景に、株主への還元強化が期待される姿勢を維持しています。
もし5年前に投資していたら?
| 年度末時点 | 評価額 | 損益 | TSR |
|---|---|---|---|
| 2021期 | 100.0万円 | 0.0万円 | 0.0% |
| 2022期 | 77.6万円 | 22.4万円 | -22.4% |
| 2023期 | 56.4万円 | 43.6万円 | -43.6% |
| 2024期 | 105.7万円 | 5.7万円 | 5.7% |
| 2025期 | 83.9万円 | 16.1万円 | -16.1% |
※ 有価証券報告書記載のTSR(株主総利回り)に基づく仮定の計算です。配当再投資を含みます。将来のリターンを保証するものではありません。
株の売買状況と今後の予定
PER・PBRともに化学業界の平均を大きく上回っており、市場からの高い成長期待が株価に織り込まれています。一方で信用買い残が多く、信用倍率が24.95倍と高水準であるため、短期的な株価の需給悪化には注意が必要です。今後の決算で市場の高い期待に応え続けられるかが、株価を維持・上昇させる上での鍵となります。
税金はいくら払ってる?
| 期 | 税引前利益 | 法人税等 | 実効税率 |
|---|---|---|---|
| 2021/03期 | 43.1億円 | 17.5億円 | 40.6% |
| 2022/03期 | 41.9億円 | 17.0億円 | 40.6% |
| 2023/03期 | 12.0億円 | 16.1億円 | 133.9% |
| 2024/03期 | 20.6億円 | 8.9億円 | 43.0% |
| 2025/03期 | 57.4億円 | 31.5億円 | 54.9% |
法人税等の支払額は、経常利益の変動に合わせて推移しています。2023/03期期の実効税率が急上昇したのは、税引前利益が約12億円と低水準であった一方で、税務上の損金算入できない項目などの影響が相対的に大きく働いたためです。基本的には利益成長に応じた適切な納税が行われており、税務リスクは限定的と考えられます。
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第一工業製薬 まとめ
「京都の老舗化学メーカーが、生成AI時代の半導体・電池需要を支える『黒子役』としてV字回復を遂げている状態」
※ 本ページの情報は投資助言ではありません。掲載データは正確性を保証するものではなく、投資判断はご自身の責任でお願いします。